2016/11/26コケ, ショップ, スタッフ, テラリウム, 取材, 地域社会, 水槽, 水草

【スポット】好きなことを好きなだけ☆「日本一幸せな男」のジャングルバー(大阪市西区・CHLO)

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男の城。男の趣味。男の隠れ家。

なぜなんでしょう、男ってついついそういうものに憧れますよね。誰にも邪魔されず、自分の世界での陶酔。反面、コレクションが故に人に見せたくなる欲求。まあ、どっちでもいいんですが(笑)。

願わくば趣味と実益が一緒になって、「好きなことを仕事にできれば」なんて、誰もが思うこと。昼間はアクアショップのスタッフとして。夜になるとアクアリウムバーのオーナーとして。寝ている時間以外は好きなことにとことん没頭している日本一幸せな男「クロダ」が、ここにもいました(笑)

 

◆昼間はアクアショップのスタッフとして

 

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大阪市西区・地下鉄九条駅から歩いてすぐ。アクアリウムプロショップ・アワジヤといえば、「ああ、あの老舗ね」と、アクアファンなら一度は聞いたことのあるお店です。

その昔、氷屋からスタートしたという同店のオーナーもすでに3代目。最近は「生体そのものではなく、苔や多肉植物で構成されるテラリウムを前面に打ち出して、女性層にもアピールしているんです」(オーナーの淡路谷将明さん)とか。

アワジヤさんについては、後日じっくり取材してご紹介しますのでお楽しみに。

 

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さてさて、このお店のスタッフとして好きなアクアを仕事にしている「日本一幸せな男」が黒田祥知さん。弱冠32歳。長崎県諫早市出身。そして

オトコマエ(笑)。先日の記事でもご紹介した大阪動植物海洋専門学校のOBでもあります。アクアのメンテ会社を3年勤めたあとアワジヤさんに勤務しつつ、今年2月に自身のさまざまなコレクションを集めたユニークなバー「CHLO」をオープン。そう、2足のアワジ。。じゃなくてワラジを履いてます(笑)。

若いわりには落ち着きがあります。冷静沈着。コレクターならではの好奇心旺盛。そして無類の勉強家。思いつきやカンで動くタイプではなく、かといって理屈屋でもありません。ちょっといいように言いすぎ(笑)? いやいや、いずれにせよアクア業界を10年少し経験してきて、まだまだ伸びしろがあると自分で感じたゆえの開業だったのでしょう。

 

◆ワクワクの芽生えをお手伝い?

 

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一体、どんなコレクションなのか。気になりますよね。黒田さんいわく、「子どものころ自然の中で育ったせいか、地球の生命や自然の奥行きを感じるものが好きでした」。なるほど。しかしなんでまたバーにコレクションを集めたのでしょう。「ワクワクの芽生えをお手伝いしたかったんです」。え(笑)?「道端に咲いている花も朽ちかけた枝も、それぞれに生命があり進化がある。そんなことを考えるとワクワクしません?」。はあ、まあ(笑)。要するに理屈ではなく、五感を働かせてそれぞれのコレクションに何かを感じてくれたらいいのだと。コレクションを拝見して、「ほお~」とか「へえ~」とか思ったらいいんですね。「そうですそうです」。ふむふむ。ワクワクの意味が、少しだけわかったような気がしました。

午後8時までアワジヤさんで仕事をしたあと、午後8時半から12時までバーをオープン。月・水・金のみの営業。昼はショップのスタッフとして汗を流し、夜は自身のコレクションに包まれながらバーで働くスタンス。果たしてどんなコレクションと遭遇できるのか、どなワクワクと出会えるのか。夜のオープン時間にお店に伺うことにしました。

 

◆別世界への入口「白いとびら」

 

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午後8時30分。九条駅周辺。九条商店街はすっかり人通りも少なくなりました。

 

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かの有名な松島新地もほど近く、看板も何やら妙に色っぽい(笑)

 

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多くのバーがひしめくレジャービルの一角にありました。個人的には、「スナック金魚」も気になります(笑)

 

