2021/04/23ショップ, 技術

【ショップ】人々のくらしに癒しとうるおいを☆アクアテイラーズ松井山手店(京都府京田辺市)

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アクアテイラーズ5店舗目のショップとして、京都府京田辺市に去年11月7日にオープンしたのが松井山手店。一戸建て中心のベッドタウンが広がり、緑豊かな風景が広がる周辺環境が印象的です。人々のくらしに癒しとうるおいを。5店舗目のテイラーズを訪ねてみました。

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◆陽射しが注ぐシチュエーション

JR学研都市線・松井山手駅周辺には、多くの一戸建てやマンションが建ち並んでいます。駅前から歩いて数分のところにあるのが、3年前に開業した「ブランチ松井山手」。カフェやレストラン、雑貨店などで構成されたモダンな低層階の複合商業施設で、陽射しがたっぷり注ぐ明るい中庭や白を基調としたヨーロピアンな雰囲気が印象的です。

 

中庭では、マルシェや音楽祭などのイベントが行われるなど、人と人とが触れ合えるコミュニティーの場となっています。

 

アクアテイラーズ松井山手店は、ブランチ松井山手の一角、しかも駅から最も近い場所に誕生しました。

 

おなじみのテイラーズカラーのサインも、周辺にすっかりなじんでマッチ。エントランスまわりには、大小さまざまな流木が無造作に置かれています。

◆持ち味が生かされた独創的な切り口

高い天井によってキープされた空間は、緑や流木などによって演出され、店内には軽快なテンポのモダンジャズが流れています。

 

店内はまさに癒しの空間。モノを売るというのではなく、この空間をお客さんに楽しんでもらうことが先決、というテイラーズとしての強い想いがあるのかも知れません。

 

こちらには、高さのある壁面をうまく利用した巨大パルダリウムが。壁(ウォール)と水槽(タンク)が融合したウォールタンクで、近年では商業施設や小売店舗、病院などでの新しいオブジェや、売り場・空間づくりとしての依頼も増えてきています。

 

さらにこちらにはミスト水槽や、ややコンパクトにレイアウトされたタイプのものも目を引きます。ここ数年はパルダリウム、テラリウム、ビバリウムなど、水槽内で植物を育てるその呼び名もさまざまで多様化しつつあります。

 

すぐにお持ち帰り可能なコンパクトサイズのコケリウムも。植物を楽しむことを提案できる同店ならではのラインナップのひとつです。いかにもテイラーズらしい独創的な切り口で、顧客ニーズに対応している点はさすがです。

◆まるで本店へのワープスペース

水草水槽には、スカーレッドゴールデンアカヒレ、カージナルテトラ(ワイルド)、ホワイトフィンロージーなどの熱帯魚と、ロタラsp.H’ra、パールグラス、クリプトコリネなどの水草が。水槽内の水草はカットしてもらって購入することも可能です。

こちらの水槽ではブリリアントラミーノーズテトラ、サイアミーズフライングフォックス、ペルーグラス、ミクロラスボラsp.ブルーネオンなどが、ロタラsp.H’ra、ハイグロフィラ、ルドヴィジア、グロッソスティグマなどの水草を縫うように泳いでいます。

 

そしてその奥が生体ゾーン。

 

入口からゆっくり時間をかけてここにたどり着くお客さんもいれば、生体を目的にやってきて品定めするリピーターらしき人もいます。

 

店内の様子を見ていると、女性客が多いような気がします。入口付近に置かれたパルダリウムなどに惹かれたお客さんは、そのまま奥へ奥へと。そしてやがて生体にたどりつきます。

◆ひとつの品種に特化しない独自スタイル

遅ればせながらスタッフ紹介。まずは店長の小森智之さん(写真中)。何と、美容師や庭師を経てアクア業界へ転身した異色のキャラ。「でもどれもハサミを使う仕事ですから(笑)」と、笑いのツボを心得ています(笑)。続いてスタッフの三宅凌さん(写真右)。アクア系専門学校卒業後、テイラーズに。「店のコンセプトはスタッフ次第」という小森さんの信条通り、現在はひとつのゾーンを任されています。紅一点は平山日奈多さん(写真左)。同店専属ではなく、この日はレジを中心とした業務を担い、本店から応援スタッフとして駆けつけました。

 

小森さんは本店出身。今では定番となっている本店のコケリウム教室を初めに始めたのは小森さんで、聞くと書籍「パルダリウム(栽培の教科書シリーズ)」の監修も務めているほどのテラリウムの達人。本店に次いで、インショップではない店舗。「昔のテイラーズみたいで懐かしいね、と仰るお客様もおられますよ(笑)」。

