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【スポット】メダカと温浴施設とのアクアな融合☆今春オープンした鈍川めだか水族館(愛媛県今治市)

Posted on 2021年11月19日2023年5月13日 by aquariummagazine

「日本一のメダカ水族館をつくりたい!」そんな熱い思いをカタチにして今春オープンしたのが、「鈍川めだか水族館」。改良メダカを中心に78種類がラインナップし、来場者の目を楽しませています。アクアショップ数が少ないことで、なかなかアクアにふれる機会のない人にとっては、まさに希少なアクアスポット。深まりゆく秋。今日も元気なメダカたちが、訪ねてくる人たちを待っています。

☆     ☆     ☆

◆昭和レトロな温泉銭湯

道後温泉や本谷温泉と並んで伊予の三湯のひとつ・鈍川(にぶかわ)温泉。今治市の静かな山間に位置し、ラドン含有量の高いアルカリ性単純泉の硬度はph9.9を誇っています。肌ざわりがよく、しかもなめらかで美肌効果も高いことから、良質の成分を求める温泉ファンや四国八十八カ所を巡礼する旅人たちにも親しまれています。

 

鈍川温泉の日帰り温泉施設のひとつ、「今治市鈍川せせらぎ交流館」。今春リニューアルが行われたばかりで、コロナ禍がひと段落したこともあり少しずつ活気を取り戻しつつあります。

 

施設のすぐそばを流れる清流から聞こえてくるのは、心地よいせせらぎサウンド。まさに施設名通りのシチュエーションがここにあります。時間を忘れて、いつまでも眺めていたい変わらぬ日本の原風景といえるでしょう。

 

館内に足を一歩踏み入れると、そこはもうすっかり昭和ワールド。施設リニューアルのテーマ「昭和レトロな温泉銭湯」の通り、昭和の懐かしさをベースに温かい雰囲気で来場者をおもてなし。肌で感じて目で楽しめる温浴施設として、県下でも希少な癒しのスポットとなっています。

 

昭和に生まれ昭和に育った人たちにとっては懐かしく、昭和を知らない世代にとっては新しいエモーショナルなシーンの数々。施設名通り、世代を超えた交流のスタイルこそが、リニューアルのテーマそのものでした。

 

昔懐かしいブリキ製の電車のおもちゃ。サイズも大きくインパクトは十分。かつては花形だった鉄道が、おもちゃのモチーフになっていた昭和時代。おもちゃひとつにも昭和の歴史が刻まれています。

 

昭和を代表する日本映画の数々。映画といえば映画館、邦画といえば寅さん・健さんがスクリーンを躍動していたのも、昭和の象徴でした。

 

アンティークなミシンも展示されています。もちろん当時は足踏み式。子どものころ、日の当たる縁側からカタカタとミシンを踏む音が聞こえてきたことを思い出します。

 

ほかにも昭和感満載のツールが、これでもかというくらいぎっしり。420円という入浴料だけで、こんなに昭和の空気に浸ることができるのは県下ではここだけかも知れません。

◆昭和レトロにメダカもひと役

そして2階の「鈍川めだか水族館」へアプローチ。子どものころにさらさら流れる小川で見たメダカたちと、時空を超えてのご対面。階下でたっぷり吸い込んだ昭和のにおいを、そのまま2階まで持っていくのが、せせらぎ交流館流の楽しみ方。

 

ここが、全国でも類をみないメダカオンリーの水族館。意外と広いスペースに、ゆったりと展示されていました。コの字型に水槽がオーソドックスに配置され、中央にはたっぷりと空間が。感染拡大は少しずつ落ち着きを取り戻しつつありますが、ここは公共施設。やっぱり密は回避しなければなりません。

 

メダカというと上見というイメージが強いですが、ここではすべて横見がセオリー。メダカ本来の持つ横見のパフォーマンスも必見です。

 

メダカもいわば昭和レトロ。せせらぎ交流館がリニューアルされる際、モノだけでなくいきものまで取り込もうとするコンセプトが、ものの見事にハマりました。全国でも希少なアクアと温浴施設のコラボレーションにほかなりません。

 

何より、入浴料だけで温泉利用はもちろん水族館まで観賞できるというのは、ほかではなかなか体験できないスポット。聞いたところによると、温泉を利用せずメダカだけを目的に来場する人も少なくないのだとか。ほかの県に比べてアクアスポットが少ないというのもありますが、昭和に対する郷愁も来場動機になっているかも知れません。

 

水槽の背景に見えるのは山々の美しい自然。まるでメダカのふるさとを見ているよう。そんな情景を見ているだけで、昔懐かしい童謡を口ずさんでしまいたくなりました。

 

ひと風呂浴びてここに足を運んでくるのは、激動の昭和を生き抜いていた人が多いのかも知れません。メダカと親しんできた昔に思いを馳せているのでしょうか、長い時間メダカに見入っている様子が印象的でした。

 

