兵庫県にお住まいのYさん宅。
Yさんご家族とは、4月に神戸市で開催された「神戸レプタイルズショー2018」が縁でした。
水槽メーカーのKOTOBUKIブースの前でバッタリ。
色々お話を聞いていると、おうちの中でヘビやトカゲなどを積極的に飼育しているのだとか。
これぞまさしくヘビーローテーション(笑)
6月18日の大阪北部地震の影響もさほど受けず、かくして「キワメテ!水族館」初のレプユーザー訪問となりました。
◆ハンドメイドのレプ用ショーケース
真新しくてモダンな一戸建てが並ぶ住宅地の一角。まあ多くて5~6匹。それぞれ独立した飼育ケースが部屋に分散して置いてあるのだろうと思っていたのが大きな間違いでした(笑)。シンプルでおしゃれなリビングルームに入ったとたん待っていたのは、完璧なまでにユニット化された、驚異のレプワールドでした。
いやあ、思っていたイメージとまったく違いました。こんなにきれいにケージがユニット化されていたとは。まるで専用のショーケース。しかもそれぞれのケージに汚れなどがなく、ご主人曰く「いやいや、そんなに汚れませんよ。世話も楽ですし、とにかくカッコいいでしょ(笑)?」。イケメンのご主人も撮っといたらよかったー(笑)
縦横2×2mのスペースに、4段に積み上げられたさまざまなサイズのケージが計10個。ほとんどがご主人のハンドメイドと聞いて、さらにびっくり。サイズの大きさがそれぞれが違うのに、違和感がまったくありません。手先が器用なのでしょう、アルミで枠を支えてつくられたスライド式のガラスも完璧です。「サイズの大きいケージって結構高価なんですよ。自分でチャッチャとつくったほうが安上がりだと思って(笑)」、なんと1個2~3日で完成してしまうのだとか。まるでケージ職人(笑)
ユニットのすぐ横にはテレビがあり、子どもたちがテレビに夢中。今流行ってるのは「ベイブレード」。現代版ベーゴマといったところで、すぐ横にレプがいようがいまいが子どもたちは我関せず。「(子どもが)小さいころから飼ってるので抵抗ないみたいです」。いずれテレビを別のところに移して、南向きのリビングの壁面を全面レプコーナーにしたいとか。それにしてもこの子のカット、可愛すぎません(笑)?
結婚して10年。家を新築して6年。「それまでは引っ越しすることも考えて、大きなケージなどはつくれなかったんです」とご主人。「最初は生き餌が嫌だったんですが、だんだん慣れてきまして(笑)」と奥様。「でもこの家に引っ越す前に、私に内緒でケージの“設計図”を書いてたんですよ(笑)!」。外出するのも、レプ関連で出かけることが多いそうで、今やレプはご夫婦にとって欠かせない存在となりました。
2階には、専用のレプ工房があるのだとか。主にエサの保管場所ですが、ハンドメイドケージもそこででつくるそうです。餌の入った冷蔵庫もあります。「将来、子ども部屋になるところを使ってるんですけどね(笑)」って、じゃあ子どもたちが大きくなったら工房はどこへ行くのでしょうか、よそ事ではありますがちょっと心配でもあります(笑)
◆散歩もしてしまうサバンナモニター
それでは、お持ちのペットの数々をご紹介していきましょう。まずは一番下から。もはや貫祿たっぷりのサバンナモニター。「たまに近所で散歩させることもあるんですよ」。え、散歩?!「はい(笑)」。ご近所でもすっかり人気者で、子どもたちを介して“レプ友”もいたりなんかするそうです。
フトアゴヒゲトカゲ。レプ系イベントではすっかりおなじみの人気者。39.5で温度管理され、よくみると右の奥のほうではレオパの卵も同居しています。取材したのは少し前のことなので、もしかしたら今ごろ赤ちゃんが産声をあげているかも知れません。
続いてヘビ関連。カーペットパイソンジャングルジャガー。なるほど、ジャガーのような模様が印象的です。ヘビって脱皮しますよね?「自分でうまくできない時は、手伝ってやることもありますよ」。え、どうやって?「いらない衣装ケースにお湯を張って」。なるほど、お風呂ですね。「温浴させてやるとスムーズにいくんです」。きっと気持ちいいんでしょうね。「いや、最初はめっちゃ嫌がります(笑)」。まるで状況が目に浮かぶような。でも毎回うまく脱皮できているとは、これぞヘビニケーション!
