いやあ、1年が経つのは本当に早いものですね。1カ月後にはクリスマスが迫り、そのあとにはもうお正月。ついこの間まで暑い暑いと悲鳴をあげていたことが嘘のよう(笑)。去年11月に初めて開催された金魚のイベント「金魚フェス」も、あれからもう1年。金魚のふるさと・大和郡山市で開催されたとあって、金魚ファンならずとも注目が集まったことは記憶に新しいところです。そして今年11月10日(土)~11日(日)の2日間、金魚が再び。「イオンにくれば金魚に会える」のキャッチフレーズ通り、週末のショッピングモールは金魚の人でいっぱいでした(笑)。ということで、駆け足で会場をレポートしてみました。
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◆前年より出品者が増えた金魚品評会
前日、天気予報士がテレビ公言していた通り、会場となったイオンモール大和郡山周辺は「雲ひとつない晴天」に恵まれました。もしひとつでもあったら責任とってもらうつもりだったのに(笑)
まだ開店前だというのに、こんなに人が。おそらくそのほとんどが金魚品評会の関係者。主催者もいれば審査員もいるだろうし、もちろん出品者もいるし投票する人もいるだろうし、一部始終を見にきた金魚マニアもいるだろうし。もしスポーツ新聞だったら、見出しはさしずめ「大和のイオン、金魚人に乗っ取られる!」(笑)
今年の品評会では、310匹の出品があったそうです。去年に比べて、100匹以上増えた計算になります。このままの勢いで、関西唯一のメジャーな品評会としてブラッシュアップされればいいですね。「やっぱり大和郡山の品評会はほかとは違うな~」みたいに。
今年は審査員として、全国の養魚場からのかたがた以外に、海外からの審査員も加わりました。このかたは、スコットランドからトニーさん。朱文金のスペシャリストだそう。このほか、中国からは中国らんちゃうで有名な張さんも来日。
「今日のデートは金魚品評会に行こう!」。そんな会話が二人にあったかどうかは知りませんが、デートっぽくていい感じです。
さてさて、どの固体が優勝したのでしょうか。それはすべて審査が終わってからということでお楽しみに。
◆新たな名物となるか?テレビ型水槽やタイヤ型水槽
店内はすっかりクリスマスモード。そんなきらびやかな雰囲気とともに、ちっちゃな金魚たちも金魚人たちを盛り上げてくれています。
まずは金魚すくい会場へ足を運んでみました。ここでは、毎年恒例の金魚すくい選手権大会から選ばれたツワモノばかりが大集結。大人も子どもも、年間のチャンピオンを決める熱い戦いが繰り広げられていました。
金魚すくい会場近くには、金魚グッズがあったりワークショップが開催されていたり。大人も子どもも興味津々。
こんな可愛いキャンドルライトもありました。
子どもたちはワークショップが大好き。アテンドするお母さんは大変(笑)。せっせとポイの絵づくりにいそしみ、集中力を高めます。
ふと目をやると、ん?こんなところにテレビが?しかもブラウン管(笑)。よくみると金魚の入ったテレビ型水槽でした。今秋、大和郡山観光協会が「何かユニークな水槽をつくって市の新たな名物を」と発案し実現したそうで、通りを行く人の注目を集めていました。
液晶テレビなんてない時代にさかのぼって、懐かしさもハンパなく(笑)。ブラウン管に見立ててたスクエアな水槽の中に、大和郡山城をバックに泳ぐ金魚が1匹。レトロ感も満載でした。
さてこちらにもこんな水槽が。タイヤ型の水槽。よくみると、KOTOBUKIのブクブクが(笑)。聞いたところによると、この水槽を写メで撮ってスマホの壁紙にしておくと、ご利益があるとかないとか(笑)。まあ真意のほどはともかく、モノがタイヤだけにぜひ無事故・無違反を誓ってください。同観光協会によると、これからもユニークな水槽をつくっていくのだそう。みなさんも、面白いアイデアがありましたらぜひ観光協会へ!
