2020/04/17取材, 地域社会, 技術, 水族館, 水槽, 海水魚, 淡水魚

【緊急特別企画☆キワメテ!アンコールアワー①】惜しまれながら撤去された大阪の2大アクアスポット

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日本全国に緊急事態宣言が発令されて、約10日あまり。世界中がウイルスの危機に晒されています。外出自粛要請やテレワークを余儀なくされる今、「キワメテ!水族館」は緊急特別企画を敢行。この時期だからこそ振り返ることのできるアーカイブな企画を発出します(笑)。第一弾は、かつて大阪のキタとミナミにそれぞれあったアクアな施設をアーカイブ。残念ながら両施設とも撤去されてしまいましたが、今もなお人々の記憶に刻み込まれているユニークな2大アクアスポットでした。今までごく普通にあった日常。失われて初めてわかるありがたみ。適度な距離を保ちながら、おうちでゆっくりごらんを。

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◆ダイバーによるメンテがウリだったキタのアクアリウム

1984年、「川の流れる地下街」として注目を集めた阪急三番街オープン15周年を記念してつくられました。通称「水族館通り」。2メートル以上のアクリル水槽6基で構成され、見応え十分。大人も子どもたちもついつい足を止めたくなる場所。構造上風通しもよく,3密とは無縁のスポットでもありました(笑)

 

6基の水槽には、ハマクマノミ、トゲチョウチョウウオ、ネッタイスズメ、コバルトスズメといった海水魚と、イエローシクリット、キフォチィラピア・フロントーサ、ゴールデンゼブラなどの淡水魚がそれぞれ生息。ビッグサイズの魚が多く密集度もかなり。まさに水槽内は緊急事態宣言状態でしたが、“水中感染”もありませんでした(笑)

 

何といっても見せ場は、週一で行われるメンテでした。経験豊富なダイバーが水槽に潜り、約半日かけてくまなくゴシゴシ。しかも取材当時のダイバーさんは何と60歳。水槽の向こうとこちらで、通行人とあいさつを交わす微笑ましいシーンも印象的でした。後日、某新聞社が撤去の噂を聞きつけダイバーの連絡先が知りたいと連絡がありご紹介しましたが、清水さん今ごろどうしてるのでしょうか。

 

そんな話題がいっぱいの「かわいい水族館」も管理維持が難しくなり、2016年8月31日に惜しまれながら32年の歴史に幕を閉じました。カップルや友人同士のほか、小さな子どもの手を引いた若いお母さんの姿も。ちゃんとした水族館以外で、こんなに間近に水槽が見れるのは本当に貴重でした。もしかしたら、この施設に刺激されて水族館の飼育員やアクアショップのスタッフを目指した子どもたちがいたかも知れません。アクアを始めるきっかけは子どものころの体験が多い。そんな事実を再認識したのも、この取材があったからこそでした。

★過去の記事はこちら→【観光】大阪梅田・阪急三番街「かわいい水族館」のダイバーパフォーマンス

 

◆真夜中のメンテに凝縮されていたキタのアクアリウム

「かわいい水族館」の記事が配信されて約半年。ミナミにある水槽もぜひ紹介してほしいという読者からの要望があったことで、1日平均30万人の乗降客がある大阪メトロ・御堂筋線なんば駅へ。なんば界隈を遊び場所にしている人なら、知らない人がいないくらいの人気スポットが通称「なんば駅のアクアリウム」でした。名称的にはそのまんまですが(笑)

 

ここはキタとは違って、多くの人たちがまるでウォークスルーに乗っているようなスピードで、いかにも大阪らしい光景が繰り広げられていました。とにかく人の動きが速すぎて、まるでアジア圏の道路さながら(笑)。でもマニアは違います。人が多かろうが早足で通過しようが、我関せず。じっと水槽をみつめて、生体を確認している姿を何度も目撃しました(笑)

 

メンテの取材をしたいと申し出たところ、「じゃあ最終電車が発車したころにお越しください」。え、それって真夜中(笑)?かくして、昼間とはまったく違う光景を目の当たりにし、感動するやら大はしゃぎするやら(笑)。2人のメンテスタッフさんたちに密着取材を敢行。ともに夜を明かしたのでした。今だと、休業要請の対象になっていたかも知れませんね。あ、でも濃厚接触があるわけではないから大丈夫か(笑)

 

ここのウリは、季節ごとに中身が変わる演出。さまざまな工夫がされていました。取材時はちょうど受験シーズン。この日はこんな縁起のいい飾り物が、水槽に彩りを添えていました。季節ごとに変わる演出。生体もさることながら、それを楽しみにここを通る人も多かったようです。

 

グッピー(タキシード)、カージナルテトラ、ラミノーズテトラ、トランスルーセントグラスキャットフィッシュなどの小型魚が中心でした。キラキラした高揚感のあるミナミの施設。しかしながら、キタ同様こちらも突然の撤去宣言。まさかとは思っていましたが、半年足らずの間にキタ・ミナミ両アクアスポットが消失。2018年10月23日(火)、水槽展示が終了されました。この時も、別の某新聞社から編集オフィスにに問い合わせがあり、アクアのWEBメディアの立場から思いのたけをぶつけて記事として掲載されたことだけが、唯一の救いでした。

 

何気ない日常でくらす人々。失ってわかる喪失感。かつて人気を二分していたそれぞれのアクアスポットの前を今も通ることがありますが、柄にもなく感傷にひたることもしばしば。出るのはため息ばかり。あー、またマスクがくもってしまった(笑)

★過去の記事はこちら→【観光】大阪の20年間をみつめてきたミナミの魚たち(大阪地下鉄難波駅)

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