去年に引き続き、今年も「日本ベタコンテスト2017」を取材敢行。
今回は少し角度を変えて、3人の国際公認審査員に密着。
公認ベタコンテストのジャッジはどのように行われているのか、会期中どんなことが起きていたのかを取材してみました。
果たして「キワメテ!水族館」は、英語が飛び交う審査員の緊迫した空気に分け入ることができたのでしょうか。
早速、会場となった大阪国際交流センターへ、レッツゴー!
◆ジャッジはIBC(国際ベタ連盟)の公認審査員
去年より約1カ月早い6月3日(土)と4日(日)の両日に開催。とはいっても、前日は実質的な出品者による搬入日となるので、一般来場者はいません。そして、夕方ごろから早速審査が開始されると聞いて、会場へお邪魔することになりました。
やってきたのは、大阪中央区の大阪国際交流センター1階ギャラリー。ついさっきまで、隣接するホールでは落語会をやっていたそうで。あー、もっと早く来ればよかった(笑)
そして夕方5時前。すでに審査が始まっていました。出品者が搬入をとっくに終え、もはやスタッフしかいなくなったガランとした会場で、粛々と進められています。
この日の審査は、5部門(ハーフムーン・クラウンテール・ショープラカット・ワイルドベタ・テンポラリー)を、さらに色や大きさや繁殖方法などで分類した計23クラスの中からそれぞれ上位3点を決めていくというもの。ってことは、今回出品されたすべてのベタをひとつひとつジャッジしていかないといけないことになります。ひぇ~っ、全部のベタをひとつひとつー?(笑)。そうなんです、審査って冷静かつ根気のいる作業なんですよね。あー、いつも直感的に生きている自分のような人間にはできないなーと、つくづく(笑)
遅ればせながら、今回のコンテストの審査員をご紹介しましょう。まずは審査委員長、石津裕基さん。全国唯一のベタショップ・フォーチュンのオーナーであることはご存じかと思いますが、日本人でただひとりの国際ベタ連盟の公認審査員でもあるんです。これって、めっちゃすごいことなんですよ~。どれほどすごいかってことは、おいおいに。ちなみに今月19日に45歳になられるそうで。ひと足お先に、お誕生日おめでとうございます!
ベタに関して、世界で最も権威のある国際ベタ連盟。通称IBC。ベタコンテストそのものは全国のあちこちで開催されているようですが、世界的組織による公認ベタコンテストとなると様子はかなり変わってきます。上位に入賞すると、公認記録として認められ一躍その名は世界に知れ渡り、歴史に刻まれることになるのです。日本ではまだそんなに浸透しているわけではありませんが、アジア諸国やヨーロッパなどでは認知度も権威もピカイチなんです。日本でも早くそんな時代がくるといいですね。
そして、日本で公認コンテストが開催されるのは、ここ大阪だけなんです。しかも1年に1回だけ。「へえ~、だったら行けばよかった~」「遠くからでも出品すればよかった~」って今ごろ後悔しても時すでに遅し(笑)。来年こそはぜひお越しくださいね。
続いての審査員は、リヨン・ゴーさん。シンガポールからお越しです。若干29歳という年齢は、3人の審査員の中で最年少。ちなみに、彼は去年も審査員として参加。おいしいものばかりを食べているのか、去年とくらべて体型がややぽっちゃりしていたのが印象的でした(笑)
もうひとりの審査員は、今回日本で初めて審査を務めることになった、インドネシアのムリヤディさん。43歳。だからというわけではないんでしょうが、相当気合が入ってました。今回は、あの女子フィギュアスケートの渡部絵美似の美人奥様も一緒に来日。終始、アツアツぶりを見せつけられっぱなしでした(笑)。
ところで、審査員はなぜ「3人」なんでしょう。しかも国もすべて違います。それはとにもかくにも、「公平を期するため」なのだとか。確かに偶数だったら意見が分かれた時に困りますし、同じ国の審査員ばかりでも公平性に欠けます。コンテストによってはさらに増員されることもあるそうですが、日本で行われる公認コンテストは通常3人となっています。そういえば、先日のミドル級王座決定戦で不正疑惑の判定と話題を呼んだ試合も3人体制でした。「そんなのと一緒にせんといてくださいよ~」(石津さん)。おっしゃる通り(笑)!
