2020/11/27スポット

【スポット】右肩上がりに貢献するメダカ女子のスゴ腕☆冬支度に入った「めだか物語」(和歌山県海南市)

Pocket

ネット通販で初心者ユーザー向けに売り上げを伸ばす「めだか物語」。その前線基地は一体どこにあるのだろうと興味をかきたてられ、一路きのくに・海南市へ。地元のタクシードライバーでさえ「ん?聞いたことないなあ~。知らんなあ~」と完全否定(笑)。グーグルマップではちゃんと表示されるのに一体なぜ?そんな絶望的な反応にますます五感が刺激され、止まらないわくわく感。期待と不安で国道424号をひた走りながら、全集中の呼吸(笑)!

☆     ☆     ☆

◆ビューテホー女子がいる理由

グーグルマップだと簡単に見つかる「めだか物語」。ところが現地では、看板もそれらしきシチュエーションもありません。のどかな晩秋の風景の中にあるのは、まるで海のようにも見えるメダカ用プラ舟でした。国道454号でプラ舟とビニールハウスが抱き合わせで目の前に現れたら、そこがめだか物語の拠点と思ってください(笑)

 

国道454沿いのビニールハウスがメイン施設。メダカ物語のイントロダクション。冷え込みが厳しいこの時期でも、中は真夏のようなリゾートパラダイス。今日もきっと元気なメダカに会えることでしょう。早速お邪魔しま~す。

 

迎えてくれたのは、このご両人。おお、メダカに会いにやってきたのに、ビューテホー女子に出会えるとは(笑)。おふたりとも芯が強そう。「11の人全スタッフのうち、半分が女子なんです」。と仲 麻美さん(左)。また、会社勤めの経験もある大石恵理佳さん(右)は、「この仕事のほうがずっと愉しいですよ」と2人とも超ポジティブ。ちなみに、めだか物語のインスタグラムで登場するスタッフのほとんどが女子で、やっぱり華があります。

◆ネット通販が販売の中心

それぞれのプラ舟には、わかりやすく品種と価格が表記されています。このビニールハウス内の施設は一般売りのためのスペースですが、現在は平日のみ対応とのことでした。

 

メビナ、青みゆき鉄仮面、楊貴妃、ミックスなど、どちらかというと初心者・中級者向けの扱いやすい品種が多い感じです。

 

横見の際、きれいなラメが印象的な黒百式。

 

紅白みゆきは今冬価格。

 

三色ラメみゆきスワローはペアで12,000円。

 

日照時間が多いとじっくり時間をかけて赤くなっていく浮き草のフィランサス。根が短いため産卵床には不向きですが、隠れ家と鑑賞の一挙両得。ふわふわっとして可愛い葉が印象的です。

 

販売はもっぱらネット通販がほとんど。取り扱っているのは、どちらかというと初心者向けの品種が中心です。無選別のものを数匹セットで販売。色の乗り方は人それぞれに好みがありますが、うまくいけば好みのメダカが混じっている場合も。高級な品種に対するこだわりも特になく、手頃な価格で販売してメダカ飼育の楽しさを知ってもらいつつ、アクアの裾野をもっと広げていきたいというのが方針です。

◆2,000坪のメダカ用地

 ここから先は、いわゆるバックヤード。本格的なメダカ養殖場です。育成中のメダカにせっせとエサやりに忙しい恵理佳さん。現場仕事をする男勝りの長靴姿ってカッコいい。

 

手際よくチャッチャと、高速選別(笑)

 

紅白メダカに卵がいたので、それらを確保。毎日、何でもやらないといけないから大変でしょ?「いやあ、案外そうでもないですよ(笑)。毎日メダカの世話をしているのが楽しくて、時間もすぐに経ってしまいますから」。もうOLには戻れない?「無理です~(笑)」。

 

人気の「めだかの塩」はオーストラリア産。国産よりやや薄め。病気になってからではなく、病気予防のために日常的に使用しています。以前、名古屋の世界のメダカ館のバックヤードを取材した際も同じような話が聞けましたが、普段の飼育でも有効なんですね。

