大阪市西区のアクアショップ・アワジヤも、早いもので創業50周年。50年前、初代オーナーが近所のマッサージ師からもらった金魚の稚魚がきっかけで、アクアショップがスタート。その後、2代目オーナーがディスカスのプロショップとして名を馳せ、3代目オーナーはアクアテラリウムに精力を注ぎ込むなどして、時代のニーズに適応してきました。そんなアワジヤが50周年記念イベントを開催。記念すべき大きな節目を迎え、新たな道を模索中。
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◆なぜかアコギがお出迎え
イベントが開催されたのは、11月8日(金)~10日(日)の3日間。入口付近にはアクアカラーのバルーンがお客さんをお出迎え。いつもと違うアワジヤフェイス、これだけでもわくわくしてきますよね。イベントのキャッチは「熱くて涼しい3日間!!」。少しずつ秋の気配が忍び寄る中、店内はいつも以上にホットでアットホーム。看板に偽りナシでした。
なぜか1本のアコギが、さり気なく。いや、わざとらしく。しかも「ご自由にお弾きください」って、一体誰が歌うねん!さてみなさん、誰が考えた仕掛けなのかもうおわかりですよね。
平日の金曜日だというのに、店内はまずまずのお客さん。「イベントやっても、お客さん来てくれはるかな~」という心配は、まずは無用だったようです。
イベント期間中は生体などが大幅にディスカウント。ほぼほぼ20%off。しかも3日間通し。これはめっちゃお得。行けばよかったと今さら後悔しても遅いのです!
◆スネヘもセール対象
アイズファイヤー・スネークヘッドもお安く。
チャンナ・アリストネイもお安く。
コリドラス・ロブスタスもお安く。
ジャック・デンプシーもお安く。
ベタさんもお安く。
各種水草もお安く。
もちろんサンゴもお安く。
そして、5,000円以上の買い物をすればアワジヤスタッフが厳選した超豪華なアクア用品が当たるというお楽しみ抽選会が。
アクアショップで5,000円も買うかなあ?と危惧していたのはキワメテ、いやシロウトの浅はかさでした。以前から欲しいと思っていた魚を入手しようと、この3日間に照準を合わせて来店したお客さんも結構いたりなんかしましたから。季節もいいことだし、この機会に水槽を賑やかにさせるのにはグッドタイミング。
◆アワジヤ愛のみなさんへ
今さらですが、お楽しみ抽選会の賞品を紹介。1等賞品は主にライトがラインナップ。光の3原色で色がキレイに見えるバータイプのものや、海水用・サンゴの育成向けスポットライト、そしてオールインワン水槽セットなどなど盛りだくさん。特にライトはどれもスタイリッシュで、パッケージもリンゴマークの商品みたいでカッコよかったです。
同じタイプのスポットライトが店内にもありました。こんなにスタイリッシュ。
また2等から4等までの賞品では、水草育成ライトや外部式フィルター、60㎝水槽、水草カット用ハサミ、水質改善用カルキ抜き、ソイルなど。いずれも見劣りしないアクア用品ばかりが勢揃いしました。
それもこれも、50年という記念すべき節目の年だから。そして、今や大阪市内では稀少な路面店だから。何より、日頃から店を愛してくれているお客さんがたくさんいるから。不肖・キワメテ、アワジヤに成り代わって厚くお礼申し上げます笑。
◆インスタライブもやっちゃった
セールや抽選会だけでなく、アクアメーカーによるトークライブが2階で企画されていたイベントでもありました。せっかくちゃんとした2階もあるんだから、テラリウムの展示だけにしておくのはもったいない!というわけで企画されました。
トークライブの最初は、老舗水槽メーカーによる新製品ガイド。コンパクトであなながらハイパワーのライトや、今注目の栄養系ソイルがデータなどを交えて紹介されました。
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しれっと内緒でインスタライブも。「いやあ、恥ずかしかったです~」とは、後日営業スタッフ談。
サバイバルジャンケンで生き残った人にそれぞれの商品がプレゼントされ、平日の昼下がりではありましたが大いに盛り上がりました。
2日目のトークライブは、メーカー3社がエントリー。まず1社目は、アクア用品以外にも多種多様のソイルやサンゴを販売している会社。ソイルの産地や製造方法によって、水槽内の水質や水草の成長にまで影響するのだそう。そんな話に興味津々。どこで採れたソイルがベストかって?そんなの企業ヒミツに決まってるでしょーがー。
アクアメーカーに属していながら、自身も動画配信サイトで多くのアクアファンを持つ生粋のアクアリスト。イベント前から注目されていた通り、新製品紹介が中心のトークライブではアクアユーザーの立場になった切り口が推し。先進的技術、洗練されたデザイン、何よりアクアユーザーの想いが詰め込まれた開発エピソードなとが披露されました
海水・淡水を扱っているおなじみのメーカーからは、水質のスペシャリストが登場。自社製品の水質検査キットを、実際にアクアユーザーに使ってもらうというユニークな参加型トークライブとなりました。参加者の一人は、「以前から水質が気になっていたので、ペットボトルに飼育水を入れて持参しました。結果、数値は良好なので水草の量を減らしたほうがいいですよと言われて、すごく助かりました」と大絶賛。
めったに顔を合わせることのないメーカーとのface to face。こんなユニークなイベントもまさにアワジヤらしさ。これだけのことをやってのけたら、来年も期待しちゃいますよ!
