2017/09/08取材, 地域社会, 未分類, 歴史, 自然, 観光

【観光】滝のしぶきがひんやりびっしょり心地よい「水源地の村」☆水のある風景vol.25

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「村に2つもダムがある」。

「冬になると氷瀑と化す滝がある」。

「ユニークな鍾乳洞もある」。

そんな噂を耳にして、ふと出かけたくなった8月でした。

さぞかし水もきれいだろうし、きっと心洗われるような水のある風景に遭遇できるに違いない、と。

「水源地の村」とも称される、吉野川源流でもある奈良県吉野郡川上村を訪ねました。

 

 

 

◆治水・利水の役割が大きい大滝ダムと大迫ダム

 

関西方面からくると、大滝というエリアが川上村の入口。ここが村の中心のようですが、民家はさほど多くありません。それもそのはず、面積269.26km2のうち山林がなんと約95%。このことからも、500年以上もの歴史がある林業中心の村であることがうかがえます。

 

この日は台風が通過した2日後だったせいか、吉野川の水量は多いものの水が濁っているのが残念でした。本来の清流の面影はまったくありません。

 

この村出身の土倉庄三郎氏は、いわば林業の父。没後100年を迎えるそうです。

 

林業の父の名前は、その功績を称えるべく川の壁面にもその名前が刻まれています。

 

目の前には大滝ダムの姿が。竣工は2012年と比較的新しく、近代技術の粋を集めてつくられました。村の治水や利水、そして発電設備としての役割も担っている、頼もしい存在です。

 

ゴウゴウという水のほとばしる音が聞こえてきました。台風の影響からか、ダムの放流が始まっていました。

 

景観まで意識してつくられたという大滝ダム。水の排水口もそれぞれがアーチ状になっていて、まるで要塞のような。写真でしかお伝えできないのが残念ですが、その迫力たるやなかなかすごいです。

 

ダムの反対側にはダム湖「おおたき龍神湖」が広がります。あいにくの大雨の影響で、水の色は全然アウトでした(笑)。台風一過、お天気にだけは恵まれましたが。

 

実はダム本体とは別に、充実した見学施設があるのですが、この日はあいにく休館日。施設では、防災と水とダムなどについて楽しく学べるそうです。見どころ満載で、特に豪雨体験のコーナーは一番人気なのだとか。水曜日であることが実に悔やまれます。

 

野趣あふれる露天風呂が評判の入之波温泉も、今日はお休みでした。それにしても、なぜここにだけ温泉が湧いているのでしょうか、結局それも謎のままでした(笑)

 

こちらはもうひとつのダム、大迫ダム。1974年に竣工し、大滝ダムよりも先輩格にあたります。大迫ダムも治水・利水や発電の役割を担っています。大滝ダムよりもやや小さい規模ではありますが、ダムのかたち自体はいかにもダムらしいオーソドックスなかたちをしています。

 

大迫ダムでも放流の真っ最中。ひとつの村に2つもダムがあることで、集中豪雨など吉野川の自然災害に長年苦しんできた村の不安もなくなりました。

 

◆万葉にも詠まれた「蜻蛉の滝」

 

川上村には、大小5つの滝があります。吉野川の源流の村として、水が豊富な川上村。さすが、「水源地の村」だけのことはあります。今回訪ねたのはそのうちの2つで、まずは「蜻蛉(せいれい)の滝」へ。

 

蜻蛉の滝は、「あきつの小野公園」の先にあります。公園内には、子どもたちが水遊びできるように整備されていて、黄色い声があちこちから聞こえてきます。

 

周りの雰囲気からして、チャチャッとたどり着くだろうと思っていたら、大きな間違いでした(笑)。公園を離れると、たちまち上り坂に遭遇。

 

意気を弾ませながら、石段をひたすら登ります。

 

おっと、これはヤバい(笑)!