 

それにしても敷地の広いこと。メダカ養殖の用地だけでも2,000坪超。ぜひグーグルマップで、プラ舟の大群を探してみてください(笑)

 

屋外のプラ舟には、発送を間近に控えた出荷用Mサイズのメダカがビッシリ。和歌山の温暖な気候下で育っていくメダカたち、きっと健康に違いありません。

 

ひと仕事終えてズブズブの畦道を避けながら戻ってくる麻美さん。性格的にめっちゃマイペース?「そうなんですよ!みんなから言われます(笑)」。高校生の娘さんがいるとは思えない、エクステも真っ赤なSUVもイケてる超リア充女子でした。

◆メダカ飼育にも好環境な気候

恵理佳さん・麻美さんと談笑するオーナー・楠 健(つよし)さん。10年以上前に趣味で始めたメダカ繁殖でしたが、試しに某オークションサイトで売ってみたら月100万円の売り上げがあったそう。こうした好結果にすっかり気をよくして数年前には会社化。以来、ずっと右肩上がりを継続中。なぜ敷地がこれほど広いのでしょうか。「3年前に地元でメダカに関する講演をやったんです。すると、メダカ養殖に興味を持ち販売にも賛同してくださったかたの好意で、畑を超格安で借り受けたんです。それがきっかけでした」。なるほど、休耕地を遊ばせておくのももったいないし、メダカでなくても農作物などを栽培・生産すれば、地元の経済にも貢献しますから。

 

販売はネットだけ?「平日だけ来店にも対応していますが、直接買いにこられるお客さんはマニアの人が多いです。うまくタイミングが合えば、新種が格安で買えることもあるので、こんないいものがこんなに安く買えてうれしいです!と価値がわかって言ってくださるお客さんもいます。本当は週末もオープンすればいいんでしょうが、土日くらいはスタッフを休ませたいですから(笑)」。看板などをあえて積極的に出さないのは、そういう理由もありました。

 

先日、ネット通販の某モールで熱帯魚ランキングの1位から8位まで独占という快挙も。「うちに限ったことではないんですが、どのモールでも和歌山の出品者が一番多いんですよ」。へー、それは意外でした。農作物だけではなく、メダカ飼育も盛んな和歌山。これは初耳でした。農作物を育てやすい温暖な気候は、メダカにとっても好環境なのでしょう。

 

「顔を写されるのは、某国営放送の時たった1回だけやったのに(笑)」と楠さん。スミマセン、2回目を強要してしまって(笑)。女子スタッフを積極的に採用するのは、「第一に、辛抱強いから。ひょっとしたら、男子より根性があるかも知れませんよ(笑)。そうかと思えば、仕事に取り組む姿勢がていねいで、細かいところまで気がついてくれるのでメダカの飼育には適任だと思っています」。

◆地域に根ざした社会貢献も

時間があればYouTubeを見ているという楠さん。最近はYou Tuberの訪問も増えてきて、販促にもつながっています。自社によるPRも大切ですが、こうして客観的な視点でピックアップしてくれることはキワメテ大事!キワメテ!水族館も頑張ります!

 

季節はやがて冬へ向かい、メダカもシーズンオフに入ります。このため、借り受けた農地を利用して安納芋、レモンなどの栽培・収穫も。サイズ無選別家庭用として販売しているため、いいものが安く買えるとあって人気があります。これ以外にも、地元の農家から仕入れたミカンやカキの販売も行っています。「これがあるからスタッフに給料が出せるんです(笑)」 (楠さん)

 

近隣の障害児施設から、職業体験生を受け入れたこともありました。それがきっかけで、メダカ飼育のセットを施設に持ち込みアニマルセラピーならぬメダカセラピーの効果を実感したこともありました。新型コロナが収束したらメダカ飼育のノウハウをぜひ教えにきて欲しい、と施設サイドからのリクエストもありました。地元を愛するがゆえの地域における社会貢献。趣味から始めたメダカは、人から人へ橋渡しをしていくように「めだか物語」を紡いでいます。

Pocket