第3回目を迎えた「アクアブリーダーズフェスタ」(ライブベアラーズクラブ主催)。グッピーやメダカなど、西日本を中心とした、年に1度のブリーダーさんたちの祭典です。どれもこれも、ブリーダーさんたちの交配努力によって生まれた、クオリティーの高い生体のオンパレード。今年は、過去最高の出品数となりました。心配されていた台風接近にもめげず、大成功を収めた理由は一体?
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◆開場前から長蛇の列
会場となった大阪市立中央会館に到着したのは午前11時。ええええっ!?もしかして会場間違えた!?とつい思ってしまうほど、会場は超満員。前日の台風で開催が危ぶまれたにもかかわらず、これには驚きました。開場前からすでに長蛇の列があったとかで、去年は入場者も出品者も少なくて寂しい思いをしただけに、この快挙を喜ばないわけにはいきませんでした。。
今回の出品者は15。はい、過去最高です。よかったですね~ホントに。そういえば、開催の数カ月前から、このイベントを告知するツイッターやFacebook、インスタグラムが活発でした。しかも、それぞれのSNSの発信状況は絶妙のタイミング。う~ん、今年は超本気やな~と予感せずにはいられませんでした。
無料配布と聞いて、魚のエサに群がる子どもたち。例年通り入場無料なのに、こんなサービスがあるというのはうれしいですね。
今年はビンゴに代わって、お楽しみ抽選会が行われます。それぞれのブースで何か買った人に必ず手渡される、特製チケット。豪華賞品が当たる午後から行われる抽選会の参加権でもあります。
◆初出品者いろいろ
おお~、今年はベタの出品もかな~り。改良ベタがとんでもなくリーズナブル。ちなみに出品者は、いずれも「日本ベタコンテスト2018」で上位入賞を果たしたツワモノばかりでアリマス。キミたちが出品しているのだから間違いない!
来場者とブリーダーさんとのほのぼのとしたやりとり。こんなシーンも、このイベントならではですよね。
えーーーー、早くもすごすぎでしょ(笑)。ワイルドベタ人気強し!
なんとなく濃いキャラの2人を直撃。いやいや、目が合ってしまったからには話を聞かないわけにはいかんでしょ(笑)。屋号は「キンペコ屋」。その由来は、プレコのキングロイヤルペコルティアから。なかなかマニアックですね~。
プレコの魅力は?「プレコは水槽の中でじっとしていることが多い生体ですが、それが逆に独特の存在感があることでしょうか。150㎝の水槽を区切って飼ってるんですけど、時々勝手に隣の水槽に行ってしまうことがあるんです」。と、野本さん(写真左)。ちなみにお仕事は介護福祉士だそうで、仕事柄プレコの“徘徊”にもすっかり慣れた様子(笑)。
東構さん(写真右/寝屋川市)も、野本さん同様プレコの魅力にとりつかれた一人。去年京都のショップ主催のプレココンテストでは、堂々2位入賞。「プレコは見た目と柄が勝負なんです。プレコで好まれるのは白色の部分が多い個体で、子育てではにオスが子どもを守るんですよ」。などなど、知らなかったエピソードを色々教えてくれました。
プレコは、ワイルドよりブリードした個体のほうが市場でも人気があるそうな。なので、キンペコ屋さんにはどんなオスとメスの組み合わせから生まれた個体なのか、きちんと表示された由緒正しいプレコばかりが並んでいます。やるね~、キンペコ屋(笑)!
◆植物に熱中する今時の若者
おお~、熱帯植物や多肉植物そしてモスも。このイベントではおニューのラインナップ。聞けば弱冠28歳の太田垣光洋さん(写真右)、正社員の道を捨てて「これで食っていこうかと思ってるんです」って。マジっすか(笑)?
もともと盆栽が好きだったという太田垣さん。これまた渋すぎ(笑)。そしてその興味はコケや水草へ。かつてはアクアをしていたこともあるそうで、すごく誠実で熱意を感じました。
今回はコケやアヌビアスが中心ですが、メインはエクアドル産のシストーチス。ジュエルオーキッドと呼ばれ、観葉植物の中でも葉っぱの模様を楽しむ種類のランです。実はこのジュエルオーキッドの交配を、将来はメインでやっていきたいそうです。
ちなみに、告知やPRなどは、ツイッターなどのSNSが生命線。この若者、もっと色々話を聞いてみたいと思いました。いずれ取材に伺って根堀葉堀、覚悟しといてくださいね(笑)。
こちらも植物ブース。生体が多かった去年までと比べると、グリーンのおかげで会場そのものが明るくなった気がします。観葉植物の中には大きくなってからしっかりと柄が出てくるものもあるらしく、こちらのブースではそれが想像しやすいように見本も一緒に置いてありました。
ちょっと気になるパルダリウムが一つ。小さな付箋に1カット500円の文字が。聞けばこれもベゴニアの一種。茎と葉っぱをどんどん伸ばしていくので、こんな風にこのベゴニアだけでパルダリウムの壁をつくることができるんですね~。
ちょっとちょっと、そこのスタッフ。来場者の子どもたちをビビらせてどーする(笑)?