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4階に到着。この看板が目印です。「クロ」と読みます。でもドアは白色です(笑)。当然オーナーの名字からの由来もありますが、「葉緑体」=CHLOROPLASTからきているそうです。「世の中にあるすべては、葉緑体からの独立栄養機関なしでは成り立たないんです。そうした自然の営みというか流れというか、そういうものに感謝したいという気持ちを店名にしたんです」(黒田さん)。うーん、深すぎます(笑)

 

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真っ白いドアを開けると、目の前にはジャングルが。何種類もの多肉植物がライトに照らし出されて、ワクワクというよりゾクゾクして見ようによっては不気味かも(笑)。いきなり別世界に迷い込んだ気分です。

 

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その向こうの店内は。。。暗っ(笑)。思わず撮影に対する不安が頭をよぎります。「でしょうね(笑)。オープン前、壁を黒くしたいと言ったら、工務店さんにずいぶん反対されたんです。いくら何でも暗すぎるから白っぽい壁にすべきだ、って(笑)。でも結果的には、イメージ通りになったので満足しています」。思わず、“暗田さん”って言ってしまいそうになりました(笑)

 

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振り返れば、堀江の家具店でみつけてきたという掘り出し物のファニチャーが。アンティークなしつらえが、展示されているコレクションを引き立てています。「中身ですか?結構適当に置いてます」っておいおい、大丈夫(笑)?

 

◆150㎝の特注横長水槽はアマゾン川のイメージ

 

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そして何といっても見栄えがするのは、カウンターいっぱいに置かれていた超横長水槽。そう、これをインスタグラムでみて取材にこようと思ったんですから(笑)。

さすがアクアショップのスタッフだけあって、メンテが行き届いてめっちゃきれいです。照明や壁が暗いぶんだけ、水槽が一層映えてます。もし壁が白だったら、興ざめですよね(笑)。

 

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カウンターで泳ぐ魚を目で追いながら、好きなお酒をたしなむひととき。超非日常的な空間。なんと贅沢な時間なんでしょう。思わず笑みがこぼれ、ワクワクしてきます。

 

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水槽はKOTOBUKIの特注。長さ150×高さ20×奥行15㎝。インパクトありすぎです。どうしてもカウンターには象徴的なものを置きたくて、最初から水草水槽と決めていたそうです。こちらの感嘆をよそに、本人は至ってクールな表情をみせているのが悔しいです(笑)

 

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ネオンテトラ、ヤマトヌマエビ、ブラックモーリー、カージナルテトラ、グローライトテトラ、ソコロフィーテトラ、グラスブラッドフィンなど、小型の生体たちがここの住民。おうちの中には、丈夫な有茎水草を使用。水槽があまり高くないので、LEDだけでも育ちやすくCO2の添加も必要ないそうです。

 

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黒田さんによると、この超横長の水槽は「アマゾン川をイメージしました」だそう。しかもあえて飛び出さない生体を選びガラスブタをつけていないため、左側からのブクブクの効果もあり本当に川が流れているようです。

 

◆次から次へと黒田ワールド

 

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カウンターの真後ろには、メインのテラリウム水槽やら食虫植物の水槽やら色々と。黒田ワールド全開です(笑)

 

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一番上のテラリウム水槽にご注目。

 

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ガラスのとびらをそおって開けると、そこはもう熱帯雨林。ウツボカズラなどの食虫植物や、ウチワゴケやコケシノブダケなどのシダ植物、そして女子が好きなコケ。わずか90㎝の水槽に、大自然の営みを感じずにはいられません。

 

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その下には、現在成育中だというもうひとつのテラリウム水槽が。もう立派に育っているようにみえるんですが、黒田さんからみるとまだまだなのだそう。

いずれのテラリウム水槽も、これらを前面に押し出して営業展開を図るアワジヤさんならでは。さまざまなテクニックを習得できたのも、ある意味アワジヤさんにいたからでしょうね。

 

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一番下の4つのKOTOBUKIの水槽には、小さなプランツが育っています。女性だけでなく、最近は男性にも人気があるんですよね。

 

