「子どもたちの未来のために環境問題を考えてみよう!」。世界環境デー2022当日となった6月5日(日)、大阪ECO動物海洋専門学校(大阪市西区)では、恒例のECO水族館(通称・エコ水)が開催されました。このイベントは水族館・アクアリスト専攻の学生が企画運営しているもので、学校周辺に住む地域の子どもたちや家族の間でもすっかり定着した人気イベント。今回は、どーしてもどーしても記事を書かせてください!という学生からの異例の申し出があり、キワメテ編集部はシブシブ受諾(笑)。ところがおっとどっこい、案ずるは産むが易し。気合の入った力作となりました。
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◆取材依頼は無理矢理?
みなさん、初めましてこんにちは!大阪ECO動物海洋専門学校 水族館・アクアリスト専攻の伊藤と申します。あれ?いつも記事を書いている池田さんじゃないんや。そうなんです、池田さんは別のお仕事に…。どうやらワンちゃんの写真を撮りに行かれていたようで。アクアよりワンちゃんなんかい!っとツッコミたくなりますが(笑)。そのおかげで私に記事を書くお話が回ってきました。初めてのことなのでド緊張していますが、楽しんで読んでもらえるとうれしいです!
以前にも、ECO水族館(通称・エコ水)の取材に来て頂いたことがありますが、当時のメンバーは卒業してしまい現在はいません。紺色のポロシャツ着用はエコ水新メンバーの1年生たち。表情がまだ硬いかな?水色のポロシャツを着ている彼は2年生の「とらちゃん」。貫禄があり、安心感を与えてくれる存在(笑)のとらちゃんでも大きなイベントに参加するのは初めて。みんな揃って予約の電話が鳴るのか不安がっていましたが、地域の方へのチラシ配りやSNSでのPRの結果、なんと!わずか1週間で定員に達しました!新メンバーはまだ顔なじみがないと思いますが、エコ水って意外と人気で、リピーターさんもたくさんいるんやで(笑)!
無事に定員に達したことへの安堵とともに、初イベント当日は写真から緊張感が。伝わってきているでしょうか。当日は朝一番から生体の健康チェックから。もちろん水槽に汚れがあれば掃除もセッセと。この朝の作業は、将来アクアショップや水族館に就職しても同じような作業を行います。とはいえ1年生とは普段の学校生活でかかわることが少なく、写真を撮られ慣れていないこともあってあまりこっちを向いてくれませんでした。悲しい~(笑)。
◆緊張みなぎる開催直前
今回のイベントでは、地下の水槽教室でお魚解説と環境問題の一つでもある「漂着ゴミ」についてレクチャーが行われ、7階ではゴミを使った手づくりキーホルダーやハガキづくり体験の会場となりました。ということは、スペースも内容もいつもより倍増!きっと喜んでいただけると確信しました。
エコ水は、水族館・アクアリスト専攻のメンバーが自主的に活動をしていますが、環境デーのイベントということで環境問題について学ぶ機会が多い野生動物&環境保護専攻(通称・野生)の生徒と合同で行うことになりました!
全体朝礼。イベント成功に向けて、野生の生徒とエコ水メンバーでイベントの流れや動きを確認して本番に臨みます。
今回のイベントリーダーを任されたおかもん(左)。実をいうと、朝礼では「リーダーとして人前で話すのが初めてやったから言葉が出てこなく なってしまった(汗)」と少々凹み気味。初イベントで初リーダーなんだから、人一倍緊張して当たり前ですよね(笑)。水族館・アクアリスト専攻は人数が多いため2クラスに分かれていますが、かみちゃん(右)とおかもんはクラスメイトで同じエコ水メンバー。お互い気を許せる仲間です。のはずです(笑)。
いよいよ本番が近づいてきました。1年生は最後の台本確認や、肩をほぐしあったり。直前の緊張感がこちらまで伝わってきました。そんな中でも2年生は1年生に声がけをしたりしていて、なんて頼もしい先輩(笑)!かっこいい!と思ってしまいました。
◆シャンシャンもシャークも
受付にはエコ水のアイドル・シャンシャンが待機中。どう考えても場違いなパンダを頭に宿してお出迎え中(笑)。
待ちに待ったお客様が!哀しいかな、シャンシャンには目もくれず(笑)。子どもたちはカニさんのフィギュアとヒトデの置物に興味津々!