◆金魚女子はどこで会っても元気がいい
タイヤ型水槽に遭遇してやたらテンションの高い女子発見(笑)!おお~、これはこれは金魚大好きな“金魚女子トリオ”ではありませんか。金魚ガラス作家の網野篤子さん(左)、金魚が得意なイラストレーターのキタイミコトさん(中)、金魚グッズをつくりながらピンポンパールを飼育しているという三宅ひよこさん(右)。こんな「大御所」がいっぺんに揃うなんて、さすが金魚フェス(笑)
これはイラストレーターのミコトさん作。らんちゅうをモチーフにしたミニフィギュアが可愛すぎます。実はこれ、金魚フェスを見にきた金魚好きの男性が肌身離さず持っているという、命の次に大事な金魚グッズだったのです(笑)。
網野さんがつくったガラス細工の金魚。まるで泳いでいるかのようなしなやかな尾っぽが実にリアルです。値段を聞くのを忘れましたが、こんなフワフワの綿にくるんで箱に入っているんだから、想像以上に高いんでしょうね(笑)
「ほかのも見はります~?」ということで、色々見せてくれました。でもこれは自身が手がけた作品のほんの一部だそう。どうか壊れないように大事にお持ち帰りください(笑)
今回は3人の金魚女子による作品の展示も販売もありませんでしたが、早速観光協会のスタッフにプレゼンする姿は商魂たくましい~(笑)。もしかしたら、来年彼女たちの作品がこの会場に並ぶかも知れません。
イヤよイヤよも好きのうち(笑)。嫌がる金魚女子3人を会場内のフォトスポットに強制連行し、見事仕留めました!あ、三宅さん前と感じ変りましたね。ぐんと女らしさが増したような♡
自身のブースでグッズを売っている女子が一人。安堂真季さんは、本職とは別に週末になるとお気に入りのご当地を訪れ、大好きな金魚をサクサク撮っている超元気なカメラ女子。もちろん彼女も金魚大好き。ブースでは、自身が撮ったファンタジックな金魚をモチーフにした、カレンダーやフォトブックを販売していました。
そういえば、さっき別のところでこんなコーナーもあったのを思い出しました。そう、写真展まで開催していた安堂さんなのでした。その写真のひとつひとつに、女性らしい視点と気遣いが込められているようで。自分の好きな世界を、こうして認めてもらえるというのは素晴らしい!
もう一人紹介したい金魚女子がいました。彼女の名前はズバリ「金魚娘」。はい、そのままです(笑)。去年この会場で初めて会って、以来「キワメテ!水族館」専属の女子タレントに(嘘!)。
現在、京都の女子大4回生。来春から京都市内の金魚問屋さんに就職が決まっていますが、金魚が好きすぎて全国の金魚イベントや養魚場に出かけて、自身の売り込みに余念がありません。もちろん、どこへ行くのもこの格好(笑)!
しかも彼女は部活で池坊の華道を。今回は金魚と華道の融合をテーマに、数種の作品を製作展示。鹿鳴館時代を彷彿させる和装と独特な金魚メイク。最近インスタグラムを始めたばかりなので、「金魚娘」で検索・フォローしてあげてくださいね。
言わなくてもわかってる(笑)!
◆地元水槽メーカーだからできた金魚水族館
さてこちらのコーナーは「金魚水族館」。地元の水槽メーカー・KOTOBUKIが、金魚の美しさやしなやかさをガラス越しに体感してもらうと、自社の水槽で可愛い金魚たちをアピールしていました。
30㎝角水槽を中心に、60~90㎝水槽がそれぞれルクスの高いLEDと相まってキラキラ感たっぷりです。
「メダカが増えすぎちゃって(笑)。何か手頃な水槽があれば欲しいなと思って来ました」という女性。KOTOBUKIスタッフのアドバイスを受けながら、可愛いメダカたちの住環境をグレードアップすべく製品カタログを熟読中。
昨年デビューしたスタイリッシュ水槽「アーク」や「デビュー」は、どこから見ても目を引きます。まさに「社長室に置きたくなる水槽」の製品キャッチフレーズ通りの水槽美を醸し出しています。
言い忘れていましたが、水槽内の金魚の大半は今回も金魚品評会をプロデュースしているやまと錦魚園さんご提供によるものです。清く、美しく、たくましく。そんなキーワードがピッタリの固体ばかりが、金魚イベントのパフォーマーとして魅力を発揮してくれていました。
前回大好評だったガラポン抽選会が今年も。やっぱり人気なんですね~。1回200円で、各種サイズの水槽やアクア用品が当たります。「ほんまに当たりって入ってますのん?」って失礼な(笑)!ただ、2日間で1等賞は1本あればいけるだろうという目論見は見事はずれました。結局、2日間で、1等賞の50㎝水槽が2本当たったという、確率の高さを物語っていました。
話題の新製品「FLY MIX」のコーナーもありました。
このコーナーは、地元の養魚場さんなどによって展示されたレイアウト水槽。それぞれの思いがたくさん詰まった、個性的な演出が印象的でした。
こちらの水槽は、鉱石業界とコラボすべく水晶や蛍石などの天然鉱物を用いたレイアウト水槽。こんなシーンをみているだけで癒されます。
「でかっ!」「え、これでも金魚?」「何食ったらこれだけ大きくなるんやろ?」などなど、まさに金魚水族館の目玉展示でもあったのがコレ。京都や北大阪に拠点を置くペットショップ・ノアズアークさんが出展したジャンボオランダ。熊本県の長洲で独自につくられている固体で、流通量も少ない貴重な固体なのだそうです。すっかりイベントの人気者になっていました。
ざっとみたところ、体調30㎝はあるような。その大きさが伝えられないのが残念です。
その珍しさに、スマホで写真を撮る人の多かったこと。
子どもたちにも大人気。そりゃそうでしょ、こんな金魚みたことない(笑)!
