中国・四国から関西・関東、はたまた東北まで幅広くチェーン展開を図る総合ペットショップ・ペットワールドアミーゴ。
♪アミーゴ アミーゴ 大好きアミーゴ♪のテーマソングを、店内で耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
数あるアミーゴの中で2番目に新しい店舗が、今年5月20日にオープンしたばかりのアミーゴ伊丹店です。
とはいうものの、半径約3キロ圏内には大型ショッピングセンターやホームセンター、チェーン店などの競合店も多数。
そうした激戦区にあって、いかに個性を打ち出し差別化を図っていこうとしているのか、気になるところです。
オープンから約半年。
同店の最新情報を織りまぜながら、ご紹介したいと思います。
◆ベッドタウンの中核に位置
アミーゴ伊丹店は2フロア構成。外からみても結構デカいです。規模的には、もしかしたらこれまで訪れたペットショップの中で、一番大きいかもしれません。茶色系のシックなカラーが印象的です。
伊丹市に位置していますが、ほとんど宝塚市に近く宝塚市から伊丹市、そして西宮市へつながる幹線道路に面していることもあり、立地条件は悪くありません。まさにベッドタウンの中核にある総合ペットショップです。
幹線道路沿いには、大型ショッピングセンターや大小さまざまな飲食店、衣料品店などが数多く建ち並び、車もひっきりなしに通っています。周辺にはどちらかというと戸建て住宅が多く、マイカーはもとより自転車での来店も結構多いそうです。ペットという存在が、いかに生活に密着しているかがわかります。
早速店内へ。1階は犬猫コーナーがメインで、アクア関連コーナーは2階。お、アクアショップにしては珍しく、エスカレーターでのアプローチでした。
◆水草に特化したユニークな商品構成
真新しいフロアは清潔感バッチリ。流木などを展示しているコーナーも、まるでインテリアショップのよう。茶色というシックなアミーゴさんの統一カラーが、ここでも上品なイメージを醸しだしています。
アクアのメインコーナーでは、さまざまな品種の水草が出迎えてくれました。アクアショップというより、観葉植物の専門店の雰囲気。みずみずしくフレッシュでどの水草もいきいきしていますが、さらにさらにCO2を添付したくなります(笑)。
水草をメインとしたスタイリッシュな第一印象ですね。「そうなんです。ある意味、これがアミーゴ伊丹店の特徴だといっていいと思います。まずはインテリア感覚での水草に注目してもらって、それに見合った水槽や生体に関心を寄せていただければうれしいです」と話すストアマネージャー・小口 淳さん、自身の思いをほぼ100%カタチにできたそうです。
ペットショップとしては一般的な品揃えが中心のアミーゴさんだけに、これは斬新な試みというか意外な展開というか。アクアコーナーも、当然ターゲットを絞らず広く万人受けする方向だと思っていました。
これだと他店と大いに差別化が図れますね。「ご覧になっておわかりのように、手軽にアクアに親しんでいただけるように、小型水槽が中心です。アクアをインテリアとして楽しんでいただけたらうれしいです」(小口さん)。ひとまず水草ファンにとって、あるいはインテリアに関心の高い人にとっても追い風となりました。
店舗が新しいのと相まって、水草の美しさも際立っています。これだと、女性受けもしそうな気がします。
なるほど、展示されている水槽は小型がほとんどで、生体も小型のものが多い気がします。
伊丹店の統一カラーであるシックな茶色の木枠が什器として水槽展示でも使用されているのも印象的です。
◆注目を集めつつある「パルダリウム」
店の思惑通り、水草を求めてくるお客さんが多いようです。「当初はご自宅のベランダで水草だけを育成されていたお客様が、室内で生体とともに本格的に始められたケースがあります。水草の魅力にハマッておられて、品定めによくお越しになられます」と話してくれたのは、アクアスタッフの今西加奈さん(写真)。お店の品揃えや演出に刺激されたのでしょう、まさに店のテーマとドンピシャ。「これからも水草の魅力を伝えていこうと思っています」と今西さん、以前は引っ越し業者で勤めていましたが今は接客が楽しいと話していました。
ぶっちゃけ、今西さんのファンがすでにいるらしいですよ(笑)
あまり他店ではみかけないユニークなPOP。しかも水槽のほぼひとつひとつに。水草を育成するのに効果的なCO2の添加を積極的にアピールするあたりも、この店の特徴がよくうかがえます。
女性が好みそうな品揃えや雰囲気がそこかしこに。アクアはもう特別な人のコアな趣味ではなくなってきているのかもしれません。
ん?パルダリウムって一体?初耳~(笑)
「簡単に言うと、主に熱帯雨林を再現した植物の見せ方のひとつなんです」と解説してくれたのは、スタッフの居神翔太さん(写真)。大学卒業後アミーゴさん一筋の生え抜きです。ってことは、テラリウムやコケリウムとはまた違う?「そうですね、どちらかというとコケリウムに近い感じでしょうか。開閉できるガラス蓋つきの水槽などを利用して、霧吹きなどで湿気を保って育成させていくんです」。
居神さん自身、霧吹き中~。なるほど、コケリウム同様、生体がなくても楽しめるバーチャル的な趣味であり、水草育成を発展させた独自の世界でもあります。
これがパルダリウムの世界。普段は湿気を保つためにガラス蓋は密閉されています。中の様子がわかりにくくてスミマセ~ン(笑)!