お客様が全員いらっしゃるまでは水槽教室で待機。周りに水槽がいっぱいで、子どもたちはすでにキョロキョロ。ついでにお父様もキョロキョロ(笑)。そう、こんな学校、ちょっとない(笑)。
メイン司会のシャーク。サメの被り物をしているけど、一番好きな海洋生物はダイオウグソクムシだそうで。じゃあなんでサメの被り物にしたのだ(笑)!あ、肝心なことを言い忘れていました。エコ水がなぜ6月5日に開催されたのか。この日は世界環境デー。環境保全に対する関心を高め啓発活動を図る日として、国連が制定した国際的記念日だったんです。今回の世界環境デーのテーマは「かけがえのない地球」。これを受けて、エコ水でも「かけがえのない身近な地球」をテーマに掲げ、イベントを企画してきたというわけです。
「それでは大阪ECO水族館環境デー2022を開催するぞ!~。まずはおさかなツアーからだ~!」。シャークの雄叫びが水槽教室に響き渡りました!
さっそくメンバー紹介。朝礼の時は大緊張していた、おかもん。お客様の前ではスラスラと自己紹介。意外と本番に強いタイプ(笑)?
続いて 「ポニーテールがトレードマークの、ぽにーでーす!」お決まりの自己紹介なのかな?ナイスアイディア、可愛いすぎました(笑)。
そして、お姉さん声で元気に登場!味のりちゃん。
野生のメンバーにも来てもらい紹介。普段はイノシシを追いかけたり蝶々を探したり。最近では三重県志摩半島南部で英虞湾アップサイクルプロジェクトを始動したり。実にアクティブな専攻です。
解説を始める前にシャークからエコ水でのルールを熱く熱くお話。お魚の中には危険な種類もいることや、自分の行動でお魚が嫌な思いをすることがあることを、子どもたちに知ってもらいました。
◆まずはおさかなツアーから
ルール順守もお約束できたということで、 おさかなツアースタート!トップバッターはパンダ男シャンシャンたちとクラゲクイズ。
お姉さんの味のりたちはクマノミについてのクイズ。どんなクイズを出したのかは写真から想像してみてください(笑)。
ぽにーとトビラをトントン、子どもたちもトントン、みんな一緒にトントン。何が出るかなー?わー!。可愛いウツボさんでしたー!
元気なエコ水メンバーにつられて、子どもたちも大喜びでおさかなツアーは終了~!
ツアー終了後は実際に水槽にいるお魚たちを見て回りました。
あるお客様にインタビューを試みたところ、 「今回のイベントのポスターが学校に貼ってあるのを見て、予約の電話をしました!」 「大阪に住んでいて近いから来ました(笑)」などご近所のかたが多い印象。
生体の解説では、どちらかというとお父さんお母さんのほうが真剣に聞いておられたかも(笑)
今回、おさかなツアーに選ばれなかったアロワナやオスカーはみんなから顔そむけてご機嫌斜め(笑)?
◆深刻な「漂着ゴミ」問題
ここからは少しマジメなお話です。みなさんは「漂流ゴミ」や「漂着ゴミ」という言葉を聞いたことがありますか?家庭ゴミや、災害で海に流れ出てしまったゴミ。これらのゴミは海にいる生き物たちにとって危険そのものなんです。
ゴミによる実際の被害。写真を見せる前に、とらちゃんが「かわいそうな写真が出るから、無理に見なくてもいいからね」と、子どもたちに気遣いのある言葉をひとこと。でも、私たち大人は知っておくべき海の現状なんです。
海の生きものたちが傷つかないように、おうちでできること。それは、家庭ゴミをきちんと分別して捨てる!これだけでいいんです。これが、とらちゃんとのお約束、以上槽教室での解説タイムでした!
◆釣ってつくってお土産に
水槽教室からイベントブースに移動してきました。メンバーが先回りしてお出迎え。用意は完璧!
釣り竿で魚を釣るのではなく、プラスチックごみを釣り上げて海をきれいにするのがミッション。子どもたちが竿を海に串刺し!お父さんが「いや、ちゃうちゃう」とすかさずフォロー(笑)。無事にゴミのペットボトルのキャップを釣り上げることができました。
釣り上げたペットボトルのキャップを使い、アクセサリーづくりを体験。
野生のお兄さんお姉さんに教えてもらいながら、オリジナルカラーのアクセサリーに仕上げます。お父さんお母さんも後ろからチラチラ。まるで授業参観の様相(笑)。
次のコーナーでは、授業の水草水槽でトリミングカットしていらなくなった水草とトイレットペーパーを使ってハガキづくり。
それにしてもトリミング後の水草とはいえ、よく残しておいたものです。超超超真剣、そして慎重に水を切ります。
それにしても、とらちゃんとのサイズ感が(笑)。君も立派に育っていくんだよ!