この日、多忙な中を駆けつけてくださった上田清・大和郡山市長もその大きさにびっくり。「一体何キロくらいあるんやろうね」と。今度計っておきます!と口から出まかせ言っておきました(笑)
◆大和郡山市長賞など上位10賞
さて、いよいよ金魚フェスも佳境に。会場中央では、金魚品評会の表彰式が行われました。さすがにドラムロールはありません(笑)。
大の部(体長12㎝以上)で優勝したのは、朱文金を出品した藤井和洋さんでした。藤井さんは、大和郡山市長賞を同時受賞。内閣総理大臣賞や農林水産大臣賞にも負けてません(笑)!表彰式では、上田市長から表彰状が授与されました。おめでとうございます!
このほか、観光協会会長賞や商工会会長賞や金魚組合長賞、イオンモール大和郡山賞、金魚フェス実行委員会長賞などの表彰も同時に行われました。
あ、大事なシャッターチャンスの時に後ろを走っているのは誰ですか~(笑)?
表彰の終わった受賞者の足元をみると、賞品の60㎝・90㎝級の水槽がわんさかと。
それではここで、上位入賞を果たした個体を順次ご紹介していきましょう。
まずは小(体長10㎝以内)の部。出品数183匹の頂点に輝いたのは、東 英範さんの色鮮やかなオランダでした。鎖国時代に珍重されていたオランダ物から、その名がついたといわれています。
第2位に輝いた荒内輝義さんの銀鱗オーロラ。鱗のところどころが銀色に輝き、しかも優雅な尾が美しい~。
第3位も荒内さんのキャリコショートテール。ちなみに、キャリコとは英語のcalico(まだら)に由来してものだそうです。
第4位は宮戸正輝さんの蝶尾。まるで空を舞う蝶のごとく。また出目金のように目が突出しているのも特徴です。
第5位は谷元晃一さんの羽衣オランダ。まるで羽衣のような白い部分が特徴ですが、成長とともに黒くなったり赤くなったり変化していくのだそうです。
続いて大(体長12㎝以上)の部。優勝したのは藤井和洋さんの朱文金。赤や浅葱、墨など、和テイストを感じさせる味わい深さが印象的でした。
第2位は小の部で優勝した東 英範さんのオランダ。そう、小の部で優勝した個体と同じ品種です。
第3位は大木康進さんの出雲ナンキン。実はこの品種を精力的に飼育・繁殖していたユーザーさんを先日取材。近日中に改めて「キワメテ!水族館」でご紹介しますのでお楽しみに。
第4位では、大の部で優勝した藤井さんの茶金が受賞。一見地味にはみえますが、渋みのある体色がマニアの間で人気のある品種です。
そして第5位が堀部正光さんの頂天眼。視力はないぶん臭覚を頼りにエサを探す個体ではありますが、なんだかこちらをみて入賞を喜んでいるみたいでした。
第2回金魚フェスもこれでお開き。今回は金魚女子を中心にご紹介しましたが、品評会への出品者はなると大半が男性。いずれ金魚女子パワーが力をつけて、ベタコンテストのように、女性の出品者が増えたらもっと盛り上がる気がします!
10年ほど前に出版され話題になった著書「ぜったいに飼ってはいけないアライグマ」を例にとって、ペットの飼育を熱く語ってくださった上田市長。お忙しいところ、貴重なメッセージをありがとうございました。
第2回金魚フェス、一巻の終わり。来年はさらにどれだけの出品者があるでしょうか。また、どんなユニークなグッズが出品されるでしょうか。色々な意味で大いに楽しみです。
運営に携わってこられた関係者のみなさん、本当にお疲れ様でした。そしてご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました!