今や全国唯一のベタイベントとして、すっかり定着した「日本ベタコンテスト2018」。
今年は、これまで最も多い251匹のベタが世界各国から大阪に集結。
搬入日&一般来場日とも晴天に恵まれ、多くの人たちでにぎわう2日間となりました。
その中でも、色々な意味でベタコンテストを初めて体験した人たちも。
言ってみれば、ベタコン事はじめ。
今回のベタコンテストでは、そんな人たちを中心にスポットを当ててみました。
◆初出品者が愛媛から愛知から
コンテスト初日の6月2日は、出品者の受付と第一次審査日。おなじみの会場となった大阪国際交流センターでは、運営スタッフはもとよりIBC(国際ベタ連盟)の審査員も各国から集合。着々と準備が進められていました。
「そこそこ。ちゃうちゃう、もうちょい左!」「待って待って、全体的に傾いてる!」。などなどの声が飛び交う会場の一角は表彰式スポット。翌日の表彰式のことを考えると、やっぱりインスタ映えする場所を演出したいですからね~。ぶっちゃけ、ポスターの貼る位置を指示していたのは「キワメテ!水族館」スタッフでしたが(笑)
午前11時に出品者の受付が始まりました。単なる受付ではありません。出品するベタがどのクラスなのか、何匹出品されるのかなど、間違いのないようチェックが結構大変です。
ベタコンテストでは、毎回隠れた人気のオークションへの受付も同時並行的に。
ベタコン事始め第1号登場(笑)。愛媛県から家族6人で来阪の樋口康裕さんご一家。ご主人はコンテストの常連ですが、今回は次男の綾斗君が初出品。まだ小学6年生。しかも出品するのは、てっきり色鮮やかなショーベタかと思いきや、意外にもワイルドベタ。ジュニアにしてはちょっとシブすぎでしょ(笑)。自分の部屋で大切に飼っている綾斗君のワイルドベタ。色が出てきた、とうれしそうにお父さんに報告してくれたそうです。
お父さんの康裕さんも、いわずと知れたワイルドベタファンですが、「決して自分の趣味を押しつけたわけではありませんから(笑)」。親子での出品というのも極めて希有なケース。明日の表彰式までの時間、大阪の水族館などへ遊びに行くのだそう。土曜日だということもあって、家族6人が一度に泊まれるところがなかなかなくて苦労したそうです。コンテストがメインでの来阪ではありますが、表彰式までの時間たっぷり家族旅行を楽しんできてくださいね。
続いての初出品は愛知県の石原一樹さん。会社の同僚であり、コンテストにもよく出品している鈴木悠太さんに刺激されて、自らもベタを飼うことになりました。地元でも良質のベタを入手できるのは結構難しいらしく、苦労も多いとか。そこは鈴木さんとの連携でバッチリ。2人とも、「いやあ、結構お金かけてますから(笑)」だそう。仕事中にそんな話ばっかりしているわけではありません(笑)。ブリーディングは焦りは禁物。今回はハーフムーンを4匹出品しました。鈴木さんから勧められて始めたベタの飼育ですが、ヒレが大きいのが好きという石原さん。今はブリーディングの面白さにとりつかれています。
東大阪市からお越しのこの2人も初出品でした。ん?お友達同士?それとも姉弟?「いえいえ、親子なんです!」。えーっ、マジっすか(笑)!いやいや、まったく親子になんかみえない寺西真理さんと勇利さん。今回はプラカット1匹を初出品。子どものころから生き物が好きで、近所のアクアショップに通いながら知識と経験を習得中。「将来はアクアショップで働きたいんです!」。いつの日か、取材で会うことがあるかも知れませんね。それにしてもこんな若々しいネイリストを母親に持つ勇利さんが、あまりにもうらやましすぎました(笑)
◆KOTOBUKI初のフィッシュフードもお披露目
これは一体?誰の仕業ですか~、こんな場所にオタクみたいなものを置いたのは(笑)。よくみると、ややディフォルメされた女の子フィギュアとともに、ベタをテーマとしたミニチュア水槽がズラリ。ディティールもしっかりつくり込まれていて、まるで町中のベタショップのようです。
こんな会場演出はまさに初めて。出品と同時に持ってきたのは、知る人ぞ知る東京のベタブリーダー・井口満博さんでした。そういえば、Facebookで「当日は面白いものを持っていきます」とコメントしてくれていましたが、まさかフィギュアだとは思ってもみませんでした(笑)。会場では、予想に反して(笑)大人気でした。
