すっかり春めいてきました。
ついこの間まで寒さに凍えていたのが嘘のような、水ぬるむ季節に。
柔らかな日差しとともに、春の海の風景が旅情を誘います。
風光明媚な瀬戸内海。
大小の島々が多く点在する波穏やかな風情は、まさに春が似合います。
広島県福山市の港町・鞆の浦は、瀬戸内海の潮と潮が出会う場所。
その昔、鞆の浦は瀬戸内海の潮の分かれ目の地でもありました。
そして、潮の満ち引きを待つ船が集まることで「潮待ちの港」として栄え多くの武人や芸術家が交わり歴史と文化をつくってきたのです。
まるで江戸時代にタイムスリップ。
少しまちを歩けば、古い町並みが今なお残っています。
「鞆の保命酒」は、広島を代表する地酒であることはいうまでもありません。
建物からも港町らしい風情があちこちから漂ってきます。
のんびりしたシーンではありますが、ちゃんと人々のくらしもあります。
高台にある医王寺からみた鞆の浦。
風光明媚なシーンは、春の海そのものです。
「焚場(たでば)」は、今でいうドック(船渠)にあたります。
船に付着したフジツボなどの貝類や海藻などを焼き払い、乾燥させて船をメンテンスする行為を「たでる」と呼んだそうです。
全国でも珍しい史跡が今なお残っています。
坂本龍馬の足跡を知ることのできる「いろは丸展示館」付近。
常夜灯や赤いポストなどが印象的で、もっとも鞆の浦らしい風景といえるかもしれません。
鞆の浦は、近年「崖の上のポニョ」のモデルにもなり注目を集めました。
そのせいでしょうか、柔らかな春の日差しに包まれて猫たちものんびりしています。
鞆の浦は、尾道と並んで広島エリアの瀬戸内海の観光地として人気があります。
最近では、テレビ番組「流星のワゴン」のロケ地としても知られ、人気に拍車をかけているかもしれません。
キラキラ光る海を眺めながら、うららかな陽光と日向ぼっこ。
春の海は、どこまでもやさしくおだやかでした。
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