2021/10/01スポット, 人物, 技術

【速報】「熱帯」から「深海」へこだわりのリニューアル☆深海BAR「THE DEEP」本日オープン(大阪市北区)

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大阪キタのディープスポットとして知られる近藤熱帯魚店。これまで2度取材したことがあるのですが、コロナの影響なのか最近すっかり音沙汰なし。誰に聞いても「知らん知らん」(笑)。それこそ海の奥深くで鳴りを潜めているのかと思いきや、秋の声とともに突然急浮上。しかも、熱帯魚BARではなく深海BARとして意外すぎる一新。店名も新たにTHE DEEP。えー、店名まで変わっちゃうのー(笑)?とりあえず消息がわかってひと安心。大阪府に発出されていた緊急事態宣言も今日から解除。記念すべき日のオープンとなりました。

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◆前身はご存じ近藤熱帯魚店

古いまちなみの一角にある、大阪キタの天五中崎通り商店街。規模はさほど大きくないものの、行き交う人や自転車は結構多いのは以前と変わりありません。若い人たちにウケそうなグルメスポットが今も健在だからでしょうか。

 

そんなシチュエーションに突如現れた、怪しげな看板(笑)。あの近藤熱帯魚店はどこかへ移転してしまったのだろうか?と心配する気持ちは、キワメテスタッフも同じでした。しかも深海BARとは。さらにTHE DEEPって。それでなくてもディープなスポットなのに、オーナー・近藤充さんの目指すところが気になってしゃーない(笑)。

 

道行く子どもも気になるのか、興味津々で店内をガン見。店構えは決して派手ではないのに、なぜか目立って気になるんです。前もそうでした。ディープなはずなのに(笑)。何といっても一番変わったのは入口のトビラ。以前は「近藤熱帯魚店」と大きくタテに書かれていましたが、すっかり様変わり。あのトビラ、結構好きだったんですけどね(笑)。

 

まるで潜水艦やん(笑)!トビラを開けるのが楽しみのような、怖いような。どんなふうにリニューアルしたかまったく聞かされてなかったので、ドキドキしながらゆっくりゆっくり開けてみました。

 

おお~、確かに深海(笑)!さっきまでいた商店街の通りとはまったくの異次元。ここにダイバーがいても不思議ではない雰囲気(笑)。以前よりも数が増えた大型水槽が圧倒。しかもよく見るとカウンターの形状も席数も以前と同じなんですが、全体的になぜかスッキリ見えるのはなぜなのでしょうか。

 

その理由はごく簡単でした。すべての水槽に水草が使われていないからでした。その分水槽がスッキリしていて、深海オーラを醸し出しています。それだけではなく、生体の大半が淡水魚から海水魚にチェンジ。熱帯魚BARではなく深海BARへのこだわりは、単なるイメージだけではありませんでした。これはもう大スクープになりそうな予感(笑)。

◆バーにはアクアなカウンターがよく似合う

カウンター前には、20㎝水槽4本+45㎝水槽1本。計5本のラインナップは以前と変わりありません。いずれも、お客さんからは手の届く至近距離にあるのが以前からのウリ。アクアリウムをより身近に感じてもらうためにも、このアクアな空間演出は踏襲されました。バーといえば、やっぱりカウンターですから。

 

配置もサイズも以前のままですが、水槽と周辺機器はオールインワンタイプのものに5本すべて変更されました。特に4本の20㎝水槽は、パッと見ではLEDもフィルターも見えないほど、全体がシステマチック。これもスッキリ見える要因になっています。

 

ちなみに5本のカウンター水槽のうち、一番奥の水槽だけが淡水魚。以前よりちょっと出番が少なくなってしまいましたが、できるだけ深海BARのテーマに合った生体がインされています。

 

この水槽にはインディアングラスフィッシュ、バンブルビーフィッシュ、スカーレットジェムなどなど。特に半透明のインディアングラスフィッシュは、ヒレの先がブルーに光ってとってもきれい。淡水魚といわれなければ海水魚と思ってしまうほど、ほかとの統一感があります。

 

