それまでアクアとはまったく無縁だった近江美紗さん。ある時、ふとしたきっかけでメダカファンに。試行錯誤の連続で、気がつけばメダカ沼にどっぷり。ついにメダカ歴は10年選手。子育てのかたわら、メダカも育てる二刀流。これぞ今話題の「吹田の主婦」(笑)。明るくて元気な近江家を訪ねました。
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◆きらりと光る女性目線
いきなり目に飛び込んできた、まさかのアクアシーン。子ども部屋がメダカに占拠されたのか、メダカの飼育場所に子どもたちが寄り添ったのか。ま、そんなことはどっちでもいい(笑)。単に趣味の一環としてだけでなく、メダカも家族の一員として愛されていることがわかるホットな光景です。
シェルフを利用して、メダカ飼育に欠かせないプラ舟を中心に置かれています。耳をすませると、ブクブクブクとエアレーションの小気味よいサウンドも。
勉強机や書棚、電子オルガンなどに交じって、水槽やプラ舟がL字型に配置されています。もう、いっぱいいっぱいですね(笑)。
お、こんなところにビュースが。しかもレアな限定500台のピンク色。基本は3色展開ですが、こんなカラーもあったとは。黒でも白でも赤でもなく、どうしてもピンクが欲しかったという今回の主人公。発売されるまでじっと待って、やっとの思いでゲットしたお気に入り水槽。女性らしさがかいま見えます。
水換えは平均して1週間に1回。ただし、ミネラル補給を目的に使用しているモンモリャロナイトのある水槽は、ほぼ足し水のみ。「いずれにせよ、水の雰囲気が悪くなったら換えるようにはしています」。
メダカの移動に使うネットはこんなにカラフル。ネットなんてどれも同じだと思っていたので、色つきのネットまであるなんて。ビュースといいネットといい、女性目線だとちょっとしたことでもアクアライフそのものがキラキラ輝いて見えます。
◆アクアのきっかけはボウフラ対策
今回のユーザーは近江美紗さん。現在は専業主婦として、ご主人と2人のお子さんとの4人ぐらし。どんな質問にもハキハキ答えてくれる、今時の元気主婦です。
――メダカとの出会いは?
「もともと吹田は、伝統野菜としてくわいの栽培が盛んだったところなんです。自分でも栽培してみたくて苗をもらってきて外でチャレンジしたものの、水にボウフラがたくさんわいてしまったんです」
――くわいどころではなくなりました。
「本当に困ってしまって。何か方法はないものかと思って色々調べてみたところ、金魚やメダカを飼うとボウフラの発生を抑えられると聞いて、すぐに実行したみたんです」
――なるほど、それがアクアとの出会いだったんですね。
「おかげでボウフラはなくなったんですが、困ったことにくわいよりもメダカを飼うことのほうが楽しくなってきたんです(笑)。もしボウフラがわいてなければ、メダカと出会うこともなかった気がします」
――メダカ飼育はうまくいきましたか?
「もともとアクアに関してはまったく興味がなくて、やり始めた時は何も知らなかったんです。飼育水のカルキ抜きや水合わせをしないといけないということも、まったく知らなかったくらいですから(笑)」
――色々と勉強されたんでしょうね。
「飼育の方法がわかってくると次には品種のことに興味を持つようになりました。そして繰り返される産卵を目の当たりにしていると、メダカって奥が深いなあと思い、ますます楽しくなりました」
――その当時からここが飼育部屋?
「そうです。飼育を始めたころは上の子が使っていて、今は下の子が使っています」
――お子さんからクレームは出なかった(笑)?
「まったくありませんでした(笑)。子どもたちも嫌がることなく、むしろ一緒に楽しんでくれてましたよ。知らんけど(笑)」
――ご主人は?
「好きなようにさせてくれています、昔も今も(笑)。アクアショップに行く時も、車で連れて行ってくれてますよ」
このあと2人のお子さんに確認したところ、否定することなく本当にそうでした(笑)。自宅でアクアライフを楽しむユーザーにはさまざまなタイプがあります。近江さん宅では、家族総出で近江さんを後押ししています。羨ましいなぁ~とため息ついている読者も多かったりなんかして(笑)。
◆キラキラメダカが女性のトレンドに?
