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【ユーザー訪問/前編】アクアの原点は四国の清流・吉野川にあり☆温室ストーリー真っ只中の芹内晃彦さん(徳島県阿波市)

Posted on 2023年10月13日2023年10月3日 by ikedakoji

奥様に言わせれば、几帳面できれい好き。そして強い探究心とこだわり。地元・吉野川をアクアの師匠と崇め、ブリーダーズフェスタでもおなじみの芹内晃彦さん(徳島県阿波市)。3年前に自宅の敷地にアクア専用の温室を“建立”。ベストな飼育環境を突き詰めていけば、温室に勝るものはありませんでした。描いていた夢の到達点は、意外とすぐそこまで。阿波の温室ストーリーは、まだ始まったばかりです。

☆     ☆     ☆

◆吉野川に抱かれて

JR徳島駅から特急列車で約30分。やってきたのは徳島県阿波市。徳島というと阿波踊りやすだち、鳴門金時などで知られていますが、吉野川の存在も忘れてはなりません。

 

清流・四万十川と並ぶ四国の代表的な河川・吉野川。総延長194㎞は全国で13番目、川幅最長部は2,380mもあり、全国2番目という広さなのだそう。

 

日本三大暴れ川のひとつとしても知られていますが、こんなおだやかな風景を見ている限りはそんなイメージはまったくありません。

 

川の勾配が急なことで知られている吉野川には、増水時でも流されない潜水橋が数多く架けられていて、生活道としての役目を果たしています。ちょっと時代劇風。

 

水がとってもきれい。淡水域から汽水域まで、約80種以上の魚が生息しているそうです。

 

「私にとって、吉野川はアクアの師匠のような存在ですから」と、今回主役の芹内晃彦さん。子どものころからここで生まれ育ってきた芹内さんにとって、吉野川はまさにアクアの象徴であり聖域でもあるのです。

◆グッピーに衝撃を受けたアクア人生

おうちの前からは、阿波富士こと標高1,133mの高越山が見えます。今では住宅も増えましたが、「昔は田んぼばっかりでしたよ(笑)」。

 

おうちの菜園にはナス、トウモロコシ、ゴーヤ、大根、梅、ブドウ、サクランボ、ビワ、イチゴ、カキなどの野菜や果物を栽培。アクアも顔負けのうらやましすぎるラインナップ。

 

小さな池には、オランダシシガシラとコメットが仲良く泳いでいました。お待たせしました、ちょっと引っ張りすぎました(笑)。それでは早速芹内さんのアクア人生をご紹介していきましょう。

◆家族の協力あってこそ

――生きものは子どものころから好きだった?

「小学校の低学年のころから、田んぼや川にいるミズカマキリやサワガニをつかまえたりして遊んでいました」

――芹内という名字は珍しいですよね。

「先祖がおとなりの三好市で古くからセリの生産をしていたんです。セリの畑の中に家があったことから、芹内となったそうです」

――ご家族は?

「4人家族です。妻と娘2人です。私以外は全部女性でB型ですが(笑)」

――女性が多いと華やかですね。

「あまりアクアに関心がない妻にも留守中にエサやりなどを任せているほか、最近では次女も一緒にイベントにも同行してくれています」

――アクアブリーダーブズフェスタですね。

「去年から家族で出店するようになりました。それまでは生体のみの出品が主だったんですが、実際に会場でお客さんと接することができて、家族も楽しめたようです」

――アクアを始めたきっかけは?

「子どものころ、お祭りでやった金魚すくいが楽しくて。それが最初でしたね」

――自分で世話を?

「はい。30㎝水槽に入れて自分で水換えや世話をしていました」

――子どものころから魚が好きだったんですね。

「吉野川が師匠ですからね(笑)。川や海などに棲む水に関係のある生きものは、昔も今も大好きです」

――アクアリストとして本格的に取り組み始めたのは?

