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【スポット】まちづくりのキメ手は「魚がいること」☆アクアの力を信じて実行した路地水族館(京都市中京区)

Posted on 2022年11月25日2023年5月13日 by aquariummagazine

いかにも京都らしいたたずまいに彩られた小さな歓楽街・先斗町(ぽんとちょう)通。約350軒もの飲食店が幅2mにも満たない道路の左右に軒を連ねる中、一風変わったスポットに遭遇。その名も「路地水族館」。京都の水族館といえば、京都水族館でしょって?いやいや、あれはあれ、これはこれ(笑)。一体、どんなパフォーマンスが繰り広げられているのでしょうか。すっかり日が落ちるのを待って、夜の帳がおりた先斗町に繰り出しました。

☆     ☆     ☆

◆電柱を取っ払っちゃった

四条大橋を渡っていると見えてくる風景。鴨川べりにはカップルたちが腰を下ろし、納涼床では京料理を楽しむ人たちがいるおなじみのシーン。納涼床は1年中ではありませんが、京都を代表するひとつの風景であることには違いありません。

 

橋を渡り切り、交番を通りすぎてすぐ右。うっかりしていると見落としてしまいそうになるのが、先斗町通のイントロでした。さまざまな飲食店が数多く建ち並ぶ、京都有数の歓楽街。ぶっちゃけ、人生初。今回のような取材でもなければ、もしかしたら永遠に足を踏み入れていなかったかも知れない未開の地でもありましたから(笑)。

 

先斗町といえば、やっぱりここ。CMですっかりおなじみの鰻の老舗。どこからともなく、蒲焼の香ばしいにおいが漂ってきます。香ばしいにおいは、そのまま先斗町のプロローグでもあります。

 

ちょうちんや行灯に灯が入る風情のあるたたずまい。やっぱり先斗町は夜が似合います。だんだら模様の石畳の道が、南から北へ約500m続きます。江戸時代に花街としてデビューした先斗町通。かつては花街としてにぎわい、幕末のころは維新の志士たちもこの道を勇ましく闊歩したことでしょう。

 

お茶屋や料亭、レストラン、バーなど、バリエーションは実に多彩。車はもちろん自転車も通らず、極端に暗い場所や妖しい雰囲気も呼び込みもありません。もちろん店に入りづらい雰囲気もなく、まさに開かれた京都の顔であることがよくわかります。

 

何より、電柱が1本もありません。ちょうど去年の今頃、無電柱化工事が行われました。江戸時代の伝統的な建物はそのままで、周辺との調和と景観を重視したまちづくり。そんな地元の努力があったからこそ、令和の先斗町通も活気を絶やさないでいるのでしょう。

◆路地に50以上の水槽

通りと垂直に交わる路地が、ところどころに。単に通り抜けのための路地だったり、奥まった店舗へと続くアプローチや店舗横の自宅玄関へと続く内包型の路地だったり。京都の伝統に関わってきたさまざまな歴史文化に触れることができる路地が見られるのも、先斗町ならではです。

 

頭上に記された表示をよく見ると、その路地の機能がわかります。

 

そんな路地の一角に、ひときわユニークなスポットがありました。これこそが、噂に聞いていた「路地水族館」。まさか先斗町にアクアのスポットがあったとは意外でした。

 

路地の道幅はさらに狭く、1mちょい。そんな厳しい条件のスペースにもかかわらず、大小の水槽や鉢などが所狭しと並べられています。奥行のある路地と平行に置くか、縦方向に積み上げるしかない水槽の数々。もちろん給餌もメンテもやっていかないといけません。

 

魚は金魚が中心。オランダ獅子頭や琉金、コメット、三色出目金、三ツ尾和金のほか、頂天眼などもいます。

 

真っ白で縁起のよさそうなコイは食いしん坊のおばさんだそうです(笑)。

 

メダカもいます。特に品種に対してのこだわりはありません。

 

え、らっこショー?何それ(笑)。この謎はのちほど。

 

本業は、さまざまなうさぎグッズを販売する「うさぎのアトリエ・ぴょんぴょこぴょん」。ちなみに、うさぎと金魚たちの因果関係はまったくありません(笑)。

 

店内には色々な種類のうさぎグッズがたくさん。干支的みると、全人口の1/12が関心を寄せてくれるに違いない計算だぴょん(笑)。

 

ここにも金魚鉢が。そしてどの水槽を見ても、きれいにメンテされています。2年前から少しずつ取り入れ始めた水槽は、大小合わせて今や50個以上。水族館への道のりは、まさに必然でした。

 

通りを歩く人のほとんどがこちらをチラ見。もちろん水族館は入館無料。そして立ち止まり、映える写真を撮り終わると、うさぎグッズをお買い上げ。お買い上げありがとうございました!これが、路地水族館の理想のルーティンでもあったりします(笑)。

