◆秋支度その前に
暑さもようやく一段落着きましたね。
人間や動物だけでなく、きっと水槽の魚たちもホッとしていることでしょう。
とはいえホッとしているのも束の間、秋はすぐにやってきてやがて冬支度しなければ。
いやはや、一年というのは本当に早いものです。
◆知られざる火災の要因
さてさて、秋から冬にかけての代表的なアイテムといえばやっぱりヒーター。
魚に適した飼育水の温度を保つには必須アイテムで、これがないと冬は越せませんよね。
ところがここ数年、ヒーターが火災の原因に結びついたケースもあるのをご存じでしたか。
こうした原因の大半は、ヒーターの表面温度が高熱を発したことによる自然発火だといわれています。
ヒーター本体が水中にあれば問題ありません。
しかし、水替えの時などにヒーターを取り出しついうっかり電源が入ったままのヒーターが新聞紙や布などの上に長時間放置されたままだと、発火の危険性があるんです。
もちろんヒーター本来の正しい使い方をしていれば、こんな大事には至らないことは、いうまでもありません。
ちなみに表面温度のボーダーラインは、400度といわれています。
400度以上になると、紙や布などが自然発火する危険性があります。
ヒーターを製作するKOTOBUKIなどのメーカーで組織する観賞魚用ヒーター安全対策協議会では 2012年、ヒーターの表面温度が400度を超えないよう統一基準規格を設け、自主的に安全性と品質向上に務めてきました。
◆経済産業省が法律化へ
これが安全基準適合マーク「SHマーク」と呼ばれるものです。
みなさんもこのシールを貼っている製品を店頭で見たことがあると思います。
表面温度が400度以上にさえならなければ、大きな事故に至ることはまずありません。
いわば安全のための目印です。
そして今年7月24日、経済産業省では同協議会にならって電気用品安全法を強化し、正式に「表面温度が400度を超えてはいけない」と定めました。
これで市販されるすべてのヒーターが適用の対象になりました。
このシールが貼ってある製品であれば、安心して冬支度に備えられるというわけです。
◆メーカーの取り組みが功奏
今季から正式に法律化された、ヒーターの表面温度の「400度以下ルール」。
そして、安全基準適合マークによって安全性が裏付けられた新規格適合ヒーター。
こうしたメーカー同士の安全性への積極的な取り組みが、経済産業省の正式な通達より3年も前から行われていたことは、頼もしい限りです。
ヒーターの取り替えや新規購入の際は、ぜひこの安全基準適合マークのシールを確認してみてくださいね。