「お客様の中には、中身まるごとほしいと仰るかたもおられますよ」(居神さん)。そうでしょうね、じっくり育てていくのも楽しいでしょうけど、いきなりこの世界を持ち帰って手元に置きたいと思う気持ちもわかります。情景を楽しむ鉄道模型の趣味と共通点がありそうな。
1点をクローズアップ。こんなシーンをみているだけで、熱帯雨林に生息している爬虫類や鳥の声、あるいはしたたり落ちる渓流や雨の音が聞こえてきそうですよね。まるで屋久島の渓谷にいるような「妄想アクアリウム」、素敵です(笑)
パルダリウムを始めるための各種用品も豊富に揃っています。興味のあるかたは必見です。
◆地域に密着したイベントでコミュニケーション
「ちょっとしたコケリウムを、お客様自身がつくるイベントも月1回のペースで開催しています。少しでもこうした自然や生きものに親しんでもらえたら、と」と話す小口店長、過去に「イングランドの丘(淡路島)」でコアラの飼育を手がけたこともあるのだとか。なるほど、だからこうしたサービス精神というかコミュニケーションも重要視しておられるんでしょうね。「もちろん販促のことも考えてますよ(笑)」。いやいや、わかってますって(笑)。水草をメインにした店舗展開を打ち出しながら、イベントを開催することでお客さんとのパイプを強めようとするプランは、いかにも小口さんらしさが出ていていいと思います!
コケリウムのイベントは、店内のこの場所で行われています。6人が座れるちょっとしたスペースは、イベントがない時でも自由にくつろげるフリースペース。アクアに関する雑誌や出版物もあり、お客さんが気軽に立ち寄れるアクア情報交換の場になればいいですね。
これはスタッフの居神さん作。まさに小さい秋みつけた~♪
せっかくなのでもういっちょ(笑)。同じく居神さん作。よくみるとわんちゃんもコケリウムをつくってます(笑)
おお、その横にはキッズスペースが。子ども向けのこんな施設がアクアショップにあるのは初めてみました。よくみると、波形の囲いがあったりテトラポットのかたちをしたぬいぐるみがあったり。あ、そうかここは海を想定しているんですね~、たぶん(笑)
用品でよく売れるのは、バイオ関連商品だとか。水草育成のためにはコケとりなどのメンテナンス用品は欠かせません。
これからの季節はヒーターも必需品。10月に入ってから売れ始めているそうです。みなさんも冬支度はお早めに。
◆アミーゴ初のウサギ専用ホテルも
2階フロアには、小動物コーナーも併設されています。お客さんの導線が決まってしまわないように、いつも目新しさを感じてもらえるように、いつでもフレキシブルに展示を替えられる什器を配している点もユニークです。
いやあ~、真っ昼間なのにお疲れさまです(笑)!
今話題のツノガエル。小動物コーナーのイチオシ商品のようです。。。寝てます(笑)
おお、これは珍しい!ウサギ専用のペットホテル。これもアミーゴさん初の試みだそう。小口店長、もしかしてコアラだけじゃなくウサギもお好き(笑)?
「チェックイン後の客室」をちょっとのぞき見(笑)。このほか、外からはみえない配慮を施したウサギのつめ切り専用ルームもありました。
この日の小動物コーナーのスタッフは、高尾千夏さん。おうちではハムスターを飼っていて、この仕事をするようになってからアクアにも興味がわき、今ではベタ飼育も手がけているそうです。ただいま肩の上でオウムの散歩中~。
◆水草ファンはとりあえずGO!
店内にはイケてる水草水槽がたくさん。何か自分の水槽に取り入れられるものはないかどうか、これだけでもヒントになりますよね。
単に水草を販売しているわけではありません。生体との相性やアクアライフに合った水槽サイズなど、トータルにアドバイスしてくれますよ。
ちゃちゃっと思い通りに絵が描けるスタッフかいるのも、お店にとってはありがたい人材です。
今流行りのベタの品揃えも豊富です。ベタに限らず,水草に特化しているとはいえ初心者でも気軽に立ち寄れる温和な雰囲気があり、若手スタッフの話しやすいキャラクターも捨てがたい魅力です。
水草に特化したアミーゴ伊丹店。もしかしたら、5月にオープンしたもののまだちゃんと知らないユーザーもいるかもしれません。そういう点でいえば、水草に関心の強いユーザーにとては朗報といえます。多少遠くても、来店してみる価値は十分ありそうです。
◆地域に愛されるショップとして
つい10月末までは、KOTOBUKIの製品をメインにしたセールイベントも行われていたそうです。
競合店がひしめく激戦区にあって、水草水槽というテーマをはっきり打ち出した戦略。だからといって油断していられません。販促のメインとなっているチラシ配布のサイクルも他店より多く展開し、ホームページやブログを通じてスタッフの個性がより打ち出されたアミーゴさん独自のPRもイケてます。
コケリウムなどのイベント開催も、よりお客さんの顔がみえるという販促の観点からみたら見逃せません。「先日も金魚やメダカの即売会を開催して、結構好評でした」(小口さん)とかで、水草に特化した商品展開という点でみれば、一般的に親しみやすい金魚などを扱うのも、バランスのとれた方法といえるでしょう。価格で勝負するのではなく、モノと心が通い合う地域に愛されるショップであってほしいと願わずにはいられません。
アミーゴ伊丹店。イベントやセール情報をチラシやホームページでチェックしながら、ぜひ一度足を運んでみてください。
取材を終えて、1階へ降りる階段でスタッフのプロフィール紹介があり、小口さんのプロフィールもありました。コアラについてもちゃんと書かれてますね~。いっそのこと、コアラも入れちゃいます(笑)?
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