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【スポット】前編/「ペットを飼育するということは覚悟をすることでもあるんです」☆爬虫類&アニマルカフェR.U.D.E.(神戸市西区)に集まる人たち

Posted on 2021年6月25日2023年5月13日 by aquariummagazine

先日、横浜で飼育者のもとから逃げ出したアミメニシキヘビが大きく世間を騒がせました。爬虫類はなつかないだけでなく、人には慣れないものだといわれています。でもペットとして迎え入れた以上、ハンドリングしたいし映え写真も撮りたい、と思うのは当然のこと。そんな思いを実現させて、すべての爬虫類に有り余る愛を注いでいるのが、爬虫類&アニマルカフェRUDE(るうど)のオーナー・今井裕太さん。飼育ではなく飼養。飼うのではなく共存。爬虫類に抱いていたこれまでのイメージが、ちょっと変わるかも知れません。

☆     ☆     ☆

◆6畳1間のジュラシック・パーク

爬虫類&アニマルカフェ「るうど」は、神戸市西区の郊外にありました。周りは閑静な住宅街。カフェの入口は完全施錠。気軽に開け閉めはできません。これも人や動物たちを守るための「愛情ロック」。ヘビが逃げ出したとか、トカゲがいなくなったとか、そんな哀しいニュースを見るたび、飼い主の自覚のなさや意識の低さに哀しい思いをせずにはいられません。

 

「お待たせしました!」。入口トビラの向こうから颯爽と登場してきたのが、オーナーの今井裕太さん。31歳。オープン5年目。こだわりは茶髪(ウソ♪)。子どものころに映画「ジュラシック・パーク」で恐竜のカッコよさに参ってしまい、以後爬虫類にどっぷりハマる青春時代をすごしてきました。

 

20代のころは2LDKマンションの1室6畳を使って、ウォータードラゴン3匹のほか、ヘビやヒョウモントカゲモドキなど10匹以上を完全開放で飼育していた時期もあるのだとか。あまりにもマニアックすぎた経験こそが、今日の今井さんのバックボーンとなっています。

――6畳1間で本当にジュラシック・パークをつくっちゃったとは!

「爬虫類に夢中になっている時に自ら体験した福岡のショップさんの受け売りなんですが、やっちゃいました(笑)」

――でも水とかは?

「もちろんちゃんと与えてましたよ。しかも湿気が必要なので、46畳用の加湿器をフル回転させてました」

――大変なんでしょ?大きいトカゲは水を替えたとたん水の中でオシッコやウンチをしてしまう。

「それはあの子たちにとって心地いいからなんです。汚いからといって、それを阻止することはできませんから」

――でも恐怖とか感じてなかった?ジュラシック・パークだと人は最後に襲われる(笑)

「まったくなかったですよ。どの子も可愛くて愛しくて仕方ありませんでした」

◆人に慣れるコツは粘りと愛

一般的に爬虫類は人になつかないといわれています。しつけもできないとも。しかし今井さんはあえてそれに挑戦し、人に慣れさせることに成功した一人でもあります。

 

――爬虫類ってなつきませんよね?

「はい、イヌやネコのようになつくことはまずありません。でも慣れさせることはできます」

――慣れる?

「ハンドリングが難なくできたり、噛まなくなったりとか、安心してあの子たちと触れ合うことができます」

――といっても生まれつき気性の荒いヤツもいる。

「実はそう思い込んでしまっているのは人間のほうなんですよ。毒性がない限りは、どんな子でも慣れさせることはできるんです」

――ジュラシック・パークというより、グレイテスト・ショーマン(笑)

「慣らして欲しいからと、うちの店でもお客さんからサバンナモニターを預かったことがありますし、無理だといわれたグリーンパイソンを慣らしたこともありますよ」

――ベビーシッターならぬ、ヘビシッター(笑)

「とにかく時間をかければ、必ず成果は出ます。ひたすら忍耐です。時間を惜しまず粘れば、必ず道は開けます」

 

――話を聞いていたら、イヌやネコに対するしつけと通じるものがありそうな。

「同じだと思います。この子は頭が悪い、芸は覚えない、などと早合点して決めつけるのは間違いで、動物と向き合う時間を放棄してしまった結果にすぎないんです」

――なるほど、人間が勝手にあきらめちゃうのか。

「そうです。爬虫類も同じです。時間はかかりますが、この子ともっと寄り添いたい、この子にもっと愛情を注ぎたいという信念があれば、必ず思いは伝わります」

――爬虫類に限らず、ペットを飼う時に大事な要素は?

「まずは覚悟。次に知識。そして最後にお金だと思います」

――覚悟か。今までまったく間逆だと思ってました(笑)

「いくら動物たちを飼っても、亡くなってしまえばそれで終わりなんです。想い出は残りますが、ほかには虚しさだけしか残りません。それでも動物たちに最後まで寄り添っていきたいと思う以上、やっぱり覚悟が必要だと思っています」

 

時節柄、屋外でのインタビューとなりましたが、それを尻目にお客さんがぽつりぽつりとやってきます。しかも、ほとんどのお客さんが可愛い家族とともに「同伴出店」。そんな微笑ましい光景を見ていると、こちらまでわくわくしてきます。早速、店内に入ってみることにしました。

