「世にも珍しい全国初のシュールなイベントがあるらしい」。世にも珍しい?しかも全国初?そしてシュール(笑)?そんなウワサを聞きつけて半信半疑でやってきたのが、金魚のまち・奈良県大和郡山市でした。コロナ禍により、本来なら夏に行われたはずの「金魚まつり」と「柳神くん祭」とが合体。その中で行われる、シュールなイベントとは一体?かくして、キワメテ調査隊は真相を探るべく金魚のまち・大和郡山市に潜入したのでした。
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◆元気の源はやっぱり金魚
まだお昼前だというのに、大和郡山市の柳町商店街は多くの人でにぎわっています。まるでコロナの規制が解除されことで、リミッターが外されたかのように。これまで外出したい気持ちをグッと押し殺し、やっとコロナ呪縛から解放された安堵の表情がうかがえました。もう大丈夫?絶対大丈夫(笑)!
大和郡山市の柳町商店街は、別名「金魚ストリート」。数年前から、商店街のみなさんが独自に金魚を飼育し観光客にPRしようと、店先に水槽を置いてパフォーマンス。多くの商店の協力によって、大和郡山市らしいストリートが展開されています。
花屋さんにも金魚。
さすがメガネ屋さん、水槽がよく見え~る(笑)。
ギョギョ!魚屋さんにも金魚!
呉服屋さんだって負けてません!
水槽in金魚鉢?
ナニコレ!?金魚の自販機(笑)?
水槽はスクエアばかりとは限らない!
え、金魚のアイス(笑)?
極めつけはこれ。自動改札機っぽい水槽?水槽っぽい自動改札機?まあどっちでもよろしい(笑)。とにかく、商店街のみなさんのあの手この手の努力によって、30品種の金魚が観光客たちの視線を浴びています。
◆筒井町からも応援甲冑部隊
金魚まつりが開催されている市役所前特設会場では、おなじみの金魚の即売会が行われていました。
もちろん金魚すくいコーナーも大にぎわい。ポイが破れるまで、ママは頑張るからね!
おお~、一体何匹すくう気~(笑)?すごいやん!と声をかけてみたら。。
「ボクは88匹すくいましたよ!」と、中学生グループの中の一人がドヤ顔(笑)。もちろん、あの金魚すくい大会への出場経験もアリ。それにしても、金魚すくいを心底楽しんでいる男子中学生がいたとは、日本も捨てたものではありません(笑)。聞けば、超有名な進学高校を目指しているとのこと。ほー、それは素晴らしい!金魚すくいこそ天才への近道かも!
何やらアヤしいコスプレイヤー発見(笑)。ははーん、シュールなイベントというのは、鎧兜に身を包んだ武者たちのこと?ということで、早速職質(笑)。あー、もしもし。こんなところで一体何をしてるんですか?しかも、昭和レトロを感じさせる金魚売りの屋台の前で。
よくよく聞いてみると、大和郡山城とも深い関わりのある戦国武将・筒井順慶ゆかりの筒井順慶顕彰会メンバーのみなさんでした。駅でいうと、近鉄郡山駅より一つ南の筒井駅。その名は駅名だけでなく町名にもなり、駅近くには筒井城址も。今回はハンドメイドの甲冑衣装に身を包んで、大和郡山市を盛り上げようとやってきたのでした。全然いい人たちでした(笑)。こりゃ失敬!
奈良市から筒井町に移り住み、地元の自治会活動や観光PRに尽力しているメンバーの一人が、キワメテ隊を結成(笑)?澄み渡った青空のもと、映え映えです!
◆シュールなイベントの正体
シュールなイベントの手がかりがなかなかつかめず捜査が難航していたところ、こんなイベントビジュアルを発見。よく見ると、中央あたりに気になる文言が。ポイ投げ?全国?しかも第1回?しかも金魚水槽メーカーから賞品多数予定?あー、これだー!間違いない!そうなんです、シュールなイベントの正体とは、第1回全国ポイ投げ選手権大会のことだったのです。早速現場へ向かうことになりました。
現着(笑)。関係者によると、大会には先着100名が参加できるのですが、午前11時の時点で参加希望者が殺到。あっという間に100人に達し、早々に締め切ったのだそう。それはすごい。こんな人気のあるイベントと予想できました?「いや、できませんでした(笑)」とはある関係者。
縦長の特設会場では、1mごとにラインが引かれ数個の洗面器も置かれています。投げられたポイの距離を競うだけでなく、ポイが洗面器に着地したラッキーな参加者を讃える大会でもあるんです。
参加賞もバッチリ用意。
おお~、参加賞にはKOTOBUKIの天然竹丸形網もありました。
そして目前には、豪華賞品がズラリと並んでいます。
豪華賞品の中には、ビギナーでもアクアがすぐに楽しめるKOTOBUKIのエントリー水槽セット・アクアステップも。
しかしよりによってポイ投げ選手権なんて(笑)。こんなにも軽いポイがどれほど飛ぶのでしょうか。金魚すくいになくてはならないアイテムではありますが、こんなの投げたことないから予想もつきません(笑)!
