2022/01/28スポット, 人物, 技術, 製品

【ショップ】こんなアートなメダカ屋みたことない☆ワンランク上を目指す星龍目髙(東大阪市)

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プラ舟もなく睡蓮鉢もなく、高価な個体がいるわけでもなく。ほぼ水槽オンリーで構成されたエンターテイメントな異次元空間。メダカショップというより、メダカアートギャラリー。よくもまあ、ここまでかたちにしたものです。もしかして儲けは二の次?いやそんなことはないはずです(笑)。やりたいこととこだわりがいっぱい詰まったメダカショップ。見どころ満載の一日でした。

☆     ☆     ☆

◆アクアショップとは思えぬビジュアル

中小企業の倉庫や工場が数多く建ち並ぶ東大阪市の一角。ここが星龍目髙の前線基地。え、なんでこんなところに?しかも店舗は貸し倉庫の中?それはまた追々に。

 

ブルーの和風タペストリーが目を引きます。和風テイストでありながら、どこかモダン。このセンスのよさが、きっとショップにも生かされているのでしょう。一体どんなオーナーがどんなショップをつくったのでしょう。それに屋号も気になりますよね。それも含めてまた追々に(笑)。

 

 

ちょちょ!なんで車(笑)?しかもベンツって。よく見ると、エアロなどのドレスアップパーツがカッコいい。メダカ屋に車って一体?早くも頭の中が混乱しつつハテナマークがオーバーフロー(笑)。どんな理由があるんでしょう。それもこれもすべては追々に(笑)。

 

ようこそ、星龍目髙へ。え、これがメダカ専門店?白を貴重にスッキリしたパフォーマンス。思っていたイメージとはまったく違いました。いきなりヤラれた感じです(笑)。

 

いやいや、とてもアクアショップには見えません。水槽や什器がぜいたくな間接照明や空間と相まって、心地よすぎます。オープンしてまだ1年足らず。グランドオープンは3月だそうですが、噂が噂を呼び、早くも客足は好調です。

 

まるでギャラリーのようなテイスト。水槽ではなく、絵や写真が飾られていても何の不思議もありません。ポカンと空いた口もなかなか塞がらず。うーん、こんなメダカ屋、みたことない(笑)。

◆メダカとの出会いはある日突然

オーナーはこの人、久保田昌良さん。本業は、車の販売やメンテなどを行う経営者であり、ベンツのエアロパーツなどの製作も手がけるプロダクトデザイナーでもあります。なるほど、だからさっきのベンツなんですね。ちょっとだけわかってきました。

――なんでまたメダカを?

「生駒山の麓に500坪ほどの土地がありまして。それまでビニールハウスで水耕栽培をしていた農家のかたが仕事をやめて、離れることになったんです。となると、土地が余ってしまいますよね。さて一体どうしたものかと(笑)。そのころ新しい犬を飼い始めたこともあり犬が家族中好きだったので、ドッグランでもつくって始めてみようかなど、色々思案していたんです」

――土地の有効活用ですね。

「それでも結論が出ないでいたところ、古くからの仕事仲間がメダカでも飼ったらどうかと言ってきたんです。いきなり何を言い出すねん、って思いましたけど(笑)」

――それまでメダカに関する興味とか知識とかは?

「全然(笑)。急にメダカと言われても、メダカなんか飼ってどうすんねんって感じで、最初はまったく関心がありませんでした。メダカでメシは食えそうにないし(笑)」

――それでも強く勧められた?

「そうなんです。ちょっと計算してみたんです。ペアで飼い始めたメダカが1日10個卵を生んだとしたら、1年で一体どのくらいの卵を生むんやろう?それが大きくなったらいくらで売れるんやろう?しかも500坪の土地がメダカでいっぱいになったら、、、これはえらいことになるぞと(笑)」

――とらぬメダカの皮算用(笑)

「数字的に見れば、飛行機が買える!とはしゃいでしまいました(笑)」

――この場所をショップにした理由は?

「メダカをやると決まって物件を探そうとしていたところ、空き倉庫になっていたこの物件のオーナーとたまたま会う機会があったんです。車関係のお客さんだったんですが、メダカのことを話してみたらオーナーも大のメダカ好きだったんです。案の定、とんとん拍子に話がまとまっていきました(笑)」

――またもやメダカとの縁を取り持ってくれた人(笑)

「結局、格安で借りることができたんです。ほんと、オーナーには感謝です。もしあのタイミングで大宅さんとオーナーがいなかったら、メダカは始めてなかったかも知れません。いや、始めてなかったでしょう」

――星龍目髙という名前は?

