2年前にオープン以来、クオリティーの高いレオパやニシアフ、ヘビ、トカゲなどをパフォーマンスしてきた爬虫類専門ショップ。大阪駅にもほど近い好立地。そこに集まるのはレプ女たち!メインスタッフも女子!販売する生体もオール♀!ウソ(笑)。男子禁止。大ウソ(笑)。以前にも増してレプ女が増殖中なのは、女性に寄り添えるこんなショップがあるからに違いありません。
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◆女性に人気の理由
場所は大阪市堂山町。大小さまざまな飲食店などがひしめき合う、キタを代表する超歓楽街。そんな渦中にレプ専門店があるなんて、マジで初耳でした。まるでライブハウスのような看板までもが、周辺環境にしっかり溶け込んでいます。そんな歓楽街のど真ん中にあるショップって、一体どんなところなんでしょう。早速エレベーターを使って2階へ上がります。
あっという間に2階のショップへ。ドアを開けると、、、あれまー意外。白を貴重にしたクリーンな爽やかすぎる店内(笑)。入口の雰囲気からして、きっと薄暗くてボールパイソンあたりがギョロリと睨みをきかせているような、ちょっとヤバいシチュエーションだとばかり思ってました(笑)。
いやいや、そんな雰囲気のショップだったら女子はまずこないですよね。シチュエーションって本当に大事。しかも今気づいたんですが、爬虫類っぽいニオイというのがまったくありません。これも驚きでした。もともと爬虫類はニオイなんてしない動物で、その根源はほとんどが糞尿ですから。しっかりお世話をしてあげれば、爬虫類飼育にニオイなんて問題外なんです。
ニオイがしないということは、毎日定期的にお掃除などのメンテがしっかり行き届いている証拠。メンテがしっかり行き届いているということは、生体の健康管理もバッチリできているということにほかなりません。だってどの子も常にはつらつとしていて、えらい元気そうなんですもん(笑)。
◆心強い女性スタッフ
そしてスタッフも基本女性が対応。とっても親切でやさしいみどりこさん。「顔はボカしておいてくださいね」。ハイハイ(笑)。ヘビが大好きでこの道に入ったという変態です(笑)。彼女が手にしているのは、セイブシシバナヘビ。独特な頭の形状がかわいい。なので女性にも人気があるのだそうです。そういえば、数年前にユーザー訪問で取材したレプ女のおうちにも、この子と同じヘビがいたことを思い出しました。
そしてスラリとした長身のスレンダー美女・S店長。うんうん、色々話を聞いているときっとMじゃなくSだと思います(笑)。「マスク以外写さないでくださいね!」って、ほらやっぱり(笑)。S店長が手にしているのは、ニシアフ(ニシアフリカトカゲモドキ)。ニシアフは、生体の色パターンを知れば知るほど奥が深いのが魅力なんですが、何はともあれ接客してくれるスタッフが女性というのも、レプ女にとっては心強い安心材料。しかも2人とも豊富な経験と知識がありますから、レプ女ならずともユーザーからみれば心強い布陣に違いありません。なるほど、これがサティスの強みなのだとナットクした次第です。
販売されている生体はレオパ(ヒョウモントカゲモドキ)・ニシアフ・ヤモリ合わせて50%。約300匹が常時在庫されています。ショップの半分をこの3品種が占めているのも、昨今のレプ女ブームの賜物といえそうです。
そしてみどりこさんが担当するヘビは全体の30%で、約200匹が常駐。このほか、フトアゴヒゲトカゲなどのトカゲ類が20%・50匹となっています。
メンテが行き届いた個別の飼育ケージ。決して取材があるからと、大慌てで掃除したわけではありません。「毎日いつもと変わらぬ状況です」とクールなS店長。夜行性のニシアフたちもとっても快適そう。爬虫類だからとおそるおそるケージを覗き込まないといけないダークな空気は、ここにはありません。
◆レオパの座が危ない?ニシアフの台頭
それでは早速女性スタッフお気に入りの子たちをご紹介。まずはニシアフのオレオパターンレス。オレオは、お菓子のオレオに似た黒(もしくは茶色)に白のバンドが入りますが、こちらは名前の通りパターンレスなので模様がないタイプ。ニシアフはつぶらな瞳とぽってりとした尻尾が特徴で、2年ほど前からレオパ同様人気が高まってきました。レオパに比べると、やや地味なカラーではありますが色柄のパターンがたくさんあって、かなり奥が深い感じです。
パターンレスposshetオレオゴースト。オレオでしかも全体にモヤっとした脱皮前のような色合いになるオレオゴーストの遺伝子を持っている可能性があるので、繁殖させた時どんな個体が出るのかが楽しみなのだそう。オレオは掛け合わせによってさまざまな体色や模様が期待できるので、繁殖をメインに飼育する人には人気があります。
ホワイトアウトアメル。色が抜けて白くなるタイプのホワイトアウトで、しかも黒い色素を持たないアルビノ。一瞬レオパかと思ってしまうカラーリング。ニシアフはアルビノ個体でも目は黒くて、それもまたかわいかったりします。
オレオhetズールーposshetsアメル。パターンレスに比べると、模様は比較的シンプルです。この子は体の横に模様がありますが、縦に模様が入るズールーもいたりしてバラエティーに富んでいます。奥が深いニシアフ。色がきれいだからとか、かわいいからとかの理由を通り越した独自の世界観があります。まるで女性が服をコーデする感覚。もちろん飼育面に関してもレオパとほぼ同じ。それでも不安なことがあったら、24時間いつでもLINEで相談に乗ってくれるのでめっちゃ安心です。他店で買ったものはアウト?そんなこと言うわけないでしょ(笑)!
◆レオパも一人暮らし女性も夜行性?
そして根強い人気を誇るレオパをご紹介。初めてレプワールドの門を叩く人にとっては、一番扱いやすい生体といえます。これはブラックウォーター。すごく透明感のあるきれいなナイスバディ。ん?ブラックと名前がついているのに、ボディは黒くないんですけど。なぜブラックと称するのか、この子に直接会って聞いてみてください(笑)。
ブラックナイト。こちらは正真正銘の黒。ヌバックのようなビロードのようなきれいなボディが印象的です。これなら冠婚葬祭にも対応可(笑)。とっても元気な子で、自ら2度もジャンプしていました。
女性がニシアフやレオパを飼うのは、ペットとして手頃だから。犬猫だと散歩が必要だったり医療費や食費がコスト高になったり。そういう点では、レオパだと比較的丈夫でコストもかからず、スペースもさほど必要ないことも、人気に拍車をかけているようです。そういえば以前、「一人暮らしをしてるんですが、仕事を終えて家に帰ってきてから遊べるというのが魅力なんです」という声を聞いたことがあります。ご存じのように、ニシアフもレオパも夜行性。一人暮らしの女性も、ある意味夜行性。夜はゆっくりペットとすごしたい人にとっては、お互いの生活リズムを崩すことなくハンドリングなどペットと寄り添うことができるのも大きな人気の要因かも知れません。
◆売れても喜べない複雑な女心
続いてみどりこさんお気に入りのヘビなんか少し。さきほどみどりこさんとのツーショットを紹介したシシバナは小型タイプでしたが、ヘビといえばやっぱりこれ、ボールパイソン。これはちょっと珍しいVPIアザンティックパイボールで、真っ白な部分と模様のある部分とか交互に組み合わさっています。おなかのほうも白くてきれい。黒色の色素を持たないアルビノに比べて、アザンティックは黄色の色素を持っていません。ボールパイソンも、血統によってはさまざまな特徴があるみたいです。
一番のお気に入りは?と聞くと、「つい最近売れちゃったんです~」とちょっと寂しげ。いやいや、ショップなんやから売れたら喜ばないと(笑)。ということで、前に撮っていた画像を見せてもらいました。ボールパイソンのピンストライプ。売れなかったら自分が飼おうと思っていたそうですが、別れはある日突然にやってくるものなんですね(笑)。何気に、こんな子もいますよ~とオススメしたところ、お客さんの目に止まりビビッときたのでしょうか、即買いとなったそうです。
お客さんにお迎えされるまで、この子がいかに愛情深く育ててもらったかが、よくわかるエピソード。もちろん愛情だけでなく、この子たちがいかに快適でいられるかはスタッフのメンテによるところが大きいのも事実です。吉本明浩オーナーいわく、「1にメンテ、2にメンテ。34がなくて、5にメンテ。クオリティの高い個体を育てていくには、まずこれが基本ですから」と。そのコンセプト通り、毎日しっかりメンテに携わる女性スタッフもエラい!
今回の取材で、キワメテスタッフ♂が最も気になったのが、フトアゴヒゲトカゲのコイツたち。この表情と仕草、シュッとした顔立ちがたまらん(笑)。
せっかくなので、1匹だけハンドリングさせてもらうことに。フトアゴヒゲトカゲは白と黒のコントラストがはっきりしていて黒目の子が人気なのだそう。初めて手にしたフトアゴヒゲトカゲ。お腹が柔らかくて四肢の爪も想像していたより鋭くありませんでした。
でも気に入ったからといって即買いするのはNG。「この子たちはまだベビーです。大人になると60㎝近くまで成長します。それまでの間、サイズに合わせて何度もケージを替える必要があります。大きくなったら野菜を食べますが、バランスよく食べさせないといけません。しかも紫外線灯の常備はもちろん日光浴も必須なんです」とS店長にピシャリ(笑)。
そうなんですよね、可愛いだけだと飼えません。いくらペットといえど相手は命あるもの。しっかり最期まで世話ができるかどうか、以前取材した爬虫類カフェのカリスマオーナーが言っていた「飼うのには覚悟が必要です」という言葉を思い出し、改めて身が引き締まる思いでした。
◆素晴らしいものづくりのために
女性に人気のレオパやニシアフを中心にした、サティスのかわいい系ラインナップ。オープン2年を経過して、その有り様は今やレプファンにもすっかり浸透しつつあります。
吉本オーナー曰く、「ここは爬虫類の駆け込み寺だと思っています。お客様が真剣に飼育していただけるなら、私たちも真剣に向き合わないといけないですから」。24時間体制でアフターを徹底しているのも、売ったら売りっぱなしではない店側の「覚悟」もあるからなのでしょう。
ちなみに店名のサティスファクトリー(Satisfactory)には、「素晴らしいものづくり」という吉本オーナー以下スタッフたちの熱い思いが込められています。
ゆるがぬ自信と、エンドレスな情熱。ユーザーよりも誰よりも幸せなのは、この子たちなのかも知れません。