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【スポット】店長がこだわるこれだけの理由☆カフェノム(奈良県三郷町)は大型水槽とともに

Posted on 2022年2月4日2023年5月13日 by aquariummagazine

自分らしさを存分に発揮して、その思いをいかに水槽に反映するか。それがアクアの醍醐味。さらに言えば、アクアユーザーにとって水槽は自己表現そのものだともいえるでしょう。ましてや、人が見る機会の多い場所であれば尚更のこと。まちなかにある小洒落たカフェなんてことになったら、もうプレッシャーは倍増(笑)。そんなプレッシャーと向き合いながら、店内でレイアウトパフォーマンスをしているのが、カフェノムのオーナー・吉木哲典さん。アクア歴はわずか4年足らずですが、真摯にアクアと向き合うひたむきな姿がありました。

☆     ☆     ☆

◆住宅街の中のカフェ

奈良県三郷町のとある住宅街の一角。戸建て住宅に混じって建っているのが、カフェノムです。

 

カフェノムというネーミングからして、最初はてっきりオーナーは「ノムラさん」に違いないと信じてました(笑)。ところが、オーナーの吉木さんの義理のお母上の愛犬が「ノム」いう名前だったのと、「コーヒーを飲む(ノム)」という2つの「ノム」とをかけ合わせてネーミングしたのだそう。おしゃれなような、ちょっとベタのような(笑)。

 

腕のいい男前シェフがつくるデザートつきランチでは、フルサイズのデザートが人気を呼ぶなど、グルメサイトやSNSで知ったお客さんが他府県からも続々。すっかり定着してリピーターも多くなりました。最近では、信貴山から下山中に立ち寄るハイカーの姿も見受けられるようになりました。

 

あったかい木の香りに包まれて、思わずほっこり。まるでペンションのようなたたずまい。会話の邪魔をしないジャズが心地よく流れ、また来たいと思えるカフェであることに違いはありません。

 

カフェノムのスペシャルシート。JR大和路線・王寺駅周辺のまちなみはもとより、はるか奈良東部の山々までワイドに見渡せます。まさに、眺めのいいカフェ。一番人気のカフェノム推し。

◆大型水槽545リットルの世界

お待たせしました。カフェノムのキワメテスペシャルシートにご案内(笑)。横いっぱいに広がる大型水槽の存在感に圧倒されます。横180×高さ60×奥行60㎝の特注水槽。こんなとっておきのシチュエーションの中でランチやスイーツを楽しめる贅沢。キワメテ的にはこちらが推しであることはいうまでもありません(笑)。美観を損なわずメンテがしやすいために設置されたロールカーテンも、いい味を出しています。

 

見事なまでの壁面利用はまるで絵画的演出。これぞ吉木さんのクリエイティビティがいかんなく発揮されています。ちょっとした水槽でも店のどこかに置いておこうか、なんて軽い気持ちでは決してなく、オープン前からの構想にアクアが組み込まれていたことは明白。いかがですかお客様、お気に召しましたでしょうか(笑)。

 

水槽上部に設置されたロールカーテンをスルスルっと開けると、KOTOBUKIのフラットLED900ツインシルバーが2本。十分な光量のおかげで、水草も順調に育っています。

 

ヒーターはKOTOBUKIのIC制御式サーモスタットET-1000Xでコントロール。

 

さらに水槽が置かれているキャビネットを開いてみると。。。

 

KOTOBUKIの外部式フィルター900パワーボックスSV900Xがダブルで稼働中。

 

水道設備はもちろん、アクア七つ道具もビルトイン。これ以上ないくらい、必要な周辺機器がシステマチックにコンプリートされています。

 

これらのハードに支えられて、ネオンテトラを中心にミッキーマウスプラティやアカヒレ、ラスボラエスペイ、オトシン、サイアミーズフライングフォックス、ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビなどなど。545リットルの世界でゆうゆう育っています。

 