そうこうしているうちに、いよいよ大会開始。地元のイベントには欠かせない第39代女王卑弥呼たちも応援に駆けつけてくれました。
そして上田清大和郡山市長の登場。「みなさん!ポイ捨てはダメですが、ポイ投げはOKですから!」などと、いい意味でちっとも市長らしくないメッセージで市民の心をつかむのが相変わらず上手すぎ(笑)。
大会に先立ち、上田市長とポイ投げ競技発案者の弓場裕秀さんによる、始球式ならぬ始投式(笑)。あー、この人が発案者でしたかー。でもあとで聞いた話によると、仏壇仏具を扱う弓場鳳凰堂の社長さんで、しかも金魚飼育の達人なのだそう。へー、知らなかった。「いつでも見にきてくださいね」。はい、必ずうかがいます(笑)。
競技が始まりました。予想通り、ポイはなかなか前へ飛びません。飛んだ!と思ったら、ヒュルヒュルヒュルヒュル撃沈(笑)。この日風はほとんどありませんでしたが、空気抵抗がありすぎなのか、フリスビーのようにヒュッと飛んでいくことはほとんどありませんでした。あー、シュールすぎる(笑)。
コツなんてほとんどなし。だって全国初ですからそもそも事例がありません(笑)。だからこそ老若男女が楽しめて体力も不要。まさに何m飛ぶかは、ポイに聞いてくれ~というしかありません(笑)。
計測できるほどポイを飛ばした人なんてもう英雄(笑)。
キミキミ、投げる時くらいビールは置きなさい(笑)。
◆最長距離は10m16
大会が始まってまだ30分ちょい。さっきビールを片手に競技を楽しんでいた一人の男子のポイが、洗面器内に見事着地。おお~、一斉に拍手が上がります。今日最初のラッキーボーイ。早速つかまえに行きました。
今日初めてのラッキーボーイは、何と新潟から単身赴任中という山田見吾さん。おめでとうございます!しかも賞品はKOTOBUKIのセット水槽を自らが希望。なかなか見る目あるね~(笑)。さてさて、もらったこの水槽、このあとどうするの?「会社で使うことにします!」と即答。この日は、会社のメンバーと一緒にやってきたとのことでした。
これがメンバー。あの光洋機械工業結崎工場にお勤めのみなさん。聞いてみると、職場でオスのベタを1匹飼っているのだそう。「可愛くて可愛くて仕方ないんです~。しかもめっちゃ懐いていて、まるで手乗りベタちゃんなんです(笑)」と野口瞳さん(左から2番目)。その上司でもある平林謙一さん(右から2番目)も実はアクアリスト。ちょっと酒くさいけど(笑)。今回山田さんがポイ投げ選手権でゲットした水槽には、「今日即売会で買った金魚を飼育しますから、後日見にきてください!」。はい、ぜひぜひ(笑)。キワメテの輪が、またひとつ広がった瞬間でもありました。
なお、この日の優勝者の記録は、何と10m16㎝。2位・3位でも8~9mを飛ばしたのだとか。残念ながら歴史的瞬間には立ち会えませんでしたが、あのポイが10m近くも飛ぶなんてびっくり。来年からは新たな挑戦者も現れて、年々新記録が出る大会にアップデートされていくかも。次の日本一は、そこにいるあなたかも知れません!
◆昭和を再現した金魚屋台
この日は、昭和の初期に使われていた金魚売り用の屋台を再現したものが会場に。できるだけ忠実に当時の様子を再現、「昔はこんなふうに金魚を売っててんで~」と、お孫さんに説明するおじいちゃんもいたりなんかしました。
子どもたちも興味津々。
金魚屋台に搭載されているのは10個のKOTOBUKI水槽でした。
メインとなるのは60㎝水槽。金魚の色もひときわ鮮やかです。
「ほな、行きましょか!」とまたまた上田市長。いやー、いつも行き当たりばったり的なキワメテのオーダーにお答えいただきありがとうございます!とはいえ、無理して腰でも痛めたら公務に支障が出るので、ポーズだけで結構ですから(笑)。
そうなんです、この通り実際にちゃんと動くんです。上田市長、市役所庁舎をバックに、先頭に立つ(笑)!
「金魚~~~、エ~~~、金魚っ」。独特の掛け声に乗って、金魚屋台が柳神くん祭開催中の柳町商店街を練り歩きます。古い町並みともしっくり合っています。
第39代女王卑弥呼も市長に負けじと金魚売りコール。「金魚、エ、金魚っ」。ん~、ちょっと短かすぎ(笑)。
そして、この日わざわざ金魚まつり&柳神くん祭に足を運んでくれたみなさんに、金魚をおすそ分け。こんなにたくさんきてくれて、本当にありがとうございました!
◆まつりのあと
金魚まつりは、夏に開催が予定されていました。が、コロナ禍で中止に。今年は無理かも知れないと開催が危ぶまれましたが、やっとこさ無事開催。しかも柳神くん祭とドッキングしたことも功を奏し、多数の来場者により大いに盛り上がりました。
最初はどうなることかと心配していたポイ投げ選手権大会(笑)。でもよくぞ盛り上がってくれました。第1回目のイベントとしてはバッチリでした。その手応えを感じたのでしょう、弓場さんめっちゃうれしそう(笑)。
あたりが少しずつ暗くなり始め、竹灯籠にも灯がともり始めました。この竹灯籠は、地元の8つの幼稚園に通う園児さんたちにペイントしてもらったものだそうです。
盛り上がったあとの夜は、どことなく物哀しくもあり、切なくもあり。
第39代女王卑弥呼の任期も残りあとわずか。一年間ご苦労さまでした。ん?しんみりしてちょっと泣いてる(笑)?
2021年も残すところあとわずかとなりました。多くの人たちにとって激動の2021年ではありましたが、せめて年の瀬くらいは心穏やかにすごしたいものですね。
金魚をすくうと人も救われる。そして誰もがいやされる。やがてみんなが元気になる。金魚よいつもありがとう!