「若いころから夜空にキラキラ光る星が好きだったんです。2人の娘の名前にも「星」の一字を取り入れていますし、本業の社名もズバリstars。そうなると、やっぱりメダカ屋にも星を使いたいじゃないですか。このネーミングは必然だったのだと思います」

 

久保田さんを挑発した張本人がこの人(笑)。久保田さんとは何十年もの付き合いがあり、元々アクアリストの大宅秀仁さん。きっとこんな日がくるだろうと、目論でいたのでしょうか(笑)。本業の合間を縫って、メダカのために苦労を惜しまず什器を製作。しかも現役の車のパーツ製作者なので、腕は確か。本来の仕事仲間としてだけでなく、星龍目髙の共同経営者として久保田さんを製作面で力強くサポートしています。

◆メダカリウムが生み出したもの

メダカ飼育というと、どちらかというと上見で外飼いというイメージが強い感がありますが、ここではメダカもアクアリウムにカテゴライズ。そんな思いが、「メダカリウム」というワードを生み出しました。もしメダカが水族館にいたら、たぶんこんな感じになるという発想からでした。「どうせメダカ屋をやるのだったら、ほかがやらないことをしてみたかったんです」。

 

水槽が空中に浮かんでいるような雰囲気をつくりたい。ショップを立ち上げて最初のイマジネーションをかたちにしたのがこれでした。何という無謀なイマジネーションなんでしょ(笑)。25㎝角のキューブ水槽を7本使って、天空の水槽を創出。星龍目髙のシンボルゾーンでもあります。

 

よく見ると、15㎝だけ壁面にビルトインされています。横から見ると、ゴージャスな額縁にも見えたりなんかします。

 

使用しているキューブ水槽は、やっぱりKOTOBUKIでした。

 

外から見るとこんな感じ。サテライトビューまであったとは、聞いてなかった(笑)。ついつい誰もが見入ってしまうことも計算済み。何というエキゾチック&ファンタジック。天空の水槽でふわりふわりとメダカが空を舞う久保田ワールド(笑)。

 

テーブルの上にはKOTOBUKIの「アーク」が。これもある意味宙に浮いているような感じが共通点。空に広がる星が好きな久保田さんならではのチョイスだったかも知れません。「カッコいいですよね。観賞魚用品を扱う問屋さんで初めてこれを見たんです。コレはいい!と決めました。願わくば、もっと小さいサイズがあってもよかったような」。いやいや、アークをここまで気に入ってもらえるとは。これをカッコいいといえる久保田さんのセンス、ハンパない(笑)。

 

ん?この水槽の構造はどうなってるんでしょ。まるでマジックミラーのようなラビリンス水槽の中で、メダカがあっちに見えたりこっちに見えたり。

 

正解はこちら。実は4本のノーマル水槽をパズルのように組み合わせたものでした。たかが組み合わせ、されど組み合わせ。これぞ水槽を使ったエンタテイメント。「市販の水槽を組み合わせるだけで、異次元な世界を創出できるんです」。星龍目髙は、単にメダカや水槽を販売するだけでなく、こんなエモーショナルな空間まで売っているのです。「そこはお金になりませんけどね(笑)」。

◆車のデザインがショップにも

今日、いち早く紹介したかったのがこれ、ノッポの水槽。サイズは20×20×75㎝の完全オリジナル。久保田さん自身も一番のお気に入りです。正面から入ると真っ先に目に飛び込んでくる視覚効果。まさに久保田さん推し。

 

天空の水槽とタワマン水槽との華麗なるオーケストレーション。かつて見た香港のビクトリアピークの夜景を連想してしまいました。

 

タワマン水槽に敷かれたまあるい石は一体?「石ではなく廃材となったガラスなんです。それを大きなドラムで回すとガラスそのものの角がとれて、やがてこんなかたちになるんです」。まさかガラスだったとは。しかも廃材利用なんて環境にもやさしい久保田さん(笑)。材料そのものは、アクセサリーやネイルアートにも一部で使用されていますが、メダカのアクア用品として取り扱っているのは星龍目髙オンリー。これも人の縁がつなげてくれた副産物だとか。一目見て買っていく女性も結構いたりなんかします。商品名はまだありませんが、この際星龍石と名付けません(笑)?