今いる品種は、篤姫、IBブルー、美麗、アグリアス、ラズリー、三色体外光、紅灯、つぼみなどなど。その中でも一番のお気に入りがユリシス。最初のころは赤い色のメダカが好きだった近江さんですが、「実は数年のブランクがありまして(笑)。それが終わってまた復帰したら、鮮やかな品種がどんどん増えていたのにはビックリしました」と、たった数年でのメダカの進化に驚きました。
さらに、「色味のバリエーションだけでなく、キラキラした品種も増えてますよね。とっても可愛くて、ますます欲しくなっちゃいます」。近江さんに限らず、キラキラが好きな女性は少なくありません。まさに女性ならではの感性。近江さんの話を聞いていると、女性ニーズのトレンドまでわかるような気がします。
照明には、一般的なLEDに加えて植物育成ライトも追加。「なかなか卵が育たない時期がありまして。SNSなどを通じて調べてみたら、カラフルなLEDが搭載された照明を使うと育ちが早いということを知りました。早速試してみたら、やっぱり違いました。今ではメダカ飼育には欠かせないツールになりました」。
エアレーションも針子の時から使用。「小さい時のエアは強すぎるとよくないといわれますが、パワーを弱めにして使っていけば生存率も高まりましたよ」。メダカの大半は室内飼いの近江さん、想定外のことも多いといいます。だからこそ、色々な方法を試してみて自分に合った環境を維持しています。「いやいや、もう失敗はしたくないですから(笑)」。
アートクラフトの趣味もある近江さん。手製のアクリルタワシが大事なメンテツールです。色鮮やかなバリエーションにも、女性らしさがうかがえます。
◆救世主となった栄養補助液
一番気を使うのは、やっぱり水質。かつての失敗を繰り返さないよう、メダカにとって何がベストなのか、今も試行錯誤を繰り返しています。「一時期、メチレンブルーを使って卵を管理していたんですが、カビが発生することが多かったんです。なぜなんだろうとすごく悩んで、行きつけのショップで相談してみたんです」。飼育歴が長くなればなるほど悩みが増えるのも、アクアリウムあるあるですね。
車で10分足らずのところにある総合ペットショップ。そこでスタッフに勧められたのが、2種類のボトルでした。「産卵期の栄養水」と「卵のバリア水」。メダカにとって必要な栄養素がバランスよく配合されている栄養補助液。去年、メダカ専用ボトルとして新発売された直後に存在を知り、早速使ってみることにしました。
「効果てきめんでした。今までなかなか卵を持ってくれなかったのに、すぐに卵を持ってくれるようになりました。しかもカビが発生することもほとんどなくなったんです。メダカを室内飼いしている人にはぜひおすすめです」。とかく日光の恩恵を受けにくい室内飼い。苦い体験が多かった近江さんが言うと、確かに説得力があります。
ショップスタッフのちょっとした神対応。「いいものはいい、よくないものはよくないと、はっきり言ってくれるショップが一番です」。メダカ飼育でデビュー以来10数年、良好な信頼関係は今も続いています。
最近、知り合いを通じて知った新製品・バランスウォーター「ラボ水」にも注目。あらかじめカルキ抜きが含まれ、さまざまな栄養分をブレンドして魚種に最適な水環境をつくるという新しい概念のボトルです。もちろんメダカ用もラインナップ。「このパッケージ、すごくいいですね。それだけでも買っちゃいそうです(笑)」と気に入った近江さん、早速この春から試しています。機会があれば、ぜひまた結果をご紹介します。
ちなみに、近江さんが今一番欲しいのは、ずばりメダカ用のエサ。「成長の段階ごとに使えるものは市販されてるんですが、稚魚から成魚まで一貫して使えるものはないんですよね。そんな便利なエサがあったらいいな、と思っています」。家計にシビアな主婦のみならず、メダカユーザーはそんなノーリスク&ハイリターンなツールを求めているのです(笑)。。
◆メダカ飼育にも女子力強化を
実は魚以外にも生きものがいます。長男の暁翔(あきと)くんが抱っこしているのは、モルモットのラテちゃん。
フクロモモンガのレオくんを横から覗いているのは長女の璃子(りこ)ちゃん。
最近、レオパのマオちゃんも家族になりました。「メダカが影響しているのでしょうか、子どもたちは生きものが大好きです」。
飼育に関する情報交換は、SNSが中心。「暁璃(あかり)めだか」というハンドルネームは、2人のお子さんの名前からピックアップしたものだそうです。
ハンドルネーム入りのオリジナルネットも。お友達がつくってくれたそうです。
トイレにも魚がいます。コリドラス、ミニブッシープレコ、グリーンテトラ、レッドテトラ、ハニードワーフグラミーなどなど。「水槽を置くところがなくなってしまって(笑)」。いやいや、家族が一人になれる癒しの空間も必要ですから。
つい最近、初めてのアクアイベントに出品しました。それまで何度かモノを買うために出かけることはありましたが、近江さん自身が出品者となったのはこれが初めてでした。「緊張しました(笑)。家族にも手伝ってもらって何とか終えましたが、時間はあっという間。でも楽しかったです。機会があればまた参加してみたいと思いました」。
このシュリンプも、同じイベントの出品者からもらったものだとか。「イベントでは、色々なつながりができたことも収穫でした。個人で飼っていると、なかなかユーザー同士が知り合うこともありませんから」。
ただ、メダカユーザーには女性が少ないのが残念だと話す近江さん。言われてみれば確かに。メダカは男性ユーザーというイメージが強い気がします。「なので、メダカ好きの女性ユーザーがもっと増えてくれたらうれしいです。赤色やラメ系の可愛いメダカがたくさんあることも、ぜひ知っていただきたいです」。
くわいの苗がきっかけでアクアにハマってしまった近江さん。さまざまな経験を経て、いつの間にかノウハウも知識も身につきました。何よりも、女性ユーザーというのがカッコいい。これからのメダカ飼育、女子力が必要です!