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【人物】グッピー御殿の主(あるじ)は「世界のフジワラ」☆藤原彦亮さん(大阪府和泉市)

Posted on 2016年12月17日2023年5月13日 by aquariummagazine

「グッピーに始まりグッピーに終わる」。

かつてのグッピーブームは、まさにアクアの華でもありました。

飼いやすく、繁殖させやすく、突然変異に期待しやすく。

そんなグッピーも、ブリーダーの数が激減するなどの理由でブームも停滞中ですが、それは単に国内だけのお話。

海外ではむしろ注目が高まり、ベタなどと並んでグッピー人気は今や不動のものとなりました。

そんなグッピーを趣味として手がけ、長年にわたる地道な活動によって海外にグッピーの存在を知らしめたのが藤原彦亮さんです。

そんな藤原さん宅に、「グッピー御殿があるらしい」との情報をキャッチ。

しかも超珍しい原種のグッピーもあると聞いて、これは見すごすわけにはいきません(笑)。

ブリーダーとして、また国際審判員として活躍する藤原さんの素顔に、迫ってみることにしました。

 

 

◆ビーサンに短パンでもオーラ

 

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藤原さんと初めてお目にかかったのは、今年5月に行われた「アクアブリーダーズフェスタ2016」事前告知の打ち合わせでした。当時グッピーのことは何もわからず、そのあと何度もメールでしつこく質問責めさせていただいた藤原さん(笑)。グッピーという世界の奥深さを、つくづく思い知った次第でした。今もまだよくわかってませんけど(笑)

その後同イベント当日や、「ベタコンテスト2016」でも顔を合わせるなど、穏やかな笑顔をいつも絶やさず、誰とでもフレンドリーに接する姿が好印象でした。“グッピー御殿伝説”の噂が耳に入ってくるようになったのもこの頃だったと記憶。とはいうものの、イベント会場ではビーチサンダルに短パンというあまりにもラフな服装なため、誰もイベントの関係者とは思わず(笑)。しかしやっぱりオーラがありました。この人タダモノではないなと、ますます気になる存在になりました。

御年63歳。めっちゃお元気です。そしてエネルギッシュ。かつ行動的。30代や40代といった年下の趣味仲間たちと難なくコミュニケーションをとれるのも、藤原さんの人柄によるところが大きいと思います。

藤原さんが本格的にグッピーの虜になったのは、20年前に日本で開催された「第1回ワールドグッピーコンテスト」でした。それまで趣味の域にすぎなかった藤原さんのブリーダー人生が、ここへきて一挙に開花。国内はもとより、海外で行われるコンテストでも常に上位入賞するほどに。同時に、藤原さんの名前も徐々に知られ始めたのです。

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――ここまでくると、もう趣味じゃないですね。

「いやあ、趣味だからいいんですよ。フッフッフッ」

――でも難しいんでしょ、ブリーディングって。

「グッピーというとそう思われがちですが、私の場合は自由な飼育方法で偶然面白いのが産まれたらいいな、と。フッフッフッ」

――えええ、そうなんですか。ちょっと意外でした。

「遺伝子を科学的に研究してブリーディングするのが正しい方法です。でも自分にはそんな技術はありませんので。フッフッフ」

もーーー藤原さん、本当は凄腕のブリーダーなのに(笑)。でもこんな親しみやすい雰囲気が、周りの人たちに支持されるんでしょうね。

 

◆グッピー愛好家がいなくなるという危機感

 

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そんなフレンドリーな藤原さんですが、ハッとさせられる一面がありました。それは、グッピーに関して強い危機感を抱いていることです。あのワールドグッピーコンテストも、第1回目が日本で開催されて以来、日本では一度も開催されていません。高度な技術を持っているブリーダーがいるのに、それがなかなか広まっていかないのも現実です。「自分たちがこれまで身につけてノウハウを後世に伝えていかないと、グッピーを飼う人がいなくなってしまうのでは、と思うんですよ」。

そういえば、グッピーのブームをつくったのは、海外ではなく日本でした。それに、最近ではどちらかというと“グッピーのブリーディングは難しい”というイメージがあるような気が。いくらグッピーを飼いたくても、情報が少なければなかなか広まっていきません。そういうことですかね、藤原さん。「そうですそうです」とあくまでニコニコ顔(笑)。単に賞を獲るためだけでなく、藤原さんがわざわざ海外にまで打って出たのも、そうした危機感を痛烈に感じた結果なのでしょう。やっぱりタダモノではありませんでした。

 

◆グッピー御殿は奥様のおかげ?