◆審査の基本は「あら探し」
ちなみにみなさん、ベタの審査って「減点方式」だったってことご存じでしたか?これは国際ベタ連盟のベーシックな審査基準であり、ヒレのかたちや状態、欠け、キズなどベタの悪いところからチェックしていく方式なんだそう。言い方は悪いですが、「あら探し」が基本なんです。いいところよりも悪いところを探す。そして評価する。あー、彼氏だったらちょっとイヤかも(笑)
審査はハーフムーン部門からスタートし、展示された順番に進められていきます。そして、各部門中からクラス別に上位3点が決められ、ステッカーが手際よく貼られていきます。自分の出品したベタが受賞したかどうか。翌日の一般公開までわからないので、出品者は今ごろきっとドキドキしているのでしょうね。このニュアンス、大学の合格発表とちょっと似ています。
当然のことながら、審査員間で交わされる会話はすべて英語。しっかり耳をすませていても、「フィッシュ」とか「テール」とか、若干の単語が理解できるくらいで、あとはチンプンカンプン(笑)。この世界でも国際化の波は着々と進んでいます。石津さんも普段のキャラと違って、れっきとした国際人です。あー、英語もっと勉強しとけばよかったー(笑)
今回、ボランティアスタッフとして参加した神戸動植物環境専門学校の男子学生たちも審査のお手伝い。お疲れ様です。ひとりは明石市から、もうひとりは三木市からって、めっちゃ遠いやん(笑)!
審査と同時並行でスタッフが作業しているのが、表彰者のリストアップと表彰状の作成。栄えある受賞者の名前を間違いでもしたら、えらいことです。バックヤードでの地味な作業ですが、このふたりにまかせておけば大丈夫(笑)。この作業は、翌日の表彰式直前まで行われていました。本当にお疲れ様でした。
審査にはこんなアイテムが使われています。まずはマグライト。薄暗い水槽で泳ぐベタをしっかり見極めるには必須アイテムです。
ん?これは?ストロー?そうみえなくもないですよね。T字型につくられた長いほうの部分で、水槽をツンツンしてベタを引き寄せるために使われます。そう、ベタ飼育に使うカチョンと同じです。そして先っちょの短い部分は、ベタの体長を確認するためのものなのだとか。長さは3.8㎝。そう、ベタは「体長(ヒレを含まず)3.8㎝以上」という出品の際の審査基準が設けられているんです。
このストローでつくられた手製アイテム。名前は「特にありません(笑)」(石津さん)。ストローでつくられたカチョン、じゃあ「スッチョン」ということで(笑)
ふと外をみると、すでに真っ暗。時計をみると、とっくに7時を回っていました。夕方5時前から始まった審査は、2時間以上かけてようやく終了。この結果、5つの部門におけるクラスごとの優勝・準優勝・3位が決まりました。そして明日はそれぞれクラス優勝魚、部門優勝魚、そして総合優勝魚が決まる予定です。明日の一般公開日が楽しみです。
――今回の出品数を教えてください。
「日本147、台湾32、シンガポール18、タイ4、マレーシア3、インドネシア1、ブルネイ1。合計206匹の出品となりました」
――ベタの買いつけだけでなく、審査でもよく海外に行かれてますね。
「どちからというと東南アジアが中心ですが、海外のコンテストはもっと盛んです。審査員の数も出品者も多いですし、社会的な認知度もかなり高いですよ」
――公認審査員になるための審査は難しいと聞いてますが。
「試験そのものはアメリカで行われているんですが、それとは別に公認コンテストの審査にもみっちりついて研修を受けるなどして、たくさん経験を積まなければなりません」
――とにかく英語は必須ですよね?