「高校生くらいだったと思います。グッピーやネオンテトラなど手軽に買える熱帯魚が主でした」

――その中でもグッピーとの出会いが特別だったと聞いています。

「外国産のグッピーを買ったのが、グッピーとの出会いでした。当時は自分の小遣いでも買えるグッピーでした」

――グッピーにもさまざまな種類がありますが。

「当時は尾ビレが三角のかたちをしたデルタテールのみで、国内ではグッピーといえばデルタテールが主流の時代でした」

◆衝撃的だったグッピーとの出会い

例/一般的なデルタテール(写真上/RREAアクアマリンネオンタキシード)とソード系のグッピー(※写真下/ブルースター スピアーテール)

――今もグッピーといえば、デルタテールが主です。

「長い歴史の中で、グッピーはデルタテール以外にもさまざまなかたちの尾ビレのタイプが作出されてきました。スピアテールやピンテールなどとといわれる品種がそうです」

――特徴的には?

「デルタテールのような大きな三角ビレではなく、ヒレがコンパクトでやや丸みを帯びていたりヒレの先端がシュッと伸びていたりするような尾ビレをしているんです」

――デルタテールとは明らかに違うかたちですね。

「初めて見た時衝撃を受けました。なんてカッコいいんだろうと。デルタテールはどちからというと、優雅、きれい、美しいというイメージがありますが、特にシュッとした尾ビレのグッピーに、なぜかどハマりしてしまいました(笑)」

 

ある意味、好みが分かれる2タイプの尾ビレのグッピー。ソード系のグッピーはまだまだ認知度の低い品種ですが、海外ではどちらも作出がさかんです。芹内さんたちブリーダーの努力の甲斐あって少しずつ認知度も高まっています(※写真はスリースポット スピアテール)。

◆温室なのにカフェ?

自宅敷地内には、メダカを飼育する環境が色々と。

 

こちらにも。

 

あちらにも。まさかこれが飼育環境のすべてではないですよね?「はい、違います(笑)」。じゃあどこに?おうちの中に水槽があるのでしょうか。

 

「ここです」。おおお、これは!「魚を飼育する温室です」。えええ、温室!?てっきり別館のペンションかと思いました(笑)。ドアを早く開けたいような、開けたくないような。わくわく感MAX(笑)。

 

これは!ドアを開けたらすぐに水槽がズラリと並んでいるのかと思いきや、芹内さんここは一体?「カフェ部屋です(笑)」。カ、カ、カフェ?なるほど、リビング家具やTV、雑誌などが置かれた素敵すぎるくつろぎスペース。今日はここでじっくり話を伺いますから覚悟しといてくださいね(笑)。

 

スペース的にはざっと5畳。窓からはやさしい日が差し込み、やさしい雰囲気。これまで多くの飼育環境を取材してきましたが、カフェ部屋があったのはここが初めて。いやはや、驚きました。素敵すぎて思わず嫉妬してしまいます(笑)。

 

カフェ部屋にひとつだけある水槽の主はアベニーパファー。「アクアに関心のないお客さんにも興味を持ってもらおうと思いまして」。なんちゅうプレゼンテーション(笑)。

 

アベニーの任務は、広報隊員だけではありません。温室にあるさまざまな水槽にことあるごとに“出張”して、貝の駆除に勤しむ清掃隊員でもあるのです。

 

おお、こんなところに発行部数世界一といわれる権威あるメディアのステッカーが(笑)。

 

これコンセントですよね?ずいぶん高い位置にあるような。「そうなんです。以前近くの川が増水した影響で、水が庭先にまで押し寄せたことがあるんです。それを考慮して、温室をつくる際に床を上げるだけでなくコンセントも水の影響を受けないよう高い位置に設計したんです」。

◆敷地面積は計10畳大

いよいよ温室の核心部分へ。何と美しい!アクア特有のにおいも一切ありません。そして4段に仕分けられた木製水槽棚に圧倒されます。一番上の段にはグッピーの成魚や幼魚など計15本、2段目にはグッピー以外にもビーシュリンプもいる水槽が14本、3段目にはグッピーの成魚以外にパルダリウム水槽など計12本、そして4段目にはビーシュリンプ、水草など計6本の水槽が置かれています。

 

反対側のスチールラックやスチール台には、パルダリウムやグッピーの成魚、熱帯植物など計9本の水槽が置かれています。

 

このほか、グッピーや冬はメダカの避難場所となる水槽が6本床置きされています。

 

