びわ湖バレイといえば、かつては京阪神から手軽に行けるスキー場の代名詞でした。
ところが最近、「びわ湖テラス」が登場して以来、すっかりイメージは激変。
ほぼ冬のみの営業だった施設が、1年を通して多くの観光客が訪れる人気のスポットになりました。
1,100mという標高は、平野部とは6~7度近い温度差。
びわ湖を見下ろす、関西屈指の絶景スポット。
雲海越しにみる水の風景へ、ご案内しましょう。
◆センセーショナルに出現した絶景スポット
びわ湖バレイへは、ここからロープウェーで山頂へ。すでにこの駅でも標高300mもあります。
全長1,730mの斜面を、秒速12mという日本一速いスピードで一気に上ります。定員121人のゴンドラは360度ガラス張りで、ほぼ10分間隔で運行されています。
たった4分で山頂へ到着。平野部との温度差はかなりありますが、晴れの日だと思ったほど肌寒さは感じられません。しかしながら、これからの季節は油断大敵。現地の気温を確認してからお出かけされたほうがよさそうです。
お目当てのびわ湖テラスは、ここから歩いて2~3分ほど。緩い木製の階段を下りながらじわりじわりと期待が高まります。
お待ちかね、びわ湖テラスに到着。ここが今話題の絶景スポット。平日の午前10時だというのに、早くも観光客の姿がありました。しかも老若男女、遠足、団体・修学旅行などなど、来場者属性は実に多彩です。それにしても、こんな簡単に絶景と遭遇できてよいものでしょうか。
それぞれの人々が、それぞれのシーンで思い思いの時間をすごしています。
テレビや雑誌では知っていましたが、こんな絶景がこんなに手軽にこられるとは意外でした。単なる展望台ではなく、テラスに設置されたプールの存在感。この演出が、水の絶景の名を欲しいままにしています。
湖東の朝もやと、山々と、雲海と。それらが効果的に重なって、幻想的な世界が広がります。
はるか遠くにみえるのは、びわ湖と並んで滋賀県のシンボルともいうべき・伊吹山。
びわ湖大橋も眼下に。
付近の山々は秋真っ盛り。青く澄みきった空との対比が印象的です。
山頂の反対側はスキー場。若かりしころ仕事を終えて車を飛ばし、ここでナイタースキーに没頭していたことを思い出します。
なお台風21号の影響で、一般観光客が立ち入りできるのは、この付近と山頂周辺に限られています。少し遊歩道もあり、びわ湖テラスがあまりにも人気すぎて、ここは人も少なくのんびり秋の山頂を楽しむことができます。
手前にプール、眼下に雲海、遠くの山々、そしてびわ湖といったそれぞれのパーツがミックスされて、とっておきの絶景を演出しています。まるで計算しつくされたような、幾重にも彩られたパノラミックなシチュエーションこそ、びわ湖テラスの魅力にほかなりません。できることなら、この場所で何時間もすごしていたい気になってきます。関西屈指の絶景スポットは、限りなくおだやかな表情を浮かべていました。
◆もうすぐ真っ白な世界に閉ざされる湖畔
ロープウェーという手段を使えば、標高1,000mもあっという間。眼下に見下ろすびわ湖は、とっておきの絶景でした。そして今度は、びわ湖をより近くで感じてみたくて、のんびりと湖畔を歩いてみることに。場所でいうと、びわ湖バレイの最寄り駅でもあるJR湖西線・志賀駅。そこからびわ湖に沿っての蓬莱駅までの約3㎞の道のり。その道沿いには、惜しげもなく水の風景が広がっています。
志賀駅から5分足らず、オブジェのような大きい石燈籠に遭遇。周辺には石材業を営む小さな集落がありました。
おだやかな秋の湖面。冬の使者・カモたちが、くるべき冬に備えています。
水辺のあちこちに、置き竿が仕掛けられています。「無人の釣り人たち」は、じっとチャンスをうかがっています。
びわ湖といえば、伝統的なこの漁法。湖岸から沖合に向かって張られた矢印型の網によって、魚の習性を生かした「小型定置網(えり)漁」と呼ばれる漁で、アユやフナ、ホンモロコなどがとれる、びわ湖の風物詩でもあります。
稲刈りが終わったばかりの田んぼが広がるのどかな風景。本格的な秋の訪れを信じずにはいられませんでした。
湖岸の至るところに小さな支流があり、山々の清らかな水がびわ湖に注がれています。
反面、こうした警告を促す看板も少なくありません。普段はおだやかな表情のびわ湖も、万一の時は表情を一変させるのかもしれません。
ついさっきまでいたびわ湖テラス、下から見上げるとこんなふうに映っています。
びわ湖に沿って歩いていると、いくつもの瀟洒な建物に出くわします。会社の保養地や別荘の多いこのエリア、ちょっとしたリゾート地でもあるようです。
滋賀県全体の約1/6にもなる関西の水がめ・びわ湖を、上から下から。その姿は雄大である一方で、繊細な一面も持ち合わせていました。束の間の秋。もうすぐ冬将軍到来。波穏やかな水のある風景も、間もなく真っ白な風景に様変わりしてゆきます。
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