大阪のみならず、東京や名古屋など広いネットワークを展開するECO動物海洋専門学校。ペットやアクア系イベントのスタッフとしてもすっかりおなじみです。そんな中、大阪ECO動物海洋専門学校の学生たちが自主的に企画運営した学内イベントが、「ECO水族館」。通称・エコ水。学校周辺の人々に自分たちの活動への理解を深めてもらうと同時に、将来水族館やアクアショップなどで必要なコミュニケーション能力を養うのが主な目的です。その第1回目が11月29(日)に開催。キワ水(「キワメテ!水族館」を略してみた♪)も早速エコ水を訪ねてみました。
☆ ☆ ☆
◆心配をよそに定員達成
学校を訪れたのはこれが2回目。5年前、関西のアクア関連の専門学校を取材していこうと、その記念すべき第一弾がこの学校でした。確かあの日は台風で暴風警報が発令していたと記憶。早く学生を帰らせたいところなのに引っ張りまくってゴメンナサイでした(笑)
例年なら学生たちの間でクリスマスで盛り上がるのでしょうが、今年はちょっと様子が違います。それにしてもコロナがここまで長引くとは誰が予想したでしょうか。
この日、来場者のみなさんはまず7階のガイダンスルームへ。今回は三密を避けるために6組限定。学校サイドとしては苦肉の策でした。とはいえ、「こんな時にくる人なんていないのでは?」との不安もありましたが、意外と早く予定数に達しホッ。
ある来場者の女性は、「めっちゃ楽しみにしてたんですよ。でもこういう時期だからやっぱりないのかなと思ってて。でも予定通り開催してもらえてよかったです」と、笑顔がこぼれていました。決して大義名分ではなく、学校周辺に住む人たちはこの日を楽しみにしていたようです。
もちろんこの日のために感染対策も万全。マスク着用&手指の消毒はもちろん、事前にオゾン発生装置を長時間稼働させて空間除菌を行ったり、すべての水槽の除菌作業を徹底したり。目に見えないウイルスとの戦いだからこそ、学生たちもまた目に見えない努力をしてきたことは確かです。
にしきちゃん(右)とチンさん(左)による前振りもカンペキ。あ、昔こんな芸人いましたねー(遠い目♪)
◆ふだんの実習室が水族館に
かくしてエコ水はスタート。まるで水族館そのもののような地下実習室。大水槽やタッチプール、サンゴ水槽などなど。前回訪れたのは5年前だったのに、経年劣化などは見当たりませんでした。きっと美化委員がエラいからに違いありません(笑)
ふだん学生たちが使っている実習水槽。入学すれば卒業するまで、マイ水槽が持てるのも実践的メリットです。
ずらりと並んだ水槽には、プロトテルスエチオピクスエチオピクスやレッドオスカーなどなど。ここを見ているだけでも一般の水族館のよう。
会場では来場者1組につき学生2人がついてサポート。しかも、時間を置いてそれぞれのコーナーに移動していくパターンなので、来場者同士の接触はありません。感染対策をよく考慮したオペレーションです。
特筆すべきは絶妙なチームワーク。特に、全体の流れを見ながら時間管理をするタイムキーパがいたこと。盛り上がりすぎたら密になってしまうし、予定の時間もオーバーしかねません。そういう点では、イベントを常に客観的に見るタイムキーパーがいたことは正解でした。ある意味現場のプロデューサー。もしかしたらアクア業界よりテレビ業界のほうが向いてたりなんかして(笑)
目立たないところにあった大型扇風機。合計4台を稼働させてぶんぶんと空気の流れをつくるなどして、室内を徹底的に換気していたのも印象的でした。
◆大人たちのほうが夢中?
3人で来場したSさん母子は、学校のすぐ近くにお住まい。「今回は学校の前でチラシをもらって知りました。よくオープンキャンパスが開催されていることも知ってますよ」。オープンキャンパスも文化祭も、学校周辺に住む人たちにとってすっかり定着しています。
イヌザメコーナーで、ママ頑張るの巻(笑)。「パパが時々魚を釣ってくるので、子どもたちも最近興味を持ち始めたみたいです」と、イヌザメをプニプニ。頼もしきアクアママ(笑)!
子どもの来場者が多いだろうと予測して、タッチプールなど体験型展示も多かったエコ水。母娘で来場したKさんでしたが、ヒトデのことを熱心に聞いていたお母様のほうがむしろノリノリ(笑)。「ヒトデやイヌザメにさわることができて楽しかったです!」。いえいえ、大人げないなんて言いませんから(笑)
おうちに100個以上はあるというぬいぐるみの中から厳選して、今日はお気に入りのカメと同伴。「よく水族館に一緒に出かけてくれるのはぬいぐるみが目的かも(笑)」と言うお母さん。かめへんかめへん、目標200個に向けて頑張りましょう(笑)!
今回最多!6人で参加のTさん親子とWさん親子。同じマンションに住む仲良し家族で、こちらも大人のほうが断然積極的(笑)。特に肺魚のコーナーではすっかり大人のほうが夢中になっていましたが、本音は「いえいえ、子どもには色々なものにふれてほしいんですよ~」ってホンマかいな(笑)
「この子が1歳の時にも文化祭にきたことがあるんですよ」と話すWさん。それもこれも、地域と学校との良好な関係が続いているからこそ。アウトドア系のファンションがキマってます。もしかしてお子さまもカタチから入るタイプ(笑)?
◆水草水槽が気になるお年頃
それぞれのコーナーでは、体験だけでなくクイズ形式によるパフォーマンスも。シンプルな方法ではありますが、学生たちが学校で勉強してきたことを来場者にアピールすることで、来場者も楽しく興味を持って聞いてくれたことでしょう。
来場者の中には、本当はオープンキャンパスに参加したかったという中学3年生の男子が。ということは将来は?「アクアショップで働きたいと思っています!」ときっぱり。お父様のKさんは「いやあ、親としては大学にも行って欲しいんですけどね(笑)」と複雑な胸の内を語ってくれました。
Kさんファミリーは、この日のために吹田市からわざわざ来校。自宅にも飼育水槽があり、学生たちがレイアウトした水草水槽にも興味津々。どこに興味が?「フィルターは何を使っているのかなと思いまして」。あらまあ、すっかりアクアリストの風格(笑)
午前10時にスタートしたエコ水は予定通り終了。企画から運営まで、学生たちが自主的に取り組んできたわずか1時間のイベントに、幕が下ろされました。
最後はちびっこたちにガチャガチャのご褒美を。
きてよかったね。またこようね!
◆キミたちに必要なポテンシャル
アクアリストというと、どちらかといえばおとなしく寡黙なイメージがありますが、社会に出れば技術や知識だけでは通用しないのも事実です。
いかに人の興味を引くか、いかに自分を信頼してもらえるかは、まさに彼たち&彼女たちのコミュニケーション能力にかかっています。
それが結果的に商品の売れ行きにつながり、リピーターのお客さんを増やしていくポテンシャルとなるからです。
今回は大成功に終わりましたが、次回開催は未定。ご存知のように、第三波といわれているコロナの影響がどこまで響くか未知数ですから。
そんな中、感染対策を万全に講じながら、来場者のみなさんにも喜んでもらえたことは自信を持っていいと思います。というか、初めてにしてはできすぎでした(笑)。今日の気持ちを忘れることなく、社会で活躍してください。
学生諸君、お疲れさまでした!来年もまたどこかのアクアイベントで会おう!よいクリスマスを!そしてよいお年を!