ここからはオール海水魚。水草がない分、レイアウトもかなりシンプルです。しかしながら、今回リニューアルされた水槽のうち、最もカラフルかも知れません。長い体をくねらせて優雅に泳いでいるのが、いかにも深海っぽいオイランヨウジ。水族館以外では初めて見ました。そのほか、タスキヒメハゼ、レッドバンデッドゴビー、アカホシイソハゼ、模様が美しいマンダリンフィッシュなどなど、パフォーマンス力も一級品です。

 

岩の陰から出たり入ったり忙しいクロユリハゼやニセモチノウオ。ハゼには底にいるタイプと遊泳するタイプがいますが、クロユリハゼはどちからというと遊泳性のハゼ。まるで、2軒目3軒目と飲み歩く飲んべえみたい(笑)。でもここは一人でもお酒が飲めるカウンターバー。非日常的な空間で魚をのんびり見ていると、時間が経つのも忘れてしまいそうです。

 

最後の20㎝水槽には、さきほどもいたオイランヨウジが。どの20㎝水槽も明るいLEDを使用しているので、真新しい水族館のワンコーナーのよう。どちらかというと、普段は淡水魚を見る機会が多いのですが、こうやって見ると海水魚もいいですね。特にバーにはベストマッチ。近藤さん!してやったりでしょ(笑)?

 

入口に一番近いカウンター上にある45㎝の横長水槽には、ラメっぽいブルーがきれいなスプリンガーデムワーゼル、マンジュウイシモチ、クロユリハゼなどが。カウンター的にもこれ以上奥のないところなので、カップルにはおすすめの場所かも知れません。

 

孤独を楽しんでいるかのようなキャメルシュリンプ。彼(彼女かも?)にとっては、この位置がお気に入りのバーなのかも(笑)。

◆カップルお気に入りのバーに

THE DEEP(前・近藤熱帯魚店)は今年で開業10周年。近藤さんといえば淡水魚というイメージが強かっただけに、「リニューアルしましたのでぜひ」と連絡をもらった時、まさか海水魚がメインになっていたとは思ってもみませんでした。

 

――いやあ、びっくりしました(笑)

「そうですか(笑)。実は前々から計画していたことなので、単なる思いつきなんかではないんです」

――そうだったんですか。それは知らなかったです。

「リニューアルすることを知っているのは、ごくごくわずかな範囲だけですからね。黙っててすみません(笑)」

――なぜまたリニューアルを?

「これまでだと、どうしてもディープなイメージがありました。アクアが好きな人しか集まってこないバーというような。この界隈にはユニークなスポットが確かに多いんですが、開業10年も経過したことだし、思い切ってイメージを変えてみようかなと思ったんです」

――スミマセン、キワメテ!水族館もディープディープと言い過ぎました(笑)

「個性的なことはいいと思うんです。それは今も変わっていません。ただ、これからはもう少し底辺を広げて、新たな客層も取り込んでいかないといけないな、と。バー本来のあり方を追求していきたかったんです」

――単に内装のイメージを変えるだけでなく、販促の側面も含めたリニューアルだったわけですね。

「ここは飲食店の多い天満と巨大ターミナルの梅田との間にあるので、場所的にもいいんです。会社帰りなどで最初に立ち寄る人、どこかで飲んだあと2軒目に利用する人など、さまざまな人が通る場所なんです。特に最近はカップルも多くなってきたので、手軽に入りやすくて雰囲気のいいバーをつくりたかったんです」

――やっぱりバーというものにこだわりたいと?

「はい、10年もやってきましたから。いつまでもアクアに頼っていてはいけないですしね(笑)。自分だったらどんなお店でお酒を飲みたいだろうとシミュレーションを重ねて、それをできるだけカタチにしたかったんです。コロナ禍でどうなることかと思っていましたが、緊急事態宣言がやっと解除されてよかったです。やっとスタート地点に立った感じです」

 

――数年前からカップルのお客さんも増えたとか?

