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【ショップ】老舗路面店・女性店長の揺るがぬ「目線」☆55年の歴史はダテじゃない中村観魚園(京都市伏見区)

Posted on 2024年10月11日2024年8月17日 by ikedakoji

創業55年。京都のアクアショップとしては結構長い経歴。とりわけ伏見界隈で数少ない路面店として、昭和から半世紀の歴史を刻んできた中村観魚園。時は移り変わり、時代とともにアクアのニーズも激変。ユーザーが求めているものとは。地域にとって路面店の存在とは。どうぞ聞いておくれやす。

☆     ☆     ☆

◆秀吉ゆかりの地

京都市伏見区。その昔、戦国武将・豊臣秀吉が伏見城を築いたことで知られ、今では日本でも有数の酒造りのまちとして数多くの酒造会社が軒を連ねています。

 

江戸時代から幕末にかけては舟運も栄え、その名残りは今もところどころに。濠川をのんびり行き交う三十石船を中心に、人気の観光スポットにもなっています。

 

また、言わずと知れた坂本龍馬ゆかりの地でもあり、幕末ファンの姿も少なくありません。

 

意外だったのは、戦時中は日本軍の重要施設が多く点在していたこと。そういえば、日本軍の物資運搬のために宇治川に架かる澱川橋梁を撤去するしないで、軍と鉄道会社との間で大騒動になったこともあったと聞いたことがあります。

◆店内に番台?

そんな周辺の歴史を横目に、京阪宇治線・観月橋駅を下車。交差点を二段直進して西に歩いたところにお店がありました。駅から歩いて5分もかからない便利さ。

 

創業以来、周辺環境もがらりと様変わり。かつては宇治川のすぐそばにお店があったとか。お隣が釣具屋さんで、当時は川に並んでのんびり釣りを楽しむ人が大勢いたそうです。

 

そんなのどかなロケーションも、近年では都市整備が進み道路も京都外環状線や国道24号のバイパスが完成するなどして激変。車によるアクセスは格段によくなりました。

 

中村観魚園は、伏見区の中でも数少ない路面店。現在は、前社長(故人)に変わって、奥様の中村道子さんが取締役として経営に携わっておられます。

 

品揃えとしては、どちらかというとオールマイティーな感じ。生体と用品がバランスよく配置されていますが、割合的には生体のほうが若干多い印象。

 

まるで昔懐かしいお風呂屋さんの番台のようなレジまわり。といっても今の人たちにはわからないでしょうが。しかもお店のほぼ中央に堂々の配置。レジ前に座ると店内がほぼ見渡せるという設計も、前社長のこだわりだったそうです。現在は使われていませんが、シチュエーションは昔のまま。まるで博物館のようなたたずまいです。

 

こんな目を引くPOPも。お店がメーカーに寄せる信頼の証。前社長にとって、ずいぶんお気に入りのメーカーだったことが、力強い手書きのPOP からもよくわかります。胸熱じわり。

 

もうひとつ。過去にこんな商品があったとは知りませんでした。数10年前はコケリウムやテラリウムなどという概念もまだなく、このような遊び心満載の商品はきっと注目されたに違いありません。

◆幅広いニーズに対応

王道はやっぱり金魚。飯田産ミックス。金魚は近所の人が親子で買いにくるケースが多いようです。そんな金魚も、シーズンの夏が終わって一息ついているのかも知れません。

 

たまたまこの日、近くで金魚すくいのイベントがあり、数多くの金魚を納品する準備が始まっていました。

 

もちろんメダカも金魚同様、アクアの定番として根強い人気。つい最近、琵琶湖で観賞用メダカが発見されたという信じられないニュースがありましたが、簡単に飼えるからといって簡単に手放すのはやめましょう。

 

水草類も充実。メダカを外飼いしている近所の女性が、水草の補充にとちょこちょこ。

 

可愛いキャラのマナマズ。最初は嫌がっていたミニサイズの土管でしたが、今はすっかりお気に入りに。狭いところが好きみたいで、今やすっかりネコ化している様子。

 

シルバーアロワナのこれまた可愛いベビー。

 

古代魚のなかまと思いきや、スネイクヘッドの一種・プラチナカルムチー。古代魚や大型魚が好きなユーザーさん向き。このあたりがオールマイティーの所以。

 

川魚の大陸バラタナゴ。夏には弱いので水質や水温には結構気を使います。

 

今でこそ安価で買えるようになったアフリカンランプアイも、数10年前は1匹1,000円もした時期もあったのだとか。

 

日本産マリモ。もちろん養殖ものですが、お客さんには意外と人気。夏の暑さが苦手なので、真夏の外出時や旅行時は冷蔵庫に入れてから出かけるというお客さんがいたり、購入1年後に「少し大きくなった気がする」とうれしそうに写真を見せてくれるお客さんがいたりするなど、お客さんとのほのぼのとしたコミュニケーションにも一役買っています。