 

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そんな藤原さんにも微笑ましいエピソードが。以前はご自宅の一室いっぱいを使って飼っていたそうですが、単身赴任が多かった藤原さんは週に1度くらいしかグッピーたちに会えませんでした。そしてついには、グッピーを連れての“家出”を敢行(笑)。「それ以後、休みの日でも家に帰ってくることはめっきり少なくなりましたよ(笑)」(奥様談)。まあまあ夫婦ってそんなものです(笑)。

滋賀県での単身赴任から帰ってきたあとは、予想通り奥様からは完全ダメ出し(笑)。結局このことが、“グッピー御殿建設”につながったのです。もし、あの時に奥様のダメ出しがなかったら、グッピー御殿は幻に終わったでしょうし、海外に藤原さんの名が知れることはなかったかもしれません。

 

◆この木なんの木気になる木

 

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お待たせしました。それではグッピー御殿拝見といきましょう。御殿はご自宅のガレージ奥にあります。ガレージには、使っていない古い水槽が数個。聞いたところによると、割れてしまった水槽以外は、廃棄することなくすべて保管しているそうです。

 

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おお~、なんちゅう数の水槽が(笑)。アクアショップのバックヤードをみてるみたいです。もともとここは、生前お父様の植栽スペースだったところだそう。さすがに今では見る影もありません(笑)。

 

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よくみると、ほとんどがKOTOBUKIの水槽。一体いくつあるんでしょうか。それにしても物持ちのいいことときたらありません(笑)。水槽の数だけ藤原さんのグッピー歴を物語っているような気がします。

 

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よくみるとグッピー用の水草が育てられている水槽も。リサイクルですね~、エコですね~(笑)

 

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藤原さん、シールくらいちゃちゃっと剥がしてから使えばよかったのに~(笑)

 

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あ、この木!今春、木に登ってさくらんぼを収穫中に枝が折れてそのまま落下しケガをしたという話は、ブリーダー仲間でも有名でした。この木だったんですね~。「そうなんです。イベント(アクアブリーダーズフェスタ2016)が迫っていたので、早く治さないといけないとかなり焦りました(笑)」。

 

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ここで枝がポッキリ折れてます。同じように藤原さんの右手首もポッキリ(笑)。もうほとんど生活には支障がないそうですが、「アクアブリーダーズフェスタ2016」で藤原さんがそんなことになっていたとは。めっちゃ涼しい顔してはりますやん(笑)

 

◆いずれグッピーと寝食をともに?

 

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いよいよ御殿に到着。そろそろ日も暮れ始めてきました。色々なエピソードをお持ちなので、ここへくるまでかなり道草を食ってしまいました(笑)

 

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プレハブかと思いきや、鉄筋モルタルづくり。なんと立派な。これはれっきとした“離れ”です。きっとここで、グッピーと寝食をともにしたいのでしょうね(笑)

 

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サッシドアを開けると、おお~あったかい!そう、石油ストーブを使って室温・水温が快適に保たれています。これならヒーターはいりません。「灯油が一番安いですから」。コスト意識も高い藤原さんでした(笑)

 

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30㎝水槽がざっと80個も置けます。今のところ空きスペースはほとんどありません。ほぼ満員です(笑)。アクアショップのグッピーコーナーより絶対大きいです。ここでふじわらざんの手によってブリーディングされたグッピーたちが、世界を席巻してるんですね。

 

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木製の棚にすべての水槽が置かれています。錆びてはいけないとの思いから、すべて藤原さん自らによるハンドメイド。そういえば、「ベタコンテスト2016」の時の展示棚の一部も藤原さん作だったことを思い出しました。

 

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左側に並んでいる展示棚が藤原さん自作の展示棚。それにしても、グッピー関連ではないイベントにもこうした面で貢献する姿勢は、本当に素晴らしいと思います。(「ベタコンテスト2016」より)

 

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ところどころにグッピーの品種が書かれています。う~ん、何て書いてあるのかわからず首をひねっていたら、植物や動物の学名はすべてラテン語表記が一般的なのだそうです。しかもカタカナ化はなかなかしないものだということも。だから英文字表記のままだったんですね。これは知らなかった!

 

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とっても珍しい白色のグッピー。先日マレーシアで行われたグッピーコンテストで入手したものだそう。こうした突然変異的な面白さがあるのも、グッピーの魅力なんでしょうね。今や海外では、そんな醍醐味も当たり前のように認められているのでしょう。う~ん、日本も負けてはいられません!

 

◆秘蔵の原種グッピーご披露

 

それでは、グッピー御殿とっておきの“住人たち”を、藤原さんによってご紹介していただきましょう。例によって学名はラテン語表記のため、発音はご自由にどうぞ(笑)。

 

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【原種 Xiphophorus multilineatus】 

今年秋にドイツの友人より入手しました。飼育に関しては、少し難易度が高いような気がします。まあそのほうがかえって育て甲斐があるんですけどね。

 

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【原種 Xiphophorus xiphidium (Crescent)】

もう数年維持している品種です。このタイプは体の側面に美しい濃紺が表れるなど、非常に魅力で印象的です。

 

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【原種 Xiphophorus xiphidium (Rio-Purification)】

上記と同じ種類ですが、尾づつにスポットが入るタイプです。今年の秋に、ドイツの友人より入手しました。

 

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【原種 Xiphophorus maculatus (Aqua-sol-Palenqoe-Tabasco-Mexico2002)】

スウェーデンのブリーダーから友人が入手したものを、譲っていただきました。結構飼育しやすいタイプです。

 

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【原種 Xiphophorus maculatus(Acayucan-Catemaco-Highway-Mexico2008)】

ショップで購入したものも多かったのですが、残念ながら我が家では途絶えてしまいました。しかしながら、これは友人から譲っていただきました。

 

◆創意工夫で独自のブリーディング

 

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スペースの端にはちゃんとシンクもあります。これはすごく便利です。

 

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突然ですが問題です(笑)。これは一体何でしょうか?

