今年で7回目を迎える、全国屈指の植物主体のイベント「天下一植物界」。ああ、きっと主催者はドラゴンボールファンなんでしょうね(笑)。そして、なんちゃらショーとかなんちゃらフェアといったフツーのイベントタイトルではないところに、こだわりを感じずにはいられません。そうなんです、まさにここは植物ファンなら誰もがリスペクトする異種格闘技会場だったんです!
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◆ジャニーズ系グループと まさかのブッキング
場所は京セラドーム大阪・スカイホール。去年までは福島区でやっておられたそうですが、来場者のキャパを超えてしまったので広い会場を探していたところ、ここに決定。まさに異種格闘技にふさわしい会場となりました。
このイベント、これまでは「BB」の略称で親しまれてきたんです。だからここにもそういう標記が。
余談ですが実は会期中、嵐のコンサートとまさかのダブルブッキング(笑)。もちろん場所そのものはアリーナなので違いますが、ドーム周辺には朝早くからジャニーズ女子がたくさんいました。
近未来的なエスカレーターで上へ上へ。ドームのてっぺん目指します。いや、天下一を目指します(笑)
入口に到着。誘導のサインなどがとってもわかりやすく、受付体制もバッチリです。
開場を待つ人の列、まさに異種格闘技の開始前っぽい(笑)。みんな、ゲンキですかーっ!!!
正直、植物のことはあんまりよくわかっていません(笑)。いや、アクアに関してもアヤしい部分はちょこちょこありますが。しかし考えてみると、アクアで使われる水草だって植物です。テラリウムやパルダリウムに使うコケも植物。水中葉も水上葉も、みーんな植物。さらに、大きな意味でいえば植物だって生きものカテゴリー。生命を育てるという点ではアクアとまったく同じで、品種改良や掛け合わせも盛んに行われている現実を考えると、アクアと植物は意外に近い関係であることはいうまでもありません。
◆わからないならわからないなりに
会場には、数多くの植物がひしめき合っています。しかも京セラドームの建物構造ともマッチしていて、まるで植物栽培ファクトリー。ブース数は58。植物を生業とする生産者はもちろん、とことん好きな植物を研究しつくした植物のスペシャリストに至るまで、出場者のプロフィールはさまざまです。
ちなみに、出品者や出展者ではなく出場者という言い方は、あくまで異種格闘技だから。こんなところにもこだわりがあるのは、さすがです。
植物はアクアに匹敵するくらい実に多種多様。多肉植物、食虫植物、エアープランツ、熱帯植物、塊根植物などなど。おそらく、一般的にまだまだ知られていないディープな面白さや意外な生態など、深さを感じずにはいられません。
ということで、わからないならわからないなりにこれは面白い!と直感的に気になるものを、独断と偏見でフィールディングしてみました。
◆盆栽伝統の危機を救った若旦那
え、盆栽?盆栽も植物?ですよねー当然(笑)。愛知の大樹園さんといえば、盆栽に関しては黒松を最初に手がけたことで有名な老舗中の老舗。大小さまざまな盆栽が並び、どっしりと落ち着いた日本美を醸し出していました。
オーナーの鈴木卓也さんは弱冠33歳。盆栽って高齢の人が趣味でやるものだと思ってました(笑)。「みなさんそう仰るんですけどね(笑)。昔の人は10代や20代から始めていたんですよ。ただ、色々な事情で長続きするのが難しく、結果残ったのが高齢のかたばかりだった、というだけのことなんです」。なるほど、それでよくわかりました。であれば若い頃から興味を持って造形美を楽しむべきだし、若い頃から始めていればよかったと、あとになって後悔することもないでしょう。
かくいう鈴木さんは4代目。しかも4人すべてが女子だったという3代目のお子さんのうちの一人と23歳で結婚。イタリアンレストラン経営を夢見ていましたが、まったく興味のなかった盆栽に少しずつ惹かれ始め、やがて盆栽の虜に。これ以上の親孝行はありません(笑)
コンパクトサイズの盆栽・山紅葉。ただのモミジでありません。よくみると、太い幹がちゃんとあり、これが生命線であることがわかります。春には新芽が出て夏にはプロペラのように大きくなり、秋には真っ赤に色づくのだそうです。サイズはコンパクトでも、ちゃんと命があり四季を感じさせてくれるのですね。「冬にすべての葉が落ちてしまった時は、本当にまた葉をつけて赤くなってくれるのかなと、不安に思ったこともありましたけどね(笑)」。
◆東海地方で植物栽培が盛んな理由
ちょうちんに書かれた文字は「万年青」。これ読める人いますか(笑)?「おもと」と読みます。あー、これがおもとなのかと気付いたかたも多くいらっしゃるかと。
まるで老人ホームのような屋号の宝生園さん(失礼!笑)。創業は何と明治18年。300~400年の歴史のある古典園芸植物で、徳川家康が江戸城へ入る際に家臣の中にこれを献上したものがいると伝えられているほど、江戸時代には主に大名のもとで栽培が行われ、縁起物として流行したのだそう。このあたり、金魚飼育をサイドビジネスにしていたかつての武士のライフスタイルによく似ています。
おもと飼育の魅力は、やっぱり掛け合わせ。いわゆるブリード。自分でイメージしたものにどこまで近づけるか、イメージ以上のものができた時にはこの上ない喜びに感激できるのは、メダカ飼育や金魚飼育に似ている気がします。奥が深い!
