※BARパンタナルの記事は2015年5月に取材したものです。現在はアクアリウムBARからリニューアルをしました。
大阪梅田にほど近い、北新地。
関西を代表する高級飲食店街は、さまざまな人間ドラマが繰り広げられる【夜の社交場】でもあります。
リーマンショック以後やや人出も少なくなった感がありますが、それでも「新地」の伝統と誇りは根強いものがあります。
「新地に店を出した」。
それだけで品格がありそうですし、言葉の響きもカッコイイですよね♪
さて、そんな北新地の一角に誕生したのが「BAR Pantanal」(バー パンタナル)。
そうですそうです、以前近藤熱帯魚店を取材した際、「もうすぐ2号店ができますよー」とオーナーの近藤さんが言ってたのが、今回紹介するこのお店なんです。
行きます行きますと調子のいいことを言っておきながら、今に至ってしまいゴメンナサイ☆
早速お店を訪ねてました。
営業準備中のバタバタにお邪魔して申し訳ありません!
ビルの階段を下りた地下1階。
トビラをゆっくり開けると、おおおおお!
これはこれは幻想的です☆
ほの暗い店内に浮かび上がる、ライトアップされた小さな水槽たち。
この感じ、以前取材した大和郡山の水槽を連想してしまいました。
アクアリウムはやっぱりいいなーと思える、至福の瞬間そのものです。
9人が座れるカウンターのほかに、4人テーブルも。
肝心の水槽は、ひとつ、ふたつ、みっつと数えて全部で6個。
主に3つの15㎝水槽が、カウンターの主役を張ってます。
その奥には90㎝、そして店内の隅を利用した20㎝のハイタイプも目を引きます。
よくみるとすべて同じ水位で、お店の演出に統一感が醸し出されています。
地下1階ということもあって、まさに新地の隠れ家的存在です。
----めっちゃ本格的なバーですね☆
「やっぱり場所を考えるとそうなりますね。北新地にふさわしいバーだと自負しています」と語るのは、弱冠32歳の徳山忠男さん。
ベストにネクタイ、オールバックのヘア、そして洒落たメガネなど、なかなかイケてます♪
姉妹店である近藤熱帯魚店とは、また違った趣き。
水槽の配置はなんとなく似ていますが、やはり新地という場所を意識した雰囲気がそこかしこに。
----どうしてこのお店を?
「もともと近藤さんのお店の常連客だったんです」
----え、そうだったんですか!
「何年か前に、店をやらないかと持ちかけていただきまして。以前から自分の店を持ちたいなーと思ってたので、躊躇することなくOKしたんです」
----でも魚を扱うのは大変では?
「ああ、水槽の管理などは近藤さんがやっていただけるということだったので(笑)」
----なるほど~、交換条件みたいな感じですね(笑)
「でもオープン当初は大変でした。水質が安定するまでには色々と、苦労もありました」
----でしょうね~、すぐに近藤さんが走ってきてくれるわけでもないし(笑)
「今も開店準備の際、まずは水槽と魚をチェックします。ドアを開けて何事もなければ、ホッとしますから。命のあるものですからね」
以前はミナミでバーテンダーとして働いていたり、キタでイタリアンのソムリエをしていた徳山さん。
熱帯魚をバーに取り入れようとしたのではなく、バーに熱帯魚がついてきたという(笑)
それでも、もともと生きものが好きだったので、抵抗はあまりなかったそうです。
お客様との関係は「つかず離れず」。
さすがこれまでの経験がモノをいってるのでしょう、応対は至ってスマートです。
徳山さんの胸には、ソムリエである証のバッジも光り輝いてます。
「いやあ、同じように店を出してる友人がいるんですが、新地のバーでTシャツというわけにはいけませんからね」(笑)
それでは店内のお魚を拝見♪
比較的小さな種類の魚が色々と。
人懐こいプラチナエンゼルフィッシュから、グッピー、オトシンクルス、ヌマエビ、ゴールデングラミー、カージナルテトラ、ラスボラなど。
「そういえば先日、何か深刻そうな話をしていたお客様がパールグラミーをみて、急に表情が緩んだこともあります。そういう点でいえば、単なるバーとしての要素だけではなく魚がいてくれてよかった、と思いました」
新地の数あるお店で、魚たちが来店客の緩和に一役買っていることは確かです。
そう、綺麗なオネエサンだけがベストだとは限らないんです(笑)!
入口に一番近いところにある15㎝水槽には、白メダカやアフリカンランプアイなどが。
徳山さん曰く、この水槽だけは「四季」を感じるものにしたいのだか。
ということは、今は春のイメージ。
季節の移り変わりによって水槽の変化も楽しめる、心憎い演出です。
店内の角を利用したハイタイプの水槽のLEDが、ひときわ印象的な照明効果を発揮。
よくみると、LEDすべてKOTOBUKIの商品でした(笑)
----やっぱり熱帯魚好きのお客様が多いんでしょうね。
「そうですね。特に流木や水草がどう置かれてるか、水槽のレイアウトに熱心な人が多いですね」
----魚のリクエストとかは?
「ありますよ。大きな魚がみたいとか、特定の魚を入れてほしいとか、色々ですね。もちろんリクエストに応えることは早々できませんが、そういったニーズがあることは、近藤さんと相談して決めています。ただし、とんでもない魚をリクエストしてくるお客様にはその場で却下です(笑)」
口コミで広がり、常連客も徐々に増えてきたのだとか。
開店してすぐに来客があることもあるそうです。
朝5時までというのも、北新地を豪遊する人たちにとっては格好の止まり木なのでしょう。
----忙しくて体が休まる時がなかなかありませんね。
「余裕が出てきたら、趣味の釣りを再開してみたいと思ってるんです。かつては琵琶湖でブラックバスをガンガン釣るのが好きでしたから」
やっぱり魚とは縁があるんですね~。
だからといって、水槽を決していけすにはしないでくださいね(笑)
今後はもう少し工夫して、さらに店内をすっきりみせたいそうです。
どうしてもコードなどがみえてしまいがちな水槽のため、カーテンなどで目隠しをしたい、とも。
「やっぱり新地であることにこだわりたいですから」と徳山さん。
店のイメージは何よりも大切です。
2号店とはいえ、新地にふさわしいカッコイイお店です!
5月25日(月)には、なんと4匹のクラゲが仲間入り☆☆☆☆
すでに取材が終わっていたのであいにく写真はありませんが、行ってみてからのお楽しみということで。
どの水槽にクラゲがいるか、予想してみてくださいね。
都会の喧騒を逃れて、孤独にひたってみたい時。
小じゃれた隠れ家を探して、飲んでみたいと思った時。
今夜は自分を忘れて、ちょっとカッコつけて飲みたい時(笑)
物静かな徳山さんと、「夜の蝶々」ならぬ「夜の魚」たちが、朝までお相手してくれますよ☆
BAR Pantanal(バー パンタナル) ※店名は南米の湿地帯の名称に由来
大阪市北区曽根崎新地1-11-7 阿部ビルB1
TEL 06(6136)6847
営業時間は午後7時から5時まで(日曜日休み)
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【おことわり】
同店に取材訪問したのは2015年5月20日(水)でしたが、営業方針の都合により7月1日現在では水槽すべてが撤去されています。よろしくご了承ください。