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【スポット】「好きなものといつも一緒にいたいから」☆フレンチとメダカの意外な共通点!?キッチン&カフェ「エマーブル」オーナーシェフ・高見忠男さんのメダカ愛(兵庫県尼崎市)

Posted on 2021年7月9日2023年5月13日 by aquariummagazine

カジュアルなフレンチとして多くのリピーターに親しまれている「エマーブル」は、無農薬野菜中心。体にやさしく美味しい料理を提供しているのが、野菜ソムリエであり栄養士でもあるオーナーシェフ・高見忠男さんです。そんな高見シェフがフレンチと同じくらい愛情を注いでいるのが、ほかならぬメダカ。知る人ぞ知る高見シェフの意外なライフワーク。フレンチとメダカ。一見共通点がなさそうな両者ではありますが、高見シェフにとってメダカはかけがえのないパートナーでした。

☆     ☆     ☆

◆いかついシェフでなくてよかった

阪急神戸線・武庫之荘駅から西へ徒歩約4分。駅前のにぎわいから一変、周囲は閑静な住宅街という好立地。通りに面してはいますが、車の通行量もさほど多くなく木造テラス風の店構えがぬくもりと安心感を与えてくれます。

 

これでもかというくらい、たくさんの手づくりPOPが目に飛び込んできます。どれもこれも、産地直送の素材だけに注目したシェフのこだわりがうかがえます。

 

今年4月で創業11年。店名のエマーブルとは、「やさしい」「心地よい」「感じいい」などの意味。何かわかるような気がします。これでもし、いかついシェフが登場しようものなら看板に偽りありです(笑)。

 

入ってすぐのところで、早速メダカたちとご対面。外飼いではありませんが、雰囲気はそんな感じです。実は、お店としてメダカをアピールしているのは、ここだけなんです。ちょっともったいないよう気がしないでもありませんが、逆に控えめなところが店名通りのやさしい配慮なのかもしれ知れません。

 

メダカとのご対面のあとは、シェフとご対面。何とも物腰の柔らかい温和キャラで、ああ確かにエマーブル☆いかついシェフでなくてよかった(笑)!シェフのご紹介はのちほど。

 

3つのメダカ鉢には、一番古参のミユキを中心に、ブラックダイヤや楊貴妃などなど。

 

ブラックダイヤの針子も元気に泳いでいます。聞くところによると、この種類が一番よく産卵するのだそう。天気のいい日には積極的に日光浴をさせるなどして、自然をうまく取り入れているのも功を奏しているのかも知れません。

 

それぞれの水槽にプカプカ浮いている白いうきのようなものが産卵用のスポンジ。以前は市販のスポンジをアレンジして産卵用に利用していましたが、最近では百均などでも手軽に買えて使いやすく、産卵にも適しているそうです。

 

ほらほら、すでに卵がひとつふたつ。つきっきりであれこれ話してくれるシェフ、この時ばかりはフレンチのシェフではなくメダカのブリーダーさんそのものです。

 

ん?何やら奥まったところにもメダカ鉢が。よく見ると紅帝楊貴妃。室内飼いではなかなか色の上がらない楊貴妃と違って室内飼いでも朱赤色が濃くなり、月日を重ねるごとに朱赤色が濃くなるといわれているシェフの一番のお気に入り。ボクの宝物的な(笑)。だったら、こんなに奥ではなくもっとよく見えるところに置けばいいのに。いや、大事にしているからこそ、人に見せたくないのかも。でもこれでバレちゃいましたね(笑)。

 

お店の裏にもちょっとしたメダカ専用のバックヤードが。孵化して間もない針子たちがキラキラ元気に泳いでいました。このほか自宅にもメダカ水槽があり、メダカたちの世代交代に何度も遭遇しながら、メダカライフを楽しんでいます。

◆お遍路で出会ったメダカたち

フレンチレストランとしては珍しく落ち着い和風の店内。華美なデコレーションもなく、気取らずゆっくりと食事が楽しめそうなインテリアなど、やさしさに包まれています。

 