 

熱帯魚ゾーンの水槽は、30㎝水槽を中心に45㎝、90㎝、90㎝スリムタイプなど総数約50本。しかもオールKOTOBUKI。小森さん曰く、「やっぱり丈夫ですから心強いです」。ちなみにこのゾーンでは、小型のカラシン系など比較的水草水槽と相性のいい熱帯魚を中心に販売されています。

 

販売用水槽もKOTOBUKIが中心。「レグラスの場合だと、ブラックとホワイト2種類のシリコンを選べますしサイズのバリエーションも豊富なので、お客様の経験値に応じておすすめしています」(小森さん)。

 

初心者でも扱いやすいオールインワン水槽も各種。

 

テラリウムなどに適した水槽として、コンパクトタイプもよく売れているそうです。

◆海水魚飼育にも新しい波

熱帯魚ゾーンだけでなく、海水魚ゾーンもありました。水草水槽と同様、海水魚に関してもテイラーズの十八番。

 

マルシアズアンティアス(ハナダイの仲間)のようにサンゴと相性のいい海水魚や、サンゴとの相性は良くないものの人気のある小型・中型のヤッコ類がメインラインナップ。もしかしたら、こんなに色がきれいなら海水魚を飼ってみたい!といきなり刺激を受ける女性客もいるかも知れません。でもやっぱり海水は難しいといわれているから、無理なのでしょうか。

 

「最近はプロテインスキマーやゲルポリマーなど、便利で高性能な周辺機器や用品がかなり増えてきたのでメンテも比較的簡単になり、以前より海水魚飼育は難しくなくなりましたよ」と小森さん。それは心強い!

 

ちなみに海外では、商品化に関して「こんなものをつくりたい!」という指向がかなり強いのだとか。売れるかどうか未知数であっても、ユーザーが喜びそうなものだったらさっさとつくってしまうのでしょうか。さすがに日本だとそう簡単にはいきません(笑)。

 

今注目されているのはこれ。寿命があるライブロックに代わるアイテムとして、セメントで成型したJSリーフロック。これによってサンゴを活着させることも比較的簡単になり、しかも加工に際する自由度も高くなったので、ひとつの水槽の中で魚の逃げ場や複数の隠れ場所を確保することもできるようになりました。「しかも目詰まりがしにくく、メンテも楽だといわれていて、ライブロックに代わるものとして今後主流になっていくものと思われます」(小森さん)。

 

JSリーフロックによって海水魚の隠れ場所が確保されているKOTOBUKIの30㎝ハイタイプ水槽(写真右側)。海水の循環もよく、汚れも少ない環境が保たれています。

◆求められるスタッフの目的意識

最近日本でも人気急上昇中のフラグサンゴ。フラグサンゴはアメリカが発祥で、海外ではフラグサンゴが主流となっています。小さいものだと直径は数㎝ほどしかなく、まるでアクセサリーのような可愛らしさ。コレクション性が高く価格もリーズナブルで、サイズの小ささゆえに小ぶりの水槽で多くの種類のサンゴを育成することも可能になりました。

 

こうしたノウハウやスキルを、スタッフ自身が身につけアクアのトレンドをつくり出しているのもテイラーズの強み。「個々のスタッフが将来何を目指して自分がどうありたいかは、とりあえず自分で決めないといけません。それさえ個々が自覚していれば、その目標に向かっていくよう背中を押していくのが、私たちの役目だと思っています」と、店長らしいコメントが頼もしかった!

 

ビーシュリと水草からのスタートだったテイラーズ。しかしながら時代も変化し、特にコロナ禍では生活様式も様変わりしつつあります。アクアであってもパルダリウムであっても、人々に癒しと潤いを提供していくことをさらに追求していくことが、テイラーズらしさといえるのかも知れません。

 

この春からはコケリウム作製体験&即売会も少しずつスタート。コロナが収束に向かい、また以前のようなマルシェや音楽祭などのイベントがブランチ松井山手で再開できるようになればいいですね。「その時は、ぜひ店の前の広場でメダカすくいなどをやってみたいです」(小森さん)。

 

オープン後まだ数カ月の同店。10年目に入ったテイラーズ本店。5月2日には、6店舗目であり初の北海道進出となるサッポロファクトリー店がオープンする予定で、その勢いは止まりません。ひとまずこの松井山手で、どんなわくわくする新しい風を吹き込んでくれるのでしょうか。期待はふくらむばかりです。

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