普段店頭で当たり前のように見かける、さまざまなアクアリウム関連用品。
みなさんは、どのような基準でこうした用品を選んでおられるのでしょうか。
どんな中身なのがよくわからない商品、パッと見では他社と見分けがつかない商品などなど。
まあこれはアクリウム用品に限ったことではありませんが、その商品に愛着が持てればファンも浮気はしないと思うのですが(笑)。
【KOTOBUKIのモノづくりファイル】では、さまざまなアクアリウム関連用品の開発エピソードをご紹介。
エンドユーザーもお店も知らない思わぬ秘話が隠されているかもしれません。
「人のやらないことをやろう」というのが、昔からのKOTOBUKIのスローガン。
あなたのハートをキャッチしたら、ぜひKOTOBUKIファンになってくださいね☆
さてさて、シリーズ最初にご紹介するのは、「P・CUT」(ピーカット)という商品。
さきごろ開催された「2015ジャパンペットフェア」でも展示されていました。
おそらくどこのお店にも置いている商品だと思いますので、みなさん一度は目にしたことがあると思います。
よほどのことがない限り(笑)
「P・CUT」は、水質メンテナンス関連用品。
フィルターにマットを通すだけで、アオコの付着などが短時間でクリアになるだけでなく、長期間水替えが不要という画期的な商品です。
アクアリストの中には、この商品のお世話になった人も多いはず☆
「P・CUT」が発売されたのは、今から20年も前。
そう、いまだに根強い人気を誇っているロングセラー商品なんです。
今ではシリーズとして商品ラインナップも充実し誰もが知ってる用品ですが、かつては【運命的な出会い】があったことを知る人は少ないでしょう。
今から20年前、大手家電メーカーの研究スタッフからひとつのオファーがありました。
「家電商品の抗菌技術を観賞魚の水の劣化抑制に使用できないものか」と。
今でこそ抗菌仕様の商品は珍しくありませんが、当時としてはまだほとんど知られていなかったにも関わらず、テレビやCDプレーヤーなどには抗菌材料がすでに使われていたというから驚きです。
20年も前からですよ!
一見、無関係とも思える家電商品と観賞魚。
古くから防藻性・抗菌性があるといわれている素材を、独自の製法で配合させました。その成分が緑藻の成長を抑制するという仕組みです。
さらに「P・CUT」は、アオコを互いに結合させ、アオコを死滅させるのではなく生きたままマットに蓄積させることに成功したのです。
また、アオコだけでなくコケ類や悪臭、白濁り、油膜などもカットすることにも寄与し、その効果が広く知れ渡るようになりました。
アクアリストの口コミなども功を奏し、20年ものベストセラー商品にもなったというわけです。
ちなみに「P・CUT」という商品名は、【水がピカッときれいになる】【苔などをカットする】という意味でネーミングされたそうですよ☆
大手家電メーカーと水槽メーカーとの特異なコラボレーション。
意外な発想と着眼点、そして「人がやらないことをやろう」というKOTOBUKIのチャレンジ精神が、20年ものベストセラー商品を生み出しました。
またの機会をお楽しみに♪
※写真は「2015ジャパンペットフェア」コトブキ工芸ブースで