ボールパイソンノーマル。実は、この子がわが家にやってきた記念すべき第1号。「ごらんの通り、今も元気です。ヘビの魅力?ゆっくりとした動作、独特の顔つき、捕食の動作など、どれをとってもカッコいいから!」とご主人。ペットでもなくアクセサリーでもなくインテリアでもなく。これは実際に飼っている人しかわからない世界観なのでしょう。「さわってみます?」いやまた次の機会に(笑)
ひときわ神々しい輝きを醸し出していたのが、ボールパイソンスーパーモハベペテロゴースト。3匹のヘビのうち、真っ白なナイスバディーで、1匹だけ異彩を放っています。「わが家では一番高価なんです」。わかります。どことなくオーラ出てますもん(笑)
ユニットの最上段にあるのは、カメレオンマンション。ケージ4個のうち、3個に3匹が入居し暮らしています。数あるケージの中で、これが最新のハンドメイドケージだそう。
この子がパンサーカメレオン(ブフォロナ)。あまり動かないでじっとしているので飼育が楽かと思いきや、「簡単そうで難しいんです。特に湿度と温度の管理がシビアです」。
この子はエボシカメレオン。なるほど、頭に烏帽子を被っているようでこの名がつけられたんですね。「飼育が難しいとはいえ、餌やりなどの日々の飼育は必要ないので、ある意味アクアリウムより簡単だと思います」。
恐竜のような大きなツノが印象的なジャクソンカメレオン(キサントプロス)。大きさがわからないと、まるで恐竜のようです。人間と同じように、どのカメレオンも日光浴が必要だそうです。
ということで、証拠写真はこの通り。奥様ののインスタグラムよりお借りしました。カメレオンたちの日光浴シーン。アーいい気持ちーと言ったかどうかは不明ですが、昼間っから見事なパフォーマンス(笑)
おお~、KOTOBUKIのヒュドラケース3133が、明るい窓の下のカウンター上に。精悍なブラック枠が、テレビやスピーカーとマッチしています。
ヒュドラケースの住民は、バハブルロックリザード。過去のレプイベントで購入したそうで、「生態は親しいショップで買うことが多いんですが、最近のイベントでも結構いいものが手に入るようになりました」。やはりレプブームが追い風になっていることは間違いありません。
あ、そういえば8月4日(土)・5日(日)には、ツインメッセ静岡で「ジャパンレプタイルズショー2018 summer」が開催されますよ~。
「ヒュドラケースは、前面のロックがケージと一体化しているのでカギをなくしてしまう心配がないのでいいですよ」。使ってこそわかる便利さ。それってある意味セールスポイントですね。
また、「ロックがしっかりしているので安心です。これでもか、というくらい硬めですけど(笑)」。まずはレプが逃げ出してしまわないように。ヒュドラケースは、安全第一設計なんです。
「将来的には、紫外線を必要としない生体を飼育して、色々な場所に置いて楽しみたいと思います」。ユニットではない分、どこへでもフレキシブルに設置できるのがヒュドラケースの使い勝手のよさにほかなりません。
◆これだけではなかった!Y家のレプコーナー
ひと通りペットを見せてもらって「まあお茶でも」となったのも束の間、リビングの真反対の対面キッチンにまたまたレプコーナーを発見。さすが対面キッチン、こちらは奥様所有のレプコーナーだそう。なるほど、お料理をつくりながら大好きなレプといつも一緒にいられるわけです。
キッチンカウンターには、奥様お気に入りのレオパなどが1匹ずつ入ったコンパクト水槽が4個。そして、水槽と水槽の空間から、奥様の料理が出てくるという段取りです。
レオパマックスアルビノ。ショップなどでよく見かける定番中の定番の人気者。「めっちゃ可愛いです!同じ種類でも個体によっては微妙に色合いが違って、それがまた楽しくて」と、レオパに関しては奥様の独壇場です(笑)
ほかにもレオパマックスノーアルビノやレオパラプターなどなど。レオパもヘビと同じように脱皮するので、温浴は必須。「指が小さいので難しいんです」と、奥様の苦労も絶えません。
お、レプ系イベントではすっかりおなじみのアリオンジャパンさんの脱皮促進剤が。評判通り、「結構重宝しています」。
そしてカウンターの下には、市販のユニット家具をうまくアレンジして、さまざまなレプが生息中。ちなみに手前の2つの大きなケージは、これまたご主人のハンドメイド。奥様思いのご主人、もう愛があればなんでもできる(笑)!
中にいたのはデグー。ごめんね~、起こしてしまって(笑)。ちなみに、この子たちの毎日のペットシーツ交換と餌やり、そして週に1度のケージ掃除は子どもたちの仕事なのだとか。飼育って子どもはなかなか長続きしないのに、うんえらい!
そしてフクロモモンガ。奥様の手の中で幸せそう~。なぜデグーやフクロモモンガ?「以前ウサギやフェレットを飼った際に、主人が喘息を発症したんです。それが原因かどうかはハッキリしなかったんですが、体毛が長い動物はダメなのかな、と」。以来、喘息は出なくなったそうです。
ちなみにこのフクロモモンガ、先日の大阪北部地震ではびっくりして飛び起きてパニック状態に陥ったそうです。可哀相に。ハリネズミやデグーなどは比較的影響を受けないのに、なぜなんでしょうかね。
ほかの水槽には、ミシシッピニオイガメやアフリカウシガエル、クラウンウェルツノガエルなどの両生類も。まるでゼンマイ仕掛けのおもちゃのようで可愛い~。
突然ですが問題です(笑)。この2匹、どっちがヤモリでどっちがイモリかわかります?
