超珍しいグッピーやメダカを集めた、「アクアブリーダーズフェスタ2017」。
今年も大阪市内で開催されました。
同イベントは去年に引き続き、今回が2回目。
例年通り、通常のショップなどでは手に入らない生体のオンパレード。
それもそのはず、出展者のほとんどがブリーダーさんだから、当たり前っちゃー当たり前ですけどね(笑)。
梅雨の中休み的な晴れた7月2日、期待に胸ふくらませて会場に足を運んでみました。
◆「キワメテ!水族館」で知ったという来場者も
会場は去年同様、大阪市立中央会館1階。イベントとしてのしつらえはやや地味ですが(笑)、開場の午前10時を待たずして会場前には来場者の姿があり、関心の高さを物語っていました。
そして、開場一番にアマゾンフロッグピッドを購入した男性。自宅では3つの水槽でナマズなどを飼育しているそうです。しかも、前回ブースを出されていたザりガニパンチさん関連のTwitterを通じて、このイベントを知ったのだとか。あー、そういえば今年はこられてませんでした。ザりガニパンチさんに会いたかったなー(笑)
このイベントはどこで知りました?「ああ、キワメテ!水族館です」。やっぱり(笑)。去年に引き続き、今年もFacebookやTwitterなどのSNSを通じて告知してきた甲斐がありました。
来場者にはこんなプレゼントもありました。
何かというと、先着40名にベタ (写真上)ないしはアカヒレ(写真下)をプレゼント。もちろん午前中には全部なくなってしまいましたけどね(笑)
旧型の上部式フィルターやノーブランドの産卵ボックスなどがお持ち帰りOK。それにしても「不用品」って(笑)。来年からもうちょいスマートな言い方にしてもらいましょう。
「ベタコンテスト2017」でも人気のあったKOTOBUKIのスタイリッシュ水槽「アーク」が今回も展示出品されていました。
水槽の下部分の角をラウンドカットして、ソフトな印象でありながらスタイリッシュ。会場では特に女性から熱い視線を浴びていました。また、フィルターとLEDがセットされたアクストシリーズの中でも人気のあるラウンド型水槽(写真左)も展示されていました。
水槽には、Cauliflower Dorsal Swordtailやキシフォフォルス.コンチネンス、キシフォフォルス.ヘレリー”Riopapaloapan”、キシフォフォルス.sp” Rio Otapa Mexico”といったソードテールがスイスイと。スタイリッシュな水槽にマッチしています。いずれも、今回のイベントのサポートスタッフのみなさんが展示用に提供してくださったそうです。ちなみに英語表記の生体には、学名・採取場所・採取年度などが盛り込まれています。
そういえばベタコンテストの時に来阪された男性が、この日もグッピーを買い求めてはるばる名古屋からお越しに。結果、10ペアのグッピーを入手してうれしそうに会場を後にしておられました。さすがわかる人にはわかる、イケてるイベントなんです。
◆さまざまな出品形態
今回の出品者は計12人。出品されていたのは卵生メダカ30種、原種卵胎生メダカ15種、グッピー20種、プラティ10種、ベタ5種。そして、水草や食虫植物15種類以上でした。
当日会場にこられた出品者以外にも、発送による委託出品者もいらっしゃいました。また、出品者に「ついでに持っていって~」的な、便乗出品者もいらっしゃったりするなど、出品方法は実にさまざまです。
変態メダカとしてすっかりおなじみの横田秀雄さん。このバッグに35パック(総重量18.5キロ)の変態メダカを納めて、なんと埼玉県から夜行バスを乗り継いでの出品。メダカ君たち、バス酔いしなかったかな~(笑)
出品スタイルのほとんどは、水と酸素を充てんしたビニール袋に生体を入れるという、ごくシンプルなもの。これだとさほど手間はかからないし、比較的丈夫なグッピーやメダカならではといえるでしょう。しかも、買う側も手軽に持って帰ることができます。
◆超希少な南米やアフリカ産のメダカも
それではどんな生体が出品されていたのか、ざっとご紹介していきましょう。「あー、そういうことだったら行けばよかった~」と今ごろ後悔しているアナタ。だから言ったでしょ~(笑)?