唯一、オーバーフロー式の海水水槽が2本加わり、彩りを添えています。魚の内訳を聞いただけでも、グッピー中心だということがよくわかります。

 

チランジアやビカクシダ、パルダリウムなど、魚だけでなくエアプランツや各種植物も。すっかりアクアショップの様相。

 

もちろん給排水設備やトイレなどの水回りも完備。もしかして、カフェ部屋と同じくらいの広さでしょうか?「はい、こちらも5畳です」。すごいなあ、計10畳の温室とは。「いえいえ、これ以外にも長女の部屋が別に6畳分併設されていますよ」。撃沈。

 

ちなみに水槽に貼られた丸いシールは、毎日給餌を任された奥様用。シールのある水槽とない水槽とでは、エサの種類が違うのだそうです。

 

下の段にある水草用水槽はKOTOBUKIのロータイプ。大きく育ったエキノドロスsp.イグアス2009の上見を楽しむことができます。

 

海水の水槽では、幼魚体のまま大きくなったハマクマノミやスズメダイが泳いでいます。

 

パルダリウム水槽にはエキゾチックなカラーのヤドクガエルが数匹。エサをやると、奥のジャングルからゴソゴソと出てきてムシャムシャ。うまいのぉ~、って言ってそう。

 

すぐとなりの水槽にも色違いのヤドクガエルが。警戒心が強すぎて、なかなかカメラの前に現れてくれませんでした。

◆まるでイングリッシュガーデン

温室をつくってもうすぐまる3年。つくる前はレンタル倉庫を利用する方法も考えましたが、香川県のアクアフレンドの温室を見せてもらったのがきっかけで一念発起。ほお~、それほどのコストが。そこはナイショです(笑)。

 

おうちの2階から見た工事中の風景。工務店さんも、まさか魚のおうちだとは知らなかったかも。※

 

地面を1m掘り下げて断熱材が敷き詰めてられています。床下からの冷えを防ぐための工夫にほかなりません。※

 

鉄筋もしっかり入っています。手抜き工事は一切なし(笑)。※

 

だいぶ輪郭ができあがってきたころの温室。※

 

完成からもうすぐ3年。これがまさか魚専用の温室だとは、ご近所で知っている人も少ないかも知れません。

 

まるでイングリッシュガーデンのようなランドスケープ。完成度が高すぎて、温室の玄関先とはとても思えません。

 

鉢には、山で採取してきた流木とニューラージパール。

 

そこにはメダカたちものんびりそおっと泳いでいます。

 

几帳面できれい好きな芹内さんにとって、温室はまさに人生の集大成だったかも知れません。

◆自宅水槽ゼロ計画

温室の利点は何といっても、水槽が一括管理できる点。以前は自宅のあちこちに水槽が置かれていましたが、それなりに結構手間がかかりました。

 

特に温度管理。温室ならエアコンで一括管理ができるものの、芹内さんに言わせれば「温度管理がしやすい広さってあるんですよ。温室の定義は一定の温度を保つことができる部屋と考えているので、それに見合った水槽数とスペースでないと意味がないんですよ」。かくして、「自宅水槽ゼロ計画」は成功したのです。

 

見上げると天窓が。「生きものにとって、自然の光は欠かせませんからね」。案外気づくようで気づかない配慮。こんな工夫もまた良質の魚を育てる結果につながるのでしょう。

 

床の中央に排水可能な溝が切ってあります。

 

「水を吸い上げてここにつないで放っておくだけ。水換えも至って簡単です」。これだと床がビチャビチャと濡れてしまう心配もほぼありません。

 

水草水槽のために化学反応式のCO2発生装置を使っています。重曹とクエン酸を使用してCO2を発生させるそうです。

 

「60歳の定年を迎えたら、お店のようなものをしたいと思っています」。おお、やっぱり。すでにオークションサイトでも販売実績は豊富。それまであと7年。夢の実現は確実に近づいていっています。

 

温室のエントランスで奥様の幸江さんと。さて次回は、自慢のグッピーを一挙ご紹介。お楽しみに。

【後編へ続く】

※=芹内さん提供

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