梅雨真っ盛りの中開催された「レプタイルズフィーバー2023」。幸い大雨の影響を受けることもなく会場は大賑わいでした。ヒュドラケースでおなじみのKOTOBUKIは、同イベントに初参戦。エキゾチックアニマルをターゲットにした飼育パーツもすっかり充実し、新製品の全貌も明らかになりました。
☆ ☆ ☆
◆無断撮影禁止など注意喚起は強め
会場は例年通り大阪南港ATCホール(大阪市住之江区)。この日は雨が降るか降らないか、朝からビミョーな空模様。会場では「にゃんこ博覧会」が同時開催されていたこともあってか、両イベントを楽しもうとする親子連れの姿が目立ちました。
ATCホールはいつきても広~い!吹き抜け構造になっているせいか圧迫感がなく、とっても開放的。会場を見渡すと、女性や子どもの姿も多く数年前と比べて来場者の傾向はかなり変わってきたような。もはやレプイベントは、一部のマニアのためのものではなくなってきた証拠でもあります。
会場は、生体ゾーンと用品ゾーンを2分割。用品ゾーンから遠目に見た生体ゾーンはこんな感じ。無断撮影は厳禁、プライバシー順守、そして動画の生配信などもNG。公式ホームページにも会場パンフにも力強く書かれていました。そうしないといけないほど、マナーやモラルの低下が著しいということなんでしょう。
KOTOBUKIのブースに到着。いつもよりブースのサイズがワイドなような。用品ゾーンの端っこということもあり、通路も広くて見やすい・歩きやすい・立ち止まりやすいの3拍子。まさにベスポジ。
イベントではすっかりおなじみの「ヒュドラくん」。もういくつになったんでしょ、知らんけど(笑)。客寄せパンダならぬ客寄せフィギュア。今回もしっかりパフォーマンス。今回もホンモノと見間違えたみなさん、紛らわしくてごめんなさい。
◆ついにベール脱いだ「アタッチメッシュ」
思わず目に飛び込んできたのがこの文字。おお、センセーショナル。近日発売とはいつなのか、また何が発売されるのか、めっちゃ気になります。
新発売されたのは、ヒュドラシリーズの最新版「アタッチメッシュ」。もちろん本邦初公開。今回のイベントでは、これを中心にざっくりレポートしていきましょう。
ブースのほぼセンターに90㎝水槽が。その上に置かれていたPOPがひときわ目を引いていました。アタッチメッシュがどんな商品なのか、これを見れば一目瞭然ですよね。
その正体は、エキゾチックアニマル用のケージネットでした。これまでよく似た商品が他社にもあったそうですが、独自に改良に改良を重ねて製品化に至りました。KOTOBUKIといえば水槽の老舗メーカーであることは周知の通りですが、アタッチメッシュはシンプルに単品でした。しかも枠付き水槽の上部に取り付けられる専用ネットだったのです。
「え?ということは既存の水槽にも取り付けができるってこと?だったら便利いいね~」というのが、来場者の大方の反応。そうなんです、枠付きの水槽であれば簡単に取り付けられるんです。これまでアクアで使っていた枠付き水槽が、エキゾたちの住処として第2の人生を送ることができるんです!
◆上開きのほうがインテリアチックなのだ
尼崎市からご来場のタクさん(左)は、クレステッドゲッコウやニシアフ、そしてボールパイソンなど約50体を絶賛飼育中。交際中のキクさん(右・西宮市)もホーランドロップ(ウサギ)やセキセイインコを飼うなど、「2人合わせたら動物園みたいやね、とよく話してます(笑)」。
そんな2人にアタッチメッシュの感想を聞いてみました。筋トレ好きのタクさんは手先が器用で、ケージはほとんど自作なのだそう。でもネットまでは自作不可。「これまで使っていた枠付き水槽が使えるというメリットだけでなく、全体的に見た目がスッキリしていていいと思います。前開きのケージと違って上から(生体を)出し入れしないといけませんが、トータルで考えるとインテリアとしての要素もありますし」。
結果的にインテリアとしてもナイスな新製品。推しの生体を良好な視界でじっくり楽しめそうです。
メッシュ部分は約4㎜の空き。通気性もよく、照明器具などの光を妨げることもなさそうです。
ラインナップは315・450・600・900・1200の計5サイズ。なお315~600までの3種類は、他メーカーの枠付き水槽にも対応しています。
かつてのアクアリストがさまざまな事情で、爬虫類飼育に移行するケースは珍しくありません。そんな時でも、決して水槽が無駄にならないということです。
◆テーマは「完全なる逃走阻止」?
