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【ユーザー/イベントレポート後編】「次回は自家繁Ver.を出品するぞ!」わが家のベタ愛が止まらない溝邊千聖さん(東京都)

Posted on 2023年7月21日2023年7月22日 by aquariummagazine

日本唯一の公認コンテストとしてすっかり定着した「日本ベタコンテスト2023」。公認だからこそ受賞すればハクがつきますが、審査基準もシビアなのも公認たる所以。後編では、そんなコンテストに果敢に挑戦した東京都の溝邊千聖(みぞべちさと)さん独自のアクアスタイルにも着目。公開審査や表彰式が行われた2日目の様子も合わせてお送りします。

☆     ☆     ☆

◆ベタ格安コーナーも

コンテスト2日目。今日はいよいよ一般公開。2012年に第1回目が開催されたベタコンテストも、今回が12回目。コロナの影響で開催が危ぶまれたこともありましたが、ここへきてようやく回復。ベタもベタユーザーも、そして海外からの国際審査員も帰ってきました。

 

開場前、会場入口付近にいたお二人。あれ?確か昨日もいてはりましたよね(笑)?「はい、おりました(笑)」。かくして来場者第1号となったのは、滋賀県からお越しの青野英二さんご夫妻。何とピアニスト。屈託のない笑顔のご主人と、ロングが美しい奥様と。コンテストにエントリーしたため、青野さんたちも2日間連チャンというわけです。

 

青野さんご夫妻の目的はこれ。高品位のベタが格安で買えるコーナーがあったから。見ると、1000~2000円。会場ではついつい出品魚に目が行きがちですが、今や見逃せない定番コーナーとなりつつあります。買わないとソン(笑)。

 

一般入場者にはこんなプレミアムが配布されました。さすがにこんなにきれいに撮れるスキルはアリマセン(笑)。

 

何やら真剣な表情の千聖さん。一体何の打ち合わせなのでしょう。あまりにもマジすぎて、会話に入っていく勇気はありませんでした(笑)。

 

正面左側には、水槽メーカー・KOTOBUKIのブースが数年ぶりに登場。

 

ベタ飼育のためのLEDつきセット水槽、新発売されたばかりのベタ専用飼育水などを展示販売。足を止めるベタユーザーは少なくありませんでした。

 

ひときわ異彩を放っているコーナーがありました。レジンを使ったハンドメイドのベタフィギュア。若いころ歯科技工士だったという兵藤公彦さんの持込企画によって実現した特別展示。「老後の楽しみにできればな、と(笑)」。あきませんよそんな消極的なことでは(笑)。販路を見つけるべく、積極果敢に攻めていきましょう!

 

写真では本物と見分けがつかないほど、精巧にできています。種類やシチュエーションに応じて数点を展示。この日の審査員の目にも止まったらしく、早速商談も。もしかしたら、ベンツの1台や2台買えるくらいバズるかもよ(笑)。

 

アーアー、ただいまマイクのテスト中。新たな試みとして採用されたMCを千聖さんが担当。おお、そんなこともできるんですか。いやあ器用すぎます。もうすぐ始まる公開審査の様子を来場者にわかりやすくマイクを通して伝えるべく、自主連が始まっていました。

◆高まる公開審査のライブ感

いよいよ公開審査開始。会場のほぼ中央に置かれたデスクを囲むように審査員が陣取る、ベタコンテストではおなじみの光景。

 

そういえばアクアにはほかにもコンテストや品評会がありますが、公開審査がここまでエンターテイメント性があるのはベタコンテストの特徴でもあります。

 

来場者も興味深く審査員のやりとりを聞いています。英語がわかるのかどうかは、知らんけど(笑)。

 

言語の理解度はともかく臨場感もあって、なかなかいい雰囲気。

 

そしてこれも初の試み。SNSを通じたライブ配信も行われました。ナイスアイデア。会場だけでなくネットを利用したライブ配信なので、世界中のベタユーザーが釘付けになったかも知れません。

 

ん?誰もが知ってるアメコミのヒーローがこんなところに。水槽内のベタを刺激させるためによく使われる道具・カチョンを、オリジナルに仕上げたそうです。持ち主は一体?

