2027年に創業60周年を迎えるKOTOBUKI。これまで、他社にはないユニークな発想で商品を生み出しアクア業界をリードしてきました。躍進の先頭を切ってきたのは、2003年に33歳の若さで就任した瀬川豊代表取締役社長。このたびの「キワメテ!水族館」リニューアルを機に、躍進の原動力となった過去のエピソードなどお話を伺いました。
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◆出発点はアメリカで
大学を卒業してすぐ渡米。アメリカ・アリゾナ州で、当時からの取引先でもあったケミカル系会社の商品部として業務に従事しました。単身での渡米だったため、習慣や言葉の違いがあったものの決して動じることなく、「商談に関しては身振り手振りで何とか乗り切れました(笑)」。
それよりも楽しいことのほうが多く、若いころから大好きだったアメリカに来れたという気持ちが強く毎日が刺激的だったそう。そんなアメリカナイズな空気に刺激された結果なのか、自由の国・アメリカですごした期間こそが、自身の持ち味= ポジティブシンキングの原点になりました。
◆小売店の販売も
帰国後は、取引先の小売店で販売のイロハを学ぶことに。お客様と接することで顧客のニーズを理解することと、お客様がメーカーに求めている数々の嗜好性などを掌握。「その気持ちは今も強く持ち続けています」。
その後、弱冠33歳の若さで会社のトップに就任。「もうプレッシャーだらけでしたよ(笑)。社長と呼ばれても全然ピンとこない時期もありましたが、多くのスタッフに恵まれて社員あっての会社だということも痛感しました」。
就任後すぐには、以前からどうしても製品化したかったフレームレス水槽や、当時は海外ブランドが主流だった外部式フィルターをKOTOBUKIのオリジナル製品として商品開発。現在の〈レグラスシリーズ〉や〈パワーボックス〉の原型を創出しました。
◆「水槽屋さん」として22年
「私の原点としては、若くして身についた海外生活と、5年間 の小売店。あの2つの経験があったからこそ、今の自分があるような気がします」。会社と自宅とは目と鼻の先だった子どものころ、近所の田んぼや川で泥だらけになってカエルやザリガニ、カメなどを採取することが唯一の楽しみでした。ルアーフィッシングが流行っていたころは、コイやブラックバスなどを釣りに出かけたことも数知れず。会社で不要になった水槽を友人同士でシェアすることも多く、大学生になってもみんなからは「水槽屋」と呼ばれてました(笑)」
そんな「水槽屋さん」が2003年に社長就任以来、早や22 年。「キワメテ!水族館」のリニューアルを機に、来るべき60周年に向けてどんな未来予想図を描いているのでしょうか。この続きは後編で。