本格的な夏!
こんな時はやっぱり渓流ですよね☆
かつては、丹波から京への物資を運ぶ動脈だったという京都・保津川(桂川)。
険しい山間部を縫うようにして下流へ続き、特に見事な渓谷美の保津峡が圧巻です。
亀岡盆地から京都盆地にかけて、10数キロ続く美しい渓谷。
水の流れも比較的速く、ゴーゴーと音を立てているさまは、まさに水が織りなす渓谷ならではのシーンです。
森林浴ならぬ、渓谷浴もここならバッチリ☆
早速みなさんを保津峡へお連れしましょう!
ここは、JR山陰本線の保津峡駅。
なんと、保津川の上に架けられた「橋の駅」なんです。
両側をトンネルに挟まれ、ここがいかに山深い場所かがわかります。
かつて山陰本線は保津川に沿うように走っていましたが、輸送量とスピードアップが求められトンネルで山をぶち抜いて線路の付け替え工事が行われたことはご存じでしょう。
早速、絶景が目に飛び込んできました。
満々と水をたたえる桂川がゴーゴーと。
もしここが駅でなく吊り橋だったらと思うと、思わず足がすくみます。
快速列車が通過する際、ぐわんぐわんと駅全体が揺れてちょっと迫力♪
それにしても、すごいところに駅をつくったものです。
ん?どこからともなく汽笛の音が。
おお!ちっちゃなディーゼル機関車に引っ張られて、トロッコ列車がコトコトやってきました。
ここは鉄道ファンの有名スポットでもあるらしく、渓谷に走る列車の姿が絵になります。
そうなんです、トロッコ列車が走っている線路こそがかつての山陰本線だったのです。
ここからみると、ダイナミックな駅の様子がよくわかりますね。
この付近は、いわずとしれた紅葉の名所なんです。
でもこの時期、新緑も綺麗です。
トロッコ列車の次にやってきたのは、保津川下りの船。
船頭さんに誘導された木の葉のような小さな船が、水しぶきをあげながら渓谷を下っていきます。
あ、船に驚いた野生のサルが10匹ほど、山の中へサササッ!
あまりにもの素早さに、カメラがついていけませんでした~(涙)
保津川といえば保津川下りを連想するほど、すっかり観光スポットになりましたが、保津川下りが始まったのはなんと明治中期。
そんなに歴史があるとは知りませんでした。
この日は何隻も遭遇しましたが、どの船もほぼ満員。
よくみると、外国人観光客の姿も。
こちらが手を振ると、みなさんもテンション高い高い(笑)
気持ちよさそうに、水のある風景を楽しんでおられました。
お、ゴムボートに数人がオールを漕ぐラフティングの姿も。
これもある意味保津川下りですよね。
ウェットスーツに身を包んだ若者たち(たぶん♪)が、多少緊張感を交えながら川を下っていきます。
実に気持ちよさそう。
「ただボートに乗ってるだけじゃないんですよ~。
途中で川に飛び込んだり泳いでみたり。
約2時間かけて、たっぷり川遊びを安全に楽しむんです」と、リーダーらしきスタッフ。
保津峡駅でラフティングを終えたみなさんは、出発地点の駅へウェットスーツを着たまま電車移動。
どの顔どの顔も、たっぷり水遊びを楽しんだ様子でした。
保津川は、太古の昔から浸食と隆起を繰り返してきたところ。
よくみると、何重にも形成された地層がみえます。
聞くところによると、1億年以上も前から動きがあったとのこと。
そういう点でいえば、保津峡は隠れたジオスポットなのかもしれませんね。
さてさて、15分ほど歩くとトロッコ列車の「トロッコ保津峡」に到着。
吊り橋を渡って駅舎へゴー!
ここの駅舎も雰囲気あるでしょ?
そうなんです、ここがかつての山陰本線の「保津峡駅」だったんです。
かつては単線のため、ここで上り下りの列車のすれ違いが行われていたんですが、今ではトロッコ列車用のホームが一本残るのみとなりました。
また汽笛が聞こえてきました。
次のトロッコ列車の到着です。
ちなみにトロッコ列車は、上下合わせて30分に1本やってきます。
保津川下り同様、こちらもお客さんがたくさん乗ってました。
保津川下りやラフティングと違って、渓谷を少し遠目で楽しむには手軽でいいですね。
あ、こんなところにカメラマンがいる!
「写真」って看板も☆
そうなんです、保津川下りの記念撮影はここで撮られていたんです。
お仕事ご苦労さまです!
そうこうしているうちにも、保津川下りの船がまたやってきました。
トロッコ列車といい保津川下りといい、すごい人気ですね。
トロッコ保津川駅を後にして、再び歩くコースへ。
ずっとずっと渓谷と一緒です。
せせらぎの音が聞こえてきたり、時折鳥のさえずりも聞こえてきたり。
マイナスイオンたっぷり☆
何より、ほとんど人がいないのがうれしいですね。
比較的近くに、日本屈指の観光地・京都嵐山がありますが、人出は大違い(笑)!
歩く道は高低差もなく、よほどのヒールやスリッパでなければ手軽に歩けます。
しかも歩道はほとんど木々で覆われているので、直射日光からも身を守れます。
トンネルを抜けてしばらく行くと、保津川と清滝川との分岐点に。
清滝川は小さな渓谷の連続のため、場所によっては河原へ下りることもできます。
ただし大雨が降った時は、保津川も清滝川も増水することが珍しくないので、安全にはくれぐれもご注意のほどを。
このあたりからは舗装道路ではなく、渓谷に沿ってちょっとした岩場を歩きます。
野趣あふれる河原歩き☆
ここも大きな高低差はなく、足元に注意さえすれば特に危険な個所はありません。
「こんにちは~」。
時々ハイカーともすれ違い。
さっきより渓谷が近いので、水のある風景がさらに間近です。
ああ、癒される~♪
いいなー、読書している若者もいたりして。
何を読んでいるのか気になります。
トロッコ保津峡駅からざっと1時間近く歩いて、清滝に到着しました。
新緑がまぶしい~!
やっぱり紅葉シーズンにきてみたいですね~、めっちゃ人が多いと思いますが。
保津峡に沿って渓谷美を堪能できるミニハイキングコース。
都会の喧騒はおろか、観光客の姿はあまりありません。
トロッコ列車、保津川下り、ラフティング、そしてハイキング。
保津川の夏をどう楽しむかは、まさにみなさん次第ですね。
先日聞いたところによると、アクアリウムを楽しんでいる人の中には「渓谷マニア」が結構いるとかいないとか。
そうですね~、水槽のイメージづくりにも一役買ってるところがあるかもしれませんね。
「シリーズ・水のある風景」が、そんなところでもお役に立てたらうれしいです☆
ではまた!
【保津峡に関する各種サイト】
・保津峡(京都府立保津峡自然公園) http://www.pref.kyoto.jp/shizen-koen/hoz.html
・保津川下り(保津川遊船企業組合)http://www.hozugawakudari.jp/
・トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道)http://www.sagano-kanko.co.jp/