 

キノコだって生えてます。

 

現着。

 

高さ約50m。万葉集にも登場する滝として知られ、奈良県指定の「やまとの水」のひとつとして選ばれています。周囲のほとんどが木陰のため、清涼感もたっぷり。ほとばしる飛沫をいつまでも見ていたい気分です。

 

しばし滝の流れとともに。どうかゴウゴウという音を、妄想してください(笑)

 

周遊路が整備されているので、山の中であっても道に迷う心配はありません。でも道は険しい。

 

シダ類やコケなどが多く群生し、テラリウムに取り入れられる材料がいっぱい(笑)

 

こんな野趣あふれるシーンもありました。

 

周遊路の反対側からみた蜻蛉の滝。

 

森の至るところから水が流れています。

 

ちょっとしたミニハイキングを楽しんで、蜻蛉の滝をあとにします。束の間の森林浴が楽しめました。

 

◆悩める「魔の水曜日」

 

そして次は「御船(みふね)の滝」へ。位置的には、川上村のほぼ真ん中に位置しますが、観光案内板が少ないのでちょっと不安感もなきにしもあらずで。

 

少し道を逸れると、こんなところにもきれいな水が流れています。勝手に滝の名前をつけたいくらいです(笑)

 

途中、水が段々になって流れていた「井氷鹿(いびか)の里」。キャンプやバーベキューなどのほか、あまご釣りも体験できるアウトドアスポットです。残念ながら、こちらも水曜日がお休みでした(笑)

 

滝に着いた~!と思ったら滝違い(笑)。よくみると「岩戸の滝」と名付けられています。観光パンフレットには5つの滝と紹介されていたのですが、ちゃんと明記されているパンフレットも別にあったりなんかします。ん~、謎です(笑)

 

車がやっと1台通れるような狭い道幅の林道をさらに進み、井氷鹿の里から車で15分ほどで到着。ここから130m。いよいよ本日のメインイベントです。

 

「御船の滝」でほとばしるマイナスイオン

 

 

石段を上って少し森へ分け入ると。。。お~、このヒンヤリ感はヤバすぎます(笑)。今さっき車を下りてきたばかりなのに、明らかに5度以上は間違いなく涼しいです。

 

滝までのアクセスは、この手作りらしき木製の橋だけが頼りです。突然山深い秘境にワープしたような、野趣あふれるシーンです。

 

流れの急な小川を横目にみながら。台風による大雨の影響で、水量も多い気がします。

 

時々ツルッとなりそうな足元にも注意して。真っ昼間なのに薄暗い個所がいくつもあります。それにしても、森林のにおいが心地よくて、もうフィトンチッド満載(笑)。

 

スリル満点の木橋。とはいえ、ヒールでさえなければ女性でも注意しながら歩けます。

 

自然ってやっぱりいいですよね。嫌いな人っているかな~(笑)

 

 

そして滝に到着。ここまでくれば、おそらく気温は10度は違うでしょう。高さ約50m。滝としてはさほど大きくはありません。しかし2段になって水が勢いよく流れ落ち圧巻です。そして、冬の冷え込んだ日には見事なまでの氷瀑に変身するそうです。これも一度見てみたい気がします。

 

水しぶきが容赦なく飛び交い、自然の大きさを感じずにはいられません。めいっぱい下がって滝と距離を空けていても、水しぶきが体中に鋭くあたってきます。なので、下から見上げるアングルが撮れませんでした。雨合羽でもあれば話は違ったかも知れませんが(笑)

 

でもそれがまた気持ちよくて。これだけ滝が近いと臨場感もひとしお。マイナスイオン全開です(笑)

 

川上村が「水源地の村」といわれる理由は、1999年から2年間かけて吉野川の源流部の一画を購入し「吉野川源流一水源地の森」として保存しているためです。ほぼ手つかずの天然林約740ヘクタールで、普段は一般の入山が禁止されているほど、動植物の自然が厳格に守られているそうです。とはいえ、特別な水源地でなくてもここにも自然の営みがあります。美しい水のある風景がいつまでも保たれるように、個々の努力が必要といえるでしょう。

 

◆ヤンキー座りでひたすら前進

 

気になるスポットがもうひとつ。定休日を心配してやってきたのですが、幸いここは大丈夫でした(笑)。「不動窟鍾乳洞」。1300年前に修験道の行者によって発見されたという鍾乳洞で、その名の通り不動尊が祀られています。

 

聞くところによると、この日は台風の影響で鍾乳洞の最深部までは入れないそう。「なので今日は20%offで結構です」と、不動窟を管理している女性。おかげで入場料500円のところ、この日は400円で入れました(笑)。

 

小さな入口を進んでいくと、うわ~寒っ!いきなりエアコンの効いている部屋に入ったみたいで、思わず首をすくめてしまいました。

 

前方をみると、岩と岩に挟まれてわずか40㎝ほどしかない通路に遭遇。果たして通り抜けられるのか、わかっていても不安になります。それにしてもいきなりユニークすぎます。入場早々、ヤラれました(笑)。

 

幅狭通路をなんとかやり過ごしたと思ったら、今度は高さ1mもないような閉所恐怖症お断り的な道が(笑)。誰ですかー、こんな鍾乳洞をつくったのは(笑)。果たして通れるのかどうか、ヤンキー座りみたいに腰をかがめないと通れないんです本当に。通過するのはわずか数秒のことですが、こんなスリリングでハラハラドキドキな鍾乳洞はみたことがありません。メタボな人やギックリ腰経験者は要注意かも知れません(笑)。

 

そして今度は下り坂にさしかかります。おそるおそるコケないように。すると。。。

 

おお~、激流が目の前に!ごうごう音を立てて流れています。大雨の後だけにちょっとビビリました(笑)。ここが「不動滝」。それにしても、こんな地底でごうごう滝が流れてるなんて絶景すぎます。

 

杓を使って滝の水を汲んで飲み干してみると、なんとまろやかな水なんでしょう。不動尊のやさしさが伝わってきた気がしました。

 

寒暖計をみると15度。地上の半分以下でした。

 

よくみると白いロープが張ってありました。なるほど、ここから先が今日は行けないルートなのだとすぐに認識。いえいえ、これだけでも十分堪能できました。

 

長さわずか140mと、鍾乳洞にしてはあまりにもミニマムなサイズでしたが、見どころがぎゅっと凝縮されている感じで、興味はつきませんでした。ちなみに不動尊という人は、どんな願いごとでも叶えてあげようと全力で努力してくれるのだそう。いつも他力本願で生きている人間にとっては、ありがたい話かも知れませんね(笑)

 

今きた道を逆戻りして外に出たとたん、またまた30度以上の世界に逆戻り。しかも目の前には、帰路となる階段が。わかっていたこととはいえ、鍾乳洞ならではのギャップは辛いものがありました(笑)

 

◆とっておきの水のある風景を維持していくのが村の使命

 

吉野川源流一水源地の森のことをたずねてみようと思い、「森と水の源流館」へ足を運んでみましたが、こちらも今日はお休み。さて、今日は一体何カ所のスポットでフラれてしまったでしょう(笑)。だいたい水曜日って、定休日のところが多いんですよね。たっぷり【水】にふれたいのに、ことごとく拒否られたのが【水】(曜日)だとは皮肉な結果でした(笑)

 

何百年もの間、緑と自然と水とともに、今も人々のくらしがある川上村。ダム建設によって水没を余儀なくされた村民も少なくありません。

 

その一方で、村から自然災害を守り、利水としての役割を果たし、自然環境保全に貢献してきたのも、2つのダムでした。

 

何より、村のそこかしこにとっておきの水のある風景が人々の心を潤ませ、くらしにしっかり密着しています。

 

川上村。このわかりすぎるくらいの村名の通り、とっておきの水のある風景をリードしていくのも、この村の使命かも知れません。

 

ただし!水曜日のお出かけにはくれぐれもご注意のほどを(笑)

 

★川上村の観光についてはこちら

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