給餌タイムになると、ミッキーマウスプラティがすさまじい勢いで大食漢ぶりを発揮。中にはソイルにまで口を突っ込んでがむしゃらにガッつく輩も。でもその気持ち、よーくわかります。カフェノムのランチがとびきり美味しいという証拠です(笑)。

 

と思っていたら、いつの間にやらコリドラスもエントリー。あの子もこの子も、多くの魚たちがマスクもなく感染対策もなく大宴会の真っ最中でした(笑)。

 

それをよそに、ラスボラが群泳スタイルでスーイスイ。左にスイスイ、右にスイスイ。食後の運動なのか、食事タイムに気づかないのか。後で文句を言ってきても受け付けませんよ(笑)。

 

ん?これは?あまり表に出てくることのないシマドジョウ。ソイルに近いところで急に泳ぎ出したり急に止まったり、動きが実にユニークです。熱帯魚の中に1匹だけドジョウとは。実は吉木さんの超お気に入りなんです。子どものころからドジョウが好きで、自身が手がけた水槽には必ず1匹投入するのだとか。吉木さんのこだわりその1。可愛くて仕方なく、「柳川鍋なんて絶対食べません!」なのだそう(笑)。

◆流木はスピリチュアル?

そんな子たちの健康状態や水草の状況、コケの発生具合などをきめ細かくチェックする吉木さん。カフェオーナーでありながら、車のシートなどの製作を手がけるというパーツ設計者でもあります。いわばアーキテクチャー。どんなに本業が忙しくても、ほぼ毎日お店に出向きます。「自分が蒔いた種ですからね(笑)。普段の管理をスタッフまかせにすることはできません。自分の仕事は増えますが、店とアクアのためなら頑張れます」。

 

シマドジョウと並んで、吉木さんのもうひとつのこだわりは流木。生体よりも流木。水草よりも流木。店内の一角には、ガラスの向こうに巨大な流木がひとつ、ふたつ。どうしたんですか、これ。「びわ湖湖岸で採取してきました」。車に入らなかったでしょ?「そりゃもう苦心しました。地元の人たちから見たらヘンな男だったと思います(笑)」。今この場所は流木置き場になっていますが、将来的にはここにも水槽を置くプランがあるのだとか。

 

そこまでしてお気に入りの流木を常に探し求めている吉木さん。「流木はスピリチュアルなものだと思っています。流木を眺めているとただの木とは思えず、その存在感にとてつもない生命力やエネルギーを感じるんです。たとえば、世界遺産の熊野古道。大地に根を張った姿は神々しくもあり、美しい自然のダイナミズムでもあり。生業としている車のパーツの設計は人間の手で自由にできますが、流木はそうはいきません。そこにあるものがすべてだからなんです。だから美しいんです。もっといえば、流木採取へ行くのは、流木が自分を呼んでいるからなんです。というより、もしかしたら自分の中で何かすがりたいものがあって、流木に祈りを託しているのかも知れません」。語り始めたら止まらない、今回の取材で一番盛り上がった最大のピーク(笑)。吉木さんとキワメテスタッフ、それに男前シェフも加わり、大いに盛り上がったことはいうまでもありません(笑)。

 

つい最近、びわ湖以外で質のいい流木を採取できたとのこと。びわ湖湖畔と違って乾いている流木ばかりで、しかも表情がバラエティーに富んでいたので、足を運んだ甲斐があったとのことでした。「彼ら(流木)が導いてくれた結果だと思います」。はい、もうそのへんでストップ(笑)!