昭和を感じさせる生きものといえば、やっぱりメダカ。しかし、昔は身近で見ることができたメダカも時の流れとともに見られる場所が限られてしまいました。せせらぎ交流館の運営管理会社の社長さんが「日本でここしかないメダカだけの水族館をつくろう」という熱い思いは、そんな昭和の自然にも危惧した結果だったのかも知れません。

◆水族館にふさわしいツールとは

そんな思いを、しっかり受け止めて具体的なかたちに落とし込んだのが、地元でメダカの飼育・販売を行う今治市在住の塚本修平さんでした。しかもメダカの品種のセレクトだけでなく、メインツールとなる水槽や周辺機器などのチョイスもトータルにプロデュース。どんな水槽なら水族館にふさわしいか、来場者に懐かしさをメッセージできるか、そしてメダカに最適な環境を与えられるかが、大きな課題でした。

 

「水槽といえば、やっぱり信頼のおける国内メーカーがいいと思っていました。ですから、迷うことなく最初からKOTOBUKIの水槽と決めていました。展示表現としても30㎝が一番使いやすいですから。何より、丈夫で透明感が高いことがポイントになりました」(塚本さん)。会場レイアウトに際して、30㎝水槽に1種類を投入し5本の水槽を2段に振り分けてユニット化。高さもちょうどよく、これなら大人でも子どもでも楽な姿勢でメダカを観賞することができます。

 

照明もフィルターもKOTOBUKIで統一。「30㎝水槽として十分な機能を果たしてくれて、よかったと思っています」と塚本さん、プロデュース通り統一感のあるすっきりとした水族館となりました。

 

実は、オープン当初のメダカは58種類でした。場所も現在のところではありませんでしたが、鈍川温泉の新しい顔としてメディアなどでも注目されたことで来場者が急増。「それならもっと広い場所で多くのメダカをお客さんに見てもらおう」との声が強まり、現在の場所に落ち着いた次第です。施設の掲げたテーマが多くの人に伝わり、足を運んでもらったおかげです。

◆改良メダカのポテンシャル

最も人気の高い宇宙メダカ。1994年に宇宙飛行士・向井千秋さんが宇宙に連れて行って、「宇宙酔い」しなかった唯一の緋メダカが宇宙メダカと名付けられたことはあまりにも有名です。現在この子は28代目。

 

メダカなのに鯖と名付けられた種類。体内の黒っぽさに青みがかった背の色合いが映えています。その色合いがサバに似ているということから、この名がつきました。

 

バタフライ。メダカに興味がなくても、ついつい目をやってしまう個性的な品種。

 

オロチヒレ長。各ヒレが黒色で、おなかの部分も黒色。白い容器で飼っても色抜けしないのも特徴です。

 

今やすっかりメダカの定番となった幹之(みゆき)。

 

総勢78種類のラインナップ。昭和から時代が変わり、平成そして令和へ。時間の流れとともに改良メダカの種類は大幅に増えました。もしかしたら昔を懐かしがってメダカを観賞しにきた人も、独特の美しさやきらびやかさなど改良メダカのポテンシャルに面食らっているかも知れません(写真は白メダカ、エメラルドフィン)。

◆大活躍する「すごいんです」

塚本さんが絶賛したのは、KOTOBUKIの「すごいんです」ろ材シリーズ。曰く、「これをフィルターに追加したら飛躍的に水の汚れが軽減されました。当初は2~3日に1度水換えをしていたものが、適量を添加することで水換えの頻度は10日に1度に減りました」と絶賛。現在はメンテ全般をせせらぎ交流館に移行していますが、スタッフの負担軽減にも役立っています。

 

よく見ると、バックスクリーンもKOTOBUKIの製品でした。

 

それぞれの水槽には、誰でも理解できるように簡単な解説が添えられています。

 

バックヤードでは産卵床も待機中。

 

温泉マークをアレンジし、オスメスのメダカをイラスト風にあしらったシンボルマークも、今や地元が生んだひとつのブランドとしてすっかり浸透。運営管理会社の社長さんの思いを、パブリックな施設で実現させた鈍川めだか水族館。鈍川温泉だけにとどまらず、新しい今治市の観光名所として定着しつつあります。タオル産業やしまなみ海道のイメージが強い今治ですが、この先もしかしたらメダカも県の観光にひと役買う日がくるかも知れません。

 

昭和への回顧。そして未来への架け橋。大人たちはメダカと触れ合うことで懐かしさに心癒され、子どもたちはいきものに寄り添うことで命の大切さを知りつつアクアリストへとテイクオフする日がくるかも知れません。

 

せせらぎが紡ぐ、世代を超えたアクアや温泉との交流。高品質の温泉にどっぷり浸りながら、メダカと戯れる。そんな秋のひとときをすごしてみてはいかがでしょうか。

★取材協力/今治市鈍川せせらぎ交流館、ありがとうサービス、めだかやTSUKAMOTO

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