オーナーはこの人、水野圭子さん。すでに4代目。愛嬌のある笑顔が印象的な女性オーナーです。そういえば、さっきの大樹園さんも愛知県だったし岡崎市だったし。「昔から東海エリアは園芸がさかんなところだったんですよ~」。そういうことでしたか。名古屋からの出場者がほかにも多かったのは、そういう理由だったんですね。
これは一体?曰く、鉢アート。昔の鉢は独自の伝統的技法でつくられていたんですが、もうちょっと派手でもいいんじゃない?と自らを奮い立たせて鉢アートに勤しんでおられるのが田代智裕さん。それはそれはハデなこと(笑)。ポップというかサイケデリックというか。動物などモチーフにした多くのアート作品が並べられていました。こうした努力も、古典植物を若い人にもアピールするためのねらいなんですね。
おもとと鉢とがドッキング。これがホントの鉢合わせ、なんつて(笑)
◆謎のプランツ女子・ウツボカズラコ
食虫植物のブースも当然。モウセンゴケやタヌキモ、ウツボカズラといった品種が代表的ですが、以前取材した八尾市在住の南あこさんは華道に食虫植物を取り入れ、しかも自宅に温室までつくってしまったという大の食虫植物好きだったことを思い出しました。
と思っていたら、ウツボカズラをモチーフとした小物を販売しているブースが近くにあったので、ちょい立ち寄り。ブースには、ウツボカズラをモチーフにしたショルダーバッグやポシェット、シザーケース、マグカップ、特製ランプなどなど。ネット販売はもちろん、咲くやこの花館(大阪市)とタイアップ販売もしているそうです。
お名前は?「うふっ、ウツボカズラコです♡」って、ウソつけっ(笑)。ウツボカズラが好きすぎて、5年前から自らのデザインでウツボカズラのグッズを製作販売している元アパレル出身の作家さん。ワンピースのカラーまですっかりウツボカズラ化(笑)。しかも「アリやゴキブリとかも好きなんです~♡」。もう返す言葉がみつかりません(笑)。
取材中にブース前を通りかかった男性。植物オタクかと思いきや、何と大阪動植物海洋専門学校(OAO)の北林遼也先生。こりゃ失敬(笑)。聞くところによると、2年前4月に「ポタジェガーデニングコース」が新設されたとのこと。これは初耳でした。OAOというと数年前に取材したペット専門学校なんですが、植物に精通したプロを育成するための新コース。北林先生自身も水槽レイアウトを担当しているらしく、やっぱりアクアとの接点は少なからずあるみたいで「機会がありましたら、またぜひ取材にお越しください!」と、ちょっとだけ兄弟漫才師・ミキの昴生似の北林先生(笑)。この日、残り1個となったウツボカズラのイラスト入りマグカップをご購入。きっと生徒に、「どや、これ可愛いやろ?」と自慢するに違いありません(笑)
あ、この子たちは大阪ECO動物海洋専門学校の女子!今回運営スタッフとして、多くの学生が各ブースで頑張っているとのこと。ウツボカズラのショルダーバッグが欲しくてたまらなかったそうなんですが、「予算の都合で。。。」とあえなく撃沈(笑)。でも最終的にはワンランクリーズナブルなタイプのバッグをゲットできたそう。よかったよかった(笑)