 

持ち主はこの人でした。シンガポールから来日した公認審査員のコーディーさん。なんかわかるような気がしますよね(笑)。

 

そして正午すぎ、すべての審査が無事終了。

 

今回エントリーした出品魚のすべての賞が決まりました。審査員のみなさん、お疲れ様でした。表彰式は午後3時から。しばしお待ちを。

◆千聖さんの自宅を覗いてみた

さて、表彰式までの時間をお借りして、千聖さんの普段のアクアライフをのぞいてみましょう。東京都の自宅では、主にラックで枠組みされた場所が千聖さんの飼育スペースです。もちろん地震対策の一環として、ラックは必ず“突っ張り”のあるタイプを選んでいます。※画像はすべて千聖さん提供

 

飼育には市販のフレッシュロックをメイン水槽として使用。「1軍のオスは4リットル、2~3軍は3リットル、メスはすべて1.5リットルで管理しています」。今回の出品魚でも、移動にはフレッシュロックを使いました。メスの容器のほうが小さいのは、メスが巨大化して繁殖に適さないサイズになるのを防ぐため。「ただ、水量が少ない分3日~4日に1度は半換水を行っています」と、千聖さんなりの工夫が光ります。

 

最近はブラックウォーターで管理しており、そこに醸し出される美しい琥珀色にうっとりすることも。

 

基本的に、1年を通してパネルヒーターを使用。ほかに段ボールを敷くなどして、適切な水温を維持すべく調節しています。「なので、1段ごとに水温計は欠かせません」。子育てならぬ、ベタ育て。その姿は、まさにわが子を愛でるよう。

◆千聖さんのベタ繁殖テク

繁殖に使用する容器には、クリアウォーターと一緒にオスを入れてマジックリーフを浮かせています。「わが家では、繁殖が最も難しいといわれているダンボハーフムーンが9割で、繁殖率は6~7割といったところです」。いやいや、それってかなり優秀です。

 

孵化して間もない稚魚にはブラインシュリンプを与え、成長速度にもよりますが通常は1週間~2週間内に人口餌に切り替えます。

 

これからの季節は、ベランダも飼育場所として有効利用するという千聖さん。特に積極的に外に出すのは稚魚で、「どちらかというと、外飼いのベタのほうが強く大きく発色も鮮やかに成長する気がするんです」。ベタに限らず生きものにとって日光(紫外線)は、必要不可欠なのだ、とも。今年は、早くも収納ケースを活用して早速稚魚をベランダ飼育にチェンジ。ただし、「春先はまだ寒暖差が激しかったのでヒーターも活用しました」。稚魚の成長スピードに驚くことも多い千聖さん、「その過程は、成魚を扱う時より楽しかったりします(笑)」。

 

この子は2022年ベタコンテストに出品した個体から生まれたベタ。のちに、東京で開催されたアクアイベントで来場者の目に止まり、無事巣立って行ったそうです。まるでわが子のようにベタに愛情を注ぎ込む千聖さん。今回のコンテストではコレクターズグループでしたが、本来なら自家繁殖グループでの出品を強く希望する理由が、これでわかるような気がしました。

◆千聖さんが3位初受賞

表彰式を前に、石津さんと入念な打ち合わせ。公開審査のMCだけでなく、表彰式の進行役も務めます。

 

石津さんが「いやいや、そうやなしに、かくかくしかじか、、、」と言ってそう(笑)。

 

そして午後3時に表彰式がスタート。さっきまでガランとしていた会場でしたが、この時間になると続々と人が集まってきました。

 

表彰式では、それぞれの部門のベスト3が個別に表彰され、賞品授与も行われました。入賞者のみなさん、おめでとうございました。なお詳細については、ベタショップ・フォーチュンさんのホームページでご覧ください。

 

なお、会場一番乗りだった青野さんも3位入賞を果たしました。初めてのコンテストで初入賞、おめでとうございます!青野さんご夫妻は、前日の搬入に引き続きこの日も最後まで会場におられました。青野さんにとって、ベタコンテストは特別なものだったに違いありません。

 

そして総合優勝に輝いたのは、自家繁殖グループにワイルドベタをエントリーした西原大輝さんでした。おめでとうございます!コンテストには4年前から参加、一環してワイルドにこだわってきたのは、「ロマンにあふれているワイルドベタを、より多くの人に興味を持ってもらいたいからです」。素晴らしいコメントに思わずウルウル。おうちのリビングには10本以上の水槽があるとか。取材対象者としてキワメテのターゲットにロックオンされたことは、いうまでもありません(笑)。

 

そしてそして、千聖さんがコレクターズクラスのプラカット部門で第3位を果たしました!おめでとうございます!いやあ、表彰式のMCを務めながらの受賞とは。ここにも二刀流はいましたよ~(笑)。

 

受賞したのは、プラカットソリッドカラー。オレンジのきれいな子です。コンテスト開催前、密着取材する千聖さんが入賞してくれたらいいのになあと思っていたので、本当によかったです。これで東京へのお土産もできました!