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まるで花火のようなかたちをしたドロセラパラドクサ。

 

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白い花びらが印象的なアフリカ産のウトリクラリアのリリラ。別名耳掻き草。花びらの形状が耳掻きに似ていることから、これも食虫植物の一種です。

 

 

◆モノの向こうにロマンがある

 

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貝殻ひとつひとつにも物語があります。「モノとしては小さな固体でしかありませんが、それらを手にしていると、どんなふうに生きてきたのか、どうやって自然界で価値を見出してきかのか、壮大なロマンを感じるんです」。貝殻をあてて目をつぶれば、渚の潮騒が聞こえてきそうで。。。なんちゃって(笑)

 

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世にも珍しい「種」がぶら下がっている光景には圧巻でした。こんなに大きい種なんてみたことがありません。種って小さいものじゃないの?的な(笑)。

 

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化石も各種揃っています。話すと長くなりそうなので、ぜひお店で現物をごらんあれ(笑)

 

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なぜかレーザーポインターも、ひとつの販促ツール。「お客さんからコレクションのことを聞かれた時、カウンター越しにこれで解説させてもらうんです」。まるで博物館の学芸員。なるほど、ぬかりなし。準備よすぎでしょ(笑)

 

◆CHLO珍コレクションベスト10

 

さてさて、ここで黒田さんが厳選した貴重なコレクションを紹介しましょう。図鑑気分でごらんください。言い忘れてましたけど、お店にあるコレクションのほとんどが売り物です。中には値札がついてないものもあるので、欲しい時や詳しい内容を知りたい人はお店で黒田さんと交渉してみてください。「それはダメです」と言う時もありますが(笑)

 

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【ナンヨウタカラガイ】どこかの南の島出身(笑)。つるんつるん。大きさは9㎝ほど。聞くところによると、酋長だけが身につけられることを許されていた特別なネックレスだったそう。

 

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【何かの結晶?】「いや、ぼくもよく知らないんです」ってそんな(笑)。たぶん鉱石。オコゼがパックリ開けたようにもみえる中は、まるでミニ鍾乳洞。

 

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【イルカの耳石の化石】これは超珍しい!別名「布袋石」。古代の千葉県の人には、イルカを食べる習慣があったとかで、浜に打ち上げられたイルカの骨からお守りにしていたサーファーも多かったそう。千葉県の知り合いからもらったそうです。

 

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【唐冠貝】デカ(笑)!人の頭くらいの大きさのある貝。人からもらったそう。内容不明。あかんやん(笑)!まあみなさん、理屈ではなく五感で感じとってください。

 

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【将軍エビの脱皮殻】なんじゃこれは(笑)。特殊なカラースプレーを用い何層にも色付けされて、メタリックな出来ばえに。手のひらに乗せると恐ろしく軽くて、乱暴に触ろうものならポロポロと壊れていきそう。「あ、ダメですよ!」。はいはい(笑)

 

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【イモガイ】自然に醸しだされる模様の美しさに感動したそうです。美意識もハンパないですね。

 

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【ひっつき虫各種】今回の取材ではこれが一番強烈な印象でした。「自分では動くことができない種子なので、人や動物にくっついて子孫を増やそうとするところにロマンを感じるんです」。とはいえ実際に触ってみると、ぞっとするような恐怖すら感じます。それぞれの種子には鋭利に尖った分や粘着性があるなどさまざま。左からライオン殺し、手前にウンカリーナ、その向こう側が悪魔の爪、そして右のボクシカタなど。それぞれユニークなエピソードがありますので、興味のあるかたはぜひググってみてください。

 

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この「悪魔の爪」なんて、拷問道具にしかみえません(笑)

 

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【旅人の木の実】強烈なブルー。食べられたくないからという警戒色なのだそう。すごい木の実なのにすごい智恵です。味のほどは不明ですが、確かに食欲を減退させる色ではあります。

 

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【モンキーポット】おなかをすかしたサルが種子を食べようと手を突っ込んだところ、手が抜けなくなってしまったことからこの名がついたというと伝説のエピソードも。驚いたのは、ぴったり収まる“蓋つき”であること。まるで規格品です(笑)