◆来店は「同伴者」とともに

入店したとたん、うれしそうにシッポを振って出迎えてくれたと思ったら、すぐに落ち着きを取り戻して元の定位置へ。元保護犬のレーヴ(手前)とライリー(奥)。レーヴは劣悪な環境下の多頭飼育崩壊から保護され、ライリーはあと1日で処分直前だったそう。ライリーとは、「勇敢な者」を意味する男の子の名前。レーヴはフランス語で「夢」の意味。税理士とカフェだけでなく、保護犬活動にも精力的に参加している今井さん。ここへくるまでさぞかし怖い目に遇ってきただろうこの子たち。今井さんの元で、今少しずつ心を開きつつあります。

 

大西裕麻さん・彩里さんご夫婦は、外出時はいつもこの子たちと一緒です。奥さんが抱っこしているのがキュリーで、ご主人の手にあるのがジェロ。いずれも今井さんの紹介で迎え入れた保護犬です。「名前を“ミケランジェロ”にあやかろうと思ったんです(笑)」。なんじゃそら。「ミケはまだいないんですが、ランは以前飼っていた犬の名前で、この子はジェロ。ミケを探すとなったらやっぱり保護猫になると思います」。かと思いきや、最近ヘビも飼い始めたとのこと。ここへくれば、そんな思いも叶えてくれます。みんなが仲良くなれる場所。愛があれば人も動物も幸せに。そんな幸せ感が、彩里さんの外出着の艶やかさにもよく表れていました。

佐藤美佳さんはレオパ大好き女子。もちろん今回もペットと同伴。このパターン、今日に限らず結構多いんです。あ、さっき外にいた時に、車から降りて大事そうにこの子を抱えてお店に入っていったのは美佳さん?「そうです~。主人にここまで送ってもらったんです~。主人も私も、それぞれ好きなことに時間を使っているんですよ~」。と幸せそう。2カ月に1度のペースで来店。おうちにはほかに6匹もレオパが。繁殖も念頭に入れながらの毎日。デュビアを美味しそうに食べてくれるのが、至福の時間。「次はヘビが欲しいんです~」。来店するみなさんがそうであるように、美佳さんもまたついつい目移りしてしまう困った人でした(笑)。

◆人それぞれ爬虫類への思い

長い間、拒食症の悩みを抱えていたのが酒井理沙さん。いやいや、アルビノボールパイソンの話です。以前別のショップで購入したまではよかったのですが、なぜかごはんを食べない期間が長く続きました。このままだと体力も弱っていくしどうしたものかと思案していたところ、カフェと出会いました。その後は今井さんのアドバイスもあって、食欲も改善。「1カ月以上かかりましたが、本当によかったです」。拒食にはさまざまな要因があるといわれるボールパイソン。とりわけ温度調整が要因となることが多く、これがきっかけで今井さんに寄せる信頼も大きく増しました。淳君もしっかり理沙さんをサポートしています。

 

大家族で来店したのは、中村知寛さん・美里さんファミリー。しかもお子さん全員が女子。おうちにはほかにオオトカゲが1匹と保護猫が2匹。お子さんの手には、コーンスネーク(左)とボールパイソン(右)がしっかりと。聞くところによると、このボールパイソンも拒食症だった時期があったそうですが、酒井さん同様ここですべて問題解決。まるで駆け込み寺のようなカフェ。家族全員でここへ来るのも当たり前になりました。何より、子どもたちがしっかりしていて、ほかはほとんど大人なのにお客さんとも超フレンドリー。もしかしたら、これも不思議な爬虫類マジックなのかも知れません。

 

シングルの女性もいたりします。今日は同伴者はいませんが、スマホの壁紙にはレオパがステイ。「名前があるんですよ~、オムライスちゃんって(笑)」。え、何それ?コロナ禍で外出もままならなかった去年、ペットを飼おうと当初は小動物も視野に入れていましたが、あまりスペースがいらずしかも長生きしてくれるペットを探していたところ、店のインスタグラムと出会い即決。「裕太さんのペットに対する深い愛を感じたんです」と、りえさん。そこで、オムライスのイメージに合ったレオパを探してほしいと懇願。わずか1週間で約束を果たしてもらえて迎え入れたのが、オムライスちゃんなのでした。「これって、マッチングアプリみたいでしょ(笑)?」。

 

りえさんのおうちにはもう1匹。この子を探してもらう時はどんな無理を言ったの?「さくらもちです!」。また食べ物とは(笑)。2匹とも女の子。おうちから帰ったら真っ先にオムライスちゃんとさくらもちちゃんのもとへ?「もちろんです!」とマジでうれしそう。今ではりえさんの手の中にいても、安心している様子の子たち。いわゆる、あざとかわいい?「ハンドリングはそこそこにしておいたほうがいいという意見もあるんですが、裕太さんは間逆でした。どんどん触れて慣らしてあげましょう、と。こんな愛にあふれたお店、ちょっとないと思います!」と熱く語ってくれました。

 

最後にご紹介するのは、齋藤龍ノ輔さんと関望さん。手にしているのは、ブラッドパイソン。大人になると、2mにまで成長し、体重も20㎏以上になるのだとか。「比較的おとなしいと思います。爬虫類のイベントで買いました」とサラリと話す齋藤さん。「2年前のオフ会でここを知り、考え方や知識の豊富さにいつも圧倒されています。まるで動物博士です(笑)」。おうちにはほかに爬虫類が100匹は軽くいるという齋藤さん。聞くところによると、爬虫類のおうちには何と流水を使ったテラリウムまで完備。目下、ブラッドパイソンの繁殖について研究中で、もし成功したら日本初の快挙になる可能性も。お願いですから、アミニシキヘビのように外へ逃げ出したりしないでね~(笑)。

【後編へ続く】

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