酒どころとして有名な京都・伏見の一角。
御香宮(ごこうのみや)神社は、約1100年も前に建てられました。
暮れも押し迫った一日、清和天皇の「御香宮」にちなんで名付けられた由緒ある神社を訪れました。
地元では「ごこうさん」の愛称で親しまれている御香宮神社。
少しずつ新年の準備も始まっています。
その昔、香りのいい水が境内から涌き出て、その水を飲むと病気が治ったと言い伝えられてきました。
そして「御香水」と名付けられたようです。
水量が豊富で保存状態もよいとかで、現在もここに水を汲みに訪れる人が多く茶道や書道、生活用水の一部として持ち帰る人も少なくありません。
昭和60年に「名水百選」に選ばれたことで、「御香水」はすっかり有名になりました。
特筆すべきは、桃山の伏流水であるということ。
そしてこの名水は、酒どころ伏見に多くの恩恵を与えてきました。
今日でも酒造りが盛んなのは、実は「御香水」が原点だったのです。
現在の「伏見」という地名も、「伏水」からきたものだといわれているほどです。
境内には、江戸の庭師・小堀遠州によってつくられた石庭もあります。
ここにたたずんでいると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚さえ覚えます。
徳川家康や豊臣秀吉、坂本龍馬など幕末の志士も訪れたといわれる御香宮神社。
その一方で歴史に振り回された経緯もあり、決して順風満帆ではなかった神社でもありました。2014年も間もなく終わりを迎えます。
人の一生もなかなか順風満帆とはいきませんが、年の終わりにあたって悪いことは水に流して気分一心で2015年を迎えたいものですね。
「キワメテ!水族館」をご愛読いただきありがとうございました。
来年もみなさんに、「いい流れ」が訪れますようにお祈りしています。
【御香宮神社】
京都市伏見区桃山御香宮前門前町
お問い合わせ先 TEL075(611)0559
ホームページ http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/