「やっぱりアクリルよりガラスがええなあ、アクリルより。きれいし。何より丈夫だもんで」。そんな名古屋弁まじりの会話をスタッフとしていた男性。このイベントのためにわざわざ名古屋から車で駆けつけたのだそう。
御年70歳。3年前まではボールパイソンやカーペットパイソン、エメラルドツリーボアなどを飼育。「最初は家族に内緒で飼ってました(笑)」。夜行性がゆえに、夜になるとケージ内を動き回るパイソンのカタカタ音も今はいい思い出。「全然寝れなかったですよ(笑)。前開き構造のケージだったからかなあ、音が気になるし不安だったね」。もしそのころアタッチメッシュがあったら、しっかり水槽と固定してカタカタ音もないし前開きの不安もなかったことでしょう。
たわむことがほとんどないメッシュ構造。上にモノを置いたとしても耐えられるようさまざまなテストを行い、商品化を実現させました。
「お久しぶりです!」。おお、誰かと思ったらSHINYA君!相変わらずデカっ(笑)。去年、レプユーザーとして自宅マンションを訪問。数といい種類といい環境といい知識といい、何もかもがすごすぎて、もう神。「いらっしゃると思って来場しました!」と、意外に律儀(笑)。
足元には、大きなショッピングバッグ。一体何が入ってるの?「繁殖用のアルバーティスパイソン、生き餌用ラットケージ、そしてエサのコオロギを買ってきました!」。アルバーティスパイソンについては、以前から繁殖を成功させたいと意気込んでいたSHINYA君。「来年の秋ごろ結果が出ますので、その時にはぜひ取材にきてくださいね」。もし繁殖に成功すれば日本初の快挙だそうです。そのためにも今からデータ取っておいてね。「わかりました!」。古武道で鍛えた肉体と精神は、どこまでも凛々しいSHINYA君でした。
「これ、なんですか?」え?それは言われへん(笑)。うそうそ、アタッシュメッシュを見つけたSHINYA君も、商品のメカニズムに興味津々。
独自のロック機能。これで水槽ともしっかり固定。逃がさへんで(笑)!「そうですね。爬虫類って脱走の仕方をすぐに覚えてしまう性質があるので、これはいいと思います」とSHINYA君も太鼓判。
さらに、4個所にコード穴が設けられた便利パーツは、はめ込み式ではなくネジによる固定式。これにより、生体の脱走を二重に防止しています。そう、もう逃げ場はどこにもないのだ(笑)!「参りました(笑)」(SHINYA君)。
同イベントに初出品したKOTOBUKI。結果的には、アタッチメッシュの新製品発表の場になりました。イベント開催時は発売日未定という表記でしたが、現時点ではショップなどでもすでには販売中。ぜひショップで手にとってみてくださいね。
◆子はレプ♪母はジャニーズ♡
このほか、バードケージなど設置場所を選ばないヒーター「ヒュドラヒート」が展示されていたり。
ボタンひとつで快適環境に温度コントロールができる「ヒートコントロール」の展示もあったり。ヒーター関連は時期的にはやや早めではありますが、今から準備しておくのが賢明です。
このほかブースでは、香りでごまかすのではなくにおいを元から絶つ「デオミスト」のサンプル400本を配布。来場者からは好評でした。
すぐお隣のブースは、レプイベントすっかりおなじみのワイルドモンスターさん。そこで、KOTOBUKIのヒュドラケース3020を購入したあと、KOTOBUKIのブース前で、「息子を待ってるんです」という和歌山県有田市からお越しの宮井 恵さんと遭遇。何と地元のペットショップ勤務。息子さんは今どこへ?「流木を探してくると行ったまま、帰ってこないんです(笑)」。自宅には、コーンスネイクやアオジタトカゲ、レオパードゲッコウ、クラウンウェルツノガエル、ウーパールーパーなどがズラリ。しかもすべて息子さんが飼育・管理しているのだそう。
そうこうしているうちに息子の俊輔君(高1)登場。この日は流木だけでなく、ヘルメットゲッコウをいつものようにお小遣いで購入。3人兄弟の末っ子ですが、爬虫類に興味あるのは俊輔君ただ1人だけ。なので、レプイベントにはいつも恵さんと一緒です。ごめんね~、わけがわからないうちに写真撮らせてねと無理矢理お願いして(笑)。
後日、ヘルメットゲッコウの写真を送ってきてくれました。いかにもヘルメットのような可愛い頭が印象的です。ちなみに写真を送ってきてくれた恵さん、な、な、なんと、ジャニーズ推しのお母さんでした(笑)。
飼育ケージはもちろんこの日買ったヒュドラ3020。
午後5時。場内に流れるホタルの光で、イベント初日は終了。いつも思うことですが、イベント取材だと時間はアッという間。
ランタイム以外はずっと立ちっぱなし。しかも常に誰かと喋ってます(笑)。これが仕事だといえば仕事なんですけどね。疲れ?全然(笑)。
キワメテスタッフにとっても初のレプタイルズフィーバー2023。KOTOBUKIのスタッフのみなさん、今回も取材にご協力いただきありがとうございました!なお、次回「キワメテ!水族館」では、今回お披露目した新製品・アタッチメッシュをさらに深掘りします。お楽しみに!