「試験問題そのものも英語ですからね(笑)」
――もっとベタが普及してほしいですよね。
「コンテストそのものは誰でも簡単に出品することができるので、一度見にこられた人が出品者の常連さんになることも少なくありません。そういう点では、いいきっかけになると思いますよ」
豊富な知識と経験、そして語学が堪能でないと公認審査員の道はかなり難しそうです。しかし、そんなクオリティーの高い審査員がジャッジするコンテストだからこそ、受賞者の喜びもひとしおに違いありません。手塩にかけて繁殖させたベタであっても、アクアショップなどで買ったベタであっても、分け隔てなく審査の対象となる公認ベタコンテスト。出品に際してのハードルは低くても、受賞者は大いに胸を張っていいのです。
◆コンテスト以外も盛り沢山
2日目。一般公開の日。そして表彰式も控えています。午前10時のオープンと同時に、早くも来場者が続々と会場へ。
来場者は、前年に総合優勝した美しいベタの写真をポストカードにしたグッズがもれなくもらえます。入場無料なので、これだけでも結構お得かと。
今回もオークションコーナーが人気でした。出品者はいずれもコンテストそのものの出品者でもあるので、質のいいベタが意外なほど安く買えたりします。「はい、去年も買いました。今はベタに興味が出たばかりなので、いずれは自分もコンテストに出品できるようになればいいな、と思っています」と、近くに住む男子学生は話していました。
去年に引き続いて、今年もメインスポンサーとなったKOTOBUKI。会場の2カ所で、ベタ飼育にマッチしたコンパクト水槽などが、特別価格で販売されていました。
まずは会場入口付近。去年発売された15㎝のコンパクト水槽「クリスタル150/B」は、ベタ飼育だけでなく最近注目を集めつつあるテラリウムの成育水槽としても使えます。
このサイズの同水槽(15㎝幅)が3個ぴったり置ける「コレクトボード450」も特別価格で。同商品には、KOTOBUKIのユニークな横長水槽「ダックス45」も設置できます。使い方が自在に広がる水槽関連商品です。また、初心者でも手軽に始められる水槽キット「アクアポニックス」も、来場者の関心を集めていました。
さらに別の場所では、今春開催されたペット系イベントでも多くの話題をさらった近未来的水槽「アーク」も。まるで宙に浮いているかのようなスタイリッシュな外観がカッコよくて、こちらも多くの来場者が足を止めていました。KOTOBUKI曰く、「社長室に似合うコンパクト水槽」として売り出し中です。
この日、開場早々「アーク」に注目したのは、名古屋からこられたご夫婦。外観や使い勝手をじっくり吟味するまでもなく、わずか数分で購入決定(笑)。よほど気に入っていただいたみたいです。しかも、会場にほど近いベタショップ・フォーチュンさんへ出向いて、ベタも購入。奥様とともに、名古屋までしっかり抱えて持って帰られました。
正式審査とは別に、一般来場者によって決まるベタの投票も行われました。果たして一般来場者からみた「イケてるベタ」とは。結果はのちほど。
時間の経過とともに来場者の数は続々と増えてきました。ちょっとエアコンの効きが悪くて少し暑いなーと思いきや、ベタにとってはこれでいいんです(笑)
◆エンターテイメント性の高い「公開審査」
午前11時。いよいよ最後の審査が始まりました。昨日行われた審査の、いわば決勝トーナメント。最終的には、総合優勝1点が決まるという仕組みです。
審査員はもちろんこの3人。審査委員長の石津さんをはさんで、左にムリヤディさん、右にリヨン・ゴーさん。決してアヤシイ占い師ではありません(笑)
昨日と違うのは、審査対象の水槽をひとつずつ机に持ってきて行われる点。最終審査ともなると、より慎重に審査が進められるというわけです。
「ん?来場者がいるところで審査が行われるの?」とびっくりした人も少なくないでしょう。現に、会場でも審査の10分ほど前に「今から何が始まるんですか?」と聞いてこられたかたもおられたくらいですから。そうなんです、ベタの審査の特徴は「公開審査」である点。公認コンテストではよくある光景なんですが、とかく秘密裡に行われることの多い各種コンテストにあって、審査風景がこんなに間近で見られるなんて興味深いですよね。
