9月19日から21日までの3日間、横浜赤レンガ倉庫イベント広場で行われた「AQUA COLORS2014魚の学校」には、多くの入場者が詰めかけました。
このイベントの「仕掛人」こそ、川崎在住の福島幸生さん。
以前はテレビ番組の制作会社でプロデューサーとして、あらゆるジャンルの取材を経験してきました。
ある日、ひょんなことでアクアリウムの世界を取材。
このことがまさか人生を一変することになろうとは、思いもしなかったそうです。
「ワンルームのマンションにおっきな水槽がデーン(笑)。
そんなスタートでした。
過酷な取材現場やパソコンに向かうことの多い世界の中で、アクアリウムは唯一仕事や時間を忘れることのできる癒しの世界だったんですよ」(福島さん)
その後、アクアリウムに特化したCS番組も担当。
福島さんの「アクアリウム熱」が冷めることはありませんでした。
「子どもがね、熱帯魚に夢中になって水槽をベタベタさわるんですよ。
それって、カメラを回しているときれいに撮れないじゃないですか。
でもそんなことより、子どもたちのまっすくなまなざしが強烈に印象に残っちゃったんです。
カメラなんてどうでもいい、これはもう自分でやるしかない、と心に誓った瞬間でしたね」(福島さん)
あれから7年。
ついにイベント会社を設立。
当初はイベントの後方支援にまわっていましたが、ついに福島さん自らが手がける単独イベントにまで成長しました。
会場では福島さん自らが陣頭指揮をとり、あっちへ行ったりこっちへきたり。
「イベントの主催者って、いつも眉間にシワを寄せて難しい顔をしてると思いません(笑)?
人を楽しませるイベントなのに、なんでそんな面白くない顔するの?ってよく思ってました。
お客さんはそんなところまで、敏感に肌で感じるものなんです」(福島さん)
言われてみれば確かにそうかもしれません。
もしかしたら、このイベントを誰よりも楽しんでいたのは、ほかならぬ福島さん自身だったのかもしれません。
子どもたちと積極的に言葉を交わす福島さん。
「子どもは宝ですからね~」(福島さん)
これぞイベントの「守護神」。
「いつもイベントを見守ってくれてます。
おかげさまで雨天中止になったこともないんです。
フグじゃないですよ、ナマズですよ(笑)」(福島さん)
福島さんいわく、「子どもたちには“さわる”ことから学んでほしいことがいっぱいあります。
特に男の子にとっては、魚やかぶと虫をさわれたということは、大きな成長の証でもありますから」。
「初めての水槽講座」では多くの親子が参加。
砂を敷く方法や流木のレイアウトなどを学びながら、アクアリウムを始めるきっかけになりました。
水槽セットのプレゼントもありました。
子どもたちが参加した〇×クイズ大会では全員にメダカをプレゼント。
「このイベントでは水槽もエサも売ってるから買って行ってね~」と相乗効果をねらう福島さんの心憎いアピールが印象的でした。
このイベントには、アクアリウム業界に進路を希望する学生さんがスタッフとして20人が参加。
「実際のイベントを通じて子どもたちとふれあうことで、将来の布石になればいいと思ってます」(福島さん)
最も人気を集めていたのが、来場者の投票によって最強のアクアリストを決めるA-1グランプリ。
どの作品も優劣をつけがたい素晴らしいものばかり。
カップルの姿も多く、エキゾチックなアクアリウムの世界を見入っていました。
最終日の21日、「A-1グランプリ」の優勝者が決定!
60㎝水槽部門ではアクアステーションピュアの惣川将一さんが優勝しました。
90㎝水槽部門の優勝はアクアモードインフィニティ代表・助川浩之さんの作品。
そして、フリー水槽部門でありA-1グランプリ総合優勝は、アクアフォレスト・プロアクアデザイナーの千田義洋さんの作品に決定!
なんと5年連続のグランプリを果たしました。
おめでとうございます!
3日間のアクアリウムイベントは幕を閉じました。
印象的だったのは、「ついで」に会場に足を運んだ親子やカップルが多かった点です。
しかもちっちゃな子どもからお年寄りまで、年齢層の広いこと!
これまで関心のなかった人たちが、こうしたきっかけでアクアリウムに興味を持ってもらう。
イベントが人を呼ぶのではなく、人がイベントを呼ぶのだと、つくづく感じました。
そして、関東のみならず関西にも「アクアリウム熱」が広がることを期待したいものです。