平成13年にオープンした天然温泉「千寿の湯」(大阪府堺市)。
樹齢数千年の屋久杉を使った上質のお風呂を始め、岩盤浴・酸素浴など新しいスタイルのお風呂も積極的に取り入れて、大阪南部を中心に毎日多くの利用者で賑わっています。
オーナーの住吉勝則さんは泉大津市の海で育ち、大人になってからはタカラガイの飼育をきっかけにアクリアウムの魅力にとりつかれてしまったという、根っからのアクアリストでもあります。
「自宅で色々飼ってたんですが、せっかくなら多くの人にみてもらいたいと思いまして」(住吉さん)、オープンと同時に180㎝水槽を導入しました。
お風呂から上がったお客さんがくつろげるスペースの前には、色鮮やかな水槽の中に海水魚が優雅に泳いでいます。
お風呂にきたことも忘れて見入ってしまう子どもや若いカップル、そして高齢のご夫婦など、興味を示すお客様の年齢層の広いこと☆
年代を問わず楽しめるアクアリウムの特徴を物語っています。
住吉さん曰く、「1~2時間見入っておられるお客さんもいますよ」。
すごいですねー、横に置いてあるテレビが負けてますよねー(笑)
まるで別世界のようなシーンが広がっています。
幻想的で色鮮やかな海水魚はやっぱり魅力的です。
よくみると、魚の種類を写真で紹介したパネルも。
「子どもたちにも興味を持ってもらいたいんですよ。
今の子どもたちは、自然を相手に自由な発想で遊べるところがない。
あったとしても、自然を相手に遊び方を知らない。
命の大切さや水の環境がいかに大事か、熱帯魚を通じて教わることはいっぱいあるんですがね」と住吉さん。
そうだそうだ、と大きくうなずいてしまいました。
いますねー、いっぱい☆
ヒトデもいるいる!
カラフルで可愛い魚ばっかり♪
子どもたちにとって注目度ナンバーワンはやっぱりカクレクマノミ。
ニモの人気、以前強し!
ちょっとタイ似のポークフィッシュやインドキンギョハナダイ、レモンビールなどなど。
「以前は小さい長さのサメもいたんですよ」(住吉さん)
えー、マジですか!
ちょっと見たかった☆
住吉さんが今一番のお気に入りがコレ☆
ブラックバンドエンゼル。
なんと、この日の取材のために、「仲間」に入れてくださったそうな。
ありがとうございます!
コラコラ、そんな顔してこっち睨まんといて(笑)!
どうかほかの魚たちとうまくやっていってねー♪
取材中も興味津々で水槽に見入るお客さんも。
どうぞどうぞ、時間の許す限りゆっくりみていってくださいね。
よくみると水槽の手前に30㎝ほどの「踏み台」が。
「子どもたちに近くでみてもらおうと思いまして」(住吉さん)
なるほどー、メンテするにも便利いいですよね、と噂していたら、どこかで見たようなTシャツを着たスタッフがやってきました。
スタッフの「正体」は、先日取材にうかがったペットバルーンのスタッフ・今村勇史さんその人でした。
「千寿の湯」創業当時にアクアリウムを導入後、現在は今村さんが維持管理の担当だそうです。
メンテは概ね2週間に1回、エサやりや簡単なコケの除去以外のメンテすべてを請け負っています。
—–メンテの手順は?
「まずはコケの生え方をみます。
それによって魚の状態に影響してきますので。
もし何か変わったことが起きていたら、その原因をみつけださないといけません。
何よりも、魚が死んでしまうことが一番哀しいですから」と今村さん。
仕事に対する情熱もさることながら、命に対する熱い思いと魚に対する深い愛情を感じずにはいられませんでした。
コケの除去や水換えはもちろん、ろ過装置のチェックも怠りません。
魚が快適にすごすためには、水質環境の安定が何より。
メカに対する高度な技術も要求されます。
—–いつもどういう心がけでお仕事を?
「お客さんにとってベストな方法をいつも考えています。
何か不足していることはないか、どうすればもっと快適な環境がつくれるか、などです」(今村さん)
—–オーナーの住吉さんがアクアリウムのことをよくご存じなので、結構神経を使うのでは?
「どのようなかたであっても同じですよ(笑)
やることはやらないと」と今村さんが言えば、「むしろお互い魚好き同士だから気持ちがわかるんです。
そういう点で言えば、今村さんのような熱いスタッフに担当してもらってよかったと思います」(住吉さん)
メンテは信頼関係があってこそ。
一件落着!
—–お、これは!?
岩盤浴へ通じる廊下には、ガラス貼りの「床下貝博物館」が。
全部ホンモノ。
ガラスの上を歩いてもビクともしません。
そしてもちろん住吉さんの趣味(笑)
そういえば住吉さん、「浜育ち」でしたものね。
アクアリウムの原点をみた思いがしました。
—–水槽のメンテも大変でしょうけど、お風呂はもっと大変なんでしょうね。
「いやいや、仕組みはまったく同じですから。
快適で安定した環境を維持するためには、メンテや清掃など仕組みは同じです。
でももしかしたら、アクアリウムのほうがデリケートで大変かもしれません(笑)」
12月1日、「千寿の湯」は、創業13周年を迎えました。
お風呂とアクアリウムによって、13年間多くの人を癒してきました。
「千寿の湯」を訪れた歯医者さんがこれをみて心奪われ、待合室にアクアリウムを導入した例もあります。
もうすぐクリスマス。
「千寿の湯」は、クリスマスのみならず毎日のように「癒し」をプレゼントしています。
そして来年もまた、より多くの「寿」がみなさんに訪れますように☆
●天然温泉「千寿の湯」
599-8114
大阪府堺市東区日置荘西町1-18-8
TEL072(287)3726
営業時間/午前10時~翌2時(年中無休)