◆百獣の王もビビるライオンゴロシ
今回のイベントで一番楽しみにしたのが木の実。木の実というと、一般的にクルミや松ぼっくりなどをイメージしがちですが、ジャムこばやしさんのブースではさらにとんでもない珍品奇品が盛り沢山。
オーナーの小林智洋さんは3代目。しかも当初はジャム専門店だったのに、珍しい世界の木の実や種子に惚れ込んでしまいました。利益目的ではなく、自分が気に入ったものだけを追求し、それを好きな人に提供していく。このファイティングスピリットこそ異種格闘技。今では数多くの入手ルートを確立し、ネット販売を中心に知名度もアップ。そんな珍しい木の実が数多く出品されしかも直接買えるとあれば、注目されないはずがありません。
たとえばこれ、ライオンゴロシ。あーひとつ買って帰りたい(笑)。南アフリカを原産地とする多年生植物で、トゲトゲの種子がライオンにまとわりつき遠くへ移動して発芽するのですが、ライオンにとってトゲトゲはえらい迷惑(笑)。あまりにもの痛さに食事もとれず餓死するライオンもいるというような伝説があることから、こんな物騒な名前がつきました。そう、極端なひっつき虫だと思っていただければ。意志などを持たない植物が、こうして何かに依存して生命を持続したり拡張しているあたりに、ロマンを感じずにはいられません。
見るからにヤバい黒ツノゴマ。これも木の実の一種で、拷問道具のようなおぞましい外観から「悪魔の爪」などの英名がついています。このキャラには似合わない黄色い花を咲かせるのだそう。おそらくライオンゴロシ同様、この鋭利なツメ状のボディで動物や人にくっついて子孫を繁栄させようとしているのでしょう。見た目はエグくても、これもひとつの生きる智恵。健気に生きているのは、もしかしたら人間より植物のほうなのかも知れませんね。
レジ前にあったのが、ヤマアラシの針。へー、こんなものまで(笑)。季節により抜け落ちる習性があるため、抜け落ちたトゲだけを販売。決してみんなで寄ってたかってヤマアラシから引っこ抜いたものではありませんので誤解なきように(笑)
両先端ともかなり鋭利です。針のように尖っています。大きさがわかるようにノートPCの上に置いてみました。え?買って帰ったんかいって?はい、予算の都合でこちらをチョイスしました。ライオンゴロシは財布ゴロシでもありましたから(笑)
名古屋からきたという青年も、バウハブの実などまるでスーパーマーケットで食材を買うような勢いでたっぷり帰っていきました。「名古屋から大阪まで来た甲斐がありました。やっぱり直接モノを見て買えるというのは、このイベントの魅力ですね」と、とってもうれしそうでした。
こちらは中学1年生のお友だち同士。手にはマニアックな図鑑をしっかりと抱いたまま(笑)。アクア同様、子どものころから興味を持つというのは素晴らしいことです。そんな情熱を持ち続けてさえいれば、その道のスペシャリストになることは間違いありません。つい先日、セミの寿命について常識を覆した少年がいましたが、子どもの探究心はとどまることを知りません。日本の将来は、キミたちにかかっているのだ!
