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【ユーザー訪問/後編】絶対的推しはピンテール☆美しきソード系グッピーの世界

Posted on 2023年10月20日2023年10月20日 by ikedakoji

四国では稀少なソード系グッピーのブリーダーとして、また「アクアブリーダーズフェスタ」での出品者としてもおなじみの芹内晃彦さん(徳島県阿波市)。3年前につくった10畳大の温室は、メダカやグッピーたちのフィールドとなっています。小柄でありながら、細身の尾ビレに特徴のあるソード系グッピー。その中でもシュッとした尾ビレが魅力のピンテールの「カッコよさ」がバズる日も遠くないかも知れません。

☆     ☆     ☆

◆ブリフェスに出品&出展

今年9月に開催された「アクアブリーダーズフェスタ」。関西屈指のアクアイベントとして、今やすっかり定着。芹内さんも「なちゅらリーフ」の名前で出店しました。単に魚を販売するだけでなく、「会場で思わぬ出会いがあったりするのも楽しいんです」

 

屋号を示すゴージャスなタペストリー風看板は、奥様・幸江さんの手づくり。よく見ると、グッピー2匹の刺繍もゴージャスに。なちゅらリーフとは、「自然」と「葉」を融合させた造語。いかにも吉野川を師匠と崇める芹内さんらしいパフォーマンス。

 

今回は奥様の幸江さんと次女の理央さんも参加。家族で参加するのは2回目でしたが、しっかり接客も板について、「お客さんとお話しする機会はこんな時だけなので」と奥様のモチベーションも上がります。

 

出品魚は主にピンテールなどのグッピーがメイン。温室で育てた魚の中でも、その時に状態のいいベストの魚を持ってくることがポリシーという芹内さん。この日は特にギャラクシーピンテールが人気でした。

 

会場では「創作メダカ人気コンテスト」も行われ、色鮮やかなソード系のグッピーが来場者の目を楽しませていました。

 

写真上からエンドラーズHB ダブルソード、バイアスボトムソード、モザイクタキシード(コブララウンドテール)。

 

もちろん芹内さんも出品し、№11丹頂プラチナジャパンブルー(レッドスピアテール)が入賞。ジャパンブルーといわれる尾筒のブルーがきれいでした。

 

「出店やコンテストなどの機会を通じて、一般ユーザーにピンテーやスピアテールなどのグッピーを知ってもらうことが何よりです」と芹内さん。ブリフェスそのものも、会を重ねるごとに優秀なブリーダーさんの参加が増え、年々質の高いアクアイベントとして注目されています。

◆衝撃的だったピンテールとの出会い

特に意識しているのは、ピンテール。尾ビレの真ん中が針のようにシュッと長く伸びたような形状が特徴で、トップソードを絞ったタイプ、ボトムソードを絞ったタイプ、ダブルソードを絞ったタイプなど3種類に分類されます。とはいえテールが思いのほか崩れやすく、系統の維持が難しいといわれています。「だからこそ、作出のやり甲斐もあるんです」。

 

――そもそもピンテールと出会ったこと自体が珍しいケースですよね。

「10年くらい前でした。地元のホームセンターでタキシードピンテールに遭遇して衝撃を受けたんです」。

――ホームセンターにピンテールが?

「それまでデルタテールしか知らなかったのでインパクトが強かったというのもありますが、超安値で売られていたのにも驚いたんです」

――どのような種類だったのでしょうか。

「普通体色(グレー)のピンテールでしたが、タキシードの持つ尾ビレを大きくしたい遺伝子よりピンテールの遺伝子が勝っていたんです。だからさらに衝撃的でした」

――アクア人生を変えるような出来事だったのですね。

「それから数カ月して、衝撃的な出会いを果たしたピンテールを作出した人も同じ四国のブリーダーさんだったということがわかったんです。しかも隣県の香川の人で、縁というかそんな偶然にも驚いてしまいました」

――何もかも衝撃的だったんですね。

「ブリード面だけじゃないんです。温室をつくるきっかけになったのもその人の温室を見せてもらったからなんです」

――何と。

「今はもう家族ぐるみでお付き合いさせてもらっています。ブリフェスにもこられていましたし、現在もアグレッシブに活動されています」

 

ひとつの出会いをきっかけに、ピンテールのとりこになった芹内さん。オスと違って、メスは外見だけではどんな系統なのかがわからないことが系統の維持の難しさなのだそう。曰く、「いいメスをどう見極めるかにかかっています」。

 

その反面、卵胎生のため育てやすいなどのメリットもあるといわれていますが、温室があることでさまざまなメリットも生まれています。

◆ここが「カッコいい」芹内グッピー図鑑

何といってもカッコいいテールが魅力なんですと芹内さん。ピンテールもスピアテールも、それぞれに特徴があって確かにカッコいい。早速カッコいい温室で育てられているソード系グッピーをご紹介しましょう。芹内さん曰く、「ブリフェスなどのイベントで成熟魚をたくさん出店したので、今いるのは成長過程にあるグッピーがほとんどです」。

 

RREAブルースタースピアテール。エンドラース由来のブルースターのオスとスピアテールのメスで作出。ボディのレッドとテールのイエローがくっきりした体色が印象的です。

