昭和36年に建てられた奈良県・大和郡山市庁舎が、このほど完全リニューアル。5月初旬に市庁舎のオープニングセレモニーが行われました。同時に、これまでエントランスに置かれていた金魚水槽もリニューアル。きんぎょのまち・大和郡山にふさわしい再スタートを切りました。一体どんな金魚水槽が登場したのでしょうか。
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◆GW谷間のテープカット
まずはオープニングセレモニーのレポートから。セレモニーが行われたのは、5月2日(月)。そう、GWの谷間のイベントでした。この取材のおかげで、今年は大型連休実現!とはいきませんでした(笑)。
一瞬プロかと思えるほどのMCを務める女子職員。マスクをしていても、この人が誰なのかすぐにピンときました。そう、大和郡山が誇る一大イベント全国金魚すくい選手権大会ですっかりおなじみの「あの人」だからです。わかる人にしかわからないローカルネタで、ごめんなさい(笑)。
いよいよテープカット。上田清大和郡山市長をはじめ、この日を待ち望んでいたかのように、みなさんテンション高め。特に今年は、将来を担って立つ最年少職員の姿もありました。リニアモーターカー万歳!←気が早い(笑)。
テープカットに引き続き、場所を移して関係者たちによる金魚水槽の除幕式。思っていたより水槽が大きかったのと、除幕式に参加する人が多すぎたので構図に収まらず、かなり中央に寄ってもらいました(笑)。
◆上見OK!長さ3.5mの金魚水槽
そしてお披露目。いよいよこの日がきました。これが新しい時代を予感させる令和の金魚水槽。関係者がいっせいに水槽のそばまでジリジリと。少し背が低い気もしましたが、横からだけでなく上見ができるようにも配慮された設計です。
ちょちょ!密です密です(笑)!
「市長、どないです?なかなかええでしょ?」「そうですね、これはいい!」という会話を交わしていたかどうかは知りませんが(笑)。上田市長(左)とあれこれ話しているのは、ご存じやまと錦魚園のオーナーであり今年から奈良県郡山金魚漁業共同組合長を務める嶋田輝也さん。ちなみにこの日のセレモニーでは、たくさんの金魚を市に提供したことが讃えられて感謝状が贈呈されました。
若手職員で構成された金魚水槽を運営管理する「ザ・チームきんとっと」のメンバーも。何を隠そう、今回の水槽設置にあたっては彼らが色々とアイデアを出して実現にこぎつけたのです。同チームを5年前に取材した時は水槽3本でしたが、新庁舎では1本なのでメンテが楽になったのか、あるいは人目につきやすいところだから逆にメンテが大変なのか。市民の反応はどうだったのかなど、水槽が落ち着いたら改めて取材してみようと思っています。
水槽の長さは3.5m。もちろん特注。安全性を考えてアクリル製。人の出入りが多い新庁舎の1階待合ホールに置かれているだけあって、これは目立ちます。以前の水槽が旧庁舎の玄関に置かれていた時より、ずっと見栄えもします。新庁舎の目玉的存在であることはいうまでもありません。
なるほど、この角度からみれば上見が可能だということがよくわかります。
◆金魚のまち・大和郡山にふさわしく
投入された金魚は約100匹。琉金はもとより、桜琉金、江戸錦、鳳凰オランダ、もみじらんちゅう、黄金柳出目、黒オランダ、元宝(ヤンパオオランダ)など、計16種類がラインナップ。もちろんすべて嶋田セレクション。
新庁舎と並行して旧庁舎が南側に残っているのでまだ薄暗い感じは否めませんが、金魚のおうちとしてはこのほうがいいのかも知れません。近いうちに旧庁舎は取り壊され、来年夏には新しい施設が誕生するそうですが、いずれにせよコケの発生に悩まされませんように。
水槽の上部両端にライトがあり、上ブタもしっかりと。金魚たちの泳ぎを見ていると、優雅そのもの。上見を意識した設計、正解でした。
急に出現した金魚水槽を見つけて、通りかかる人たちからも熱い視線が。毎年秋に同市で開催されている金魚メッセの会場のよう。
窓口のナンバープレートも、金魚仕様。
2階の一部分にあしらわれた金魚柄にもご注目。
というか、2階はまるでホテルのロビーのようで1階とはまた違った趣が印象的です。赤のシートも映え、全体的にすっきりしています。ああ、ここにも90㎝くらいでいいから水槽があったらなぁと、つくづく(笑)。
◆これが庁舎の定年祝い?
シンボリックに置かれた金魚水槽、役所に用事がなくてもこれを見にくるだけでも価値ありとみました。ちなみに、新庁舎の正面玄関はしばらくは使えないので、建物の北側(駐車場のあるほう)からが導線となります。場所は、【4.子育ち支援課「こどもの相談・児童手当・医療」】の窓口前が目印です。
市役所が休みの日でも、金魚水槽が見れたらなあ~。そうすれば、最新の観光スポットになるだろうなあ~。観光客も喜ぶだろうなあ~。スミマセン、独り言ですから(笑)。
真新しく広々とした新庁舎。町家イメージの縦格子、免震構造、そしてシンボリックな金魚水槽。
建設されてはや60年。長年の風雪に耐えながら役目を終えて、新庁舎にバトンタッチ。市民や職員にとっての旧庁舎の定年祝いは、格別なものとなりました。