体にやさしい産地直送の食材の紹介が店内でも。これでもかというくらい(笑)。おうち時間を家族ですごすべく、テイクアウト用のお弁当や惣菜も販売しています。地元兵庫を始め高知や長野など、国産食材の調達先は全国に広がっています。やっぱり生産者がわかる食材というのは安心です。

 

シェフはこの人、高見忠男さん。将来は料理人になりたいという小学生の頃からの夢を叶え、国内の有名ホテルはもちろん本場フランスでの経験も多々。カジュアルでありながら、独自の味付けで演出された「家庭の食卓に一番近いフレンチレストラン」がウリです。

 

キッチンに立つ姿や表情、食材を操るテキパキとした手などの動き。それだけを見ていると、フレンチシェフでありながらメダカ飼育というもう一つの顔を持っているとは、とても信じがたい(笑)。

 

メダカとの出会いは6年前にさかのぼります。開業前、今は亡き父親に勧められるままに45日間で達成した四国八十八カ所の第2弾として、再び立ち寄った徳島の道の駅兼ホームセンターでミユキと出会いました。「10匹で500円でした(笑)」。でもわざわざ四国で買わなくても、こちらでもすぐに手に入りますよね?「ですよね。でもなぜかその時、この子が欲しい!という衝動に駆られたんです。この子しかいない、と」。お遍路の途中だったということもあり、何か天からの声でもあったのでしょうか。

 

お店をスタートするにあたって挑戦した四国八十八カ所めぐり。そして再び訪れた地で出会ったメダカたち。やっぱり運命的な出会いだったのかも知れません。

◆メダカと触れ合うスペシャルシート

店内で唯一食事をしながらメダカビューが間近に楽しめるポジションがこの席。壁側に設置されているのは45㎝水槽。そうなんです、飼育用のメダカ鉢以外では、この水槽が唯一メダカのパフォーマンス場所でもあるんです。

 

高見シェフが飼育しているメダカたちにとって、ここはいわゆる表舞台。ある意味メジャー。じっくり観察してみると、これまで育ててきたミユキ系などのメダカ以外にドジョウやハゼ、エビ、そしてカニといった野生たちも。高見シェフ曰く、「自然のままの姿を再現したかったんです。食材の仕入れ先としてよく足を運ぶ、自然豊かな姫路市郊外の夢前川のイメージなんです」。新鮮な食材を愛するだけでなく、自然そのものも愛することがポリシーのようです。

 

姫路市を流れる夢前川。どこか懐かしい昭和の風景。なるほど、これを見立てて水槽に仕上げたのですね。ドジョウやカニたちもまさしく現地調達ですが、決して食材ではありませんので念のため(笑)。※画像は高見シェフ提供

 

替えてからすでに数カ月経っているというのに、やたらときれいな水。そして水量がハーフサイズなのは、丘が必要なカニのためでもありますが「将来的にはメダカと水草、さらにコケや流木などと融合させたビオトープ的に発展させていきたいと思っているんです」と高見シェフ。言われてみれば、そのイメージは確かにありますね。

 

お客さんが近くの席にいる時は、水槽のライトは極力オフにしています。「フレンチをゆっくり味わっていただきたいですから。極力食事の邪魔にならないように、と。でもメダカに興味のある人がいらっしゃったら、もちろんオンにして見ていただいています」と、どこまでもお客さんへの配慮を忘れません。

 

まさにメダカビューが楽しめるスペシャルシート。「(メダカが)自分が好きだからといって、お客さんも好きだとは限りませんからね~。でも好きなものとはいつも一緒にいたいのも本音ですし(笑)。今のバランスがちょうどいいかなとは思っています」。どこまでもやさしい高見シェフでした。

◆キリンが好きなキリンさん

店内を見渡すと、小さなボトルに入ったコケリウムらしき物体がポツリポツリと。メダカより多いのでは?「それまで漠然としたイメージしかなかったんですが、以前母と屋久島へ旅行に行った時に強く惹かれたんです。コケっていいなあって」。

 

その後、新聞に折り込まれていたチラシを見て、コケや流木を扱っているお店が近所にあるのを知りました。軽く考えていたものの、いざやってみると温度管理や湿度など難しいことだらけ(笑)」。でもいずれビオトープはやってみたいと?「今はインテリア感覚で小さなものしかつくっていませんが、いずれ本格的なものをつくってみたい。水にはメダカが泳ぎ、コケが生い茂り、流木の上からは小さな滝が流れているような(妄想)」。高見シェフならきっと妄想に終わることなく、実現してしまうことでしょう。とはいえ、さてどこに置くかな(笑)?

