京都洛北・貴船。
さらさらと川のせせらぎを聞きながらいただく「川床料理」は風流そのもので、どちらかというと夏がベストシーズンです。
以前はハイソな人たちの食事会やお忍びというイメージがありましたが、最近は外国観光客や若者の姿も多く見受けられ、気軽な観光地になりつつあります。
その人気の中心スポットとなっているのが、貴船神社。
さほど広くない境内には、多くの観光客が集まっています。
そして、何も書いていないおみくじを引いて水に浸すと。。
するとどうでしょう、真っ白だったはずのおみくじにはメッセージが書かれていたのです。
一喜一憂するカップルたち。
なるほど、人気の秘密はこれにあったようです。
ところがよく調べてみると、貴船を流れる川は鴨川の水源でもあることから、昔から「水の神様」として人々の信仰を集めていたことがわかりました。
しかも神社だけは「きぶね」ではなく「きふね」と濁らず読むのも、澄んだ水を大切に後世に受け継いでいこうとする先人たちの熱い思いからきたものだそうです。
水の神様は、今では若者たちの恋の行方まで占っていたのです。
現在貴船神社では、「雪日限定」でライトアップされています。
それでなくてもパワースポット好きな若者たち、こんなロマンチックな情報を知らないはずがありません。
カップルで、友達同士で、そしてたった一人で訪れる人も。
凍てつくような寒い夜だというのに、若者たちにとって恋の行方は死活問題なんでしょうね(笑)
日が沈むと、あたりはすっかり夜の帳が降り幽玄な世界に。
境内はさほど広くありませんが、ライトアップといってもカラフルな装飾が施されていないのがホッ。
しばし幻想的な世界が広がります。
「夜の雪見特別参拝・積雪日限定ライトアップ」は2月末まで開催中です。
詳しくは貴船神社公式ホームページへhttp://kifunejinja.jp/winter/index.html
貴船神社が「水の神様」であることは意外と知られていません。
おそらく、「水占い」に興じている無邪気な若者たちも、きっとそのことを知らないのでしょう。
今も昔も変わらぬ水への思い。
水を大切にしようという心は不変です。
「きふねじんじゃ」よろしく、決して濁らない人生を送りたいものですね。