この2階のスペース、次回またイベントの機会があるなら、トークショーなどが行われていない時間帯はレストスペースとして活用してもいいかもね。お客さんがゆっくり滞在できる快適な場所って、とっても大事ですから。
◆地域密着ということ
タイミングよく出会ったお客さんに話を聞いてみました。大阪市内にお住まいのカタスミさん。ご主人の転勤で、京都宮津市から「60㎝の水槽持って引っ越してきました(笑)」。自宅からも店が近いので、スタッフともすっかり顔なじみ。この日はサバイバルジャンケンで見事生き残り。8ℓ入りエナジーソイルをゲット。「うわあ、こんなにたくさんどうしましょ(笑)」。
この日は、コリドラスのペアと水草をお買い上げ。自宅ではビオトープやオカヤドカリの飼育、ご主人もクワガタやカブトなども飼育中の「生きものファミリー」。比較的遅い時間まで保育所がお子さんを預かってくれるのだそうで、「またじっくり来ます(笑)!」。
夜になると、会社帰りに立ち寄るお客さんもチラホラ。スーツ姿のI・Tさんもその一人。もともとは愛知県出身で、仕事の関係でこちらへ。「会社帰りに立ち寄れる店を探していたところだったので、すごくよかったです」。
自宅リビングの60㎝水槽には、ブルーダイヤモンドラミレジィやベタ、ラミーノーズテトラなどの熱帯魚が。想像しちゃいますね、魚のいるとっておきのリビングシーン。この日はろ過材を購入。少しずつ水槽の数も増えていきそうな感じでした。
日曜日の昼下がり。水草水槽をじっと見ていた女性がいたので声をかけてみました。来店した2人は母娘。「娘が水槽の世話をしてくれているので、私はただ眺めるだけで癒されているんです(笑)」とお母様。2年前に30㎝水槽で始めたアクアでしたが、「もう少し大きいサイズが欲しくなって」が来店動機。
ただ、今は家具の上に水槽を置いているので、あまり大きなサイズは不安が残ります。今回はひとまず45㎝にサイズアップ。「水槽に水草までをセッティングしてもらおうと思ってるんです」。お楽しみ抽選会では、水槽専用の高級ハサミをゲット。「今まで普通のハサミでチョキチョキしてたんです(笑)」。1カ月後の納品が楽しみですね。
D・Mさんは、もう10年近く店に通っている常連さん。「欲しいものがあって買いにきても、やめといたほうがいいですよと拒否られることもありますよ(笑)。一瞬、えっ?とは思うんですが」。こんな本音でやりとりできるのも路面店ならでは。今では「逆にそれが信頼につながっています」。
大阪市の中心部でアパレル関係の仕事をしているD・Mさん。最近忙しくて自宅の水槽も放置気味なのだとか。「コケ生えまくりです(笑)。これからどうしたらいいか、相談しにきました」。聞くと、お父さんも2代目オーナーとはディスカスを通じた顔見知りの仲。50年も店をやっていると、世代超えも珍しくないのです。
最後にKさん。海に近いエリアに引っ越してきて2年。アクアを始めてまだ1年。だのに水槽は10個以上。マジですか!「金魚、メダカ、グッピー、シルバーアロワナ、オスカー、ポリプなどですかね。あ、アカハライモリもいたりなんかします」。この日は奥様と小2の娘さんも一緒。魚が増やすことに反対とかは?「全然ないですよー(笑)」(奥様)。「店にきたらたぶん何か買うと思う(笑)」(娘さん)。この家族、理解ありすぎ。
結構長話をしてしまいましたがこの日はゴールデン・デルモゲニーを数匹購入。「鼻先が伸びている姿が可愛いでしょ?」と奥様。あれまー今日は奥様の見立てでしたか。ヘビーなアクアユーザーにはとても見えない物静かなKさんファミリー。このゆる~い感じが、魚にとっては居心地がいいのかも知れませんね。
今日お話を聞いたお客さんは偶然オール大阪市内。路面店の価値は、地域密着型であること。今やネット通販やホームセンターでも気軽にモノが買える時代になりましたが、お客さんとスタッフが顔を突き合わせて世間話をしたりマニアックなアクア談義をしてみたり。そんなハートフルなコミュニケーションが交わせるのも路面店ならでは。アクアという趣味を楽しみ長続きさせるためにも、やさしく背中を押してくれる天使が必要なのです。
◆これからもアワジヤらしさ
キワメテが初めてアワジヤを訪れたのは、2016年12月でした。今から8年前。店名は「アワジヤ」なのに、オーナーはなぜ「アワジダニ」?なんてどうでもいいことがきっかけで取材敢行したのがきっかけでした。
1階にいた若いモンの元気のよさに圧倒され、、、
2階のディスカスの仕上がりのよさに驚かされ、、、
ダイナミックなテラリウムに魅了され、、、
テラリウムワークショップにも参加してみたり、、、
2017年から2年連続で「ペット王国」KOTOBUKIブースでワークショップをお願いしてみたり、、、
元アワジヤスタッフのアクアリウムバーを取材させてもらったり、、、
2018年にはメンテ先の沖縄料理店の取材に密着させてもらったり、、、
2020年にはメンテ先の大阪府泉大津市の会社を紹介してもらったり、、、
そして今年10月には新婚ほやほやのアワジヤスタッフ・笹井君宅にもお邪魔したり、、、
改めて50周年、おめでとう!
いつ訪れても気持ちよく迎えてくれるし、どんな無理でも聞いてくれるし、耳の痛いことを言っても許容してくれる。それはまさにお客さんに対する姿勢と変わりないんですよね。50年経とうが100年経とうが、それは変らないでしょうし変わって欲しくありません。
夜更けて、店の前はなぜか路上ライブ状態に。ご近所のカフェのマスターも参戦。いかにもアワジヤらしいイベントのフィナーレ、これにてジ・エンド。
3日間お疲れさまでした。そしてありがとう。すべての人に、よい2025年でありますように。