 

 

これをメダカのショップに使えないだろうか。星龍石に限らず、いつもそんなシンプルでダイレクトな発想が実に前向き。ちょっとしたことかも知れませんが、日常でいつもそんなヒント探しをしているからこそ、こんな商品も生まれたのでしょう。頭の中はもうメダカでいっぱいなのかも(笑)。

 

そして最新作。15×15×45㎝のオーダー水槽。今日イチオシのノッポ水槽のいわばジュニア版といったところです。「メダカって上下にも活発に泳ぐことを、この水槽をつくって改めて知りました(笑)」。見ていると、確かに上へ下へ元気に泳いでいます。まさしくこれもタワマン水槽、きっと住民は高層階でハイソなくらしをエンジョイしているに違いありません(笑)。

 

それぞれのタワマン水槽にも星龍石が。電気じかけでは決してないのに、角度によってはまるで宝石のように光り輝いています。ガラスと聞いていなかったら、きっと新しいタイプの照明だと思っていたに違いありません。それにしても、イチオシのアイテムを取り入れて心憎いほどの演出。いやあ、どれもこれも見せ方がヤバすぎます(笑)。

 

これ以外にもネタは豊富。これは和風テイスト。信楽焼の器を使ったオーバーフロー方式で、水流が上から下へ。よく見ると、下の部分は枡が使用されていました。

 

耳をすませていると、風流なウォーターサウンドが心地よく。上で水生植物を観賞しながら、下でメダカを飼育するといったナチュラルな使い方ができそうです。

 

苔アーティスト・苔えくぼさん作による苔テラリウムの委託販売も。苔えくぼさんの作品が買えるのは、大阪ではここだけ。どれもコンパクトサイズながら、見ているだけで癒されます。いやいや、見ているだけでは困るんですけど(笑)。

 

こぢんまりとしながら、苔アーティストならの繊細な作風が印象的。きっと女性がターゲットなのでしょう、これならすぐに買っておうちに持って帰ってどこにでも置けそう。

 

ほかにもまだまだご紹介したいシーンがたくさんありましたが、いずれもクリエイティブなセンスが光るものばかりでした。しかも絵に描いた餅ではなく現実性・実用性も兼ね備えていて、こんなやつおらへんやろ~みたいなものはありませんでした(笑)。

 

最初は車とメダカとの結びつきがよくわかりませんでしたが、これでしっかりつながりました。車のデザインを手がけた人がアクアのデザインをすると、こんなふうになるんだと。

◆耳を疑った仰天プランとは

奥様の知美さんと。なかなかアクティブなご主人ですね。「もう言い出したら聞かないんですよ~(笑)。しかもやることが早い。やり始めたら後へは引かない。もちろんこだわりも強い。だからついていくのに必死です(笑)」。

 

そんな知美さんのアイデアがかたちになった愛犬・ケリーくんにちなんだミニシュナウザー関連のペット用品や、ちょっとしたドッグランのスペースも。ああそっか、もしあの時メダカが話題になっていなかったら、500坪の土地はメダカ養魚場ではなくドッグランになっていたかも知れなかったんですよね。

 

ね、ケリーくん(笑)。

 

レストスペースもちゃんと完備。この時期、もちろんブランケットも。レストスペースではカフェもスタートし、人と人とのコミュニティーも生まれています。「メダカでも車でも犬でもなんでも構わないんです。人が集まってくれる場にしたいんです。人と人が集まれば、また面白いことも生まれますから」と、まだまだやることはいっぱい。久保田さんの頭の中は、一体どうなってるんでしょ(笑)。

 

単にメダカや用品を販売するのではなく、メダカを通じたライフスタイルの提案を今後も続けていく星龍目髙。こんな飼い方ができますよ、とアピールする場でありながら、これくださいというお客さんがいたらオールインワンでチャッチャと売ってしまえるアイテムを揃えているのも、ユニークです。

 

店に一歩足を踏み入れると、そこがもうレイアウトの提案だったりユニークな飼育のノウハウが詰まっていたり。「水族館みたいでしょ?」と久保田さんは言いますが、むしろ夢のあるおもちゃ箱に近いような気がしました。

 

今、星龍目髙にはとんでもない仰天計画もあります。敷地の中に川をつくるという、耳を疑うような壮大なプランがかたちになろうとしているからです。ウソでしょ(笑)?「水槽のいくつかを川に見立てて、上から下へ水を流す感じです。それだけではありません。ビオトープをつくって、メダカと水草とを同居させてお客さんに自然を満喫してもらおうと考えているんです」と、真顔で話す参謀の大宅さんはすでに本気モード(笑)。久保田さんに負けない発想と実行力を持ってすれば、必ず実現することでしょう。

 

日々アップデートする星龍目髙。久保田さんのアイデンティティがいかんなく発揮された星龍目髙。何度も言いますが、こんなメダカ屋、みたことない(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

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