◆大阪有数の修験道の霊場として
猟師と愛犬との悲しい伝説が、今なお語り継がれている犬鳴山(いぬなきやま)。
大阪有数の修験道の霊場としても知られ、信仰心の厚い人たちの聖地でもあります。
大阪府とは思えないほど鬱蒼とした深い緑が山々に広がり、まぶしい清流とともに広がる水の情景。
霊験あらたかな心の休憩所は、水とは切っても切れない間柄にありそうです。
犬鳴山は、今から1300年前に開山された歴史ある修験道の霊場。
とりわけ犬鳴渓谷を歩いて最も奥にある「行者の滝」までは約1.5キロ。
ゆっくり歩いても1時間かからない道程とあって、ハイキングを楽しむ人も少なくありません。
最近では若い人たちを中心にパワースポットとしても人気を集めているほか、付近には温泉やキャンプ場などもあり、ちょっとした観光地に。
これからの季節、子どもから大人まで多くの観光客でにぎわいます。
たちまち鬱蒼とした森林に包み込まれます。
名勝・犬鳴山として、特に紅葉が美しく圧倒される風景が広がります。
あちこちに修験道の行場がある渓谷。
ただのハイキングコースではないことがわかります。
渓谷のひとつひとつが神秘的な雰囲気に包まれ、独特の雰囲気を醸しだしています。
大小48の滝があるといわれている犬鳴渓谷。
圧巻の水の風景です。
今も林業を営む人がいます。
スギやヒノキなどの人工林のほか、コナラやリョウブといった広葉樹も分布しています。
どこを見渡しても自然の宝庫。
とりわけ秋の紅葉は、目を奪うほどの美しさを誇っています。
◆そして行者の滝へ
やがて犬鳴山七宝瀧寺へ。
ここでは日本でも数少ない修験道の体験ができるのだとか。
最近では女性の参加者も増えているそうです。
さて行者の滝にたどり着きました。
向こうに水しぶきがみえています。
ここはまさにパワースポット。
気持ちがピリッと引き締まります。
みなさんもWEBで行者体験をどうぞ。
大阪府の山中に位置する犬鳴山。
水と緑が融合した人々の聖地でもあります。
清らかな水は、人の心身を浄化し清廉へと導き、そして癒します。
「山紫水明」「行雲流水」「「水あれば魚心」「水は方円の器に従う」など、昔から水にまつわることわざは少なくありません。
生活と深い関わりのある水は、これからも人々のくらしや心に潤いを与えてくれるのでしょう。
※犬鳴山の名勝由来について(泉佐野市観光サイトより転載)
〈今も語り継がれる義犬伝説〉
天徳年間(957~961年)紀州のある猟師が鹿を追って滝のあたりに来た時、連れていた愛犬がうるさく吠えたてました。
そのせいで獲物を取り逃がした猟師は、怒って犬の首をはねてしまったのです。愛犬の首はそのまま踊り上がって、猟師を呑もうと狙っていた大蛇にかみつき、蛇とともに息絶えてしまいました。
犬が吠えたのは、主人の危急にいち早く気づき、救おうとしたからでした。この心を知った猟師は悔いて修行者となり、愛犬をねんごろに供養し、また自分の田地を不動堂に寄進しました。
この時より宇多帝(うだてい)より犬鳴山と勅号を賜うたのである。