◆グレートトラバースはバイテンとともに
机の上に置かれているのは、昔懐かしい大型カメラで撮影されたポジフィルムの数々。あまりにも無造作に置かれているので、ここが何のブースなんだかサッパリ意味不明(笑)。そばには、おお~、これがまさに8×10(当時はエイトバイテン、もしくはバイテンと呼ばれていた)の大型カメラが。こちらもカメラマンの端くれ。何十年かぶりに遭遇した大型カメラとの遭遇に、思わず興奮してしまいました。
出場者は会社勤めの片山 響さん。それと植物と何の関係が?と思うでしょうね。実は片山さん、休みの日になると30キロ以上もあるバイテンのカメラと三脚を抱えて、八ヶ岳や日本アルプスなど、日本の高山植物などを写真に納めているグレートフォトハンターなのです。ブースでは、これまで撮ってきた花のポジフィルムを販売。ポジをルーペでライトをオンしてチェックするためのツールにちなんでつけられたブース名のLight-Boxは、いかにも片山さんのこだわりの象徴です。
それにしても、まだ20代の若さでなぜデジタルではなくアナログフォトを?しかも入手が難しいフィルムや現像にかかる費用だってバカになりません。「やっぱり解像度が優れていることでしょうね。ポジフィルムを見ていただくとわかると思うんですが、葉脈の1本1本や花びらのディティールや色彩などの表現力が全然違うんですよ!」。悪かったね、こっちはデジタルカメラで(笑)。
いずれ会社を辞めて、この世界に没頭したいのだとか。話を聞いてると、とっても情熱的でいきいきしています。よくもまあ、こんな希少なジャンルの若者をみつけてきたものです。「過去に神戸で行われたイベントで、今回の主催者のかたに声をかけていただいたんです。とてもうれしかったです」。若者にさらなるチャンスを与えてやろうというスカウティングが実を結んだイベント出場。主催者と出場者の良好な関係がよくわかります。イベントの中身がマニアックで濃いのも、こうした主催者の努力の賜物なのでしょう。
◆キーワードは「自生に近いこと」
さてさて、取材のクライマックスはやっぱりアクアでないと。今回、関西では初めて展示することになったという、あのADAさんがブースを展示。完璧なまでにレイアウトされた水槽や、テラリウムなどがさすがのセンスでディスプレイ。水を張って生体が泳いでいる水槽をみると、やっぱりホッとしてしまいます(笑)
「レイアウト水槽では、できるだけ自生している状態に近い雰囲気で再現してみました。もちろん前後の奥行や左右の配置にもこだわり、視覚的にも自然な感じで」と同社の高橋哲也さん。まるで、新潟のショールームがダイジェスト的にコンテニューしてきたような、そんなぜいたくな気分にさせられます。
こちらはアクアテラリウム。コケだけでなく、さまざまな熱帯植物が取り入れられ、植物とアクアが無関係でないことを証明するかのようなコンプリート感が満載でした。
マダガスカル産の塊茎植物・レースプラント。コンパクトな水槽の中で、ゆるやかな水流によりまるで風のようになびいています。植えてから4~5カ月で見頃を迎えるというレースプラント。シュリンプなどの小さな生体も飼育OK。しかもできるだけ自生に近いかたちのシチュエーションが可能なよう、専用ソイルなども今夏販売予定。たった一品種だけの世界観。しかも「自生に近い」というキーワードが印象的でした。
◆目には目を高いものには高いものを
やたらタッパのある青年がいたかと思いきや、やっぱり。以前取材に訪れた八尾市のアクアショップトールマンさんでした。今回は水草中心に販売。お店をオープンしてからファンが増え、ブースも朝から大盛況でした。
おお~、見慣れない感じのレイアウト水槽。これイケてますね~。店長の山田直也さんによると、ロシアのレナ川沿いにみられる自然岩の地形を水槽で表現したのだそう。世界遺産のレナ川石柱自然公園が、京セラドームに再現。実際には柱群の高さは150~300メートルもあるそうで、こんな高いものに着眼したレイアウトをつくるなんて、さすが目のつけどころがトールマンというしかありません(笑)
ほかにも、ついつい買って帰りたくなるようなミニサイズのテラリウムも各種。ここにも、しっかり熱帯植物が盛り込まれています。アクアショップではトールマンさんだけの出品でしたが、今後はもっとアクア系も増えて欲しい気がしました。何度も言うようですが、アクアと植物はビミョーにつながっていますから。
トールマンさんのブースのお手伝いをしていた青年2名発見。この子たちも大阪ECO動物海洋専門学校の学生さん。橋本竜太郎君(左)と松本侑樹君(右)。そういえば、今日初めて「キワメテ!水族館」のステッカーをプレゼント。あまりにも取材に没頭しすぎて、渡し忘れていたことをこの場で白状します(笑)
◆「島の小さな水族館」にはKOTOBUKIの水槽も
ちょっとした産地直送の野菜を販売しているような、いかにも道の駅っぽいシチュエーションのブースがありました。海洋自然博物館マリンジャムさん。海洋町?「いや海陽町です(笑)」。どこから?「徳島県です!」。ああ、海陽町の海洋ってことですね。ナットク(笑)!同博物館の戎田龍之介さん、反応が鈍くてゴメンナサイ(笑)
徳島県海部郡海陽町宍喰。もしかしたら、宍喰という地名でピンときた人も多いかも知れません。シーカヤックや海中観光船などのマリンスポーツのメッカとして知られ、徳島県とはいえほぼ高知県に近いことから太平洋にも面していることから、海の自然美はまさに天下一!