 

戦い済んで日が暮れて。会場のあちこちで、まつりの終わりを惜しむ声が聞かれました。

 

この2日間、色々な人との再会がありました。お互い懐かしがってる時間はないんですが、ついつい親交を深めてしまいます。

 

まるで同窓会の様相。水草が大好きで双子の弟を持つ異色のアクアリスト、今は飛ぶ鳥を落とす勢いの伸び盛り若手アクアショップオーナー、大学院卒業後SEに転身したテコンドー好きのベタユーザー、ほぼ同い年で心の傷みがわかり合えるカフェのオーナーなどなど、再会がいっぱい。

 

しかもついつい話し込んでしまって、時間もあっという間に経過してしまいます。これだからアクアイベントの取材はやめられません(笑)。

 

みなさんもきっと同じ。ベタユーザーでなくても、来場者同士がアクアイベントで顔を合わせることでSNSではないリアルな関係が築けたり、凍結状態だったアクアをまたやる気になったり。得るものは多いと思います。

 

残念なのは、関東に比べるとアクア系のイベントが極端に少ない点。誰かがやってくれるだろうと、待っててもしょうがないんですけどね(笑)。

◆ベタと触れ合える醍醐味

千聖さんもこの笑顔。やりきった感が笑顔に凝縮されています。というよりプレッシャーから解放された安堵感というべきでしょうか。フリーランスとして仕事をこなしながら、ベタの世話をする千聖さん。そしてスタッフとしての任務を果たすこともができました。

 

――ひとりで何役もこなしてお疲れ様でした。

「楽しかったです!好きなことに没頭できるというのは、本当に幸せだと思います!」

――終始並々ならぬベタ愛を感じました。

「ベタはアクアの中でも個別飼育が中心だからでしょうか、愛玩動物に近いと感じることがよくあります。ワンちゃんやネコちゃんのように」

――母性本能みたいな?

「すべてがそうだとは言いませんが、水槽越しで水の中にいる魚たちに対して愛情を注げるというのは、ある種の才能といってもいいかも知れません」

――新たな概念(笑)

「そうすることで、単に愛着だけではなく命の大切さへの意識も強くなると思います。生きものに対する愛情という点で、すごくいいことだと思っています」

――だからこそ繁殖にも夢中になれると。

「最近のベタの改良スピードは凄まじく、今この瞬間にも次々と新しい品種が生み出されています。赤色や青色の単色トラディショナルベタしか輸入されてこなかったかつての時代に比べると雲泥の差です。そんな素晴らしい個体が、今では手軽に入手できるようになりました」

――認知度も高まってきた気がします。

「自宅で飼育するだけではもったいないと思うんです。優劣をつけるコンテストというよりは、ほかのユーザーさんが育てたベタも見ることができるのは、すごく刺激になります。私もそうでしたから」

――自分のも見て欲しいし、人のも見てみたいと。

「そんな機会があるのは、今のところベタコンテストだけなんです。まずは自慢のベタを見たり見てもらったりすると、楽しみもより広がります」

――コンテストを通して、自らの飼育ノウハウのレベルアップにもつながりますよね。

「コンテストに出品することで、審査内容のディティールを知ることができます。それによってベタの専門知識がさらに身につくことも確かです」

――コンテストに入賞するのは難しそうですが。

「コンテストでは、それぞれのベタの品種理想像(スタンダードフォルム)に、いかに近づけられるかを競うものです。そこに近づけていくためには、かなり根気と時間も必要です。なので、すべてのベタユーザーがコンテスト一辺倒にならなくてもいいと思います」

――選択肢があるのはいいことですね。

「コンテスト派と飼育エンジョイ派と両方があってもいいと思います。コンテストに出られないベタはよくない、ということでは決してありませんから」

――ベタライフに善し悪しはない(笑)。

「コンテストはベタユーザーにとっては目標ではありますが、必ずしもみんなが通らないといけないものではありません」

――出品規定が自家繁殖グループとコレクターズグルーブに分かれている点も、わかりやすくていいと思います。

「日本にはクオリティーの高い個体が数多く流通しています。コレクターズグループなら、ショップで出会ったそんな個体をエントリーできます。日本のみのルールですが、大変にぎわっています」

――結局、個々のレベルに合った楽しみかたができるわけですね。

「もしおうちにベタがいるなら、スマホのライトを当ててウロコや軟条の状態などをゆっくり観察することを楽しんでもらいたいと思います。そして、さらにきれいな子になるために愛情を注いで欲しいと思います。そんな愛ある飼育の先に、コンテストがあればいいなと思います」

 

ベタを愛玩動物に例えて話してくれた千聖さん、アクアというよりペットに近いのがベタなのかも知れません。

 

来場者の姿もすっかりなくなり、会場もガランとしたコンテストの幕引き。これから一路東京を目指して帰途につく千聖さん。

 

おうちに着くまでが遠足=コンテストですからね(笑)。

(取材協力/ベタショップ・フォーチュン)

 

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