「どうしても素顔がみたいですか?」。いいや、別に(笑)。グリーンマスク男、このブースの一スタッフであるものの、イベントを盛り上げるためにひと役買ってました。悔しいけど(笑)
◆ベタのアクセサリーも登場
今年はこんなブースも登場。野口さんご夫妻のブースでは、なんとベタをモチーフにしたアクセサリーを出品。実はこのご夫婦、先のベタコンテストにもお越しでした。その後インスタグラムを介して知り合いになり、今回レジンのアクセサリーを出品することになったのです。
ネットショップで知り合った作家であるsawaminさんのクオリティーの高い作品に惚れ込んで特別に頼んでつくってもらっているレジンの作品たち。小さな空間で生き生きと泳ぐベタがとても可愛らしいです。
わずか8㎜ほどの小さなレジンですが、存在感は十分。来年のベタコンテストでも、ぜひ出品しましょう~(笑)。絶対ウケます!
あ、エビオドリさん!この人もベタコンテストに参加されていた一人で、このイベントのことを話したらYouTubeで紹介してくれたりして、なかなかちゃんとした人です(笑)。
しかも今回は、シュリンプの脱皮不全の防止や水草の成長を促進するカムジーやシュリンプのエサとなる微生物の増殖や植物の育成を助けるヒュームスなど、シュリンプ関係の自作商品を多々出品されていました。
「あの人な、めっちゃ有名なユーチューバーらしいで!」。そんな声が会場でちょこちょこありましたよ~、エビオドリさん(笑)!早速、今回のイベントもYouTubeで紹介してくれていました。ン?「キワメテ!水族館」読むよりこっちのほうがわかりやすいって?ほっといて~(笑)!
◆強かったSNSパワー
さてさて、今回の会場でひときわ注目を浴びていたのがこのブース。熱帯植物のオンパレード。なんせ取材をしようと思っても、植物を買い求める来場者の数があまりにも多すぎて。案の定、「やっとひと息ついて喉を潤せたのが13時すぎ(笑)」という人気ぶりでした。
高松市より出品。「Silent aquarium」という店名は、かつてフィルターを使わず止水でグッピーを飼育していた静かな飼育環境に由来。今回は、「アクアをしている人たちに熱帯植物に興味を持って欲しくて」出品。販売されていたのは、ちょっとしたスペースにも置ける小さめのアグラオネマなど葉っぱが綺麗な熱帯植物でした。
イチオシはコレ!なんとピンクにラメの入ったベゴニア。深いピンクにキラキラのラメが本当に綺麗でした。
ちなみに、事前のツイッターでこれでもかというくらい何度も商品をアピールされていました。どうやら、そうしたSNS効果が今回の集客につながっていたような気がします。時代はもはやSNSが主流。個々がSNSで情報発信しつつ、それをまた出品者同士が情報を共有しリツイートなどによって拡散。この効果がいかに大きいか、今回まざまざと思い知らされました。
写真撮らせてね~、と頼んだら、あっという間にホワイトマスクに変身(笑)!そう、アクアリストはSNSには強いがリアルには弱い(笑)!そしてアクアのイベントにはなぜかマスクも多い!
◆来年は大阪国際交流センターで
午後3時からはお待ちかねのミニオークションがスタート。これも今年初めての試みでした。
オークションを進行するのは、ライブベアラーズクラブ事務局の藤原彦亮さん、あまりにもの来場者の多さに、ついつい笑みがこぼれてしまいます(笑)。
ブリーダーさんが手塩にかけていた生体、オークションだと市価の半分以下に。欲しい生体が今すぐ破格値でゲットできるとあって、これはやっぱり見逃せません。
そしてお楽しみ抽選会。オークション同様、場内は依然ぎっしりの人出。時計をみると午後4時。例年なら人もまばらになる時間なのに、ぜーんぜん(笑)
KOTOBUKIの賞品もありました!当たった人、おめでとうございます!
「来年もやります。開催日は未定ですが、例年ベタコンテストが行われている大阪国際交流センターに会場を変えて、さらにさらに盛り上げますので、みなさんどうぞよろしくお願いします!」(藤原さん)
◆年々パワーアップの予感
過去最高のブース出品。それにひきつられるように、来場者数も飛躍的に向上。ツイッターやFacebook、インスタグラムなどでの広報が大きな勝因だったことはいうまでもありません。
そして、出品者個々が情報を発信してきたSNSの拡散効果も見逃せません。特にハッシュタグ(#)により、簡単に情報が共有できるのもSNS時代ならではといえます。
「こんなイベントがあるとは知りませんでした」「SNSで知ってよかったです」「来年は絶対出品します」などなど、会場ではうれしい悲鳴があちこちで。
今年出品されたみなさん、来年も必ず出品しないとダメですよ~(笑)
3回目を迎えたイベント。まさに3度目の正直は、確実に次のステップに歩もうとしています。
印象的だったのは、特に観葉植物などのグリーンがひときわ目を引いていた点。アクアから派生するグリーン。水ものという点では、今後アクアの中で特異なジャンルを確立していくかもしませんね。やっはりグリーンはいい!
いやいや、キミのことやないから(笑)
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