会場の設営もほぼ完了。コンステトの協賛であるKOTOBUKIのブースも、去年に続いて設営完了。
でも今年は少し様子が違います。いつものように水槽がありません。もしかして、さっきのフィギュアに場所をとられてしまったのでしょうか(笑)。
今回はスペシャルバージョン。先日「キワメテ!水族館」でもご紹介した、今秋発売が見込まれるフィッシュフード「フライミックス」をPRするためのブースだったんです。
KOTOBUKI初のフィッシュフード。主成分にアメリカミズアブの幼虫を使った、国内では初お目見えのプレミアムフード。そしてベタコンテストにお目見えするのも初と、まさに初づくしのフライミックス。PRキャンペーンが、どうかうまくいきますように。
◆公認審査員を目指すそれぞれの「初」
今回のコンテストでは、計7名のIBC(国際ベタ連盟)公認審査員の布陣となりました。まさに“7人のベタ侍”(笑)。特筆すべきは、公認審査員とは別に、見習い審査員が5人もいたことです。
語学や知識、豊富な経験などがモノをいう公認審査員になるのはなかなか難しく、韓国からこの日のために来日したリーさんも、公認審査員を目指す1人です。
今回、初来日。韓国ではまだ1人も公認審査員がいないとのこと。世界的にみてもアクアがかなり浸透しているイメージがあっただけに、これは意外でした。ということは、彼がいずれ試験に合格すれば、韓国では初の公認審査員が誕生することになります。「多くの人にベタの魅力を知ってもらいたいんです」と、リーさん。いずれ近い将来、アジアにおけるベタの市場が大きく変化するかも知れませんね。
台湾のヤンさんも公認審査員を目指すべく見習い中。母国ではなんと医療施設の女性オーナー。愛くるしいキャラからは想像できませんでした。日本のコンテストに見習いとして来日するのはこれが初めて。何年か前に名古屋で行われたマラソンで走ったことがあるそうで、確かに体力ありそう(笑)。素敵な笑顔がとっても印象的でした。
ちなみに台湾ではリーさんの韓国とは事情が違って、すでに公認審査員が4人もいるのだそう。アクアに限らず、何かと進展著しい台湾。「大好きなベタをもっと国内に広めたいんです」とヤンさん。今回は台湾からの出品者も多く、アクアも経済も今後は世界に注目される存在になりそうですね。
そしてもう一人の見習い審査員が、東京都の白砂裕子さん。そうなんです、日本の見習い審査員なんです!しかも女性!現在、国内ではベタショップ・フォーチュンの石津店長が唯一の公認審査員ですが、数年前から公認審査員を目指して猛勉強中。
見習い審査員は、4回の公認コンテストを受講することが必須条件。これを経ると最終試験が待っているのですが、白砂裕子さんはこれが3回目。あと1回受講して最終試験に合格すれば、いよいよ国内2人目の公認審査員が誕生することに。「関東で公認ベタコンテストを主催するのが夢なんです」。おお~、素晴らしい!西と東で公認ベタコンテストが開催されるなんて、全国のベタファンの願いかも知れません。
この日は、ほかにも見習い審査員の姿が。いずれも、厳正な審査に立ち会い。ひとつひとつの個体に下される公認審査員のジャッジを、固唾を飲んで見守りながら、アドバイスを受けていました。いずれ自分たちが公認審査員になった時、こうした経験がモノをいうのは確かです。
◆初めての来場それぞれの思い
一般公開日となった2日目もやっぱり晴れ。誰も彼も、日頃の行いがよほどよろしいようで(笑)
さすがのベタ人気、開場早々エアコンの効きも忘れるくらい場内は熱気にあふれていました。
「この時間にしては、今回はすっごく人多いね」と驚きを隠せないのは、運営スタッフのリーダー的存在・田中優次さん。運営サイドからみても、やっぱりそうでしたか。さらに、「こんなに来場者が多いのは、初めてかも知れませんよ」と田中さん。今回の「キワメテ!水族館」の取材趣旨に則ったご発言をいただき、ありがとうございました(笑)
以前取材でうかがったと神戸動植物環境専門学校(中央)と大阪動植物海洋専門学校(両端2人)の現役専門学校生も、運営スタッフとして初めての参加。いいかい諸君。卒業までなんかあっという間なんだから、学内の勉強だけでなくこうした外部で色々な経験を積極的に積んで、しっかり目標を立ててブレることなく未来に向かっていくのだぞ(笑)!