 

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【ウニ】みなさんのウニに対するイメージが変わったのでは?お寿司屋さんで食べるのとは全然違うでしょ(笑) 完全に乾燥してしまうと、ウニのイメージとはまったくかけ離れた美しい模様が印象的。最近ではお店でもファンが多いそうです。

 

◆初めて訪れても抵抗なし

 

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店内はまるでジャングル。アマゾン川が流れ、さまざまな熱帯植物が生い茂り、貝や化石などがひっそりと生命をつないでいます。もっといえば、ひとつの村のよう。そう、黒田村。そして、それぞれのコレクションに興味を示すお客さんは、黒田村の原住民でもあるのです。村長も原住民も、初めてくる人には超やさしいのがうれしいですね。

 

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さまざまなお客さんが来店します。アワジヤさんで噂を聞いた人や、ミナミのとあるバーで知り合った人、ツイッターなどのSNSで知った人のほか、専門学校時代のOBや教職員もやってきます。ざっとみる限り、極端なコレクターやマニアといった「変人」はいません(笑)。

 

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営業日にはほとんど来店する物静かな女性、「ここはまるで博物館みたいで楽しいです。私の隠れ家的な存在でもあります」と。あーなるほど、共通の趣味を持つお客さんにとっては、黒田さんはここでは博物館の学芸員的存在でもあります。

 

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偶然立ち寄ってすっかりファンになった女性も。この日は、4個目となるウニを買いにきたのだとか。「別にマニアじゃないんですけどね(笑)。たまたまみつけたウニの色やかたちに魅せられてしまって」。この人もすっかり黒田ワールドに洗脳されてしまってます(笑)

 

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100%カルシウムと化したウニ。マグライトを使って、こんな遊びもできるそうな。

 

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一人静かに飲む人、黒田さんとおしゃべりを楽しむ人、店内のコレクションに見入る人など、まるで3D的なすごしかたが可能です。営業時間の3時間半なんてアッちゅー間でしょ?と投げかけてみたら、お客さん全員が「うんうん」と(笑)。そんな居心地のいい環境をつくっているのも、黒田さんの人柄といえそうです。マニアゆえの押しつけや偏屈さはありません。

 

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――隔日とはいえ、結構大変でしょ?

「いや、別にそんなことはありませんよ」

――いやいや、昼間もお仕事をしてきてるわけだし。

「いやいやいや、本当にしんどいと思ったことは一度もありません」

――いやいやいやいや、いくら好きなことに没頭できるといっても、苦労のひとつやふたつはあったでしょ?」

「いやいやいやいやいや、それがまったくないんですよ」

堂々めぐりさながら(笑)。アクアショップのスタッフとして、メンテや接客で精神的・肉体的な疲れが残ってないはずがありません。でも取材を通じて出会ったお客さんをみていると、みんなが黒田さんのサポーターにみえてしまうから不思議です。仕事から解放されて癒しを求めてバーにやってくるのがお客さんなのに、一番癒されているのは黒田さん自身かもしれません。やっぱり「クロダ」は、どこの世界でも愛される運命にあるのかも(笑)

 

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子どものころに培ってきた感性や体験などを束ねて、そのまま仕事にしてきた黒田さん。常に感謝の気持ちを忘れず、自然の営みに逆らおうともせず。販促的なことも特にしていないのに、あるがままの姿で確実にファンを増やしています。

自他とも認める「日本一幸せな男」は、まだまだ進化し増殖を続けていくことでしょう。夜はちゃんと寝ないといけませんよ(笑)

 

■BAR CHLO■

営業時間☆月・水・金 20:30~24:00

所在地☆大阪市西区九条1-6-14 ジョイフル一番館4F

・ホームページ http://barchlo-biology.wixsite.com/chlo

・ブログ http://barchlo-biology.wixsite.com/chlo/blog

・Facebookページ https://www.facebook.com/barchlokujo/

・ツイッター https://twitter.com/BAR_CHLO

・インスタグラム https://www.instagram.com/chloro_kuro/

 

 

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