海部藍は、かつては徳島県全域で栽培されていたほどの植物がベース。藍染めといえば誰もが一度は聞いたことがあると思いますが、植物そのものをこうして見れる機会はめったにありません。
藍は昔も今も、種まき・植え替え・水やり・草とりなど短期間で作業しないといけないだけでなく、すべての工程がかなりデリケートなのだとか。そんな品質管理に守られた藍染め製品は、紫外線を遮断したり抗菌消臭などの効能があったりして、単に藍染めの見た目の美しさだけではないエコなところがミソですね。ちなみに、「かいふあい」ではなく「あまべあい」と読むそうな。でも地名は「かいふ」と発音。ちょっとややこしい(笑)
海部きゅうりも今やブランド野菜。気になったのは、海水や気水域の生体を展示した「島の小さな水族館」という施設もある点。戎田さん曰く、「ハゼを飼育している水槽はほぼKOTOBUKI製ですよ!」。それってホンマでっか!?ちょっと行きたくなってきました。もしかしたら取材で伺うかも知れないので、その時はサポートよろしくです(笑)
◆アクアショップで鍛えられた接客トーク炸裂
お~、クロちゃんがこんなところにいた(笑)。アクアはもちろん、テラリウムや熱帯植物、木の実などでびっしり店内を演出しているBAR CHLO(大阪市西区)も今回エントリー。今年春にアクアショップからバーのオーナーへ転身を図った黒田祥知さんが、ビールやソフトドリンクなどを出張販売していました。いうまでもなく、「キワメテ!水族館」御用達のお店でもあります(笑)
「イベントまでに(ビールを)めっちゃ試飲しました。フラフラになるくらい(笑)。おかげで、これはイケるというビールにたどりつき、それを来場者のみなさんにぜひ味わってもらいたくて」となかなか商売熱心。案の定、机越しに黒田さんのこだわりを聞きながら、それじゃこれくださいという感じでビールを買っていく来場者が多かったのは、さすがクロちゃん。「いやぁ~、何回も同じことを繰り返し言ってるだけです(笑)。アクアショップでの接客が役に立っていると思いますよ」。こんなビール屋、ちょっといない(笑)
クロちゃんのお店の近所でバーを営む宮城大二郎さんも、ブースに立ち寄り。雑談の中でアクアの魅力をあれこれ語ってみたところ、「じゃあうちも導入しようかな」と好感触。そうそう、商売繁盛間違いなしですから(笑)。いずれそんな日が到来したら、取材に伺いますからね~。
◆好きなものを好きな人に好きなだけ
ほかにもユニークなブースがたくさん。とても1度では紹介しきれません。しかも、国内はもちろんタイやシンガポール、エクエドルなどの海外からも原種ランやシダ、アンスリウム、ビカクシダなどもインバウンド。グローバルなイベントとなりました。恐るべきネットワークに感服です。
ハオルチアやエアーフランツのチランジア、ラン科のジュエルオーキッド,アグラオネマなどなど。これでもかというほど王道の植物も勢揃い。これだけのラインナップだけでもすごいのに、よくもまあ色々とマニアックなものが集まったものだと。出品に際するガイドラインも結構ちゃんとしていて、単に商売目的だとアウトの場合もあるのだとか。次代を担う若い人たちが、単にやりたいことをやるというノリだけではない、意外とクールな客観性を持ち合わせている点も、成功の要因だと思います。
ジャンルの壁を取り払った植物総合イベント。出場者も来場者も、好きな者同士。商売は二の次。来場者の身になったイベントとは、こういうことをいうのでしょう。
ふと会場を出たらこんなにもの人だかりが。しかも大半が女子。2日間、嵐はやっぱり強かったけど、植物界が天下一になるのも、そう遠い日のことではなさそうです。