「今では約8割はカップルのお客さんです。バーというところはわいわい騒ぐ場所ではないので、そういう点でいえば別に会話がなくても、魚を見て飲む時間をムーディーに過ごせるシチュエーションが整ったと思うんです。もちろんこれまで魚を見にこられるお客さんも大切にしていきたいと思っています(笑)」

――確かにそうですね。カウンターが中心のバーなら、向かい合うこともないでしょうからさほどヤバくなさそうです(笑)

「バーって雰囲気が大切だと思うんです。これからは誰でも気軽に入れるバーであればいいなと思っています」

――海水魚を増やした理由は?

「やっぱり見た目がきれいなところです。あまりアクアのことを知らないお客さんでも、海水魚独特の幻想的な雰囲気を見ながらだと、きっとカクテルも美味しくなるだろうと思います」

――にしても、深海BAR「THE DEEP」とは。今まで以上にディープなバーに潜伏するのかなと思ってしまいました(笑)

「(笑)。せめて店名には遊び心が欲しかったんです。これもこだわりといえばこだわりかも知れませんね」

――奥様はリニューアルに関して何と?

「前とどこがどう違うの?って不思議そうに言われました(笑)」

 

アクアも好きだけど、それ以上に人も好き。今まで以上に、お客さんが気持ちよくくつろげる場所にアップデートしたかった近藤さん。記念すべきこの日に、念願の夢を叶えることができました。

◆次はクラゲがエントリー?

カウンターの向こうには3本の大型水槽が並んでいます。この場所には水槽が増えました。カウンターのどの席にいても、まるで大型マルチスクリーンのような深海が目の前にダイナミックに迫ってきます。

 

コンパクトなカウンター水槽とのコンビネーションも絶妙。

 

数年前から独学で研究し数年かかって飼育に成功したというミズクラゲ。120㎝水槽でゆらりゆらり。「当初はクラゲの飼育をやり出して大変でしたけど、もう大丈夫です。飼育方法は確立しましたから」と自信満々(笑)。もしまた近藤さんに夢が芽生えるとしたら、今度はクラゲで何かするんじゃないかなと、勝手に勘繰ってしまいました(笑)。

 

以前は販売用の生体を置いていた場所ではブラインシュリンプを育成中のほか、こんなクラゲたちも。比較的簡単に飼育できる飼育キットの販売も計画中とか。あー、次のサプライズは絶対クラゲやー(笑)。

 

淡水魚だけがいる90㎝水槽。ブリチャージというシンプルな形状の個体。淡水魚も海水魚も、あまり色やかたちを主張しない個体ばかりを意識的に集めたようなラインナップ。そう、ここはカップルたちが集うバーだから。主役はあくまでもお客さんなのです。

 

そして、近藤さん一番のお気に入りのオーバーフロー120㎝水槽。イトヒキテンジクダイやクダゴンベ、スプリンガーデムワーゼルなど、ライブロックとの相乗効果もあり、深海の雰囲気がよく表れています。

◆カウンターを少し明るくした理由

深海オーラ全開ですが、カウンターだけはやや明るめのライティングで演出。「実はリニューアル後は、これまでなかったフードも扱うことになったんです。フードはやっぱり多少明るくないとダメですから」というのが理由。近藤さん、やっぱり本気や(笑)。

 

名物ひとくちサバサンドやスモークサーモンとクリームチーズのピンチョス、クリームチーズメープルシロップがけ、トルティーヤピザなど、カウンターの水槽を見ながらお召し上がりを。

 

エキゾチックな海水魚をながめながら、これでやっと以前のようにゆっくりお酒を飲みながら至福の時間がすごせそうです。

 

もうすぐ開業10周年。「かといってイベントはまだ難しそうですね。今後はリーフレットをつくって配布するなどして、地道にPRしていく予定です」。

 

というより、まずはバーとしての環境が整い、自分のやりたい店づくりができたことでひと区切り。その安心感こそ、近藤さんの満足感にもつながっているような気がしました。

 

もう1回聞きますが、なぜ深海BAR?それって何?「いやいや、まさにそれが答ですよ(笑)」。うーん深いなー、さすが深海(笑)。

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