初めてベタコンテストに訪れた、通称“神戸のともちゃん”とお友達。「顔と名前はNGなんですよ~」と言いながら、あまりにもベタが好きすぎて子どもさんをおうちに預けてきたという(笑)。
自宅には当然ベタがいて、スマホでなら、というわけで画面を見せてもらいました。初めて訪れたベタコンテストの感想は?「いやあ、ここにいるベタたちは違います。だって、カラフルなショーベタなんかはまるでダンスを踊っているドレスのように情熱的なんですもの」って、その表現素晴らしすぎます。ベタ以外にも、お友達としょっちゅうフィッシングを楽しんでいる風にはみえません(笑)。来年こそはぜひ初出品してくださいね!
仲良くカップルでやってきた川地敦詞さんも、初めのご来場。気軽にタメグチでしゃべっていたら、岐阜県のアクアショップ・Aqua Studio NATUREのスタッフと知り、こりゃ失敬(笑)。「地元ではあまりいいベタがないんですよ~。噂には聞いていましたが、ここはさすがですね」と絶賛見学中。
最近、東海地方でベタをブリーディングしているユーザーと親しくなり、良質のベタをコンスタントに調達できるようになったのだとか。おかげで「いいベタが入るようになりましたね、とお客様からも言ってもらえるようになりました」。いつか取材に行かせてもらいますので、岐阜県を代表するベタ専門店にワンランクアップしておいてくださいね(笑)!
和歌山大学出身で、今は小学校で教鞭をとっている和歌山県田辺市の榎本明日香さん(写真右)もお友達の東美里さん(写真左)と初来場。もしかして、ベタはすごくいいよ~とお友達にもアピールして連れてきたりなんかして。「あ、やっぱりわかります~?(笑)」と榎本さん。
大学時代、ベタがとっても好きな教授がいたらしく、その影響でご自身もベタにハマっていきました。少しずつブリーダーとしての扉も開け始め、勤務先の小学校でもどんどんベタの存在を浸透させていきたいそうです。そういえば、最近はどこの小学校にも水槽とかありませんよね。ぜひ小学校でベタの普及を。目指そう、女ベタ先生(笑)!
発送による出品だったために、前日に会えなかったのが、初来場&初出品の三春咲耶さん。な、な、なんと、神戸市で占いをやっている現役の陰陽師なんです。確かに言われてみれば雰囲気あります。すごいですよね~、占い師さんまでがベタに興味をお持ちとは(笑)。
今回出品したのは、ハーフムーンと鯉ベタとショーベタメス。そう、ブラックカラーの持つ神秘的な雰囲気が、どこか三春さんとの共通点を醸しだしています。出品したベタが受賞するかどうか占ってきたんですか~(笑)?「陰陽師の仕組みはひとことでは言えませんからね~」。表彰式が実に楽しみです。実はこの数日後、お店にアクアを導入。ゆったり流れる時間の中で、泳ぐ熱帯魚と陰陽師の三春さん。想像しただけでもワクワクしますが、いずれベタも導入されるに違いありません。はい、「キワメテ!水族館」の直感は占いに匹敵するくらい確かなんですから(笑)!
◆初のオークションを喜ぶ人たち
会場の中央では公開審査が行われ、来場者がそれを興味深く取り囲むおなじみの光景も。ベタコンテストもいよいよ大詰めを迎えています。
公開審査を見ているといつも思います、もし英語が理解できたら審査員がどんな話をしているんだろうと。そうすれば、もっとベタのことがわかって楽しくなるのだろうな、と。今さらながらスピードラーニング、やっときゃよかった(笑)
すべての講習が終わって、最終試験に臨む韓国の見習い審査員のリーさんたち。韓国で初めての公認審査員の誕生が待たれます。
オークション会場では、出品者が自慢のベタの特徴をあの手この手でPR。「コンテスト出品者が出品しているオークションですからね。質の悪いベタがあるはずがありません」と、初来場してベタに値段をつける入札者がいれば、「毎日一生懸命育ててきたベタなので、ぜひ落札して欲しいです」と自信たっぷりの初出品者がいるなど、まさに需要と供給のバランスも完全一致。いいベタを安く買えるベタコンテストでのオークション、年々注目が集まっているような気がします。
さてさて、今回のベタコンテストでも協賛企業となっているKOTOBUKI。水槽・用品メーカーとしてフィッシュフードを扱うのは初めてで、国内販売されるのもこれが初めてとなり、早くもSNSなどで話題になっています。
特設ブース前では、KOTOBUKIのスタッフによりパンフレットやビデオなどのツールを使って、来場者にフライミックスをPR。
思わず立ち止まって、話題の商品に注目している来場者も少なくありません。
ブースでは、KOTOBUKIのメールマガジンをメンバー登録をした人に、フライミックスをプレゼントするという太っ腹キャンペーンも。アクアでもグルメに関心が高いのでしょうか、「健康にいいことに越したことはありませんが、食いつきのいいフードが何よりですから」と話す来場者が大半でした。
フライミックスは今秋発売予定ですが、機会あるごとにこうしたキャンペーンが行われる予定ですので、ぜひ今後のKOTOBUKIの動向にご注目を。
◆ドラマティックな初フィナーレ
午後2時。ベタコンテストもいよいよ最終章へ。ベタコンテストのフィナーレを飾る表彰式が始まりました。例年通り、部門別に表彰が行われるのですが、今回初めて設けられた賞が「日本総合優勝」。その名の通り、国内出品者の中でベストワンを決める賞とあって、ひときわ関心が集まりました。果たして初の栄冠は誰に輝くのでしょうか。
お、石原さんが協賛賞を受賞しました。ほかの受賞者とともに、賞品のフィルターを手に記念撮影。「いやいや、もっともっと頑張らないといけないと思います」と、協賛賞に満足することなく、入賞に向けて力強くコメントしてくれました。
フィギュアとドールハウス持参で出品した井口さん、今年から設定された初の協賛賞「キワメテ!水族館」賞を受賞しました。初受賞、よかったですね~。井口さんは、このほかにも色々と部門別で大量受賞。もっとうれしそうに笑ってくれないと困ります(笑)!