マゼンダスワロー。スワローテールのグッピーです。種親(仔魚を取るために適している親)にすぐになれる個体です。
マラテコアラ ゲスモネイ(南米大陸産)、Nエーガサイ・Nビルガータス(ともにアフリカ大陸産)などの卵生メダカ。乾季に干上がってしまう池や沼に生息し、乾季前に産み落とされて休眠した卵が雨季になって水に浸かることで、孵化する種類の1年前後しか寿命がないという哀しい運命にある生体。特筆すべきは、休眠した状態の卵を輸入して日本で孵化させている点。このため病気もなく安心なのだそう。驚くなかれ、希少価値や飼育の難易度によって価格が異なり15,000円の値がつけられたものもありました。
ドイツイエロー。オーソドックスながら一番人気があるドイツイエローも出品されていました。
このほか、オスとメスを掛け合わせても混色することのないキシフォフォルス マキュラタスTabascoMX 2015という珍しいプラティの原種なども出品されていました。
ちなみに、ほとんどがペアによる出品でした。さすがブリーダーさんのイベントだけあって、単に生体を飼育するだけでなく子孫を繁栄させてグッピーブームやめだかブームを巻き起こしてほしい、という願いが込められているような気がしました。飼育するのは簡単でも、ことブリーディングとなるとあまりにも奥が深すぎる世界。だからこそ、ブリーディングの醍醐味はあるのでしょう。
◆メダカに最適な水草あれこれ
生体だけでなく、水草や食虫植物の出品もありました。まずはイトタヌキモ。絶滅危惧種に指定されている食虫植物で、まだ自然が残っている湿地で注意深く探すとみつけられるそうです。タヌキモ類は人気が高く、去年は早々に売れてしまいましたが、今年もお昼すぎには早々に売れてしまっていました(笑)
ブリーダーさんが河内長野市の金剛山で採取したという、アケボノシュスラン。テラリウムなど湿気の多いところでの飼育に適しています。なんと、買ったままの状態でも半年持つと聞いて、早速キワメテ!スタッフも購入(笑)。8~9月にはその名の通り曙色(ややオレンジががったピンク色)の花が咲くそうなので楽しみです。
メキシコバボンバなど多々。メダカ飼育が得意なブリーダーさんが育成してきた水草。量産型のファームなどで育った水草と違って、メダカ飼育にすぐに適応しやすく丈夫なのだそう。成育方法ひとつで、よきにつけ悪きにつけ水草の状態が変わってくるという、貴重な話も聞けました。そうこうしているうちに、わずか1時間足らずで全部売れてしまっていました(笑)。「メダカに最適」というワードもわかりやすくてよかったかも知れませんね。
このほか会場では、1ペア100円のグッピーや、ハンドメイドのメダカ飼育用品なども販売されていました。
◆ビンゴで豪華賞品ゲット
午後2時からは待望のビンゴ大会がスタート。面白いですね~、さっきまでやや少なめだった会場もビンゴ直前になるとたくさんの人が舞い戻ってこられました(笑)
ライブベアラーズクラブ事務局の藤原彦亮さんの進行で、ビンゴはどんどん進んでいきます。
ん?これは?ああ、ビンゴマシンですね(笑)。いやいや、山椒は小粒でピリリと辛いというくらいですから気にしないでいきましょう!
会場中央に並べられたアクア関連賞品の数々と、ビンゴを楽しむ人たち。
ビンゴ!本日最初のビンゴはこのかたでした!おめでとうございます!久保タケシさん(吹田市)。45㎝の水槽をゲット。この水槽でグッピーを飼育していくそうです。
KOTOBUKIの外付けフィルターをゲットした松浦良史さん。なんと、大学でベタの行動についてユニークな研究をしているのだとか。いつか必ず取材に伺います!
もうすぐご結婚予定の加藤春奈さん(堺市)。「これ一番いい賞品なんですよ!」と主催者側から超オススメのブロック玩具をゲットしました。「8,000円以上するんですよ!」(主催者)。はいはい、わかりましたって(笑)。何と、ルーブル装飾美術館のTOY部門に永久保存コレクションとして収蔵されているアートトイ。しかもメイドイン大阪(笑)。ということで、「1歳半になる姪にプレゼントしまーす」。
いつの間にやらジャンケン大会にバージョン変更(笑)。1時間足らずのビンゴ大会でしたが、会場は大いに盛り上がりました。
◆関西でもさらなるアクア系イベントに期待
ここで来場者をちょこっと直撃。山本慧さん(枚方市)と小林祐季さん(寝屋川市)。関東の友人からTwitterを通じて教えてもらって来場。自宅ではピグミーサンフィッシュやコリドラスを飼っている山本さん。「珍しいグッピーとも遭遇できて満足しています。関西ではこのようなイベントが少ないので、もっと開催してくれたら、と思います」。
矢野一高さんと渡辺佳子さん(大阪市)。変態メダカの出店を毎回楽しみにしていて、今回も何ペアも購入されていました。ヒレはオーソドックスな三角が好きだそう。5本の水槽とスチール棚一面にビンを置いて飼育。「この冬は電気毛布を流用して固体も増え、何とか冬が越せました」。
吉岡優花さん(奈良県桜井市)は顔出しNG(笑)。普段は保育士として身を粉にして仕事に従事、琉金2匹を自宅で飼っていることが癒しになっているそうです。愛読書は?「キワメテ!水族館です!」って。ホンマかいな(笑)。「本当ですよ~、記事で紹介されているお店何軒か行きましたもん」。グッジョブ(笑)!
◆ブリーダーの発掘も急務
ある出品者の話によると、関西に比べて関東や九州ではグッピーやメダカへの関心はかなり高いのだそうです。安くしてもあまり売れない関西に対し、質のよい生体なら多少高価であっても関東なら売れるそうです。
もっといえば、アクアそのものは日本よりも台湾など東南アジアのほうが熱いと。かつてグッピーやメダカが大流行した日本でありながら、すっかり海外に食われてしまっているのは、何とも切ない気がします。
ということは、やはり情熱のあるブリーダーさんを発掘していくことに尽きるのかも知れません。今回のイベントでも、質の高い生体のブリーディングに成功している出品者もおられましたが、数からいえばまだまだの感が拭えません。もしかしたら、来年あたりは専門ショップに呼びかけてみるのも、ひとつの方法かもしれません。
ブリーダーさんを発掘しつつ、どんな生体が出品されるのかを把握しつつ、イベントの告知はできるだけ具体的で早めに。あ、こんなこと言ったらプレッシャーになります(笑)?「キワメテ!水族館」も、告知の側面でできるだけ強力にサポートさせていただきます。
利益を度外視した、ブリーダーさんたちの熱い一日。出品者か来場者か。次はアナタの番かも知れません。グッピーやメダカのさらなる普及を願って、合い言葉は「目指せ!アクアリウムバス」。来年もどうぞご期待ください!