 

流木の存在感。まるで1本の巨大な流木が水槽の構図の中心のようになっていますが、実は3つの流木を組み合わせて1本の流木のダイナミックさを表現しているとのこと。「配置には相当苦心しました。最初はこれでいいと思っても、1週間経ったら何か変なんです(笑)。さらに足し算と引き算を繰り返してさらに1週間経っても、まだ何かが違うんです。納得して沈下させる作業に入るまで、どれほどの時間を費やしてきたことか知れません(笑)」。

 

アクア歴は4年。現在の水槽を立ち上げて約1年半。しかもほぼ独学。店に訪れる人すべてがアクアユーザーではないわけだから適当に手を抜けばいいのに、そうはしないところが吉木さんのこだわり。「いつベテランのアクアユーザーが来店してご覧になられた時でも、恥ずかしくないように自分としては常にベストを尽くしたいんです」吉木さんの3つ目のこだわりでした。

 

吉木さんがここまでして頭を悩ませるのは、流木を中心としたレイアウトに関してだと思っていましたが、ほかに理由がありました。それは、ほかならぬコケの発生。それをどう抑えて水槽の環境をきれいに保っていくかが、吉木さんにとっての最大の課題でした。そのために、周辺機器を使って水槽内の環境を維持していくためのさまざまな工夫を行って孤軍奮闘しています。

◆失敗と成功を繰り返し

水草に関しては、カビやコケが生えにくいとされるミスト式での立ち上げを採用。しかも水草だけでなくウィローモスも活着しているので、水を入れても浮いてこないなどの利点があるのは、ご承知の通りです。

 

またろ過に関しては、流木の裏のスペースを利用して底面フィルター化。現在は外部式フィルターとの相乗効果を図っています。また、底面フィルターに続く暗渠パイプを設置することで、管理をしやすくしています。ちなみに給排水口は、水槽の右奥と左奥の2カ所にあります。今考えられるコケ対策の主要プラントであることはいうまでもありません。

 

以前のレイアウト水槽は、カフェノムがオープンした3年前の6月に立ち上げたものでしたが、当初からコケとの戦いでした。「サンゴゴケに悩まされ続けてきたことが、逆に大きな収穫になりました。なので今回の水槽を立ち上げる際には、水を入れた時点からすでにリセットへの道が始まるものだと自分に言い聞かせました。それくらい、完成はないのです。かといって、ダメになったからといってすぐにリセットすると自分自身が成長できません。リセットへの道は、どこまで自分が成長できるかの道でもあるんです」。奥が深い(笑)。

 

コケの悩みだけでなく、飼育水の濁りがなかなか除去できなかったり、水草の育成に力を注ぐことにも限界を感じてみたり。最終的には、ろ過能力をアップさせることで飼育水の濁りを除去できたこともありましたが、最も厄介なのはクロヒゲゴケでした。リン酸の発生を抑えることが先決なのはわかっていましたが、そのための薬剤に安易に頼るのではなく、「やっぱり水草などとの合わせ技が必要だと実感したんです。それもこれも、さまざまな失敗を経験してこれたから。そうすることで、自身のアクアスキルも多少上がったような気がします」。

 

アクアを続けている以上、水質管理も続きます。濁り対策しかり、コケ対策しかり。「結局アクアリウムというのは、仕組みがモノをいう世界だと思うんです。レイアウトも、仕組みありきでないと現実的でないと思うんです。いくら見た目がきれいでも、仕組みを理解していなければ良好な環境が保てないという点では、ある意味カフェの運営と同じですから。その仕組みを苦労して見つけてかたちにするのは自分。失敗と成功の繰り返しでしたけど、やっぱり失敗してみないとベストな方法なんて見つからないんですよね」。

◆アクアは夫婦円満の秘訣?

月に数回は来店するという、ご近所の松島久和さん・由紀さんご夫妻。眺めのいいスペシャルシートではなく、アクアに好きなだけ寄り添えるキワメテシートがお気に入りです(笑)。なぜ眺めのいいほうには行かないんですか?「いやあ、近所の人が下にいてはったら、私らがごはん食べたりお茶してるのがまる見えですから(笑)」。なるほど納得。このまちに住んで40年。今のおうちを建てられて20年という松島さん、このまちのことを知り尽くしているからの発言ということにしておきましょう(笑)。

 