最後はエコ水で飼育している生きものたちの写真を使ったオリジナル缶バッチと飴ちゃんをプレゼント!
ガチャガチャを回して缶バッチプレゼント券をゲット。さてさて、はてなボックスの中からどの生きものの缶バッチが出るかな?
最後までわくわくがいっぱい、これがエコ水流のおもてなし!
イベントの感想を記入してもらいました。「すごく楽しかったです!」「もっと学年が上向けのイベントをしても面白そう」などなど、次回のイベントに向けて貴重な意見もいただきました!
◆ダントツ人気のサンゴ水槽
最後はイベント終了時間まで、水槽教室をフリー見学。
タッチプールで生きものに触れてみたり。
なかなか見る機会のない大水槽の裏側をのぞいたり。そのほかにも、ピラニア水槽やサンゴ水槽も堪能してもらいました。
水槽教室の中でも特に人気のあったサンゴ水槽。お客様の感想でも、「サンゴ水槽のライトアップがきれいでお魚も元気に泳いでいて一番印象に残っています!」という声が多かったです。
大きくて立派な大水槽よりもサンゴ水槽の方が人気というのは、学校的にはちょっと複雑だったりして(笑)?
ポニーテールがトレードマークのぽにーと仲よくしてくれた、ミニぽにーちゃん。見学中は、ぽにーお姉さんにずっとくっついていました。将来は立派なぽにーちゃんになってエコ水に帰ってくるかも!?
もしかして少々お疲れ気味?持っていた車のおもちゃで一緒に遊んでいたシャンシャンをパシャ!シャンシャンの腕の上を走らせて、ご機嫌でした。
クラゲ水槽に見入るご家族。お父さんが男の子を抱っこしてクラゲを見せてあげ、お母さんがその様子を撮影する。3人のいい思い出になったかな。撮影してくださったお母さんは写真には写らないけど、男の子がその時に見たお母さんの表情やしぐさを思い出としてずっと忘れないでほしいと思いました。
イベント中ずっとシャークが「アイアム、シャーク!」と叫んでいたので、男の子が「サメじゃなくて人間だよ!」とシャークを人間の世界に戻そうと必死に被り物を取ろうとしていたのも印象的でした(笑)
エントランス入口に置かれたおっきな氷。副校長が10年ほど前にお菓子の専門学校で見つけた、生花の入ったおしゃれな氷。涼感満点だし、うちでもやろう!とアイデアを持ち帰ったのが始まりです。大阪ECO動物海洋専門学校では、毎年夏になると寸胴鍋に造花と水を入れて大きな冷凍庫でこの氷を手づくりしています。来年もぜひまた見にきてね!
◆エピローグにかえて
無事イベント終了。
おさかなツアーや環境問題のお話、すべてのイベントブースを通じて、今回の目標としていた「かけがえのない身近な地球」を考える機会をお客様にも伝えることができたでしょうか。
いやあみなさん、本当にお疲れ様でした!
イベント成功を祝ってみんなでピース!
そして最後になりましたが、今日取材のアシスタントをしてくれた大親友を紹介します。筋トレとデリシャスプリキュアが大好きな加藤君(写真右)です!自分一人では写真を撮りながら取材してメモをするのは難しかったので、彼の存在はすごく助かりました。本当にありがとう!今回、初めての取材記事を書くチャンスを頂いて何もかもが初めての経験で「どうしよう、ちゃんとできるかな…」と不安でしたが、先生や加藤君、沢山の人に支えられて無事に取材を終えることができました。最後まで読んでくれたみなさん、本当にありがとうございました!
◆エピローグにかえて ~キワメテ!水族館編集部より~
伊藤君、改めてお疲れ様でした!取材&原稿制作を快く引き受けてくれたものの、最初はこちらもめっちゃ不安でした(笑)。でも原稿を一読して、その不安はいっぺんに払拭。よくぞここまで仕上げてくれたものだと、感心を通り越して感動してしまいました。写真?まあこんなもんかな(笑)。これまで数多くのOBをアクア業界に輩出してきた大阪ECO動物海洋専門学校。学生たちによるイベントの企画運営はもちろん、こうしたクリエイティブワークにも対応できるポテンシャルがあったとは。うちに就職する?なんてな(笑)?