◆水槽極小時代

「こんなに暑いのにご苦労様です~」。エサをやったり、売れた魚を水槽からすくってレジに持って行ったり、終始忙しい店長の宇野恵衣子さん。この道30年のベテラン女性店長。それまではペット関連の専門学校に通っていて、休みの日には馬の世話をしていたという宇野さん。現取締役の道子さんからは、「あの人がいてくれないとやっていけないと思います」と絶大な信頼を寄せています。「わりと気楽にやらせてもらってるので、続けてこれたんだと思いますよ(笑)」(宇野さん)。

 

以前は男性客が9割以上だったという中村観魚園。アクアという趣味自体、対象のほとんどが男性でもある時代が長く続きました。

 

今でこそ女性ユーザーも増えて、「ここ10~15年の間で女性のお客さんも確かに多くなりました。特に10年ほど前からは若い女性が増えた気がします。やっぱり可愛い生体、メダカやウーパールーパー、ベタの影響が大きかったと思います」。

 

そんな時代を反映して、水槽も大きいものから次第に小さいサイズにシフト化。小さい水槽であれば、女性や初心者でも手軽に飼いやすい。「だから大きい水槽はうちでも店頭では置かなくなりました」。

 

自分が興味あるものではなく、あくまでお客さんが欲しいと思う商品展開を心がけている宇野さん。ホームセンターのインショップや総合ペットショップの台頭で苦戦はしていますが、初心者からベテランまでできるだけ幅広い層にも対応できるよう意識しているそうです。

◆ベタに愛をこめて

ベタが充実している気がしますが。「そうなんです、数年前からお客さんの要望が多くなってきたこともあり、意識して置くようにしています」。これぞお客様ファースト。

 

「以前はトラディショナルベタしかいなかったんですけどね。東南アジアの生産が盛んになって、色とりどりのベタが入るようになってきました」と、結構ベタ推しの宇野さん。

 

いざ置いてみると、初心者を中心に飼い始めるお客さんが増えたといいます。とはいえ、ラインナップは手軽に買える価格帯。特に顔がやさしいメスを多めに仕入れているそうです。「やっぱりメスは顔が可愛くていいですよ(笑)」と宇野さん、ベタはベタでもメス推し。

 

オスのプラカットハーフムーンギャラクシー。色がカラフルで、リビングなどに1匹いるだけでも周りの雰囲気を明るくしてくれそう。

 

真っ赤なボディが情熱的なクラウンテール(オス)。

 

真っ白い体色がキラリと印象的なオスのスーパーデルタ。

 

同じスーパーデルタのメスを隣に置いて、比較検討。「オスは闘争心が強いし体力も使うし、大変だなあって思うんですよ(笑)」。

 

水換えは毎日欠かさず。エサやりも定期的に行っているせいか、どのベタもすっかり人慣れした感じがします。

 

ふとベタを目当てにやってきたお客さんが。右京区からお越しのJさん27歳。今回2匹をお買い上げ。今年に入ってからベタを飼い始めてすでに6匹。「すでに卵を生んだ子もいて、色々調べて頑張って育てます!」と、Jさんにとっては中村観魚園に大きな信頼を寄せています。

 

ちなみに、宇野さんがいいなあと思った魚は、すぐに売れてしまうというちょっとした伝説があるのだとか。この日も撮影予定のオススメのメスは売れてしまったあとでした。お客さんと宇野さんのニーズはほぼほぼマッチ。迷わずベタで攻めていきましょう!

◆接客に強いということ

ゴールデンエンゼルやマーブルエンゼルのいる水槽はやたらきれい。

 

金魚のいる水槽とかも同じく。

 

ところが、店内の水槽のほとんどがアクリル水槽と聞いてびっくり。どちらかというと、経年変化やゴシゴシしすぎるなどして透明感が劣る傾向にあるアクリルですが、そんなダメージのある水槽が見当たらなかったからです。

 

すごいですね、アクリルなのに。「そうですか?あまり意識はしてないんですが、こすりすぎないようにはしています」。あり余る力でゴシゴシしがちではありますが、微妙な力加減やコツがあるのかも知れません。

 

「いえいえ、そんなことないですよ~(笑)」と宇野さん。ベタに寄り添う姿勢や商品構成、メンテ面など、きっと宇野さんならではの視点が反映されているような気がしました。

 

「うちにメダカがいっぱいいるんですけど、オスとメスの違いがわかりませんねん」。そんなご近所の高齢のお客さんにも、絵を描いてオスとメスの違いをわかりやすく説明。初心者に対してもこんなきめ細かい対応ができるのも、路面店ならでは接客サービス。

 

インターネットの普及も路面店にとっては脅威ではありますが、直接お客さんと接してないと得られないものが多くあるに違いありません。それが55年続いてきた中村スピリットでもあるのです。

◆ゆる~くはんなりと

55年前、ふとしたきっかけで知り合いの水草を扱うお店に進められて開業。中村観魚園の屋号も、当時から変わっていません。

 

前社長がいたころは、ワゴン車いっぱいに荷物を積んで仕入れから帰ってきたり、わざわざ大阪や弥富の金魚のセリ市にも繰り出したことがあったりしたそうで、いずれも今は道子さんの懐かしい思い出になっています。

 

「水草くださ~い」「赤虫はある?」などなど、今日もアットホームなお客さんとのやりとりがゆる~く飛び交い、はんなりとした空気が流れていました。

 

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