正解は、上がヤモリのホワイトスポットクロコダイルゲッコウ。もちろん爬虫類。そして下がイモリのオキナワシリケンイモリ。こちらは両生類。うーん、一度に覚えられそうにありません(笑)。一般的に陸棲みなのがヤモリで、水辺棲みなのがイモリ。つまり皮膚が乾いているのが爬虫類で、濡れているのが両生類と思っておけば間違いないでしょう。
このカウンターだけは現在アキの状態。いわばフリースペースで、ある意味ここだけはレプに侵されていないという(笑)。でもいずれは改造されて、ここにも奥様お気に入りのトカゲがズラリと並ぶ可能性は大。
ん?水槽の近くにはマニアックな図鑑が。おはあちゃんが子どもたちに買ってくれるのだそうですが、「いつもこれ系の本を選ぶんですよ(笑)」。やっぱり親子の血筋は争えません。
◆レプ派イコール古代魚派?
階段の横にアクアもいました!こちらの900水槽には古代魚が。プロトテルスエチオピクス。「ワイルドな姿がカッコいいと思い、急に肺魚が欲しくてアクアショップで買いました」。確かな根拠があるわけではありませんが、レプ好きの人は古代魚が好きなのかなと思ったり。ご主人曰く、「よくレプ仲間と話をするんですが、小型魚派はパルダリウムへ、古代魚派はレプにいくのかな、と」。わかるような気がします、なんとなく。
玄関には、600水槽に赤いオランダ獅子頭1匹だけがゆうゆうと。ある日、黒い金魚と出会って急に欲しくなったご主人。「それまで興味なかったのに、とにかく黒いのがカッコよくて。いったんあきらめたんですがまた欲しくなって、(奥様に)買ってくるよう頼んだところ、同行した息子がこれがいいと言い出して、買ってきてしまったんです(笑)」。あれまあ。金魚も色が黒だからと気に入ってしまうご主人、唯一の赤。さてさて、この先どうやっていくの。ご主人のビジョンが気になるところです。
以前は、日当たりのいい庭先でメダカを飼育していたことも。「飼育は楽でしたが、安全対策のための浮き草や覆いのせいでメダカの姿がまったく見えなくなってしまって結局やめました」。
リビングのテーブルは黒。全体的にインテリアは黒と白でほぼ統一。もしかしたらレプ好きの人はモノトーンがお好き?「それは当たってると思います」。ですよねー、グリーンやピンクが好きなレプファンって会ったことがないような。さらにいえば、ドクロのペンダントや大きなリング、ピアス、ブレスレットなどのアクセサリーを好む人も多いような(笑)
ふとリビングには、かの有名なスケールクラウンの絵が。「カッコいいでしょー?」あー、でもやっぱり黒(笑)。以前から欲しかったタッチの絵だそうで、レプ系のイベントでようやく買えたというお気に入りの絵です。
キーホルダーやぬいぐるみ、フィギュアもほとんどレプ系(笑)。愛情たっぷりで飼育されてきたレプたち、さぞかし懐いているんでしょうねと思いきや、「全然(笑)。食事の時だけですよ、近寄ってくるのは。そういう点でいえば、人間の顔を覚えるのか、そばを通ると寄ってくる魚のほうが人懐こいかも知れません」。
普段から気をつけていることは?「まずは温度管理ですね。パネルヒーターがあるからまず大丈夫なんですが、それより気をつけているのは、くる病(骨軟化症)です。これにかかると骨折することが多くなってしまうので、サプリを与えて防止しています」。ついでに言うと、Y家ではフクロモモンガ以外地震の影響はまったく受けませんでした。生物学的な立証はまったくありませんが、もしかしたらレプは地震に強いのかも知れませんね。
健康管理面だけでなく、レプの正確な情報はやっぱりショップがベストだとか。セカンドオピニオンのように、違うショップに同じ質問をして情報を得ることも多いそうです。「それとやっぱり、同じレプを飼育している者同士の情報の共有ですかね」。アクア同様、やはり横の連携が何より心強いのでしょう。
リビングのテーブルから、わが家のレプたちを見つめるご主人。これぞ至福の時。「ここからのながめが最高なんです」。ご主人、ナルシストですね~(笑)
レプは保温のみで飼えるし、ペットシーツに消臭剤をスプレーするだけでいいし、週に1回餌やりをするだけでいいし。何より、散歩に連れて行かなくてもいい。「カッコよくて飼育が簡単なレプ、もう幸せすぎます」と、シメの言葉をいただきました。
奥様から送っていただいた、とっておき画像。よくイグアナと間違われるサバンナモニター、日光浴が必要なレプたち、今日もしっかり散歩しています(笑)
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