 

スリースポットスピアテール。エンドラース由来のスリースポットのオスとスピアテールのメスで作出。スピアテールの遺伝子はX染色体上にあるので、スピアテールを作出する時は必ずスピアテールのメスを使うそうです。

 

ブルースタースピアテールのノーマルタイプ。ノーマルタイプのほうがテールの色が薄くなっているのが不思議な感じがします。たまたまこの個体がそうなのでしょうか。

 

ギャラクシーピンテール。プラチナとレースの遺伝子を持つギャラクシーをピンテールにしてみたのだとか。プラチナとレースの遺伝子を合わせ持っているので、ゴールドがのっていてきれいです。

 

ギャラクシージャパンブルーピンテール。ゴールデンの体色が美しい魚。これからテールがさらに絞られていって、ピンテールへと成長していくことが容易に想像できます。

 

インゴットギャラクシーレッドピンテール。プラチナはY遺伝子より、レッドはX遺伝子より受け継いでいます。ソリッド遺伝子の影響でゴールドがのるのが特徴です。

 

タイガー体色Y型タキシードレッドピンテール。タキシード遺伝子が通常XYどちらにものっているのですが、こちらはY遺伝子にのみのっています。

 

タイガー体色プラチナレッドピンテール。こちらもダブルソードを絞りつつピンテールへと向かっていきそうな魚です。

 

ブルースターブルーソード。まだ半年の若魚。もっと成長して、きれいなダブルソードになるのを期待しているのだそうです。

 

ゴールデン体色シルバラードタキシードピンテール。ほぼ成魚。さらに繁殖を重ねて理想的なピンテールへと変貌を遂げていく楽しみな魚です。

 

この日は、ブリフェスに出品したばかりなので成熟魚は少なめでしたが、これからの成長が楽しみな親魚候補ともいうべき魚に触れることができました。若魚から成魚へと成長する過程というのは、見ていて本当にわくわくします。

◆新しい阿波ブランドにも?

温室ができる以前は、屋外を中心にしたメダカのブリードにも積極的だった芹内さん。今もさまざまな品種が豊富で、目を楽しませてくれています。

 

紅頭サファイア。普通のサファイアの中に、時々表れる紅入りの魚を交配に使い世代を重ねて出現率を高めました。※

 

光翠ダルマ。らせん光が入った緑光のヒカリ体型を作出。ハウスネームを『光翠』と命名。ダルマを主流にしています。※

 

三色サファイア。オリジナル交配による三色サファイア。赤が少なく青ラメが多いタイプで固めている途中だそう。※

 

紅玉キッシングワイドフィン。3色のキッシングワイドフィンをつくりたくて手持ちの紅玉を交配。※

 

緑光ヒカリ体型キッシングワイドフィン。緑光は芹内さん自身好きな品種ではありますが、珍しさもないためヒカリ体型にしてさらにキッシングワイドフィンに。※

 

五式スワロー。スワローはヒレの軟条が伸びるだけでとどまらず、二又、三又に枝分かれしてとても賑やかになります。※

 

メダカはすべて「なちゅらリーフ 阿波めだか」と、ちょっとしたブランドにも。もしかしたら、徳島県の新しいブランドにブラッシュアップしていくのも夢ではありません。

◆余生を送る魚たち

クオリティーの高い魚が育つのも、温度管理が行き届いた温室の優れた環境があってこそ。作業にも集中できて、「自宅水槽ゼロ」を実現しました。

 

グッピーに限らず、選別外の魚は専用の水槽で余生を送っています。これも70近くもの水槽が余裕で置ける温室あってのことですね。

 

温室の玄関先におかれた鉢もそのひとつ。芹内さん自らが山で採取してきた流木とニューラージパールをメインに、よく見ると余生を送るメダカたちが群れをなして泳いでいます。

 

「調子を崩した水草などを一緒に入れることもあります。水草の調子は時々チェックしているので、そのついでに水草の周りを泳ぐ余生を過ごす魚の健康状態も把握できますから」。

 

1カ月に1匹くらいは、あれ?こういう魚いたっけ?と首をかしげることもなきにしもあらず。「その時はすぐにピックアップするよう心がけています」。その結果は。。

 

一瞬、お宝発見!と喜ぶこともありますが、「大半はぬか喜びです(笑)」。とはいえ、ほんのわずかの確率ではあるものの、“真のお宝”が隠れていて後に活躍してくれることもまれにあるそうです。

 

グッピー本来の系統を維持していくのは難しいですが、そんなささやかな楽しみもある温室飼育。いやいや、芹内さんが丹精込めてブリーディングに打ち込んできたことに対するご褒美にほかなりません。

 

「これ見てください」。帰りの列車の時間が迫っていたころ、芹内さんが持ってきた水槽に入っていたのは、墨入り三色紅玉キッシングワイドフィン。グッピーではありませんが、「紅玉でワイドフィンは珍しいんですよ」。もちろん芹内さんイチオシ。

 

「いいでしょ~?」。太陽にかざして見る芹内さんの表情は、少年そのものでした。

 

久々の四国上陸取材、これにて一件落着!

※=芹内さん提供

 

 

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