南の海は、もうすっかり夏。南風に乗せられて、そんな風が大阪にやってきました。オープン後、3年目に入った大型SC・イオンモール堺鉄砲町。5月の始め、「沖縄フェスタ」を大々的に開催。そこにいるのは、カクレクマノミなどの海水魚や、色鮮やかなサンゴたち。いながらにして美ら海気分が味わえるフェスタは、アクアの魅力ひとりじめでした。
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◆ジンベイザメもやってきた!
「ゴールデンウィーク期間中、沖縄の海を身近に感じてもらいたい」。そんな趣旨の沖縄フェスタ。イメージや物販だけでなく、海水魚を展示したことが大きなポイントとなりました。創業3年目を迎えるイオンモール鉄砲町は、4月末にはリニューアルされたばかり。イベント初日の5月1日は、奇しくも令和元年初日。しかも数十日後には、ついに世界遺産認定!「沖縄フェスタ」は、そんな記念すべき日のスタートとなりました。
会場は3階イオンホール。初日のこの日、オープンの11時前にはすでに30人の列が。さすがにゴールデンウィーク、子ども連れの来場者が目立ちます。
まず目に飛び込んでくるのはこのメッセージ。水槽をバンバン叩いたり、大声で騒いだり、ひどいのになるとお菓子を水槽の中に投げ入れたり。最近のアクアショップでは、そんなことを平気でする子どもいるのだとか。していいことと、悪いこと。それを教えるのは大人しかいません。このメッセージが、大人たちに成り代わって子どもたちの心に響いてくれるといいですね。
まずは中央には巨大ジンベイザメのバルーンが、アイキャッチ的にディスプレイ。めっちゃデカい!実はこのバルーン、イベントのためにわざわざ沖縄の美ら海水族館から運んできたものなのだそう。
後ろからみたら、こんな感じ。尾ヒレだって、ちゃんとついてます。
そして、ジンベイザメの引き立て役は30~90㎝のガラス水槽。会場はそれぞれ7つのゾーンで構成され、ジンベイザメを取り囲むように28本の水槽が。もちろん、それぞれの水槽にいるのは沖縄の海に生息している海水魚ばかりです。
レグラスなど水槽はオールKOTOBUKI。そして、昨年新発売された24時間自動調光システムLED「レイマックス」がライトとして採用。24時間モードにより、美ら海の1日の変化を再現。健康的かつ幻想的でもある沖縄らしさが演出されていました。
◆気分はすっかりオーシャン&リゾート
可愛い顔をしているのに、なかなか出てこない引っ込み思案のクモウツボ。よくみると可愛い顔をしています。ブロックとブロックとの間で、よほど居心地がよかったりするのかも知れません。クモウツボくん、もうちょっと来場者にサービスしたら(笑)?
ウロコが蓑笠にみえることからこの名がついたミノカサゴ。蓑笠といっても、今の子どもたちにとっては何のこっちゃ、ってなことになるのでしょうが(笑)。ヒラヒラと泳ぐ姿がいかにも海の魚という感じがします。色的にサンゴや岩と同化してしまってますが(笑)
ハタのなかま・サラサハタ。口が小さく、ほかのなかまとは違うかたちをしているため見分けやすくなっています。絶滅危惧種に指定されていて、この先も彼らたちを守っていくのは人間しかありませんよね。
超カラフルなカラーリングのフエヤッコダイ。口が笛のように尖っていることからこの名がつきました。沖縄の海では、グラスボートなどから観察が可能。今度はぜひ沖縄の現地に行って、確かめてみてくださいね。
海水魚といえば、やっぱりカクレクマノミ。映画でもすっかりおなじみで、イソギンチャクと仲良く暮らす様子がいつ見ても可愛いです。会場でも、「あ、ここにニモがいるよ!」と子どもたちを呼ぶ親御さんの多かったこと。できることなら、カクレクマノミと言って欲しいんですけどね(笑)
ルリスズメダイは、全身が綺麗な瑠璃色。そう、巨匠・フェルメールゆかりの色も瑠璃色でした。成魚でも6㎝ほどの大きさ。群れで泳ぐことを好むため、今回も軽快に泳いでいました。小さくて動きが速い生体は、写真に撮るのに結構難儀します(笑)
黄色に黒の独特なドット模様が可愛いミナミハコフグ。小さなヒレを動かして健気に泳ぐ姿は、まるでゼンマイじかけのオモチャのよう。ただし、この姿が見られるのは幼魚の時だけなので、今のうちにしっかり見ておいてくださいね。
え?何この魚!と思った人は少なくないでしょう。見ようによれば、アザラシや犬にも似て(笑)。その独特なフェイスマスクが由来となって、別名ドックフェイスパファーという名前のあるコクテンフグ。もしかしたら、ゴマちゃんやタマちゃんみたいに、どこかのタイミングでブレイクするかも知れません。
ハリセンボン。といっても漫才コンビではありません(笑)。その名の通り、針がたくさんありますが、針を立てる時は怒った時だけ。普段はこんなにシュッとしています。
わかりますかね~、写真の左上でコソッと顔をのぞかせている様子が。イロブダイ(幼魚)は、全身白にオレンジフェイスという出で立ち。大人になると、もっとカラフルな模様にチェンジします。幼魚ならではの習性により岩と岩の間に隠れることが多く、今回も子どもたちと鬼ごっこをしていましたとさ(笑)
こちらも鬼ごっこ好きのチョウチョウコショウダイ(幼魚)。こちらもイロブダイ同様、習性によりなかなか出てこない(笑)。幼魚の時は蝶のようにヒラヒラと舞いながら泳ぎます。この大胆な模様も幼魚の時だけ。大人になったら、このヒョウ柄がもっと細かい模様になるのだそうです。
◆こんな手軽にこれる沖縄みたことない!