もちろん、KOTOBUKIからも協賛賞が。4人の受賞者には、コンパクトな水槽がインテリア感覚で配置できる「コレクトボード450」が贈られました。
陰陽師の三春さんは、ハーフ部門ダブルテールクラスで3位を、さらにオプショナル部門の鯉ベタクラスおよびショーベタメスクラスで優勝。初出品ながら、なんと3つのクラスで受賞するなんてすごすぎました。表彰式でも余裕の表情。この好結果は陰陽師を持ってすれば、いともたやすいことなのでしょうか(笑)
今回ハーフムーンなど2匹を初めて出品した明石市の福躍泰宏さん。しかも協賛賞を初受賞し、「来年こそは上位入賞を必ず」と誓ってくれたイケメンです。普通のサラリーマンかと思いきや、実はベタだけでなく色々なアクアをテーマに動画配信しているユーチューバーなんです。チャンネル登録者数も5,000近くも。アクセスも多いし、さぞかし儲かってるでしょ?「いやぁ~、まあまあですかね~」。ウソつき~っ(笑)!
ちなみにYouTubeのユーザー名は“エビオドリChannel”。YouTubeだけでなく、Twitterでも盛んに情報交換しているのだとか。今やアクアも、SNSによる交流・情報交換は欠かせませんね。
そして、ワイルドベタ部門・泡巣タイプ小型種クラス部門賞3位入賞で名前を呼ばれたのは。。おお~、家族6人で愛媛から来阪した樋口綾斗君ではありませんか!初出品で初入賞、おそらくベタコンテスト始まって以来の最年少記録!おめでとう!なんせワイルドベタ部門ですからね、極めて難易度の高い部門にもかかわらず実にお見事でした。感想を聞くと、「はい、めっちゃうれしいです」とちょっと興奮気味なところがまた小学生らしくてイイ(笑)!
そして今回初めて設けられた日本総合優勝に輝いたのは、ワイルドベタ部門・泡巣タイプ中大型種クラスで優勝を果たした樋口さんでした。そうなんです、小型種クラスで3位を受賞した綾斗君のお父さんなんです!この快挙は素晴らしすぎます、親子揃っての受賞とは!「ビックリしました、ほんとに!」とお父さんも興奮気味。息子さんの賞が?国内総合優勝が?親子揃っての受賞が?「う~んと、全部ですっ(笑)!」。いやあ、あまりにも劇的なフィナーレでした。
改めて受賞したみなさん、おめでとうございます!なおすべて賞の詳細は、ベタショップ・フォーチュンさんのホームページをご覧ください。
◆ベタ人気は不変 ~エピローグにかえて~
日本ベタコンテスト2018はこれにて終了。今回は、ベタコン事はじめをテーマに、さまざまな“初めて”をご紹介しました。
ベタ人気はこれからも続きます。初めてベタを知った人が、その魅力にとりつかれて初来場。やがてブリーディングの楽しさを覚えて初出品。そして努力が報われれば初入賞だったり初優勝だったり。そしてその先には、国際公認審査員という道が切り拓かれるなど、ベタを取り巻く環境は世界的なポテンシャルを有していることは確かです。
来年まで、チャ~っ(笑) byタムケンにクリソツの三重県出身「タムちゃん」♪