金魚のまちとして全国的に知られる奈良・大和郡山。
毎年夏には「全国金魚すくい選手権」が行われるなど、大和郡山イコール金魚というくらい金魚のイメージが定着しています。
市内の養殖所などでは、ピチピチした金魚が元気よく泳いでいます。
4月1日に開館5周年を迎えた大和郡山の観光の拠点ともいうべき、紺屋町にある「箱本館」。
その玄関先に、木製の燈籠らしきものが1基。
すぐ近くの京都銀行前などにも、同じタイプの燈籠が2基、計3基。
江戸時代の雰囲気を残す町家にもマッチしていて、なかなかいい感じです。
ん~と、前にきた時はなかったような気が。
ん?
え!?
おお~っ!!!
記念写真でも撮ろうかと思いきや、な、な、なんと色鮮やかなリュウキンやデメキンが泳いでいるではありませんか!
燈籠の中に金魚が、ですよ!
人間のオドロキぶりなんてなんのその、金魚ちゃんたちはゆらゆら優雅に泳いでいらっしゃいます。
よくみると、木製の燈籠に縦長の水槽がビルトインされています。
燈籠型の水槽とでもいうのでしょうか、大和郡山市の今一番ホットな新名所だったのです。
それにしても、和風のオブジェに金魚がよく似合います。
大和郡山市内には、金魚のまちであることを示すオブジェがたくさんあります。
ところが生きた本物の金魚は、養殖所や金魚すくいをやっているお店以外、なかなかお目にかかれません。
「川や池などどこででも金魚がいっぱい泳いでいると思っていた」という、他府県の観光客も少なくないのだとか。
なるほど~、イメージだけが先行しすぎてしまったんですね~。
これはいかん!やっぱり実際に金魚を間近にみれる場所がないと!ということで、去年から市職員があれやこれやとブレーンストーミング。
「まちなみの雰囲気に合った燈籠なんかどうやろ?」
「え?燈籠をどないするんですか?」
「その中に金魚を泳がすねん」
「え!そんなんできるんですか!」
「できるかどうかは、やってみなわかれへん」
「ん~、まあそれはそうですけど~」
いやいや、具体的にそんな会話が交わされたかどうかは知りませんが(笑)
とりあえず、特製の燈籠をつくって、そこに金魚を泳がせるという戦略案が採用されました。
こんなユニークなアイデアをカタチにできるのは。。。そう、コトブキ工芸しかありません!
「発案はしたものの、本当にうまくいくかどうか不安はありましたよ。
でもその結果、こんなに素晴らしいものができるなんて。
いやあ無理な注文にもかかわらず、イメージ通りに仕上げてもらってうれしかったです」と語る大和郡山市都市建設部の仲 敬可さんほか導入に携わった市職員も、めっちゃうれしそう♪
あかんあかん、みなさんが金魚にみえてきた(笑)
さすが、ユニークな商品開発で定評のある国産水槽メーカーのパイオニアだけのことはあります。
オリジナル水槽が唯一つくれる国産のメーカーとして、これまでも数々のオーダーに応えてきました。
もしかしたら、このくらいチョチョイのチョイ、だったかも。
やればできるんです!
すごいんです!
燈籠全体の高さは140㎝。
銅板を屋根部分に使い、瓦風に仕上げました。
ポンプなどを格納する台の部分は、木製にこだわりました。
今はまだピカピカですが、年月を経ればきっといい味が出てくるんでしょうね。
そして肝心の水槽は高さ50㎝、幅・奥行き30㎝。
屋根部分を外せば、水や金魚が投入できます。
もちろん2基の照明器具もコトブキ工芸製。
タイマー操作により、夜はライトアップも可能です。
テスト設置した際に、京都銀行の女子社員から出た「あの~、エサはどこから入れるんでしょうか~」との素朴な疑問にも、ちゃんと対応してますから~(笑)
今後メンテナンスなどの維持管理は、自治体や地元の人たちが一緒になってやっていくそうです。
このあたりが、金魚のまち・大和郡山ならではの結束力なんでしょう。
お掃除などを通じて、よりコミュニケーションが高まるというわけです。
そっかそっか、これっていわゆる「金魚づきあい」ってやつですよね(笑)
去る3月28日(土)、上田 清大和郡山市長(写真)を始め地元の自治会長さんなどが出席し、完成を記念したセレモニーが行われました。
題して、「紺屋町・柳町通り 水草(金魚)鉢 入町式」。
ん?入町式?
江戸時代、このまちに金魚がやってきて以来、なんと400年ぶりの「入町」なのだそう。
セレモニー名はそれにちなみました。
金魚鉢という言い方も懐かしい響きで、なかなか風情があります。
まるで鏡割(笑)!
市長を中心に地元の自治会長さんらの手によって金魚が無事投入されました。
おりしも市内では「第55回大和郡山お城まつり」が4月10日(土)まで開催中です。
大和郡山は「日本の桜百選」にも選ばれているんですよ!
このほか、燈籠型水槽以外にどっしり落ち着いた石鉢も紺屋町や柳一丁目などに22基設置。
イベントなどの開催と合わせて金魚が投入されるそうです。
夏の風物詩でもある金魚、これから夏にかけてきっと注目が集まることでしょう。
夜になるとこれまた風情たっぷり。
あ~、夜は夜で独特の雰囲気がありますね~。
水槽が燈籠=あかりとしての機能をいかんなく発揮しています。
市職員のアイデアによって生まれた燈籠型の水槽、マジで正解でした☆
金魚のまちと城下町とのコラボレーション。
もう「金魚なんかどこにいてないやん」とは言わせません(笑)
今まで、あるようでなかったユニークなオブジェが生まれたことで、大和郡山に新たな灯をともしてくれることでしょう。
昔から平和のシンボルといわれてきた金魚。
金魚という「和」のテイストが人々を和ませ、さらなる大きな輪となって全国に広がっていきますように☆