一般来場者でもかなり近くまで寄れます。この線から先に入っちゃダメ、なんてヤボなことも言いません(笑)。写真撮影も自由。来場者同士の会話もOK。さすがに大声はダメですが(笑)。サテライトな審査という方法だからこそ公正も保たれ、ジャッジにも自信のある証拠だといえます。それでも「キワメテ!水族館」は、時々大胆不敵にも待った!をかけましたけどね、でもこれは仕事だから仕方ない(笑)。
もちろん審査で交わされる会話は、昨日同様すべて英語。そのせいでしょうか、少しでも単語を聞き逃すまいとして眉間にシワを寄せている来場者の多いこと。そうとわかっていれば、リアルタイムで翻訳できるアプリでもインストールしておくべきでした(笑)
和気あいあいとした会場の雰囲気でありながら、緊迫した公認コンテストの審査を間近にみれるという、ある種不思議なギャップ。これこそが、ひとつのエンターテイメントとして成立しています。これだけでもイベントです。会話の中身が理解できなくても、雰囲気さえ伝わってくればそれでよし。審査員のみなさんと同じ空気を吸っているライブ感こそ、公開審査の醍醐味があるような気がしてなりませんでした。
審査員最年少のリヨンさんは、いつも爽やかな笑顔が印象的です。かと思えば、写真のように急にマジ顔になったり(笑)。あとで聞いた話ですが、「彼は国際ベタ連盟の基準を忠実に守る真面目な若者」なのだそうです。こういう若い人こそ、これからの業界を背負って立っていくのでしょうね。
初来日のムリヤディさん。3人の審査員のうち、終始真剣なまなざしをベタに送っていたのが印象的でした。母国のインドネシアでは、広大な生体のファームを持つムリヤディさん。あらゆる生体を知り尽くしている彼だからこそ、出品者がさまざまな思いを込めて出品してきた自慢のベタをしっかり評価しなければ、という責任感は人一倍だったのかもしれません。
審査委員長の石津さんはというと、どちらかというと調整役のような雰囲気。最年長ということもあるのでしょうが、ほかの審査員の意見をしっかりくみ取り、適正な方向へ導いていく手際のよさが目を引きます。一番柔軟性があるのかと思いきや、周りから言わせば「ジャッジに関してミスター石津は妥協しない」のだそう。ごくごく小さなウロコのハガレやテールの切れ目など、この日の審査でもこうした欠点を見逃しませんでした。ちなみに「キワメテ!水族館」の石津評は、「人にも厳しく自分にも厳しく」。休憩中ご本人に直接伝えたら大爆笑していましたが、きっと図星だったのでしょう(笑)
◆公認コンテストならではの緊張感
開始から約1時間。審査もいよいよ佳境に入ってきました。そして、上位を決定するのにかなり時間を要するようになってきました。審査員の表情も真剣そのものです。
どうしても意見が分かれた時は、国際ベタ連盟のルールブックで確認し合いながら、さらに突き詰めていきます。
ワイルドベタでは、品種の特徴をきちんと表現できていることが審査では重要なのですが、ヘンドラーの特徴である尾びれの形状に対して審査員の意見が微妙に一致せず、インターネットで検索して確認する場面もみられました。
さらにひれの状態を詳しく調べるために、審査の終わった同じサイズのベタを持ってきてフレアリングさせて確認するシーンもみられました。
わずかなウロコのはがれや尾びれのちょっとしたダメージなども見逃しません。こうしてシビアな減点方式によって、厳正に審査が進められていきます。
あ、肝心なことをひとつ。コンテストでは、どの審査員も出品者のプロフィールはあらかじめ知らされていません。あくまで目の前にあるベタだけをみながら審査します。水槽に表示してあるのは、あくまでエントリー番号のみ。これも公正を期すためのもので、決して私情を持ち込まないコンテストの威厳を保つための姿勢にほかなりません。こと公認ベタコンテストに限って、「忖度」はないのです(笑)
◆着眼点の異なる審査と一般投票
最終審査に残ったベタは、ショープラカットとハーフムーンのたったの2匹。このうちのどちらかが総合優勝を果たすことは間違いありません。来場者も固唾を飲んで審査に見入っています。今回のコンテストで最も緊張感のある瞬間。ドラムロールのBGMを流したい雰囲気でした(笑)
午後12時すぎ。総出品数206匹の頂点に立つグランドチャンピオンが決定。見事総合優勝したのは、シンガポールからの出品者によるショープラカットでした。白いボディに赤のバイカラーがきれいなベタです。プラカットとしてのかたちの完成度が高いというのが、高評価につながりました。おめでとうございます!
