◆愛され親しまれてきた「日本一の貧乏水族館」!?
「エビとカニの水族館って知ってる?」との質問にすんなり答えられる人は結構多いんです。
「元鳥羽水族館にいた人がつくった水族館!」
「エビとカニだけを扱っている珍しい水族館!」
「ほぼカンパで運営されてる日本一貧乏な水族館!」
みなさん反応はさまざまです。
共通しているのは、どの人もこの水族館が大好きだということ。
ところが、地道な運営で人々に愛され親しまれてきたこの水族館が、9月始めに閉鎖されると聞いてショックを受けた人も多かったのではなかったでしょうか。
何しろ、16年もの間頑張ってきたのですから。
(タレントの「とにかく明るい安村」ふうに)でも安心してください!新しくなってます(笑)!そうなんです、このほど新しく二代目「エビとカニの水族館」がパワーアップして誕生することになったんです!
ね、ホッとしたでしょー(笑)?
タイミングよく紀勢自動車道が開通したということもあり、早速行ってみました。
◆アクセスがよくなり新設「道の駅すさみ」敷地内に誕生
場所は和歌山県すさみ町。
なんとなんと大阪から車で約2時間半ちょいで着いてしまいました。
南紀というと国道42号線しかないと思い込んでいたので、これは意外でした。
きっとみなさんのカーナビにはまだ掲載されてないはず。
現に自分たちの車も、ずっと「空」を飛んでましたもん(笑)
紀勢自動車道の終点・周参見南インターを下りたらすぐのところに道の駅「すさみ」。
二代目「エビとカニの水族館」はその敷地内にあるので、さらに便利です。
ほら、ちゃんと国交省看板にもちゃんと載ってるでしょ!?
ちなみに、初代「エビとカニの水族館」からは車で5分ほどのところです。
9月5日にオープンしたばかりの「道の駅すさみ」。
早くもお土産や地元農産物を買い求める人がたくさんいました。
豪快な黒潮が見渡せるレストランもカフェっぽくていい感じ。
地元産の海産物を使った定食やどんぶりが人気です。
屋外に出るとさらに気分爽快。
すさみ町きっての景勝地・江須崎もここからよく見えます。
ありました~、二代目「エビとカニの水族館」☆
駐車場もたっぷりあるので、人が押し寄せてきても全然平気です!
今度の水族館は、元中学校の体育館だったそうです。
しかも50年以上も前に建てられたものだそうで、いやいやそんなふうには全然みえません!
「道の駅すさみ」からは、キャノピーの下を通ってスイスイ歩いていけます。
これなら直射日光も避けられるし、雨の日でも大丈夫ですよね。
オープニングセレモニーの開始を待つ地元の人たち。
地元の関心の高さを物語ってますね~。
テレビカメラもズラリと。
マスコミの関心も普通ではありませんでした。
◆水族館好き&カニ好きに接触することに成功!
一番乗りはこの人。
「いえあ、たまたまです」ってホンマに~(笑)!?
9時半に到着したという早坂康平さんは、この日のために何と何とはるか高知県から自転車とフェリーを乗り継いでやってきたのだとか。
聞いたところによると、大小含めて全国の水族館を訪ね歩いた数は100以上!
もう、本当にスゴすぎます!
テレビの取材に答える姿も、長旅の疲れを感じさせず実に爽やか~☆
続いて、将来が楽しみなこの男子!
京都府から家族4人できた小学生の但馬依緒君。
ん?手にしてるのは「海の甲殻類」と記された文献!
なんじゃそら(笑)!
「誕生日に買ってもらいました。カニが大好きなんです」。
お母さんによると、普通の本じゃ満足しないんだそう。
しかも但馬家では「カニは食べてはいけないもの」なのだとか。
ちなみにエビはいいらしいです~(笑)
◆森館長の行動力なしでは実現しなかった水族館
午後1時からオープニングセレモニーが行われました。
日焼けした地元のイケてる女子とMCを務めるのが、時の人・森拓也さんその人です。
鳥羽水族館在職時代から、全国でも珍しい本格的な移動水族館を確立。
そしてエビとカニだけに特化した水族館を、16年前にオープンさせたのでした。
しかしまあ、MCまでやってしまうとはオドロキです(笑)
岩田勉すさみ町長が最初のメッセージを。
せっかく町立として「格上げ」されたのだから、しっかりサポートお願いしますね!
ゼッタイですよ~☆
続いて名誉館長の登場。
ん?どこかで見たこのある人やなと思っていたら、あの初代林家三平師匠のおかみさん・海老名香葉子さんでした!
あーなるほど、お名前が「海老」ですもんね(笑)!
水族館のスタッフも紹介されました。
この日は混雑する道の駅の駐車場の誘導整理も務めたスタッスもいて、本当にご苦労さまでした!