というのは冗談で、お二人とも水槽が来店の目的。聞くと、ご自宅にも60㎝の水槽があり20匹近くの魚を飼育しているのだそう。しかも、水槽も水槽台もオールKOTOBUKI。それなら話が早い(笑)。

 

アクアのお世話はやっぱりご主人が?「はい、最初はやってくれてたんですけどね~。やっぱり最初だけでした(笑)」。撃沈。ご夫婦でアクアをやっていると聞くと、勝手にご主人がメインだというのは単なる先入観だったということが、この時初めてわかりました(笑)。

 

アクア歴はおよそ30年。ということは、吉木さんより大先輩?「いえいえ、水槽の規模が違いますから(笑)。苔をきれいにするのが大変なので、よくアドバイスしていただいてます」と奥様。アクアを通じてご近所同士がこんな風につながるというのは素敵です。生体や用品を買うショップも偶然同じだそうで、心強い限りです。この時も、白点病や木酢液の種類についてなど、吉木さんとシビアな会話を交わしておられました。

 

でもよく聞くと、ご自宅の庭にはビオトープもあるのだそう。今は休止中とかで、そのうち復活させたいとご主人。水槽飼育とはまた違った観点でアクアを楽しんでもらえたらいいですね。でもまた奥様に押しつけたらダメですよ(笑)。「いやあ、アクアリウムは夫婦げんかの元になりますな(笑)」って、それはご主人次第だと思いますが(笑)。

 

以前はシベリアンハスキーを飼っていたこともあるという松島ご夫妻。「これからは、魚という小さな命ではありますが、いつまでも寄り添い見守っていきたいと思っています」。アクアを通じて、ぜひいつまでも夫婦円満でいてくださいね。

◆いずれオールインワン水槽の販売も

前回メンテをした際、フィルター内に1,000匹はいるであろうエビの集団を見つけた吉木さん。「もう感動でした。生命力の神秘を感じました。一つの生態系が、自分の知らないところでしっかり存在していたからです」。幸い、ほかの生体が捕食のためにエビを脅かす懸念はなく、反対にエビが稚魚を捕食するわけでもなく、545リットルの世界の副産物としての2つの生態系の存在に、心を動かさざるを得ませんでした。

 

夜も更けてきました。聞くところによると、日付の変わる午前0時を過ぎても店内には明かりがあることも珍しくないのだとか。カフェとしての仕事が終わったあと、あれやこれやと研究を惜しまない吉木さんのライフワークが、深夜にまで及ぶことも珍しくないのです。それでも今春にはリセットを試みる予定。まだまだ納得していないことばかりなのだそう。「これまでの経験を生かして、さらに上を目指します」。どこまでも自分を追い込む吉木さんでした。

 

カウンターの上に、KOTOBUKIの25㎝レグラスが1本。観葉植物は立派に成長しています。写真ではわかりづらいですが、実は大型水槽と同じシステムを採用。ソイルの下にはネットに入れられた軽石が敷き詰められています。なるほど、これならフィルターの役目も果たすだけでなく体積がそこそこあるので、全体の水の量も通常より2/3程度で済む計算になります。

 

水槽内では幹之が数匹。LED以外、フィルターなし&ヒーターなし。「アクアってこんなに簡単にできるんだと実感してもらおうと思って」。アクア未経験者に対するデモンストレーション。ある意味、アクア未経験者にとっては大型水槽よりこちらのほうが身近で関心が高まりやすいのかも知れません。

 

いずれは、こうしたコンパクトサイズのオールインワン水槽を店内で販売してみたい、とも。女性の来店客が多いカフェノム、いいかも知れません。

 

ランチやデザートが売り物のカフェノムですが、すでにジャズライブなどのイベントを少しずつ。いずれは苔テラリウム教室など、アクアに関係したワークショップなどのイベントも行われるといいですね。

 

大型水槽のあるカフェノム。キワメテスペシャルシートへぜひ。本号を招待状に代えさせていただきます(笑)。

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