そして最後の最後まで競り合ったのは、こちらのハーフムーン。審査中も現場にいた出品者のかたは、尾びれのわずかなかたちのいびつさが敗因と聞いて、とっても悔しそうにされていたのが印象的でした。うーん、難しいですね~。これは素人にはわかりません(笑)
これですべての審査が終了。審査員が去ったあとには、各部門優勝のベタが集められていました。「日本ベタコンスト2017」の頂点を極めたベタをカメラにとどめておこうと、多くの人が集まっていました。
今年も出品して受賞した某ベタガールも、総合優勝魚に首ったけ(笑)。「ホント、きれいなベタを育てるのは難しい。ちょっとしたことが審査に響いてしまうから。盆栽みたいに、チョキチョキして、ひれのかたちを整えるわけにはいかないしね~(笑)」。あーそのキモチ、よくわかります。
一方、一般来場者による投票も行われましたが、審査と人気投票の評価が異なるのは、公認コンテストなどの国際審査基準ではやはり「減点方式」だという点にありそうです。一方の来場者投票では、「きれい~」「好きな色~」など、あくまでパッと見の主観であり、見た目重視。こうした結果は、来年出品を考えているユーザーにとって、大いに参考になるでしょう。
各部門の上位入賞者たちを一堂に会した表彰式。あいにく総合優勝を果たした出品者は海外からの発送出品だったため、その場にいらっしゃいませんでした。みなさん改めておめでとうございます!なお受賞の速報については、ベタショップ・フォーチュンさんのホームページで紹介されていますので、こちらをごらんください。
◆2人目の日本人公認審査員誕生へ向けて
2人の海外審査員にも、感謝状が送られました。2日間、本当にお疲れ様でした。彼らのおかげで、受賞者に栄えある名誉を送ることができました。これからも世界をまたにかけて、ベタ普及のために頑張ってくださいね。
そして準備から搬入・搬出・撤収まで、今回のコンテストを陰で支えてくれたスタッフのみなさん。和気あいあいのスタッフでありながら、仕事はきっちりと(笑)。本当にお疲れさまでした!
戦いすんで日が暮れて。最後に石津さんより総評タイム。こうして2日間にわたって繰り広げられた「日本ベタコンテスト2017」は、今年も大成功のうちに終了。日本で唯一行われている公認ベタコンテストの審査が、どのように行われているのかも、おわかりいただけたのではないでしょうか。
「この魚、なんていう名前?」と、一般公開の日にたまたま近くを通りがかったという年配のご夫婦にたずねられました。原産地や闘魚といわれる所以など、基本的なスペックをお話ししたら大変興味深そうでした。「そんな簡単なら私たちでも飼えますね~」と目を細めておられたのが印象的でした。展示されたKOTOBUKIの水槽「アーク」へも熱い視線を送っておられました。去年のベタコンテストでは、ベタがいかに女性に人気があるのかを記事でご紹介しましたが、もしかしたらもっと幅広い年齢層にも受け入れてもらえるのでは、という感想を抱いた次第です。ここ、大事かも(笑)
アクアの世界では最近メダカが流行っているみたいですが、ベタ人気はまだまだ不変です。ベタを飼育するための環境や用品もかなり整ってきました。その底辺を底上げしていくためにも、国際ベタ連盟のようなお墨付きの国際組織が存在しているのは、アクア業界にとっても追い風になる可能性を含んでいます。近い将来、日本でも2人目の国際ベタ連盟公認の審査員の誕生を願わずにはいられません。
◆肝心なのはやっぱりコミユニケーション ~エピローグにかえて~
ちなみにコンテスト終了後の2日間、四天王寺や大阪城、そして京都錦市場などへ海外審査員2人とムリヤディさんの奥様の3人を、石津審査委員長自らが案内、存分に観光を楽しんでもらったそうです。いやあ、ここまでくると審査委員長も大変です。コンテストの審査のみならず、こうしたアフターフォローによってさらにコミュニケーションが深まるのでしょう。語学と知識、豊富な経験のみならず、強靱な体力と接待スキルも公認審査員には必要みたいですよ(笑)