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【観光】カメがコイに託した使命とは☆水のある風景Vol.51伝説が今も残る松尾大社(京都市)

Posted on 2023年1月27日2023年5月13日 by aquariummagazine

かつては湿地帯で、松尾山そのものを神体として崇められていた松尾大社。京都を代表する観光地・嵐山もすぐ近くですが、人知れず隠れた伝説がありました。主役はカメとコイ。それぞれの関係が明らかになってきたと同時に、予期せぬ伝説とも遭遇。まだ初詣がお済みでない人、神伝説が好きな人は、ぜひお出かけを。

☆     ☆     ☆

◆そのむかし山が神だった

松尾さんの名で親しまれている松尾大社。駅の名前もそのものズバリ。5世紀ごろに朝鮮から渡来した秦氏がこの地に移住、山城・丹波の国を開拓したといわれています。開拓当時は丹波地方は湿地帯だったそうで、河川を治めて農業や林業をおこすには大変な苦労があったことでしょう。

 

昔から人は、定住すると決めた地に信仰の場を置くもの。それはここでも決して例外ではありませんでした。秦氏は松尾山を信仰の対象とし、松尾の神を氏族の総氏神と仰いだそうです。ちなみに松尾山は、別雷山(わけいかづちのやま)とも呼ばれています。

 

松尾大社の境内にある神使の庭のカメとコイのオブジェ。神道ではさまざまな動物が神様の使いとして活躍しています。カメは比較的有名ですが、コイまでも神様の使いということなのでしょうか?この何気ないオブジェが、このあと大きなドラマへと続く序章だったとはこの時は知る由もありませんでした。

 

コイといえば滝のぼり。もしかして奥に滝があるのでは?そんな素朴な疑問を持って進むと予感的中。やはり滝がありました。この滝と神使とされるコイのつながりはわかりませんが、滝のさらに奥には磐座(いわくら)が今も置かれるなど、古代の信仰が厚かったことがうかがえます。

◆知られざる松尾大社の魅力

現代の松尾大社の魅力は松尾山の自然と庭園にあり。境内の庭園を見てつくづくそう思いました。あいにく松尾山の磐座への参拝は現在できませんが、境内を散策しているだけで、心が磐座へと誘われているようです。

 

昭和を代表する作庭家・重森三玲作の「曲水の庭」。重森三玲は数々の庭園を世に残してはいますが、松尾大社の作庭が絶作だったことを初めて知りました。曲水の宴たけなわのシチュエーション。今にも盃を乗せた小舟が目の前を流れ去っていくようで、印象的です。

 

圧倒されるほどの美しさ。ひと目見ただけで曲水の庭とわかる絶妙な構成。洲浜と曲水の流れは石組を使って動と静を巧みに表現した重森三玲らしい庭の構成。サツキの季節はさらに彩りが加わり、美しさが増すことでしょう。

 

滝御前から下ってくるとカメに会うことができます。ここは滝からの流れが注ぎ込むカメの井という霊泉。酒造りの元水として使われているほか、延命長寿やよみがえりの水としても有名です。そしてこちらの水は京都三名水でもあります。

 

松尾山から水とともに微量の砂を運んでくるらしく、井戸の底に赤いものが溜まっていました。

◆なぜこんなにカメとコイが?

重森三玲が池のかたちを指示し、その後長男がその遺志を継いで完成させたという蓬莱の庭。不老不死の仙人が住むという蓬莱の島を池中に配し、池全体が翼を大きく広げたツルの姿をなぞらえているそうです。最初で最後の親子合作の庭園は、ひっとりとしていました。

 

池の周りをゆっくりと回りながら、庭の神髄を楽しみます。滝が流れる音くらいしか聞こえてこない静かな空間。遮るものがないかかからでしょうか、この池が一番大きく感じました。

 

池中の島にカメの姿がありました。そこは蓬莱の島?そして神使のカメでしょうか。

 

一瞬置物かと見間違えるくらいじっとしていたカメ。優雅に日向ぼっこ中。気持ちよさそうに足を伸ばす姿が何とも可愛い。

 

やっとコイ発見。神使のコイにエサをあげてしまいました。お食事といったほうがいいのでしょうか?コイらしく、撒かれたエサに群がっていました。そこは神使といえどもコイはコイでした。

◆コイ様様?

土木・養蚕・機織の技術を日本に広めていった秦氏。この地を開拓した秦氏も、その後川を遡り、開拓を続けていったといわれています。松尾大社の鳥居には農作物の出来不出来を占うう榊(さかき)の葉の束が下げられていました。こんな鳥居を見たのは初めてです。

 

現在は全流域が桂川ですが、古くは上流域を大堰川、中流域を保津川と呼んでいたそうです。

 

そういえば松尾大社の神使であり、境内のあちこちに登場するカメとコイ。両者は一体どういう関係があるのか神社のスタッフに聞いてみると、不思議なお話をしてくださいました。

 

この辺りを開拓した秦氏は川沿いに上流へ。それと呼応するように神様が川を遡って上流に向かい、上流の大井神社の御祭神になったという伝承が残っているというのです。

 

松尾大社を出発した神様はカメの背に乗り大堰川の上流を目指します。ところが、八畳岩あたりから保津の急流に阻まれてカメが先に進めなくなり困っていました。それを居合わせたコイに救われて間一髪セーフ。神様はコイに乗り換えさらに上流へ、現在の亀岡市に無事到着したとのことでした。

 

コイが神様を助けたことで、無事神様を招くことができたのが大井神社でした。大井神社氏子地内では、コイの功績を大いに崇め敬い大切にしました。そして、令和になっても続いているあの伝説へつながるのです。

【次号へ続く】

 

キャンペーンの応募はこちらから 

※2023年1月31日(火)まで有効

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