最後は江須の川まつり保存会のみなさんによる舞いが披露されました。
昔からすさみ町では、家の完成を祝って「家固め」といわれる儀式を執り行う慣習があるのだとか。
中心になって獅子舞の中で奮闘していたのは、水族館の元スタッフだそうです。
オープニングセレモニーもいよいよ佳境に入り、テープカットへ。
森さんに交じってヤシガニも参戦。
海老名香葉子さんがテープカットをフォローする微笑ましい場面も印象的でした。
さあていよいよオープン!
大変長らくお待たせしました(笑)
一番乗りの早坂さん、そして二番目の但馬さん一家など、次々にご入場でーす☆
券売機もこの日が「初仕事」。
くれぐれも、そそうのないように(笑)!
◆意外としっかりしていた耐震強度も追い風に
入場してすぐ目の前に大型水槽が目に飛び込んできました。
そう、元体育館を再利用するにあたって、一番気になったのは強度やコストでした。
建物をあらゆる方法で調査した結果出た答は「耐震強度に問題なし」。
昭和35年に建てられた建物であるにもかかわらず、建物が意外にしっかりしていたそうです。
床面の補強や防水・防錆処理を施し、さらにLED照明や最新の飼育設備を盛り込んだことで、この水族館が誕生。
それはそれは、二代目としては上出来の水族館でした。
大型水槽の中でドーンと構える世界最大のタカアシガニも、心なしかドヤ顔をしてるような気がしないでもありませんでした(笑)
50年以上も前にこのような立派な建物は、「南記念館」としてこれまで中学校の授業や行事に寄与。
当時、アメリカに渡って大成功したすさみ町出身の南弥右衛門氏の寄付によってつくられたそうです。
もしかしたら、「いずれ水族館になるのだから、耐震構造だけはしっかりとした建物を」という意志があったのかも(笑)
◆木目調のぬくもり&趣向を凝らした館内演出
早速館内は多くの人で賑わってます。
でも耐震構造がしっかりしているから安心ですよね。
森さんがこだわったという「レトロ調」の館内。
木目模様は人にやさしいです。
ん?「海中探検潜水艇」?
水槽を潜水艦に見立てた、遊び心満載の展示です。
やどかり釣りを楽しむ子どもたち。
残念ながら釣っても持って帰れませんのであしからず(笑)
ナマコなどを直接手で触れることのできるタッチプール。
みるだけでなく、じかに触ってみるのも生物教育の一環として大事なことですよね。
森さんはあのさかなクンも交遊があるみたいですね。
あー、だからオープニングセレモニーで着ていた上着にさかなクン手描きの絵がいっぱいだったんですね☆
お、上をみると天井水槽が。
気づかずうっかり去っていった人たちはザンネ~ン(笑)!
そのほか館内には、オリジナルのガチャガチャやグッズコーナーも。
◆水槽・飼育設備はKOTOBUKI製
ちなみに、館内には約70の水槽があります。
正面の大型水槽から小型水槽に至るまで、いずれもKOTOBUKI製。
そして水槽だけでなく、照明器具やフィルターなどの最新飼育設備も、KOTOBUKIのものが使用されていました。
これについては後日改めてレポートしますのでお楽しみに☆
初代の水族館に比べて扱う甲殻類の数は約2倍にパワーアップ。
ノコギリガザミ、アサヒガニ、モクズショイ、マルソデカラッパなどのカニのなかまや、カゴネオニヤドカリ、イガグリガニ、コモンヤドカリなどのヤドカリのなかま、そしてカノコイセエビ、オトメヒメエビ、セミエビなどのエビのなかまなど、約150種の甲殻類が飼育されています。
◆「イノブータン王国」などともに新たな観光資源へ
初代水族館は、5キロほど離れた江住海岸公園の一角に。
16年間多くのファンを支え続けてきてくれて、本当にご苦労様でした。
高台にある江住海岸公園、いいところにあります。
二代目水族館、ここでもよかったかもと思うのは自分だけでしょうか(笑)
人口5千人も満たない小さな町・すさみ町。
しかしながら黒潮おどる美しい海と豊富な魚介類と自然に恵まれ、紀伊半島初のミニ独立国「イノブータン王国」が異彩を放つなど、ユニークな観光資源があるのは確かです。
紀勢自動車道が開通したことで、京阪神からのアクセスがグンとよくなりました。
今まで不便だったイメージを、一新した力強さがあります。
もう通過点とは言わせません(笑)
白浜や串本といった超有名観光地とはひと味違うすさみ町の新しい観光スポットににぜひお立ち寄りを♪
【すさみ町立エビカニの水族館】
★開館時間/午前9時~午後6時(4~9月)、~午後5時(10~3月)
★休館日/なし
★入館料/大人800円、小中学生500円、幼児(3才以上)300円(税込み)
★アクセス/紀勢自動車道・周参見南インター出口すぐ、またはJR紀勢本線・江住駅下車徒歩8分
★駐車場(道の駅すさみ兼用)/乗用車52台、バス9台、身障者専用5台、その他オートバイ専用スペースあり
★お問い合わせ先/0739(58)8007 649-3142和歌山県西牟婁郡すさみ町江住808-1