カクレクマノミの水槽にいた「3人組」(笑)。2人は兄弟で、もう1人がお兄ちゃんのお友達。高石市からお越しのお父さん、「ヨメが百貨店勤めなので、家族全員が揃うことがなかなかないんです」とちょっと寂しげ。でもそういう時こそ、こういった近場でお子さんたちと気軽に時間を共有できるからいいですね。今夜は奈良の実家を訪れ、天体観察を楽しむのだそう。海と空のコラボレジャー。子どもたちにとって、きっといい思い出になることでしょう。
向かって左の2人が兄弟。右端がお兄ちゃんのお友だち。ついさっきバーガーショップでもらってきたノベルティーの黒板を手に、カククレクマノミやジンベイザメのバルーンをスケッチ。いい感じで出来上がったので、3人で記念撮影。
花より団子とばかりにポッフコーンに夢中の2歳男子(笑)。このイベントを見たくて、お母さんと一緒に、大阪市住之江区からチャリを飛ばしてきました。おうちは銭湯経営のため、残念ながらお父さんはお仕事の準備中だそう。
独身時代、「いきなり魚が欲しくなって、海水魚を飼育していたこともあるんですよ~。理由?ある日突然、なんとなく(笑)。とんでもない初心者です~」と話してくれたお母さん、どことなく女子アナのヒロド歩美似。また飼う予定は?「今のところないです~。でも沖縄に行ったこともあるし、飼うならまた海水魚がいいな~」。ぜひご検討を。その時は「キワメテ!水族館」も相談に乗りますから(笑)
「沖縄で見た海と魚がキレイだったので」と来場のご夫婦。今回のイベントはチラシを見て知ったそうです。「名前は忘れましたが、沖縄の海水公園みたいなところでみた綺麗な魚たちが忘れられません」。ひとつひとつの水槽をじっくり見て回り、大人な時間をすごされていました。
沖縄人気は格別ですが、そこに棲む魚たちも格別。それだけに、海水魚にとりつかれる人は少なくありません。最近は初心者でも飼育できるよう親切にアドバイスしてくれるアクアショップも増えました。それでも難しければリースという方法も。こういったイベントをきっかけに、アクアが広がっていけばいいですね。
ハリセンボンの動きをじっと目で追いかけている少年。ああ、自分もこんな時があったのかと思うような澄んだまなざし(笑)。子どもにとってハリセンボンは、いつも体から針を出しているものと思っているらしく、クールに泳ぐ姿がちょっとものたりなさそう(笑)。
となりの水槽では、弟くんとは別にお姉ちゃんがスマホで激写中。
「キワメテ!水族館」ステッカーを弟くんにあげたら、「これで針出してくれるかも!」と俄然ヤル気になっていました。いやいや、ステッカーをみても怒らないと思うけど(笑)。肉眼であろうがスマホであろうが、子どもたちにとって魚はどんな風に写っているのでしょうか。第一印象ってキワメテ大事。2人のお子さんを連れてきてくだったお母さん、いつか子どもたちの夢を叶えてあげてくださいね。
親子三代でお越しのご一家。しかもお孫さんたちはすべて女子。「みんな水族館が大好きで、沖縄にもまだ行ったことがないので今日はラッキーでした」とお母さん。いやいや、だったら今度はぜひ沖縄に行ってくださいよ~。ね、おじいちゃん(笑)。わははと笑うおじいちゃん、まんざらでもない様子でした。お母さん、よかったですね~。
長女の華ちゃんは先月がお誕生日でした。2人の妹を引っ張るリードオフマンとして、また「キワメテ!水族館」のうるさいオーダーにもちゃんと答えてくれて、華ちゃんの女子力は相当なものでした(笑)
インスタ映えするスポットで記念撮影。もうこれで沖縄行きは約束されたも同然(笑)!
◆美ら海の風が吹いた千利休ゆかりの堺
会場内に貼られた沖縄の観光ポスターが、美ら海ムードをさらに高めていました。
もちろん水槽とのマッチングもよし。
こんなコーナーもありました。今人気のキャラクターですよね。さすがイオン、モール内ショップとのコラボもバッチリです(笑)
多くの来場者でにぎわった「沖縄フェスタ」。その大半が親子づれでした。連休でありながら、家族の中にはお仕事をしておられる人も多かったことも印象的でした。
しかも金魚や熱帯魚ではなく、めったにふれることのできない海水魚を数多く展示したことも効果的でした。6日間というイベントとしての長丁場、運営側は大変だったと思いますが。
願わくば、これをきっかけにアクア熱が高まればこんなにいいことはありません。
子どもたちがどのように刺激され、どのように自身の感性に寄せることができたのか、これからが楽しみです。
ゴールデンウィークを国内や海外の観光地ではなく、近場で楽しんでもらおうとする趣向もバッチリでした。記念すべき令和元年の初日、世界遺産認定の地に、確かに美ら海の風が吹いていました。