◆まちづくりに必要なもの

先斗町になぜ水族館が誕生したのでしょうか。一体、誰が仕掛けたのでしょうか。むしろ誕生というより、必要性を感じた結果の水族館だといったほうが正確だということが、このあとわかることになります。

 

仕掛け人は、うさぎグッズ店のオーナーでもあり先斗町まちづくり協議会事務局長でもある神戸 啓さん。いつもタオル鉢巻きにネクタイ姿というのが公式ユニフォーム。ほかにも地元でまちづくりに関係した団体のメンバーの一人でもあり、出身校の京都造形芸術大学非常勤講師も務めている、まちづくりのスペシャリストでもあるのです。ちなみに、右側には奥様の志津子さん。まちづくりの視察とあらば、2人で仲よく全国どこへでも出かけています。

 

まちづくりにもさまざまな視点があります。景観を保全維持するためのもの、環境を守っていくためのもの、文化財などを保護していこうとするもの、などなど。江戸時代から続く繁栄を後世に伝えていくために、先斗町にも課題が山積みでした。

 

まちづくりに関する全国の事例を視察しながら気づいたこと。それは「魚がいて水のあるまちは、キラキラ輝いているということなんです」。おお。「もっといえば、魚や水があるところは、まちづくりに成功しているんです」。なるほど。もっといえば、「魚や水が人を引きつけ、結果的にまちの活性化につながるということなんですよ」。

 

人前で話すのは得意中の得意の神戸さん。さきほどご紹介した「らっこショー」は、まちづくりについてお話ししますよという、ゲリラ的なライブ告知でもあったのです(笑)。

 

岐阜の郡上八幡然り、三重の五十鈴川然り、滋賀の醒ケ井や日吉神社然り。水辺空間調査で全国を渡り歩いた結果、ご当地・先斗町でも魚や水が活性化につながると信じてやまなかった神戸さんだったのです。アクアがまちづくりに貢献するという確信が持てた瞬間でもありました。

 

このことがメディアに取り上げられると、たちまち多くの観光客が訪れました。しかも繰り返しSNSで拡散されたことも集客につながり、すべてが神戸さんの読み通りでした。さすが天才(笑)。

 

水槽棚は自作。在学中には建築を専攻していたこともあり、作業はさほど苦にはなりませんでした。

 

魚は質のいいものばかりをと、京都市内の専門店から調達。特に弥富の金魚がお気に入りです。

 

本当は外掛け式にして、トータルにシステム化したかったというフィルター関係。今は大半をブクブクで対応中。

 

「コケもやってみたいんですよね~」。まあまあ、何もかもいっぺんにやらんでも、ボチボチいきましょうよ(笑)。

◆まちづくりの次は「人づくり」?

悩みのタネは、映え写真を狙うSNSユーザーの傍若無人ぶり。SNSでバズった動画を見て、同じものを撮りたいと無理を言ってくる中年男性や、営業時間外なのに真夜中に路地でゴソゴソやってるカップルなど、人が増えた分だけリスクも増えました。

 

よく見ると、路地の奥のほうに×が書かれた立て札があります。「立入禁止」などという無粋な表示ではなく、景観に合ったお知らせでもあるのですが、なかなか理解してもらいにくいのが現実のようです。

 

これを機会に、路地の文化についても若い人たちに浸透していけばいいのに、と願わずにはいられません。

 

まあこの子らも、人目をはばかることなくイチャイチャしてますけどね(笑)。

 

先斗町のまちづくりに関しては一定の評価が得られたものの、今後は来訪者に対してマナーを呼びかけるなど、ワンランク上の意識づけが必要なのかも知れません。そう、まちづくりから「人づくり」へ。

◆まちづくりに貢献するアクア

無電柱化の次のステージとして、夜の景観創出のため京行灯も少しずつ浸透してきました。

 

路地水族館に刺激されて、うちでも店先に金魚を置きたいという店も少しずつ現れてきました。無理矢理上からの押しつけでなく、自発的な意識が芽生え始めるのは頼もしい限りです。まちづくりは、これでないといけません。

 

今神戸さんたちが取り組んでいるプロジェクトは、鴨川のライトアップ計画なのだそう。しかも四条から伏見までが計画の範疇という、これまたビッグなプロジェクトです。「10年はかかると思います。でも、30~40代のメンバーが斬新な発想で取り組めば実現できないことはありませんよ」と、前傾姿勢に変わりはありません。鴨川や高瀬川などとも近く、何かと水との関わりも深い先斗町。新たなネクストステージが楽しみです。

 

生きものにふれ、水に親しみ、キラキラに癒される。神戸さんの気づきは、アクアの魅力そのものでもありました。

 

まちづくりに携わっている全国のみなさん。あなたのまちにも、アクアをおひとついかが(笑)?

 

キャンペーンの応募はこちらから

※2023年1月31日(火)まで有効

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