正解はこれ。赤いカラーコンはホームセンターで、傘立てはネット通販で購入しました。何をするかというと、ここに塩とブラインシュリンプの卵を入れて攪拌するのだそう。すると数分後にブラインシュリップが孵化し、これがグッピーたちのエサになるわけです。

 

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中央にみえる白い椅子が藤原さんの特等席。繁殖中のグッピーの健康チェックをしてみていたり、色々と考え事をしてみたり。まさに至福の時(笑)。グッピーのブリーディング技術を後世に伝え、さらに必要性を感じた海外進出の構想も、もしかしたらここでまとまったのかもしれませんね。

 

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市販のキッチン用三角コーナーの網目は、稚魚がすり抜けていくのにジャストフィット。産卵直前の親魚を隔離して入れておけば、産まれたばかりの稚魚が自力でスルリと外へ。専用の産卵箱よりも使い勝手がいい感じがします。

 

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このほかにも、魚を移しかえるための容器やコンテストに出品するための運搬容器なども色々と。既製のものをあまり使わず、藤原さん自身がアレンジして使うことが多いのも、藤原さんのクリエイティビィティーを反映しているような気がします。

 

7x1a3960藤原さんの思いがぎっしり詰まったグッピー御殿。「見てみたい人はいつでも気軽に仰ってくださいね」と話していました。観光バスで押しかけられても、知りませんよ~(笑)

 

◆グッピーの灯を消したくない一心で

 

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これまで伝統的なブリーディングが一般的だったグッピーの世界。そこに風穴を開けたのが藤原さん。目的はひとつ、「国内であろうと海外であろうと、グッピーの灯を消したくない」ことにほかなりません。そのために、さまざまなグッピークラブやショップなどにも働きかけてきました。理解を得るために、粘りと誠意と粘りで接してきました。その努力の甲斐あって、いわゆる流派を超えてひとつになりつつあるのは朗報です。

何より、藤原さんの地道な活動を海外が認めたことが大きい気がします。もしワールドグッピーコンテストが国内で開催されない現状にあきらめてしまっていたら、藤原さんの知名度もグッピー普及もなかったかもしれません。

 

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今年5月、大阪で行われた「アクアブリーダーズフェスタ2016」では、これまでのブリーダーズの垣根を取っ払った新しいスタイルの即売会でした。開催趣旨に賛同した出品者が全国各地から集まり、来場者が予想以上に多く大成功に終わったのも、記憶の新しいところです。幸い若い人たちの参加も多く、それぞれが次代を担う頼もしいイベントでもありました。もちろん来年も開催予定です。夢は東京で開催されている即売イベント「アクアリウムバス」に追いつけ追い越せ、だそうです。

 

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ブリーダーから審査員へ。12月にマレーシアで行われたグッピーコンテストには、唯一日本人の審査員として招聘されました。現地のみならず、こうして藤原さんの名前は「世界のフジワラ」として注目を集めているのです。もうビーチサンダルに短パンの藤原さんではありません(笑)

 

◆情報発信を世界に向けて

 

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来年7月には、原種ばかりを集めたイベントがドイツで行われる予定で、そこにも足を運ぶ予定です。いくら同じ場所に生息しても、環境次第で違ったものが発見されることも珍しくない原種グッピー。「原種は地味だと思われがちですが、全然そんなことはないんですよ。これからはこちらにも力を入れて研究していきたいと思ってます。もちろん情報を出し惜しみすることはありません」。自分だけで情報を囲い込んでしまうことなく、普及させたいからこそ情報はもっと開示すべきだ、と。そうすればまたグッピーの人気も再燃する可能性だって十分にあるからです。

 

グッピーだけでなく、プラティーやメダカなどの卵胎生魚も含んだ生体を普及すべく、ライブベアラーズクラブを立ち上げたのも藤原さんでした。今は日本語バージョンのみのサイトですが、国際化に対応すべく近い将来には多言語化させたいそうです。さらに、卵胎生魚についての情報交換をさらに密にすべく、飼育やブリーディング方法などのノウハウをコンテンツの軸として、積極的に公開していきたいとも。これは楽しみですね。

 

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海外ではすでに普及しているグッピー。そのきっかけをつくったのに、今や立ち遅れ感が否めない日本。その突破口を開いた藤原さん、会話の端々に何度も出てくる“国際化”というキーワードが印象的でした。温厚な表情や口調からは想像できない情熱とグッピー愛。危機感を超えて、期待感を抱かずにはいられませんでした。

 

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世界のグッピーに追いつけ追い越せ。目指せ、グッピーの国際化。グッピー御殿が外国人観光客の人気スポットになるのも、夢ではないかも知れません(笑)

 

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