 

ヒノキゴテやアラハゴケ、スナゴケ、ハイゴケなどに混じってなぜかキリンも2頭。むしろコケよりこちらのほうが目立ちますが(笑)。

 

「私、キリンが大好きなんです!」と目をクリクリさせて答えてくれたのは、創業当時からよきスタッフとして高見シェフを支えてきた新田亜由美さん。身長169㎝のスラッとした出で立ちは確かにキリンっぽい(笑)。メダカも好きで、一時は20本あったメダカ水槽の世話を任されたことも。「いや、もう大変でした。仕事よりしんどい(笑)。これからもしっかりサポートはしますが、任されるのはもうイヤです(笑)」。まあまあ、そう言わずに(笑)。

 

新田さんの目の前にあったのが、KOTOBUKIのコンパクトサイズのレグラス。流木の1本にウィローモスが巻かれているほか、カニやミナミヌマエビなどの生きものも。「洗いものをしながらついつい見入ってしまうんです」(新田さん)。見入ってしまうのは、水槽じゃなくそばに置いてあるキリンじゃないでしょうね(笑)。

 

お客さんがいない営業時間外は、スペシャルシートで事務仕事をするという高見シェフ。「自然のままにゆったり泳ぐさまは、やっぱり見ていて癒されます。コケリウムに夢中になってもビオトープに発展していっても、メダカは常に主役ですから」。きっと本当は、この場所に一番いたいのだろうなということが、すぐにわかりました(笑)。

◆シェフおすすめの「魔法の水」

ここまで順調にメダカたちが育つまで、うまくいかなかったことのほうが多かったとか。「色々試してみましたが、結局水が成育を左右するものだというところに行き着きました」。何だか料理に似てますね。「そうなんです。メダカも野菜も人間もすべて生きものだと考えると、小手先だけではうまくいかないんです」。

 

数年前、ある農家から水の分子の潜在的運動能力を引き出す特殊な水を教わり、日々のくらしが劇的に変わりました。料理の保存状態がよくなり、水も格段に美味しくなったと。もしかして、メダカの飼育水としても流用?「もちろんやってみました。今まで以上にメダカたちが元気になり、繁殖も活発になりました」。それはすごいですね。「しかも足し水をするだけでいいんです」。ほー。でもえカルキ抜きはしないといけませんよね?「いや、それもしなくて済むんです。何より、水の汚れも劇的に少なくなりました」。なるほど。水がきれいだったのは、そういう理由だったからなんですね。

 

要は、科学の力によって水本来の持つ還元力を引き出し腐敗が進まないという、まさに“魔法の水”。店内にある水槽がきれいに保たれていたのも、魔法の水のおかげだったようです。もちろん人の健康にも寄与するため、いいことづくし。それって、ホンマでっか(笑)!?複雑なメカニズムをここで書くと長くなるので、気になる人は直接高見シェフに聞いてみてくださいね。

 

メダカも料理も、じっくり手をかけて取り組むこと。それだけは、いくら魔法の水があってもどうにもありません。やっぱり愛情でしょうかね。「つくった料理がお客さんに喜んでいただけるのと同じように、メダカが元気でいてくれたら逆に私がうれしくなるんですよね」と高見シェフ。フレンチとメダカ。一見共通点がなさそうに思えますが、ここにエマーブルがある限り持ちつ持たれつのいい関係でバランスを取り合っているのかも知れません。

 

スペシャルシートの水槽にいた1匹のカニ。水槽にいないなと思ったら、厨房にまでトコトコやってくる脱走の常習犯なのだとか。開業以来、近所の騒音問題やモンスターファミリーの出現にも屈せず頑張り、今では笑い飛ばせることができるようになった高見シェフ。まあ1匹くらい自由な子がいても、いいか(笑)。

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